3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

マットハーヴィー(Matt Harvey) (2)

2013-05-31 22:52:40 | Weblog
マットハーヴィー投手の素晴らしい点の第一は何といっても球の速さにあるかと思います。今シーズンのファストボールの最速は98.9マイルを計時し、平均でも94.8マイルと先発投手の内では屈指の速さを誇っています。兎に角球が速い上に、伸びもあり重み、凄みをも感じる球質であります。マットハーヴィーのフォーシームの球筋は正しく糸を引く様な感があり、ズバリ捕手のミットに食い込んで来ます。速く、重く切れ味のある球、これだけでも十分メジャーで通用する素材の良さを感じるのですが、彼はもの凄く切れるスライダーをも武器として所有しています。最速92.9マイル、平均でも89.3マイルとメジャーの投手のファストボールとあまり違わない球速で恐ろしく切れがいいものです。曲がりの鋭さはダルビッシュ有に次ぐ程の威力を持っています。今後緩急を付ける上で、もっと大きく切れるカーブが投げられる様になれば、現役トップの投手ジャスティンバーランダーに迫る存在になる事も不可能ではないかと思います。今後の登板が楽しみな投手、それだけの素材かと思います。

屋敷要(打撃編)

2013-05-30 22:01:24 | Weblog
走塁面でかなりの進歩を見せて来た時点での屋鋪要選手の守走に関しては、その後現在までを含めてもプロ野球歴代屈指のレベルだったかと思います。しかし打撃面に関しては、その身体能力の高さの割には些か問題があった様に思えてなりません。屋鋪要選手は途中からスイッチヒッターに転向しそれなりの打撃を示し、打順3番を任される様になりましたが、シーズン毎の成績はもう一つ安定したものではありませんでした。3割を2年続けてマークした次のシーズン、2割5分を切る数字を残す等シーズン毎の波は多かった様に思えます。スイングスピードに優れ、残した本塁打数よりもパンチ力を感じたものの、彼の打撃には柔軟性の不足を感じたものでした。以前柴田勲選手の項でも書きましたが、屋鋪要選手の打撃にも体の硬さを感じざるを得ないものでした。そのせいかコース、球種に対応すべきスイングパターンは少なく、約5.3打数に1三振とその長打力の割に打撃の粗さは最後まで改善されなかった様に思えます。この選手を語る時、抜群の守走が先になり打撃が後になるのは止むを得ないかと思います。




通算成績     1628試合      1146安打      0.269 58本塁打    375打点      327盗塁

マットハーヴィー(Matt Harvey) (1)

2013-05-29 21:50:28 | Weblog
先日J SPORTSで、マットハーヴィー登板の為、急遽ニューヨークメッツの試合を放映決定という内容の番組宣伝がありました。残念ながらその時の登板試合は見ていません。正直この投手に関して殆ど知らなかった為、今日のヤンキース対メッツ戦を非常に楽しみにしていました。日本プロ野球程ではありませんが、前評判と実際はかなり違う選手もメジャーリーグにも多い為、最初はもう一つ不安感も抱きながらマットハーヴィーの投球を見ました。しかし少し見ただけで、この投手に対する不安感は全く消え、噂通りというかそれ以上のイメージも感じました。流石に2010年ドラフトの全体7位は伊達じゃないと確信しました。今後がもの凄く楽しみな現在24歳、公称193cm、102kgのオーバースローの右腕投手です。次回具体的に触れていきます。

デビッドアーズマ(David Aardsma) (3)

