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終了する連載、始まる連載

ポラロイド様から、「転機晴朗」が最終回になったことを惜しむコメントを頂きました。「転機晴朗」は人材紹介と派遣の大手であるインテリジェンス社のサイトに連載していた転職に関するコラムで、月二回掲載で、85回をもって最終回となりました。この連載の前半からは、「転職哲学」(かんき出版)という単行本も生まれましたし、転職やキャリアプランについて、割合自由に書けたコラムだったので、筆者としても愛着を持っていましたが、この度、インテリジェンス社がサイトをリニューアルされるとのことで、連載を終了することになりました(今後もまた何かが始まるかも知れませんが、現在、未定です)。

このコラムは85回分のバックナンバーが全てサイトに載っていますので、転職にご興味のある方は、是非お読みになってみて下さい。一本あたり2400字くらいなので、単行本2冊分くらいのテキストが載っています。もちろん無料です。
http://tenshoku.inte.co.jp/knowhow/yamazaki/

そういえば、この連載の後半は単行本化していませんし、「週刊ダイヤモンド」で連載しているコラム(現在は「マネー経済の歩き方」)は、かれこれ300回くらいになりますが、後の方の200回分くらいを、これまた単行本にしていません。もちろん、そのまま並べ替えて本にする積もりはありませんが、山崎元商店としては、書いた文章の使い方について、少し効率が悪いと感じます(反省材料!)。

始まる連載は、「オーマイニュース」の日本版で、「山崎元の経済用語の新常識」という連載です。800字から1000字程度で経済用語を解説する小コラムですが、毎週金曜日に掲載予定で、初回は今週の金曜日です。

「オーマイニュース」は、韓国で成功したネット新聞で、市民記者を使うことで有名ですが、日本ではどうでしょうか。市民記者の記事を読んで、裏を取り、採否を判断する、あるいはプロとして取材して記事を書く、といった、プロとしてのジャーナリストの仕事をする人たちに有能で熱心な人をどれくらい集めることが出来るかが、新聞の質と信頼性の確保のために重要だと思うのですが、今後に期待したいと思います。

私は、この種の「新しいメディア」には、何となく惹かれるものがあるので、現在、GyaOの「News GyaO」にも週三回出ていますし、オーマイニュースにも参加(ちょっとだけですが)してみたい気分になりました。

加えて、本決まりまであと一歩ですが、ある週刊誌で、新聞の比較読み(目下、6紙を予定)をする連載について交渉中です(3,4人の筆者で交替で書く予定)。考えてみると、随分、ニュース関係の仕事が増えることになります(あと「週刊SPA!」のニュースコンビニエンス欄も長らくやっています)。

実は、「評論家」を名乗ることがある割には、私は、ニュースに対する関心が乏しく、必要がなければ敢えて見ないし、知らないニュースがあっても気にならないという態度でした(つまらないニュースが多いのも、一方の事実ですし)。しかし、興味の幅を広く持つことも大事ですし、ニュースの報じ方についても、もっと見識を養うべきでしょうから、これからしばらくの間、ニュースをたくさん追いかける日々をやってみようかと思っています。
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コメント
 
 
 
Unknown (高橋将)
2006-08-31 08:59:51
山崎さんの「転機晴朗」は知りませんでした。まず、1回目を読みました。時間をとってじっくり読みたいと思います。



私は、1975年に早稲田を卒業後、すぐに渡米しMBAを取得しました。帰国後、半導体商社の輸入担当としてスタートし、2年後に精密機器メーカーに転職、複写機輸出で中近東、アフリカ、アジアに出張していました。7年後、グロソブの運用会社にアナリストとして転職し、その後米国FMになり、ブラックマンデーを経験。その後は米系、英系、スイス系、ドイツ系など外資系運用会社6社でマーケティング、プロダクトスペシャリスト(RFPの先駆者でした)を担当。現在の家業(段ボール製造と宝飾品製造)を継ぐために最後の転職(9回目)を2年前にしました。最初の転職の頃は、転職と言うと「お前会社で何かまずいことやったの?」と聞かれる時代でした。精密機器メーカーからの転職の時には、家内から「投信会社って良く分からない。まさか豊田商事みたいなんじゃないでしょうね(当時社会問題でした)」と言われました。転職をネガティブに見る時代の転職でした。運用業界に移ってからは(特に外資系)、逆に転職が当たり前の時代と業界になったので、家族も当たり前と思うようになりました。



転職の際には、自分の力をよりよく発揮できる環境があるかが一番の決め手としていました。辞める理由は、この社長の下では働きたくないと言うのが一番多かったですね。



転職直後に、社長に対して「私は会社に対してロイヤルティーを持ちません。しかし、仕事に対しての責任を果たして、会社に貢献します。」とハッキリ言いました。それを自分に対するプレッシャーとしていました。結果として、日本での知名度の低い会社でしたがPWSPC、PFA、地共連といった口座を獲得しました。



現在は、社員が死ぬ時、退社するときに弊社で働けてよかったと思える会社にすべく、鋭意努力しています。転職経験は、色々な社長を見たこと(特に反面教師となる人物が多かった)、使われる身の気持ちをよく理解できたこと、マーケティング時代の成功体験などは、業界が異なっても役立っています。



まとまりがなく、長い文章で申し訳ありません。



 
 
 
終了する連載、始まる連載 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-08-31 21:28:02
山崎様



ご無沙汰しておりました、今日インドから戻りました。



ジャーナリズムとは何か、広辞苑の定義に当たって語句を確かめるというレベルを超えて、こうした『山崎元商店ブログ』への参加を通じて、私は、これも報道の新しい在り方の一つではなかろうかなとの確信が少し前から固まっています。



Web空間に多くの方々=多くの見方や評価が集まり、コメントを寄稿しない場合でも元エントリーと他の方々からのコメントと其の遣り取りを見ている内にいつの間にか何となく客観性の形成が感じられたりand/or 自分自身の思考軸が固まったり、又は逆に形成されて行く世論とか其の目指す方向性とは別の思いが湧き出して来ては書物やWeb上の他の仕組みへと確認の為や知識の補充に泳ぎ出したり思考を重ねたりetc を誘導する、これこそジャーナリズムの機能だと思うのです。



『貯蓄から投資へ』の社会経済環境の大きなうねりの下で、山崎さんの『投資金融軸の窓』から広く遠く世界を見通す 見直すことには大変意義深いものを感じます。



少子高齢化社会で且つ近い未来に湧き出す団塊世代の多額資金も如何に効率的・効果的に資本活用へと正しく組み上げてゆくかに対する専門家としての使命感を基盤とする『山崎ジャーナル』は読み手自身のグレードアップ努力をも求め、大切な課題を投げかけていると思います。



