山形の森 保守醒論

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疑問が残る、新国立競技場のデザインA案(隈研吾・大成建設)採用決定の公表理由。

2015-12-22 19:21:39 | Weblog
政府は、新国立競技場の建設について、隈研吾デザイン案の採用を決めた。
(NTV)報道によると、「施設のユニバーサルデザインや木材を利用した日本らしさ、屋根や観客席の構造などの項目でB案(竹中工務店JV)がA案(大成建設)を上回っていたが、逆に配点の高かった事業費の縮減や工期短縮などの項目で、A案が大幅に上回っていた採点の結果。」とされる。
疑問が残るのは、事業費(約1500億円)と工期短縮の項目(五輪開催前年の2019年11月末)を決定要因としていることである。
両案ともに、同じような事業費、工期を提示しているなかで、A案は信用できるが、B案(工期提示)は信用できないとでも判断したのであろうか。
2項目以外はすべて(デザイン的要素の5項目で)、B案が上回っている採点公表からも、疑問は拭えない。
まさか、技術提案等審査委員会とのヒアリングで、当初設定の条件(事業費(約1500億円)と工期短縮)を上回る条件に応じられるのか(設定条件変更)、とでも議題となったのであろうか。
事業費約1500億円からのさらなる削減、デザイン案決定が遅れて間に合わないとされた、2019.9ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会に、再度、間に合うように工期短縮(半年ほど前倒しで、2019年春頃)を求めたのであろうか?。
そうでなければ、理解しがたい決定理由である。
(村上周三委員長談)19日の審査では、採点の偏りが出ないよう事前に「仮採点をして、なんとなく相場観を見てから本採点をした」、とは何を意味するのか。
ここに、「解せない。」と感じる、工期提示(の共通理解)に係わる談合がなされたのでは?、と疑問とされる点でもある。 
さらに、「エッ」と感じたのは、遠藤五輪担当相の「(公表された審査員7人による採点結果は)A者610点、B者602点との報告がありました。A者が優先交渉権者になりました。大成建設、梓設計、隈研吾建築都市設計事務所、共同企業体であります。」とのコメントである。
「A者(共同企業体)が優先交渉権者とされた」との表現である。
今後、A案共同企業体との実施設計に向けての具体的折衝を進めるなかで、もしかしたら、僅差のB案共同企業体に交渉権者が移る可能性も含んだかの微妙な言葉である。
国内スーパーゼネコンが参加した、2つの案で争われ新国立競技場の建設問題。
スッキリしない選考審査委員会で決定された公表理由である。


 
コメント (3)
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