稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

映画「草原の輝き」(1961)

2017年06月21日 | 日々
 BSでエリア・カザン監督の「草原の輝き」。

 1920年代のカンサスを舞台にした青春映画。

 お互い高校3年生同士のバッドとティーニー(ナタリー・ウッド)は相思相愛の仲。

 しかし、婚前交渉は罪悪という倫理観が支配的な環境のもと、愛と性の問題に悩むなか、
二人はこじれてしまい、やがてティーニーは心を病んで精神病院へ。

 療養中、ティーニーは病院で知り合った若者との結婚が決まる。
 バッドは中退した大学で知り合った食堂の娘とすでに家庭をもっていた。

 退院後、ティーニーはバッドが経営する牧場を訪ね、バッドと再会。

     

 お互い、未練をもちつつも、もう後戻りできない再会だ。
 
 ティーニーがバッドの子どもにも会い、バッドに別れを告げるところで映画は終わる。

 順調なら二人が夫婦となり、子どもも設けたであろうものが、
ふとしたことからそれぞれ別の道を歩むこととなってしまう人生。

 ティーニーがバッドの子どもを抱き上げたとき、
「この子は、本当なら私とバッドの・・・」との思いをもったのかもしれない。

     

 映画の最後でバッドが言う「人生って不思議だと思う」、この言葉は縁の不思議さ
をよく語っている。

 それでもワーズ・ワースの詩「草原の輝き」でもって、人は力強く生きていくべしという、
ここに込めた製作者たちの想いはたくましく、前向きだ。

 その意味で、この作品はよくありがちな青春モノとは一味違う名作だ。
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