もし心配事があるとすれば二つでしょうか

 (1) Web媒体の持つドカンと出てパット消えて仕舞う揮発特性

  (尤もこれは新聞・雑誌・TVも一様に等しく読み手側の意識の問題の方が重要か)

 (2) 広告を取らない山崎ジャーナルの経営財務基盤

  (失礼あればご容赦)



TVといえば主にNHK(それも報道番組と特別企画物)しか見なかった私が民放を視聴しWebを泳ぎまわったり、GyaOや少年タケシに見入ったりと最近特に対象メディアの幅が広がっていますが、それにも増してインターネットの作る電子空間での様々な人と意見が織り成すネットワークと其処への参加(双方向性)の素晴らしさを実感しています。



そうそうGyaOでの天木元大使と大鹿記者へのインタヴューと解説・リード役も、最早間違い無くジャーナリスト&解説論説委員の身のこなしそのものでした、Ohmy・Newsも期待しております。



見知らぬ人が初めて交換した名刺を見ながら思わず発する『あっ○○放送のジャーナリストでらっしゃるんですか』or『△△新聞にお勤めでしたか』が報道人としての認知のされ方・仕方として一般的な日本でも、ブログやWeb2の出現は明らかに従来のジャーナリズムとジャーナリストに変身を迫っているように感じます。



これぞジャーナリズム



P.S.そうそう『人を変えて仕舞うこともあるお金』と『福井総裁と宮内会長』の課題、また話を少し進めませんか。

 
 
 
こんばんわ。 (まさくん)
2006-08-31 23:22:22
山崎様のご職業は「評論家」なのですね!

難しく、非常に奥が深いご職業だと思います。

これからも、いろいろな企画での連載が始まるようですね!

ちょこっと、お願いなのですが、もしも、可能ならば、分かりやすい金融関連の数学の本を、山崎様が著して頂けたらなあ…と希望しています。

現在、書店で販売されている金融関連の数学の本は、非常に難しいものがほとんどで、JOBローテーションにより様々な職種に就くサラリーマンにとって、通勤電車内での学習は困難です。

理想を言えば、高校1年生レベルから始まるものが良いのですが…

ボリュームが多いので、当然、シリーズ化されて値が張ると思いますが、理解しやすい金融関連の数学の学習書についての潜在需要は、小さくないと思います…

ご検討を頂ければ、幸いに思います。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-01 02:57:18
>高橋将さま



波瀾万丈の職業人生の一端をご披露いただき、ありがとうございます。(今度、転職とキャリア形成をテーマに対談でもしてみたいですね!)



高橋さんの場合、たぶん最終的には「社長の視点」からいろいろな会社をご覧になったことが役に立っておられるのでしょう。



私はといえば、社員に徹する積もりもありませんでしたし、さりとて、社長をやりたいという意識もなく、多分、おなじレベルの「個人」として、社長も社員も見て来たような気がします。



>サイレントじゃないマジョリティー様



お久しぶりです(お待ちしていました!)。インドにいらっしゃっていたのですか。



ブログがどのくらいジャーナリズムなのかは難しい問題ですね。誰でもローコストに、情報を知らせて、議論が出来る、という意味では、ブログは画期的なメディアですが、これが十分にジャーナリズムであるためには、たとえば、自分の間違いに対して、大きなコストを支払うような(新聞で言えば部数が減るような)、いわば「担保」を差し出すことが必要であるような気もしています。この問題については、もう少し、ゆっくり考えてみたいと思っています。



News GyaOのアーカイブなどをご覧頂いたのですね。過分のお言葉ありがとうございます。インタビューの仕方については、思うところがあるので、そのうちに、エントリーに立てて見たいと思っています。



もちろん、「お金」と「福井さん」の問題もやっていきましょう。



>まさくん様



「ご職業は評論家なのですね」といわれると、自分でもちょっと驚きますが、このブログでの立ち位置は評論家で行こうと思っています。



世間的には「もう、評論家はいらない」といった言葉に象徴されるように、「評論家」というものの評判があまり良くないようですが、「論」が役に立てば、それはそれで、いいのではないか、と私は思っています。



国策に影響を与えたり、お金をたくさん稼いだりすることばかりが、「実業」ではないでしょう。



ところで、易しい金融数学の本を、とのことですが、そんな本があれば、私もまた読みたい、というのが正直なところです。「易しい数学」を正確に(間違いなく)かつ的確に(分かるように)書くためには、実は、かなり難しい数学まで知っていなければならないというのが、現実ではないでしょうか。数学のプロと共著という手はあるかも知れませんが、単独では難しいかな、と思います。
 
 
 
Unknown (hiro)
2006-09-01 20:26:45
私は教育学部出で、「実学」を学ばずに金融関係の会社に入りました。

社内の種々の試験では経済学部出身の同僚を上回る成績でしたが、体系的な勉強などしたことがないので引け目を感じていました。

そんなとき読んだのが岩田喜久男の「間違いだらけの経済常識」で、目からうろこが何枚か落ちた気がしました。まあ、それほどの経済学無知だったということです。

会社員時代は即効を求めて、雑誌等の経済関連記事を読み漁り、社内ではそこそこの論客気取りでしたが、会社を辞めて時間ができたのでマンキューやスティグリッツの教科書をじっくり読み、自分がいかに底の浅い知識体系しかなかったのかと恥ずかしくなりました。

今では山崎さんが唾棄するゴキブリにあこがれています。

山崎さんには、トピックごとの評論と同時に体系的な知識のための啓蒙活動を期待しております。
 
 
 
こんばんわ。 (まさくん)
2006-09-01 23:38:07
山崎様、お返事を有難うございました。

数学の専門家との共著といカタチで、実現できたら良いなあと、希望しております。

経済評論家では、故・高橋亀吉氏も有名ですよね。
 
 
 
終了する連載、始まる連載 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-02 06:25:17
山崎様



ジャーナリズムとしての役割や機能を果たすには相応の厳しさを自身に課すことが要求されナマナカな覚悟ではならないでしょうし又冷静に物事を見極める為の心構え、知識や経験、常に知識を更新して行く為の不断の研鑽も厳しく求められるものと思います。



また自分の志の公正さ・妥当性を果たして客観的に確かめ得るものか、自律も要求されましょう。



しかし其れらは可能でしょうし、そうした使命感を持つことは等しく全ての人に求められているものと思います。



顕名で活動される方は既に(山崎さんの言われる)担保を差し出して居られると私は考えます。



確かに難しい問題を含みましょうし、またブログの一読者が勝手な思い込みでの山崎さん活動をお志と違う方向で位置づけることの問題もありましょうから、慎重さを保ちたいと思います。 