2013-05-28 21:51:15 | Weblog
どんな時でも阪神タイガースに関する記事が中心を占めるデイリースポーツ紙は、デビッドアーズマ投手を最速101マイル(162km)の球速の持ち主と紹介していました。しかし2009、2010年のマリナーズ時代は彼の登板を数多く見ましたが、100マイル超えは一度も記憶にありません。又FAN GRAPHSで調べて見ると前回紹介しました様に最速は99.0マイル、マリナーズ時代までの球の速さは、最も速い球で90マイル後半、ストレート系の平均球速が94マイル台といった感じになろうかと思います。リリーフ投手としても速い方に入ってはいたでしょうが、抜群の速さではなかったかと思います。現在31歳のデビッドアーズマ投手ですが、もし阪神タイガースに入ったとして、マリナーズ時代までの球速が計時出来る様でしたら、活躍は可能かと思います。しかし切れ味こそ優れているものの、重み、凄みの感じられない彼の球は、少しでも球速が出ないようでしたら、日本プロ野球での活躍も厳しいかと思います。




通算成績    255試合      13勝15敗     69セーブ     防御率4.22      269奪三振

デビッドアーズマ(David Aardsma) (2)

2013-05-25 20:25:27 | Weblog
デビッドアーズマ投手は、2003年のドラフト1巡目指名でサンフランシスコジャイアンツに入団、その後シカゴカブス、シカゴホワイトソックス、ボストンレッドソックス、シアトルマリナーズ、ニューヨークヤンキースに在籍し、今年はマイアミマーリンズと契約したものの現在は放出され阪神タイガースが獲得に動いているという噂のある投手です。この投手を初めて見たのは2009年のマリナーズ時代でありますが、実際に活躍しているのを見ているのはその年と翌年のみでした。2010年のヤンキース時代、シーズン終盤に1イニングのみ登板したのを見ましたが、イメージとしてはマリナーズ時代しかないといっても過言ではないかと思います。その当時のデビッドアーズマ投手は右腕の引きが他の投手と異なり、後方下というより後方の割と高い位置に引かれ、そこからオーバースローで、最速は99.0マイルというかなり速い球を主な武器にリリーフ、主にクローザーとして活躍したのは記憶に新しいものです。公称191cm、93kgとメジャーリーグの投手では平均的或は細身かと思える体型ながらも、もの凄くバネに恵まれた感のあるフォームから投じられる球は速さもさることながら、切れ味抜群という印象を受けたものです。リリーフと先発という違いはあるものの、ストラスバーグ投手の投球に近いものを感じてしまいます。

デビッドアーズマ(David Aardsma) (1)

2013-05-24 22:07:10 | Weblog
最初にこの投手の投球とは関係ないことを少し書きます。1998年、野茂英雄投手の投球を観戦に行った際、ビルジェームスのハンドブックを買いました。過去、メジャリーグで1試合でも出場した事のある選手の年度別成績が掲載されている記録集です。かなり分厚い本ですが、裏表紙に見本みたいな形でハンクアーロン選手の成績が載っていました。当時のメジャーリーグの通算本塁打の記録を持ち、通算でも3割を超す等素晴らしい記録を誇る選手という事で、代表として彼の数字を裏表紙にも掲載したのだろうと当時は思っていました。日本プロ野球で言えば、金田正一や王貞治等の選手の記録を裏表紙にも載せていたという感覚でいました。しかしこれは成績とかネームバリューではなくABC順の掲載である事を、デビッドアーズマ選手の登場で初めて知りました。デビッドアーズマのメジャー昇格後、この本が刊行されたのかどうか分かりませんが、もし刊行されていたとしたら、裏表紙がデビッドアーズマ選手になっているのかどうか、何故か妙に気になるものであります。次回彼がどんな投手なのかに触れたく思います。

赤堀元之

2013-05-23 22:15:26 | Weblog
1988年のドラフト4位で近鉄バファローズに入団、1989年から2004年までの16年間、バファローズ一筋に主にリリーフとして活躍した右腕投手です。公称は181cm、72kgとなっていますが、現役時代は非常に細身の体型で身長はもっと高かった様な印象があります。割とゆったりとした投球動作から、右腕を結構後方下の方に引き、オーバースローから切れのいい球を投げていました。右腕の引き方に特色がありますが、田中勉投手の様に機械的に右腕を後方下に引き、上体のタメを作っている感はなく無理のない非常にスムースな投げ方だったかと思います。ストレートはかなり威力があり、スライダー、シュート、フォークボール等、それなりに力のある変化球もありました。しかし球質自体は重くはなく、決して豪速球投手というタイプではなく、強気の投球と球の切れ味に特色があったかと思います。1990年代前半、防御率1点台を誇っていた頃は、彼の登場によりバファローズの勝利は確約された様な印象さえありました。



