稲村亭日乗

京都の渓流を中心にルアーでトラウトを釣り歩いています

村山君との再会 人の顔というもの

2012年02月25日 | 日々
 村山君のこと
 その昔、ぼくが中南米フォルクローレのバンドを組んでいた頃。京都産業大の学生の中にもグループがあり、そこに村山君(仮名)もいた。
 和歌山県出身で、確かケーナを吹いていた。

 その後、村山君とは年賀状だけの細々たるつきあいとなってしまっていた。
 が、最近「村山君は○○社串本支店長らしい」という人づての話。

 訪問
 先日、郷里串本へ帰省した折、その支店を訪ねてみた。
 支店内を見渡したが、それらしき顔は見えない。
 伝え聞いた話はまちがいか?と思ったが、受付で「こちらの支店長は村山さんでしょうか?」と尋ねる。
 「そうですが・・・」との答え。
 受付員は奥の上司らしき人に取り次いでいる。
 『(アッ、あの顔や、村山君や)』とぼくは気づく。

 なんと、小柄で痩せ型だった村山君、顔は丸々し、背広もきゅうくつそう。
 その村山君、「??」という顔でこちらへ近づいてくる。
 そうしてやっと破顔。ようやくぼくに気づいたようだ。

 何十年ぶりの再会を喜んで
 突然の訪問だったため、あいさつだけして帰るつもりだったが、応接室に通され、ついついお互いの近況を長々と談じることに。

「神田さんが串本出身とは知りませんでした。顔も変わられましたねえ。街で会ってもわかりませんよ。」
「いやあ、村山君こそ」等々。

 
 人の顔というもの。永らく会わぬとホントにわからない。 

 ぼくらは旧知の人と気づかぬままに、すれ違っているのかも知れない。


  (和歌山 串本の町)

コメント (2)
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