ブログに参加させて頂くことで更に考えを深めて行きたく、また立ち寄らせて頂きます。
 
 
 
Unknown (s)
2006-09-02 11:04:04
影付き文字
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-02 15:35:57
>hiroさま



「ゴキブリ」は私が「リフレ派」を指す言い方として一部では妙に有名になってしまいました。私は、リフレ派の政策が財政拡張主義的なケインジアン(これも定義が曖昧になりがちですが)政策を含むものとして、方向違いの批判をしていたらしきことが、このブログをやってみて、飯田先生や、「韓流の好きなリフレ派」さん(通称「韓リフさん」?)のご教示で分かりました。ゴキブリに見えたものは、実は、コオロギであったらしい、という感じです。



金融政策は、資産価格(負債の価値も含めて)と景気と物価に影響するので、その使い方が難しいと相変わらず感じていますが、現在、私は、リフレ派に対して「唾棄」するような感覚は持っていません。



「体系的な知識の啓蒙活動」とは、大きな目標ですが、せめて自分が体系的な知識を持つべく、努力を続けようと思っています。



>サイレントじゃないマジョリティー様



ジャーナリズムの感覚と責任感を持つことはインターネットという公共空間を使う以上、全てのブロガーにとって、大なり小なり必要なことでしょう。



匿名の情報や意見というものが大切な場合もあるのですが、インターネットはもう少し実名中心のコミュニケーションになるといいのかなと思っています。情報に責任が生じて、情報の信憑性が高いコミュニケーションをする方が、実のあるコミュニケーションになるように思うからです。



ちなみに、NewsGyaOのスタッフに聞いた話ですが、日本のブログは6%強の実名発信比率である事に対して、アメリカでは、過半数のブロガーが実名である、とのことです。



とりあえず、私としては、情報や議論に正確を期することと、間違いがあると分かれば訂正することからスタートしようと思っています。山崎元商店の儲からないアンテナ・ショップである、当ブログの一応の方針です。
 
 
 
Unknown (Unknown)
2006-09-02 19:05:07
違法な指示を拒否することによっ

て、個々の官僚が不利益を被らないような保護措置が同時に必要だと思います←措置て何ですか。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-02 21:02:20
=======================

違法な指示を拒否することによっ

て、個々の官僚が不利益を被らないような保護措置が同時に必要だと思います←措置て何ですか。

=======================



私の書いた文章へのご質問だとすれば、この「措置」は、上司の命令を内容の違法性故に拒否した(或いは、告発した)官僚が不当に扱われないような身分保護の、立法措置を指します。現行法で何処まで対応可能で何が不足なのか、また、法律だけではなく、運用の仕方によっても実効性が異なるでしょうから、これら全体を指して「措置」という内容が曖昧な言葉を使いました。
 
 
 
物事を良く考える (Dialectician)
2006-09-03 00:15:23
山崎様

相変わらず大変精力的なご活躍、ファンの1人として頼もしい限りです。一体何時間睡眠をとっておられるんでしょうか、、、



自分がつまらないブログを始めるまでは殆どWebを観た事がなかったですが(この王様の耳が、ブログではなんと初めて読んだブログ)、以降いろいろチェックしてみて分かったことは、このブログは珍しいぐらい良質だということです。こういうこと言うと怪しく聞こえるかもしれませんがホンネです。



理由は幾つかあるでしょうが、主には管理者が物事を深く考える人、そう努めている人というのが感じられるからだと思います。そういう理由でここにコメントする人々もそういうタイプのひとが集うのだと思います。マジョリティーさんも、確かにサイレントじゃないかもしれませんが、マジョリティーと自称されるのはきっとご謙遜だろうと、、、



物事を深く考えると一言でいっても、それはシンドイ作業でしょうが、(経験で培われたバランス感覚で、直感的に判断できる事象も多々あるとは思いますが)山崎様におかれましては、新しいメデイアでもそのようなスタンスを維持していかれるよう陰ながら応援しております。

 
 
 
ブログをやってみて (山崎元)
2006-09-03 02:15:33
Dialecticianさま



過分のお褒めの言葉、どうもありがとうございます。あくまでも「過分」だとは思うのですが、今後の励みになります。



このブログは、始めてから、8ヶ月少々ですが、今のところ「始めて良かった」と思える状況になっています。



デイリーのページビューは、目下3千程度(漸増傾向です)なのですが、私としては、思った以上に多くの方に読んでいただいていると感じていますし、読者から頂いているコメントも良質で真摯なものが多く、大いに参考になっています。



誰が見ているか分からないという緊張感もありますし、いわゆる「荒れる」状況になるリスクもあるわけですが、今のところは、自分の自由な意見を発表できる機会を確保しているという安心感がありますし、意見という「商品」のアンテナ・ショップとして機能していることもあり、自分にとってプラスが大きいと判断しています。



詳しい総括は、開設一周年くらいの時期にでもやってみようかと思っていますが、Dialecticianさまも含めた、読者とコメント/トラックバックの参加者の方々に、大いに感謝していることをお伝えしたいと思います。



尚、私の睡眠時間は平均6時間です。40代のサラリーマンの平均値はこれくらいだったと思います。「時刻」が一定しないのが問題ですが、「時間」は何とか確保しています。
 
 
 
Unknown (NESPRESSO)
2006-09-03 21:17:18
まさくんさんのコメントに故 高橋亀吉氏とありましたが、山崎さんが第11回の高橋亀吉記念賞の優秀賞を受賞された時の論文は、現在どこかのネット上で読むことができるのでしょうか?