通算成績     380試合      58勝45敗      139セーブ     防御率2.88     590奪三振

球速の評価(2)

2013-05-22 21:45:21 | Weblog
1980年代、西武ライオンズに入団したオリエントエクスプレスと称された郭泰源投手の球の速さが非常に話題になっていた頃、スポーツ雑誌numberで速球投手の特集が組まれました。その当時、ある程度年配のプロ野球OB諸氏は予想通りというか、相変わらずというか昔の投手の方が球が速かったという自説を繰り広げていました。その後その特集号の内容に関して、ある読者の投稿があり、その内容はプロ野球OB諸氏が自分達とほぼ同じ時代の投手をより美化したり、過大評価しても彼らにとって何一つプラスになる事はないと思われる為、彼らの語る昔の投手の方が球が速く優れているという事に間違いはないだろうというものでした。しかし果たしてそうでしょうか?逆に彼らが自分達の時代の投手を低く評価したとしたら、もしOBが打者出身だとしたらそれらの投手に対しての自身の打撃を、もしOBが投手出身だとしたら、それらの投手を低く評価すると、自身の球の速さも含み、自身をも低く評価せざるを得ないものとなってしまうかと思います。つまり彼らが自身とほぼ同じ世代の選手を低く評価する事は、己の力をも低く評価する事に繋がるのではないかと思います。

サイクルヒット(2)

2013-05-21 21:06:49 | Weblog
サイクルヒット達成者には必ずしも走力に恵まれた選手ばかりではないと前回書きましたが、下記の選手がそれに該当するかと言えます。実際に知っている範囲の選手に限りますが、葛城隆雄、小淵泰輔、王貞治、スペンサー、得津高宏、大宮龍男、金村義明、田村康夫、藤本博史、中村紀洋、パウエル、ローズ、広沢克、、桧山進次郎等からは俊足というイメージは殆どありません。他にも走力に関しては?という選手が何人か存在します。一般的に最も難しいと言われる三塁打を放つには走力が必要と言われますが、上記の選手たちは決して多くはない三塁打を放った試合を巧くサイクルヒットに結びつけたかと思います。又多くの選手に三塁打の次に出にくいと思われる本塁打に関しても、あまり縁がないと思われる選手も弘田澄男、村松有人等何人か見受けられます。こういった事からサイクルヒットに関しては、通常の打撃スタイルよりも時の勢い、その試合でのモチベーションも影響している様な気がします。1試合での成績で決まるサイクルヒット、瞬間の記録の代表の一つと言えるのでしょう。

Brooks Baseball. net(6)

2013-05-20 14:30:34 | Weblog
上の表は5月15日、今シーズンの最速を叩き出したアロルディスチャップマンの当日の球速、縦横の変化、球種毎の投球数、ストライク率等を記したbrooks Baseball.netの投球内容の分析になります。当日のpitch f/xの画面表示は102マイルとなっていますが、これは101.8を四捨五入しての数字であります。しかし上の表での最速数値は102.67マイルとなっています。下の欄に説明がありますが、私の解釈が間違っていなければ、pitch f/xの数値が表示される50フィート離れた地点より更に5フィート遠い地点、つまり約1.5m離れた地点での計測になろうかと思います。この約1.5mの距離を進む上で当日のアロルディスチャップマンの球速は約0.8マイルから0.9マイル落ちていると解釈していいかと思います。又この説明からpitch f/xの表示数値は50フィート離れた地点を測っている事がはっきりしたかと思います。。更にこの表で推測出来るのは、pitch f/xは画面表示はしなくとも様々な地点の球速を計測しているだろうという事です。