前かがみ

海綿体が訳もなく膨張する思春期の日々があった。
中学生の頃は悩んでいた。下半身が勝手に膨らんできて背筋を伸ばして歩けなくなる。ポケットに手を入れて前かがみで歩くようになった。
その姿勢は今でも抜けない。思春期の猫背のまま年をとってしまった。アタマの重量が引力に逆らえなくなって支えきれなくなったからだと思う。背筋、首の筋力が衰えたのだろう。
アタマデッカチはいけません。行動するのだ。姿勢を正すのだ。

舞台で使う石を拾いに海幸大介と弓削神社の近く白川に行って来た。
還暦前後の男ふたり、冬の温かい日差しの河原は気持ち良いが、「男ふたり」は怪しい。
昨年5月「透明人間」公演の時は大量の空き缶が必要だったから、酒屋に仕入れに行ったところ「業者と契約しているからダメだ。」と断られた経験がある。
今回は自然物の石だから無断で借用することにした。終わったら自然に返します。
この石には意味がある。石に歴史を感じる。つまり命を感じる。
どうやら石に魅せられたようだ。眺めているだけでも考え深くなる。
稽古では「立ったままの死体」のポーズがある。それを劇でも取り入れた場面数箇所ある。
石が見本である。
石拾い終了後、弓削神社でお参りした。人間のオーラは何処から発せられるのか、その謎が解けたように思った。
いよいよ公演直前である。公演会場であるお寺がパワースポットになる。満員御礼でパワーは満たされる。
役者が前かがみの姿勢になる時、時間が逆流する。古代から目に見えない者たちを呼び寄せる姿勢だ。

劇団夢桟敷 No.66公演！
透明人間三部作第２弾その２
「火の君、鳥の物語」熊本版

時）2015年1月30日（金）・31日（土）
　 両日共19:00開演（開場は30分前です。）
場）法泉寺 本堂
　　熊本市中央区安政橋際
料）前売予約2000円（学生1500円）／当日2500円
　　メール受付 yumesajiki@ybb.ne.jp
　　電話予約 090-4581-5190（制作）
（注）登場人物キャスティングについては東京公演とは入れ替わっております。
　夢現／工藤慎平／肥後丸.／太郎ピーチマンション／海幸大介／山南純平
　【スタッフ】坂本咲希／東田まなみ／KAREN
【協力】岩永南都美・李準（熊大演劇部）／大谷豪（仮面工房）
　次回公演では東京公演報告（「火の君、鳥の物語」パンフレットをお渡し致します。
　尚、終演後アングラトーク流山児祥氏のDVD(15分編集)放映があります