(東洋経済のサイトでは第18回以降のものしかアップされていません)

 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-03 22:10:14
>NESPRESSOさま



確か「官僚を逃がさない、官僚制度改革」というタイトルの官僚を論じた文章でしたが、残念ながら、ネットには載っていません。
 
 
 
諸々 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-14 23:17:05
山崎様



『獅童の指導』にコメントしていて加熱したのでしょう、2点書き漏らしました。



笛吹さんの番組は残念ながら見ておりませんので、視聴者が山崎さんのご発言・その時の物腰とともに如何に捉え得たかは申し上げられませんが、平素山崎さんの諸メディアでの発信内容に接している者の一人としては、全くご心配無用と思います。



別の金曜朝の番組は録画し損なった為に一部分しか見れませんでしたが、梅酒を本当に美味しそうに味わっておられました。←このコメントは獅童の指導欄への記載は避けたかったので此処にしました。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-15 04:40:06
サイレントじゃないマジョリティー様



本当に美味しい梅酒でした。最後に飲んだ、樽の香りのある梅酒が一番でしたが、アールグレイを混ぜた紅茶梅酒は、家でも出来そうで、良いアイデアと思いました。
 
 
 
もう一つの楽しみな連載 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-19 22:26:48
山崎様



『JMMメール編:第393回目Q:728貸金業法の改正案』への山崎さんの寄稿を読ませて頂きました。感嘆・感動です。



経済評論家として、経済の最前線で金融界の正しい発展へ真剣に取り組み活躍される方として、経済を勉強し続ける方として、経済を学問され続ける方として、人間の非合理性・非論理性・不思議さ・頼りなさ等を現実としてしっかりと捉え、且つ厳しくも暖かい目で見守り物事を捉える座標軸の源を革めて確認させて頂けた論説に感嘆し感激しました。



と言う事をお伝えしたくて、此処に書かせて頂きました(連載繋がりという訳です)。



『人間は・物事はかく在るべし』と言う単純な発想から自分を少し離して事象を見守ったり・考える事に私は不得手で、例えばホリエモン君は神聖な投資を危険で不要な投機に変えて仕舞う怪しからぬ者として村上世彰君と同様にどうしても許容してあげられません(良い面を見ようとか探そうとは思わないのです)。



従って山崎さんが同じ経済界に暮らしながら、時としてどうして彼等に向けても暖かい眼差しを持ち得るのか、不思議に感じつつもジャーナリストとしての立脚点を見ていましたが、経済に生きアカデミックに捉えようとする方の持ち得る視点の為せる技と言う新たな発見に思い至った次第です(今朝出勤前に読んでから先程まで考えていました)。



さりとてサプライサイドの立場の彼等を許す心は引き続き私には湧いてこないのですが、人やその人の為せる事象を捉える時の、懐の深さや視野の広さや冷静さの大切さ(は心で判っても行動では出せないのですが)を感じた次第です。



此処に集う皆様と共有すべく全文をコピー&ペーストする権限が無いのが残念です。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-20 02:07:42
サイレントじゃないマジョリティー様



こんばんは。JMMの拙文に、過大なご評価を頂き、恐縮しております。JMMは、読者のレベルが平均的に高いこともあって、私なりに、真剣に書いている積もりなので、じっくり読んでいただけると喜ばしく思います。



ファンド村上やホリエモンの立場が、「サプライサイド」なのかどうかは、彼らがそんな面倒なことを考えているかも含めて、多少の疑問の残るところですが、彼らも、デイトレーダーの兄ちゃんも、脳科学的には似た反応・判断をしているのではないかと思っています。



それにしても、銀行も含めて、金貸し業者の「目的合理性」には感心します。「弱い顧客」がひとたまりもないのは当然ですが、これをどの段階で救済すべきと考えるのかが、経済倫理思想の分かれ道なのかも知れません。



私は、まだまだ勉強不足dすが、何れにせよ、この辺りは面白いと思います。
 
 
 
科学する心 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-20 23:13:49
山崎様



『科学すること』そして科学したことを『日々の実践に活かせる事』は大切ですね(私にはいまだに難しい場合がありますが)。



「リバタリアン」・「脳科学」を例に採ってみても見事に反映されていると感じます。



高校時代の山崎さんには『やんちゃな聞かん坊』の時もあった由ですが(植草氏の話に関連しての一文)、誰しも胸に手を置いて耳を澄ませば『恥もありし若き日のくさぐさ』も多少はあるものでしょうか。



時代時代の経験を次のどう活かすか・活かせるか、修行の続く私です。
 
 
 
貸金業法の改正案? (Dialectician)
2006-09-20 23:51:28
山崎様

こんばんは

その試案・私案を読んでみたいのですが、、、、

今、訳あって金融関係法令にあたっているところで(金融商品取引法はじめ改正信託業法等諸々)、特に貸し金業法の改正(改悪?)は関心があります。

JMMというのは村上龍さんのやってるメルマガなんですね、早速登録しましたが、バックナンバーにアクセスできないようなので、その山崎様の法案が読めません。なにか方法はありますか?
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-20 23:56:07
サイレントじゃないマジョリティー様



「科学」は勿論大事ですが、「科学」を疑うことも重要ですね(それも科学の一部ですが)。私は、学ぶペースが遅くて、自分自身でいらいらすることがありますが、諦めずに少しずつ賢くなって行きたいと思っています。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-21 01:39:01
Dialecticianさま



もう発表されているものなのですし、無料のメルマガの文章なので、私が書いた文章を以下に貼り付けます。どうするのが、いいかということまで、具体的に書いたものではないので、余りお役には立たないと思いますが、ご笑読下さい。



