コンビニでの買い物の際、丁寧語を使われているのだけれど、ただの「挨拶語」になっている。だから却って無視される。東京に行って、電車に乗るといちいちドアにはさまれるな、手すりにつかまれなどと丁寧にいうが、うるさいばかりでだれも真面目に聞いていないのではないか。思うにそれは会社側が何かの時責任をとらないための、口実のようにさえ聞こえる。
それと同時に、上から目線などという言葉も、この5年ほどで定着したらしい。一つには悪しき平等主義というものがあるようにおもう。学校の教師と生徒が同じ目線であるわけがない。教師、生徒という立場を超えるともちろん一人の人としての尊厳は大切なことである。このことは目上の人に対する言葉や態度などもとうぜん大切なことである。人というのはいつも関係存在のなかでしかいられないのだから、だいじなことなのである。しかるに、上から目線という言葉が、流行るのは前述の過剰な丁寧語が流通するなかで、「上から目線」を避けるため、へりくだりの言葉を軽く口にする。それは誠意を示すためなどではなく、あとあと発言の揚げ足をとられないための方便に過ぎない。と思うのだが。