山南ノート4【劇団夢桟敷】

山南ノート4冊目(2008.10.3~)
劇団夢桟敷の活動や個人のことなどのメモとして公開中。

錯覚の風景【病院】

2013-02-08 05:14:56 | 「レミング」2013
◎遊戯療法について【場面11】

アパートの一室が病院に早変わりする。場面転換ではない。思い込みである。
壁が消えたことによって発狂した人にはよくある現象である。つまり、なんちゃって症候群。正気と狂気が曖昧な病気なのである。
場所の問題ばかりでなく、登場する人々の立場も転換する。イシャと患者が入れ替わる。お医者さんごっこである。
軽く「ごっこ」を楽しんでいるようだが療法としては重い患者に用いられるのだ。
ローリングプレイ。
「レミング」自体、演劇療法といっても過言ではない。

患者の一団が犬のマスクをつけて通りすぎて行く。
2013年の今、放射能が広がっている現実では笑いごとではなくなった。危機を感じているのは少数だろうか。
多数は目に見えないことに安心しているのだろうか。
これも狂気の沙汰だと思うのだが・・・。

寺山修司は挑発する演劇。政治よりも、こっちの方が過激で面白いよと挑発していたのだった。
今、挑発する意味は?・・・ある。目に見えない敵とは<謎>そのものの中にある。
錯覚の風景の中で彷徨う迷宮。歌えやオドレ!