========================

 グレーゾーン金利を廃止して、金利の上限を20%に一本化するもともとの方針の

背景には、そもそも年率20%を超える金利を返済することは難しいし、或いは少額

の消費者信用で気付かぬうちに年利20%以上の利息を取られているのは暴利だから、

年率20%を超えるローンを利用できなくしてしまうのが親切だ、という利用者保護

の考え方があります。



 この方針を利用者保護であると認めるならば、一刻も早く上限金利の低水準での一

本化を実行すべきでしょうし、そのための個人の破産に関する制度的手当と広報など

に手を尽くすべきでしょう。「激変緩和」などともっともらしい理由を述べ立てて、

行おうとしていることは、借り手保護ではなく、「貸し手保護」とでもいうべき、貸

金業者及び貸金業者への資金貸し手・株主などの利害関係者(外資系金融機関を含み

ます)の保護です。



「週刊朝日」9月22日号には、「業界配慮と弱腰金融庁と米国の影」と題する記事

があり、米国系の金融界筋から金融庁に圧力が加わり、消費者のニーズではなく、

「業界と米国のニーズ」によって、上限金利引き下げが骨抜きないし、大幅に先送り

されそうになっている、という趣旨の指摘があります。日本を米国の実質的な属国と

捉える視点からは、「いかにも、ありそうな話」と思えますが、もちろん、望ましい

ことではありません。



 ところで、先の記事には、利息の制限そのものに関する根本的な論点が含まれてい

ました。米シティグループなど有力金融機関が集まる「ファイナンシャル・サーシズ

・フォーラム」が与謝野金融担当大臣らに送った書簡には、「人為的な金利規制は経

済に悪影響をもたらす」という、金利上限引き下げに反対する理由が挙げられている

とのことですが、これが正当だとすれば、そもそも金利の上限を決めること自体が、

経済厚生を損なっていることになります。この議論の背景には、当事者どうしが合理

的に判断して、自発的に取引を行うなら、自由な取引こそが、最高の経済厚生をもた

らすはずであり、自由な取引の規制は有害だという、ある種の理想的自由主義の経済

思想が含まれています。



 一方、上限金利を制限する考え方の背景にあるのは、長期的・総合的には合理的で

ないと判断できても、短期的には、その場を楽にしたり(多重債務者の場合)、衝動

的消費を我慢できなかったり(そもそもの債務のきっかけ)、といった、人間には、

非合理的な弱さがしばしばあるので、返済が難しい条件の借り入れは、そもそも制度

的に不可能にすることが「親切」だ、という一種の「パターナリズム」(「父親的温

情主義」などという訳語があります)の視点があります。



 自由主義とパターナリズムの優劣を、一気に決着づけてしまうのは難しいことです

が、最近の脳科学の観点からは、人間はしばしば短期的な衝動に負けて総合的には非

合理的に振る舞うものだという事実認識が正しいように思います。その場合に、「だ

から、自由な取引を制限してでも、保護すべきだ」という結論に必ずしも直結するも

のではありませんが、自由・無規制の取引が常に望ましいという考え方には、一定の

反省が必要でしょうし、これは注意深く読んだ場合の自由主義の思想とも矛盾しませ

ん(自由な取引が無条件に望ましいのは、情報が完全な場合だけです)。また、米国

をはじめとする外国の法学・経済学的研究でも、人間の脳の能力の限界を重視する立

場のものが増えてきているようです。



 まだ論理的に厳密な結論ではありませんが、私は、貸金業に関しては、(1)借り

手の判断力と自制心は弱い、(2)借りること自体が第三者から見て合理的とは思え

ない、(3)弱い借り手につけ込んで大儲けをしている主体がいる、という事から考

えて、「判断弱者としての利用者を保護する」という立場に立つことが望ましいと考

えています。即ち、20%程度のレベルでの、金利上限の一本化を、早急に行うべき

だ、ということです。また、付け加えると、「命が担保」的状況を避けるためには、

消費者金融に伴う生命保険にあって、少なくとも契約後5年以内の自殺に対しては保

険金の支払いを行わないことを定めるべきでしょう。



 加えて、個人の自己破産に関する法制・周知・文化それぞれの面の整備が必要であ

ることに加えて、消費者金融を利用することが気軽で当たり前のことだといったイメ

ージ広告に対抗しうる「借金の不利と怖さ」の広報、更に、上限金利規制の実効性を

保つ努力が必要でしょう。金融庁の処分以来、子犬のコマーシャルなど幾つかのコマ

ーシャルが無くなりましたが、消費者金融はテレビ局側から見て依然魅惑的な有力ス

ポンサーですし、新聞・雑誌の広告もなくなっていません。これらの適切な規制も必

要でしょうが、借金がいかに不利で馬鹿馬鹿しく、また時には怖いものでもあるか、

ということに関する広範な啓蒙(いわば逆CM)が必要でしょう。「複利の効果」を

教えるべきは、長期投資のメリット以前に、先ず、借金の雪だるま式の膨張について

でです。



 また、利息制限の徹底が不十分な場合に、かつてアメリカの禁酒法がヤミの(非合

法な)酒販売ビジネスの収益を通じてマフィアを栄えさせたような状況を生む可能性

があります。たとえば、「週刊ダイヤモンド」9月16日号によると、質屋では年率

109.5%もの金利を設定できることを利用して、高級時計(実はニセモノ)をレ

ンタルし、グルになっている質屋を紹介し、時計のレンタル料、質屋の金利、質流れ

になった後の時計代(または同等品の新品)で儲ける、という驚嘆すべき「ビジネス

・モデル」が登場している(最近、東京神田に進出とか)ようです(この仕組みの巧

みさは、一読の価値があります)。尚、この「レンタル時計店」の顧客導入は、債務

整理を頼んでくる顧客を司法書士が「着手金を作るため」と言いくるめて、レンタル

時計店を紹介する形で行われることがあるそうです。金貸しを甘く見てはいけません。



 編集長のご質問に戻ると、貸金業法の問題は、先ず、根底にある経済思想を整理し

てから取り組まねばならない、根の深い問題だ、ということです。

========================
 
 
 
補足 (山崎元)
2006-09-21 01:44:47
上記、拙文の引用元は、9月18日配信号のJMM(Japan Mail Media)です。



尚、JMMは、村上龍氏が編集長をつとめるメルマガで、無料で購読できます。購読の申し込みは、http://ryumurakami.jmm.co.jp/

から出来ます。相当のテキスト量になりますが、何せ、無料なので、お得です!
 
 
 
経済倫理思想のこと (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-21 04:29:18
山崎様



ご丁寧な折り返しコメント、本当に有難う御座います。学ばれたこと、そして学ばれ続けることを広く世の中に役立てて居られるお気持ちと行動に感銘致すのは私だけではないと思います。

(貴御寄稿文の掲載にも僭越ながら御礼申し上げます。)



ダイアモンドの記事(=偽ブランド腕時計と悪徳質屋のカラクリ)には恐れを感じます。よく考え付くものです正に驚愕です。



善意の庶民の虎の子預金が回りまわって利息109.5%の貸し金のリソースに成っていない様にまた今後とも成らない様に、立派な看板を掲げる銀行のブランドを守り庶民からの信用を重んじ維持する意思と倫理感・責任感とプライドのあらんことを願う次第です。

 
 
 
貸金業法 (Dialectician)
2006-09-21 23:38:43
山崎様

ご丁寧にも貼り付け、有り難うございました。

貸金業法・利息制限法は随分地味な法律ですが(サラ金地獄・多重債務者が何十年かに一度のサイクルで問題になる暗いタイミングにだけ脚光を浴びる可哀想な法律)、けっこう原理問題というか哲学的というか、深い問題を扱うコードのようです。ここでは山崎様の御寄稿と同じように、細かい条文ごとの解釈・判例は避けて、フレームっぽい感想だけにします。



“小さな政府”=神の手・マーケットメカニズムに任せる、と“Paternalism”=お父さんのゴツゴツしてるけど分厚い暖かい手で守ってもらう、とのバランスをどうするかは、世界各国共通の問題のようです。それは所有権万能・契約完全自由の時代から近代への変遷を否定するのか(実はローマ法ですら制限されていたが)、または資本主義が牙を剥くのを許すのを、“近代をチョウコクした現代”などとしてもよいのかといった問題を提起してます。こんな大上段に構えた問題がもっとも典型的に具体化されるのが多重債務者、生活保護が必要なのに顧慮されない人(及びその悲惨な死)の問題です。日本でも、毎年餓死する人が出てきます(そのような中に、働けるけど働かない等というひとはいるわけがない)。教育勅語のような時代の教育に戻そうとか、憲法9条変えてもっと先軍主義アメリカにベッタリしようとか(軍備充実で安全になれるならどうして世界最大の核国家アメリカはベトナムやイラクに負けるのか、核ですら極小の爆弾を使った自爆“テロ”という解放闘争には無力ではないのか、そもそも敵かどうかを決めるのは外交・対話ではないのか)、美しい国とか、再チャレンジとか、英霊がどうのとか、の御託を並べる前に、やることがあるだろう、お坊ちゃんよ~、って言いたい。



