2019-0622-man3210
万葉短歌3210 あしひきの3022
あしひきの 片山雉 立ち行かむ
君に後れて うつしけめやも ○
3022 万葉短歌3210 ShuF792 2019-0622-man3210
□あしひきの かたやまぎし たちゆかむ
きみにおくれて うつしけめやも
○=出典未詳。
【編者注】悲別歌(3180-3210、31首)の第31首。女。
【訓注】あしひきの(足桧木乃)。片山雉(かたやまぎし=片山鴙)[下記注。鴙(チ、ジ/きじ=雉)]。うつし(打四)[下記注]。
【依拠本注-片山雉】人里近い片山に棲む雉。「片山」は平野側の方にだけ傾斜面を持つ端山。〔以下は編者注〕10-1818片山木之尓 霞多奈引(かたやまきしに かすみたなびく)。
【編者注-うつし】「現し・顕し」。形容詞、シク活。(1)現実である。(2)正気である。古い未然形に「うつしけ」。(以上は『詳説古語辞典』参照) 「うつしけめやも」訓は、集中ここと、15-3752君尓古非都々 宇都之家米也母(きみにこひつつ うつしけめやも)の2か所。「うつし」は、04-0771打布裳(うつしくも)、07-1343写心哉(うつしこころや)、07-1362影毛将為跡(うつしもせむと)、08-1543移尓有家里(うつしにありけり)、など。