幸せづくりの家ものがたり

●「樹づくり工房やない」~日々の暮らしの中で思うこと、感じたこと●

住宅版エコポイント

2009年11月30日 | 建築・住宅関連情報
先日のニュースにあったように住宅版エコポイント制度が
できるそうです。

このところ建設業界はマンション業者の破綻にみられるように
かつてない不況にさらされています。
人口減少とともに、環境問題からストック型社会へと流れが
シフトして、住宅需要は益々冷え込んでいくでしょう。
さらに政権が変わって、コンクリートから人へと国家予算の
使われ方も変わっていくなかで、建設業界に明るい未来は
見えてきません。

そんな中で今回持ち上がったエコポイント制度は、はたして
住宅需要の起爆剤となるのでしょうか。
対象期間は来年の1年間ということですが、その詳細はまだ
あきらかになっておらず、注目されるところです。
今のところわかっている話では、現行の省エネ等級の最高ランクを
満足していれば制度を利用できるようで、供給側としては特別に
仕様を変える必要も無さそうです。

民主党政権になって景気が上向く要素が無かったところで、
この制度がどの程度効果を発揮するのでしょうか。
もらえるポイントが「どのような種類でどのくらいの金額相当になるか?」
事業仕分けで支持率が高まったところで、さらに大きな期待が寄せられています。
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左官を見直そう

2009年11月28日 | 家のこと
今回は左官(さかん)工事について。

左官とは塗り壁のことをいいます。
今日の建築は合理化と工期短縮が求められ
内外装ともに左官工事がすっかり減って
しまいました。

ローコスト住宅では、左官工事といったら
基礎外部の立ち上がり部分をモルタル
(セメントと砂を水で練ったもの)で塗る
くらいしかありません。
和室の壁も塗り壁そっくりなクロスが
貼られています。

このところ自然素材が見直され、内壁では
珪藻土や漆喰などが復活してきました。
外壁でもサイディングばかりが使われていましたが
モルタル塗りや火山灰を原料とした100%自然素材の
塗り壁が見られるようになりました。

工場でつくられた製品はデザインも豊富で
性能的にも優れておりますが、なぜか味気なく
感じられます。それに比べて人の手で塗り上げられた壁は、
多少凹凸があったりムラが出てしまいますが、独特の風合いを
醸し出すものです。

職人さんの魂が込められた仕事は
いつの時代も愛され続けるものですね。
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雨樋

2009年11月27日 | 家のこと
今日は雨樋について。

樋には軒先に付いた「軒樋」と
軒樋に流れた雨水を地面に伝える「縦樋」が
あります。

軒樋は、屋根から流れ落ちる水を受け取るため
半円状になっており、集水器と呼ばれる桝状の箱に
集められ、筒状になった縦樋に流れます。

軒樋は様々な形状のものがあり、半円形ではなく
先端に向かってとがったものなどは、屋根の勾配と
一体化して一見軒樋が付いているかわからないくらい
意匠的に優れたものもあります。
受け持つ屋根面積が大きければ、樋の断面も大きい
ものを選ばないと排水しきれないことになります。

縦樋は丸いものか角ばったものが一般的ですが、
意匠的にこだわりたい場所(玄関先など)では
クサリ状のものを採用します。

材質は耐候性樹脂でできたものが普及しており
金属製のものもあります。
やはり場所柄、耐久性が求められるのは
言うまでもありません。

最近のエコブームで、縦樋の途中に取水ホースを
つけてタンクに雨水を貯め、散水や草木の水やりに
利用するものが出回ってきました。
自治体によっては、この貯水タンク導入にあたって
補助金を出すところもあるようです。
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シロアリにご注意!

2009年11月25日 | 家のこと
大分市にある木造2階建ての道の駅物産館が
シロアリ被害に遭い、閉鎖して解体することに
なったそうです。
被害は梁や2階の柱まで及んでいるそうで
倒壊する危険性があると判断され、やむなく
閉鎖となったようです。

シロアリの恐ろしさをあらためて知らされた
ニュースですが、意外と軽く考えられている
風潮があるかもしれません。

新築工事でも構造体に使用する樹種によっては
防蟻処理をしなくてもよいことになってはいますが
どんな木でも完全に喰われないとは断言できません。
また、薬剤処理も一般的には5年間が保証期限で
それ以降は被害に遭う危険性があるということです。
いまのところ完璧な対応策は無く、被害に遭わないよう
目を光らせているしかないわけです。

シロアリは湿気を好むので、雨漏りを放置したり
水が掛かるところはよく乾燥させることです。
また、家のまわりに木屑などを置きっ放しにしたり
物をむやみに置いて通風を妨げないことです。

とにかく効果的な予防法が無い限り、いつでも
土台まわりや床下を点検できる状態にしておく
ことが肝心です。
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建築用語を知ろう(11)

2009年11月24日 | 家のこと
家の外装で破風(はふう)という部分があります。
軒天井と屋根が交わる一番先端の部分をさします。

屋根の下地で流れ方向にかける長い木を垂木と
呼びますが、この垂木の先端を本格和風建築では
化粧垂木(けしょうだるき)といって木をきれいに
削ってそのまま見えるように現したりします。

一方、一般的な洋風の家ではこの垂木の先端を隠す
幅広い板を取り付けますが、これが破風板です。

正確には、切妻屋根の場合の山形に見える屋根の
側面の先端部分を破風と呼び、屋根の水下部分の
先端は鼻隠し(はなかくし)と呼びます。

呼び方は違いますが、同じ材料を使い同じ色で
仕上げることから総称して破風と呼ぶように
なっています。

この破風板はサイディングと同じ材質のものを使ったり
鉄板を巻いたり、化粧した木を使ったりしますが、
外壁と同じように風雨にさらされる部分であることから
耐久性のあるものを使わなければなりません。
以前は木の板を使っていましたが、腐りやすいことから
最近ではあまり見かけなくなりました。