前置きが長すぎましたが(しかも逸れたようですが)、自分の考えるルールは、お金を借りる人の層を四つぐらいに分類して、対応したらどうかということです。

A=特にお金に不自由しない層

B=多重債務になりかけの層

C=多重債務者層

D=飢餓線上の層



Aは単に現金の代用としてクレジットカードで買い物するというだけですから、完全な契約自由の原則でOK。介入不要でマーケットメカニズムだけでいい。こういう層には貸したい人・業者が沢山いるから自動的に低利になり、規制はほとんど問題にならない。



Bはかなり危ないので弱めのpaternalismが必要。今現在で高利で借りている何本もの債務が、低利の一本の債務にまとめると返済の見込みがグッと高まる層。普通に収入があって、単に無知・享楽的性向から高利に手を出してしまい、その高利負担だけがネックという層。例えばファイナンシャルプランナーみたいな人からカウンセリングを受けるように義務付ける。業者は多重債務者っぽい借り手が滞納し始めたら、“あなたはどこどこに行ってカウンセリングをうけなければなりません”と告知する義務を負う。カウンセリングでは高利の借金の怖いことを教えてあげるだけでなく、そういう層専門の業者(低利・長期の期限があるローン)を紹介する。通常の街金のみならず銀行系でも期限がないようだ。むしろ元本返してもらわないようにしている。“あなたはまだ~こんなに借りられます”って表示するだけ。今までは闇金に紹介していたのであるから地獄への案内人だった。これを再生への案内人役へと改めなければならない。長期なのでいつまた生活が弛緩するかもしれないので定期に面接を義務づける。その役は地域の民生委員でもいい。



Cはもう既にそのままでは再起不能であるから強めのpaternalismが必要。Bだったひとが低利長期ローンに組みなおせなかったひと。カウンセリング必要な点でBと同じながら、その内容に“自殺など考えないで自己破産しなさい”、と薦めてあげる。これだけでも随分違う。そもそもなんで現状でも、死ぬほど苦しんでるひとがこの制度を利用しないで、死んでも返すとか、死んで返すとか依怙地になるのか不思議です。自己破産制度のサンクションが厳しすぎるのか(いくら厳しくても死ぬほど厳しいわけがない)、依怙地なのか(そこまで行ったら名誉もへったくれもないだろ)、無知なだけなのか、さっぱり理解できません。片目・片肺でも売って返せ、などとスゴムのはエジプト時代?のガレー船で鎖つけられながら漕ぐのと勝るとも劣らない鎖で債務を繋ぐものであって、市民社会では許されない公序違反です。



Dは冒頭に書いたような飢餓線上の層。ここではマーケットメカニズムなどの余地はなく、paternalismだけです。憲法25条の生存権の実施です。現状の生活保護のような硬直した制度とは別に国か地方自治体が緊急に金を貸す。民生委員が証言をして必要性を疎明するなど工夫する。おにぎり配るなどのNPOだけに頼っていてはダメだ。欧米の教会みたいに日本でも寺や神社ももっとなんとかがんばってもらいたいですが。



以上簡単に、いかにもカズィスティックに羅列しましたが、現実にはそうきれいに分類することすら簡単じゃないでしょう。しかし、一応そのように分類し分類ごとの対応を手当てしたうえで、上限金利自体については基本的には(Dは勿論別)マーケットメカニズムに任せるというのがよいのではないだろうか、というのが私見です。日本の業界・規制は上限金利とは別の問題が多いと考えるからです。



ちょっと考えただけでも、出資法との二重基準(厳密には一重だけで=金額別の15~20%の利息制限法だけで、これを超えると債務は発生してはいない。自然債務は発生してるが。出資法は利率についてだけいえば、刑罰を科す利率を規定してるだけ。)、みなし弁済、みなし金利などルールが複雑すぎる・判例法との乖離がありすぎる、業者が公正証書を違法に作成してることを知っても役所は黙認、テレビCM・雑誌でガンガン宣伝、免許業のメガバンクが違法金利を知りつつバンバン街金に融資、などなど。そもそも返済無理筋にドンドン融資できる、貸しっぱなし(期限なし)ばかりで元本回収はやらない、総量規制がない、個人の信用格付け情報が乏しい(全情連でも業種ごと、例えば街金系、信販系、銀行系等々で仕切りがあり相互の情報交換ができないらしいなどで)ので正確な信用情報が不足するぶん、金利を高めに設定しがち、などなど、、、、、



そもそも判例は昔から利息制限法所定の計算を超えて払ったら元本のほうが減り、そうして既に元本もなくなったらなのも債務のこらず、元本なければ利息の生じる余地はないとして、族議員がくっつけたみなし弁済規定を死文化して久しいのに成文法の改正を怠ってきた議会の怠慢はあまりに不当。しかしそれはさておき、、



上記の、上限金利以外の弊害をまとめるとこうなるでしょうか、、、、

契約自由の原則という近代市民社会の大原則は、当事者双方が対等であることが前提になっているところ、貸金の世界では知識・情報が偏在すること甚だしいのだから、神の手に任せたりしたら即悪魔の手に委ねられることになるのに放置した、契約自由の前提を欠いているのに見てみぬふりをしてきたという側面と、個人信用情報の不足で不必要に高利になり逆に業者に巨利をもたらしてきたという側面、とがあることす。



逆にいえばそういう点に手当てさえすればマーケットメカニズムに委ねてよい、むしろそのほうが金利は下がるはずだ、ということです。



そういうのは比較法も無視できないので、調べたことの一部を簡単に書きます;

アメリカでは上限金利自体がない州がある。ほとんどの州では、免許受けた業者には上限金利がない。無免許業者にはある。ドイツフランスではテレビCMなどない。ここまで書いて字数制限なのか、、調子悪いので別に投稿します、、







 
 
 
続き、、 (Dialectician)
2006-09-22 00:53:46
イギリスでも上限金利がない。家庭訪問の貸金業者とうのが昔から多かったようだが(100%前後らしい)クレジットカード業などの競争に勝てるわけもなく衰退した模様。競争原理で自然に金利低下した例。

