若い捕手が同チームの先輩捕手を追い越していくには、圧倒的な打力があるとか先輩捕手の肩や動きが著しく衰えた場合が多く、リード面を評価されて正捕手になっていく例は非常に希と思います。入団1年目から起用され24年目の今年まで殆どを正捕手として過ごして来た谷繁元信の場合、彼を脅かす様な存在の少なさもあります。彼自体抜群の打撃力を誇る訳ではないのですが、主に下位打線を任される捕手という重労働のポジションから考えると、多くの年は満足させられる打撃実績を挙げていたと思います。又今年のシーズンオフ42歳を迎えるのですが、捕球能力や肩の強さが著しく衰えたとも感じさせない点もあるかと思います。もう一つ見逃せないのが彼は決してスター選手ではないという事です。レギュラーになってからの打率は2割台前半から最高は3割丁度ですが、かっての野村克也と違いそれ程打撃成績を問われる選手ではないという事があるかと思います。去年今年のイチローがそうですが、以前が素晴らしかった選手は成績の衰えが目立つのですが、谷繁元信の場合幸か不幸か目立つ様な成績を挙げていた訳ではありません。現に今年も含めここ3年ほど0.250前後の数字であり、通算打率と殆ど変わるものではありません。以上の様な要素が重なり、彼は史上15人目の8000打数を迎え、来年には2000本安打を達成すると思いますが、捕手でこれだけの実績素晴らしいものと思います。