山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

劣等生の力

2009-01-13 23:59:40 | モノローグ【エトセトラ】
 なーんだ、オレは大した人間ではないんだ。と気付いたのが16才、高校に入学した頃だった。上には上がいるもんだ。あいつらと違う。・・・それから40年、この気持ちは持ち続けている。年季がが入っている。ここまでくると劣等生なりにプライドさえ芽生えてしまう。人からチヤホヤされずとも自分で自分の価値を判断する。人の顔色を伺うわずらしさから開放される。
 
 優等生は辛いのだと思う。人の期待に応えなければならない。頑張りすぎて鬱病になったり、自殺した者さえいる。打たれ弱いのだ。

 俳優の中にも「私は褒められて成長します。」なんて抜けぬけと言ってのけるのが増えてきた。怒られるより、褒められる方が気持ち良いに決まっている。気持ち良いところで芝居やっているから、ダメなんだよ。そう言っても彼らには通用しない。頭の中は点数制度で固まっている。数の評価を求めてくるのである。
 百点満点なんて言ってしまうとオシマイ。そこで成長が止まってしまうではないか。言われると、その程度で終わりか、と絶望する。  

 褒められずとも、叩かれても下手だと言われても劣等生は転んで立ち上がる力がある。俳優はそういうタイプが向いている。
 周辺にいる若い演劇人を見ていると、劇団の集団形成は類は類を呼ぶことを実感する。私は力強い劣等生たちに引かれ続けてきたのだ。

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