フランスでは上限金利規制あり、しかも変動する。三ヶ月ごとに、中銀が市場金利平均を公表しそれに130%掛けたのも。違反すると刑罰。過払い分は民事で返還可。利率低いと、利益出すために大ロットで貸す傾向であるらしい。ドイツでは判例法確立してて、暴利性の基準は18%あたりらしい。

ドイツ・フランスとも大抵は銀行が貸す。規制が複雑で借り手はほとんど理解していない、という点は日本に似ている。ただ銀行がやってるか街金がやってるかの違いで違法金利の実体は随分異なるだろう。銀行で借りられない層だけがローンシャークと呼ばれるとこに行くらしい(たぶん日本でいう闇金だ)。

アメリカに戻すと、あちらでも一時期多重債務者問題が深刻になったようで(また近々に問題になりそうなアメリカの景気ですが)、そのときのカウンセラー実施による改善効果は相当あったらしいです。上記の投稿で自分がカウンセラーによる対応と書いたのはこれがヒントです。階層別の対応とか義務付けとかは独自ですが。山崎様の寄稿で、判断弱者というキーワードを使って主張されているのと同じ方向だと思います。



今回の改正で、二重基準がなくなり、従ってみなし弁済もなくなり、かなり分かりやすくスッキリすると思います。総量規制もいい方向と思います。それでも上記に挙げた、上限金利規制以外の弊害、についても改善が必要だと思います。これは特例金利の期間制限を2年か5年か、とか、特例金利は25%か29%か、みたいなことよりも重要なもののはずです。政府は『資産運用』の勉強とかとか『貯蓄から投資へ』みたいな浮ついたこといってる暇があったら、こういうリスク管理について十分啓蒙する責務があるはずだと思います。そしてこれは上限金利を何%にするかという問題すら小さな問題にするほど重要なことでしょう。



①このような『根底にある経済思想』を整理・啓蒙したうえで、②個人信用情報を整備して業者をして過度にリスク分上乗せすることのないようにして、③上記のような分類別の手当てをすれば、法律上の上限金利がいくらだろうが、自然と健全な利率に落ち着いてゆくだろう、と考えます。長すぎて、また纏まりも無くて恐縮ですが、自分の頭の整理も兼ねて一気に書いてしまいました。



 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-22 15:26:27
Dialecticianさま



充実したコメントありがとうございます。勉強になりました。



要は、アルコールやタバコの危険を啓蒙するがごとく、高利での借金がいかに不利で間尺に合わないもので時には危険か、ということに対する啓蒙が必要なのでしょうし、「依存症」的な患者にはカウンセリングといった治療が必要だということでしょう。



依存症としての借金にどう対応するか、また、依存症患者をダシにした商売をどの程度許すかという辺りが肝心なのだろうと思います。



たぶん、「自由な取引は常に合理的である」という前提だけでは、議論できない問題なのでしょう。
 
 
 
Unknown (Dialectician)
2006-09-23 21:07:44
山崎様

『勉強になりました』などというのは、勿体無いないお言葉です。

少し前までは外国為替取引でも株取引でもトランザクションコストが高すぎるとか、情報の偏在とかで、フェアマーケットが成立しにくかったのに、最近では随分フェアになりました。その分一層のこと、貸金の世界はフェアマーケットを成立させる余地が極めて高い分野だと思います。最近その辺りを調べてますがそのうちもしいいアイデアが浮かんだら、MyBenchMark様にご相談に伺います(笑)
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-24 00:12:08
Dialecticianさま



弊社には、貸し金を商売にするほどの性根の据わった社長がいないのですが、アンチ借金に関する啓蒙くらいなら手掛けてみようという意欲がありますので、良いアイデアがあればご教示下さい。
 
 
 
新規事業 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-24 08:22:09
山崎様 Dialectician様



本当の自由競争をベースに『少しでも正しい世の中を戻す志を軸に持つ適正金利の消費者金融』会社を作りませんか、っと言うアイデアを持っています。

ませんかと言うのは皆様との協働を前提に考えているからです。



倫理担当は自信を持って引き受けます。

 
 
 
Unknown (Dialectician)
2006-09-24 20:00:12
サイレントじゃないマジョリティー様



サ・マ様にそういって頂けるのは心強いです。

コンプライアンスかシステム構築担当はダメでしょうか?与信管理も必須だし、、結構大変そうです。
 
 
 
情報の共有 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-26 21:18:09
山崎様



今日定期購読している二つの経済雑誌と一冊の本を読み(終え)ました。

1)週間ダイヤモンド2006/9/30号『勉強で「負けない投資家」になれるか』

2)日経ビジネス2006/9/25号『特集 グーグルはなぜタダなのか』

3)「現役大学教授がこっそり教える 株式投資『必勝ゼミ』」榊原正幸(著)PHP出版社2005年4月刊)



1)連載『マネー経済の歩き方』。

山崎さんにご講演を依頼に来られた会社の方々は著作はもとよりネット上だけでも此れほど多く公開されているものを全く事前に読まれなかったのですかねえ?! 何とももったいないことです。

投資情報サービス会社のセミナーに参加されるであろう方々はお気の毒ですね(講師がどなたに決まるかは知りませんが)。

山崎さんのLost Businessも残念とも思いましたが、きっとご公演後に主催者とは面倒な議論になったのではと想像すると無駄な時間を費やされず良かったのだと考え直しました。



2)Googleの仕組みと果たす役割・及ぼす影響を解説した記事。

此れまで疑問に感じていたグーグル事業存立の経済的な基盤・成り立ちが少し掴めた気がしました。

が、それ以上に感じたことがあります。

山崎さんのオープンさの根源を感じたと同時にフィロソフィーの共通性も垣間見た様に思います。



3)ホンネの投資教室。

やっと16回の半分まで辿り着きました。

と思っていたら39回(←これはちと難しそう)が追加され秋のまたまた逃げ水現象です。



ブログを通じ楽しみつつも情報・知識共有の底力を盛り上げる為に微力ながら貢献したいと思うのですが、何時も無償の受講生役ばかりで申し訳ないなとの気持ちも重なります。



折角読んだもの、私ひとりに留めてはもったいなく思い、寄稿しました。



ダカーポの『短文上達法』特集も一所懸命に実践した積もりですが、どうも上手く行きませんでした、今回も。

 
 
 
消費者金融のあるべき姿 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-26 21:22:19
山崎様 Dialectician様



金融事業会社の設立Draft趣意書は後日 試案・私案を作成してみたく考えております。
 
 
 
fair market (Dialectician)
2006-09-26 22:00:13
サ・マ様



マジ、ですか?