高いところですから、手入れするには足場が必要になることからも、
外壁と同じサイクルでメンテナンスできる材質を選定するのが良いでしょう。
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家を守る壁 その3

2009年11月23日 | 家のこと
今回は、外壁仕上材について。

今もっとも普及しているのが、サイディングとよばれる
板状のものです。
材質は、セメント成型加工されたもの(窯業系)と
金属系に大きく分かれます。柄や種類が豊富で
どのようなスタイルの建物にも採用できます。
金属のサイディングは軽量のため、既存の壁の上に
張り付ける方法のリフォームでも多く採用されています。

最近では太陽光で汚れを分解したり、雨水で
汚れを洗い流す機能のものがでてきています。
これにより長期に渡って美観を保つことができ
メンテナンスコストも抑えられます。

このサイディングは工場完成品を現場で
張り付ける扱いやすさで、工期が短縮できて
ひび割れも少ないことから飛躍的に普及しました。
現場で練って塗りつけるモルタル壁はすっかり
影をひそめていましたが、ひび割れしにくい
材料の開発と、目地の無い連続したデザインが
求められて、また復活してきています。

建築もその建てられた時代で流行がありまして
外観や窓枠の色で建てられた年代がわかって
しまいます。
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家を守る壁 その2

2009年11月21日 | 家のこと
引き続き外壁工事のはなしです。

耐力面材を柱に直接張りつけたら
その上に「透湿防水シート」という
雨水浸入を防止するためのシートを
張ります。

このシートは、水滴をはじきますが
水蒸気は通す優れものです。
雨具でありながら汗で蒸れないという
衣類でも同じような機能のものが
ありますよね。これと似た働きをします。

前回もお話したように、壁の内部で
内外の温度差による結露を防止
するために、壁は湿気を排出する
仕組みが必要で、そのために
特殊な機能をもったシートを使うのです。

そしてこのシートの上にもう一回細い
木材を打ち付けます。仕上の外壁材は
この木材の上に張りつけます。
この木材の厚み分が、外壁材とシートの間に
空気層をつくることによって、さらに効果を
発揮します。

具体的には

○外壁材が受けた熱を遮断する(空気も断熱の役目をします)
○上昇気流が起きて熱や水蒸気を外気に放出する
○万が一外壁から浸水しても直接シートに伝わらない

といったところでしょうか。

現在の工法は、昔の家に比べて
さまざまな工夫がなされているのです。
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窓ガラス拭き

2009年11月20日 | ふれあい日記
今日は午後から、完成した現場の窓拭きに行きました。
普通のお家を喫茶ギャラリーに改装したのです。

昔の喫茶店を思わせるこげ茶色でまとめた雰囲気が、とてもいいカンジになりました。

大きな窓からは庭もながめられてステキです。
カウンターから気持ちよく庭がながめられるよう、ピカピカに拭いてきました!
(わざとらしく掃除用具を置いて写真撮ってみたりして!)

できあがりの施工写真を改めて載せる予定ですので、アップしたらぜひご覧下さいね!
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家を守る壁

2009年11月19日 | 家のこと
今回は外壁工事についてです。

住まいの性能で重要なものをあげるとしたら
まず耐震性が思い浮かぶのではないでしょうか。

地震に対して抵抗する方法として、以前は
筋交いが一般的でしたが、今日では耐力面材と
呼ばれるパネル状のものを外周の壁に
張りめぐらします。

線で支えるより面で支えた方が強いのは
容易に想像できると思います。
また、パネルを外壁に使うことによって
断熱材が隙間無く充填できるメリットが
あります。

このパネルもいろんな材質があって
木質系の合板
火山性ガラス質系
無機質セメント系
など、どんどん新素材のものが開発されています。

パネルには多くの性能が求められます。
強度はもちろんのこと、長期にわたる耐久性
耐火性、耐蟻性、透湿性、断熱性、釘の保持力、
施工性といったところでしょうか。

このなかでも透湿性能が意外と重要なのです。
木造では壁の内部で起こる結露が、耐久性及び
構造耐力上、甚大な被害をもたらします。
この結露を防ぐために湿気(水蒸気)の
排出性能(透湿抵抗)が関わってくるのです。
壁の中に入り込んだ水蒸気をすみやかに
排出できる性質を持っているかということです。

壁はただ単に強ければ良いというものでは
ないんですね。科学的な性質も理解して
材料を選定することが大切です。
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在来工法がおすすめです

2009年11月18日 | 家のこと
木造在来工法では、上棟が終わると直ちに屋根工事に
かかります。
それほど規模が大きくなければ、上棟したその日に
屋根の下地板を張りあげて、雨がかからないようにします。
この作業を雨仕舞い(あまじまい)と呼んでいます。

木造在来工法は、雨の多い日本だからこそ普及したと思われます。

木はもともと水を含んでいますから、濡れたからといって使い物に
ならないわけではありませんが、和室など柱がそのまま見える
真壁造りにおいて、削ってきれいに仕上げられた木材は濡れると
染みが残ってしまうことがあるので、雨に気を使うのです。

2×4工法は比較的乾燥した国からやってきた工法で、熟練職人を
必要とせず合理的に考えられたものですが、屋根が葺きあがるまで
時間がかかりますし、必然的に密閉される構造のため気密性には
優れますが、高温多湿な日本では不向きではないかと思います。

建築がそうであるように、生活に欠かせない衣食住は、
やはりその地方の気候風土に見合ったかたちで定着して
いるのではないかと思われます。
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