福士の無謀な挑戦に、指導者の選手管理は適切か？

1月27日に行われた大阪国際女子マラソン（北京五輪代表選考レース）で、“トラックの女王”福士加代子は、見るも無残な敗北を喫した。
東北生れ（青森）の長距離ランナーには珍しいタイプで、これまでもレース前後で奔放な発言を繰り返していた。
それだけに結果は“マラソンを舐めた無謀な挑戦”と映った。 「マラソンは30キロから」とはよく言われる言葉だ。
取組む選手は完走するために、練習で40～50キロ走をこなして本番に挑む。 それでもリタイアすることもまれにある。
福士の「30キロ過ぎで急に目や足に違和感を覚えた。長居陸上競技場が見えてからは頭の中が真っ白になり、全く記憶がない」との談から、最後のトラックでの笑みを感じさせる表情は、自覚の無い夢遊病者の笑顔だったのだろう。
準備不足とはいえ、練習不足で挑んだ競技姿勢に疑問を持つ。
“最長で32キロ走を１回こなしただけ”という選手にマラソン出場を許したワコールコーチ陣の指導管理体制の不適切さを思わずにいられない。
ともあれ、これで「マラソンの勝利者」として輝く、これまでの日本人選手の偉大さが際立つことにもなった。
日本選手によるオリンピック三連覇に期待がかかる。