自分は、いたってマジですが。

ただ自分は貸金それ自体には興味がなく、それ周辺って感じです。趣意はきっとサ・マ様と同じです。

 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-27 00:33:44
サイレントじゃないマジョリティー様、Dialectician様



金融は古くて新しいビジネスなので、いろいろなアイデアを世に問うことには意義がありますね。アイデアの有効性という意味では、我々が実行しても、我々でない誰かが実行してもいいわけですから、せっかくのネット時代なので、アイデアを世に問うてみることは賛成です。



(ただし、そんなに旨い話は滅多にないと思いますが、本当に儲かる話だったら、密かに始めましょうね!?)
 
 
 
Fair且つOpenな金融Market (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-28 20:41:59
山崎様 Dialectician様



仰る通りです、意見の一致を見ました。



そうですね水平線に儲けの可能性が見極められたならば、其処からは密かに始めたいのですが。

1)ネットでオープンに言い出しっぺをして仕舞ったので此れは駄目(アイデアの製造物責任もあり)。

2)基本的にグーグルをベンチマークする積もりですから公開原則です。

3)多重債務者の増加食止めと減少及び正しい消費車金融の広がりの実現(暴利闇金の一掃)及び教育・啓蒙が目的ですから国も参画の責務を持つこととなります。



マジです、但しこの後をご精読下さい。

1)私の持分の自己資金=創業資本の源はこれから稼ぐ株式投資からのリターンを充当する予定です。

2)山崎元投資カレッジの卒業にあとMinimum9ヶ月を要します。

3)山崎カレッジの参考書「投資必勝ゼミ」榊原ゼミで学んだB・Iクウォドラントとしての事業ですから、卒業後の実践的経験期間も含めると、卒業後2-3年を要すと予測します。

4)人生(此れまでもそして今後も)三分の二マジで三分の一冗談の生き方ですが、『冗談』寄りの『マジ』境界線上での発想です。

5)目標70歳まで現役期間中(残り15年)でのプロジェクトの一つです。

5)Dialecticianさんは為替のプロとして金融・数理センスを(法理の熱心なご研究成果も)お持ちとお見受けしますが私はこのドメイン人生初チャレンジです。

(現在古着の青ナミのスーツ50数着と現金○○○○万円の目先のキリギリスです。)



と言うのが実態です、と白状しました。
 
 
 
困った (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-28 20:47:10
山崎様



脱線します。

最近エントリーと特にコメントの寄稿が激増で『Recent Comment』欄での直近寄稿先検索が難しくなってきましたね。



素晴らしいこと&ご同慶の至りですが、私などは何処に寄稿させて頂いたかたまさかに迷子になります(だらしが無いとのお叱りは甘んじて受けますが)。
 
 
 
fair market 2 (Dialectician)
2006-09-28 22:45:16
山崎様・サマ様



サマ様のオープン・正直なご投稿、むしろ一層感銘を受けました。

アイデアは見つけました(あまり儲かりはしないモデルですが)。しかし資金的な面もさることながら、未だにモデルの面で金融関係法令上の問題がはっきりクリアーできてません。最後の一ひねりが必要だと思うんですが、それがなかなか思い浮かばない。明らかに知恵不足で、、、、、もうちょっと勉強します。
 
 
 
Unknown (山崎元)
2006-09-28 23:53:11
サ・マ様、Dialecticianさま



フェアな金融道は有意義なプロジェクトですね。



私などは、木村剛さんのように、本当に会社を作って実験を始める金力と実行力がないので、彼には「評論家は役に立たない」と言われるわけですが、「なにか良いこと」を実現すべく、気長に考えましょう。



株式投資で簡単に資金ができるかというと「?」ですが、株で儲けたお金で世直しというのは、悪くない夢の持ち方だと思います。







ところで、コメント欄の交通整理(特にrecentコメントの表示)については、私も悩んでいます。今は、各エントリーのコメント数の数字を何となく覚えていて、増えていたら、見ているのですが、この方法だと、古いエントリーへのコメントに対処できません。



「できるgooブログ改訂版」という本でも読んで、改善の方向を探したいと思っています。
 
 
 
fair market 3 (Dialectician)
2006-09-29 00:42:20
山崎様、サ・マ様



すみません、書き忘れてました;

1.金融・数理センスはすごく悪いほうです。そんな  こと言われると赤面してしまいます。

2.考えている案では多重債務者は減らす方向です   が、残念ながら世直しというほど立派なものでは  ないです。
 
 
 
持続させたい『志』 (サイレントじゃないマジョリティー)
2006-09-29 05:48:24
山崎様 Dialectician様



有難う御座います。 ありがたいコメントを頂きました(毎度のことですが改めて)。



儲けること(のみ)が優先される結果となる世界に長く身を置き、心に置き忘れて来たことがある様に感じている我が身です。

最終コーナーからは世のお役に立てることを追求したいと思っております。慎重に真面目に気長に取り組みますので宜しくお願い致します。



コメント欄の件:人様から頂戴するご返信に気付き読むのが遅れる失礼があっては拙いとの思いから書き込ませて頂きました。

山崎さんのエントリー(と皆様のコメント)の累積は既にどれ位のヴォリュームの本に成りましょうかね?



自分自身の寄稿文の整理整頓の必要性を感じたのが発端です。 目下検討中の対応私案・試案は別途ご提言する所存です。
 
 
 
残念でも感謝 (サイレントじゃないマジョリティー)
2007-06-27 22:31:12
山崎様

今朝楽しみの一つオーマイニュース更新版を拝読に立ち寄り、驚愕しました。
43回を以って連載終了とは!!
どこの連載でも同様ですが、経済・社会の先行きを見据え持つべき視点と対応策のご提示のある経済用語の新しい解説も大変示唆に富む、楽しみで自分なりに考えを巡らせて見る好機の有益な連載でしたからとても残念です。
かくも短期である事が当初からの予定とは思えないのですが、まあ背景は詮索致しますまい。
有難う御座いました、山崎元商店オーマイ支部のご努力に、一ファンより、こうべを垂れつつ感謝の意をお届けします。
 
 
 
replica handbags (knockoff handbags)
2011-11-21 20:10:18
Nice hosting! It’s my first time to read like this article.
.
uyrsuy
 
 
 
マオ (knockoff handbags)
2012-02-06 23:04:11
小沢一郎氏はあれだけテレビでもお金の問題が流れているのに、そのまま残っているのかという事・・・あまり政治のことは分かりませんが、それが率直な感想です。
またブログ読ませていただいて勉強します。tgwst
 
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