3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

張本勲(23)

2009-12-31 15:58:44 | Weblog
今年1年の締めくくりとしては、打者としては尊敬すべき安打製造機張本勲に就いて、書きたく思います。打者としては本当に素晴らしいのに、何故彼は自分に都合のいい事ばかり述べるのでしょうか?本当に疑問に思います。彼はイチローとの比較の中で、試合数の多いメジャーの方が、安打を多く打つのに有利と述べ現役時代130試合制と162試合制のメジャーとでは大きな差が有るとしています。しかしこれは必ずしも事実ではありません。彼の現役時代は、確かに130試合制が多いのですが,150試合を行ったシーズンや140試合のシーズン、更には130試合でも引き分け再試合のシーズンも結構多くありました。非常に細かくケチをつけている様ですが、彼の主張する様に130対162の差でもないのが事実です。又彼は試合でヒットを2本打とうものなら3打席以降はまともに勝負して貰えなかったが、メジャーの投手は決して逃げたりしない為、ヒットを打つにはイチローの方が有利と述べていますが、記録を調べてみる限り敬遠四球は張本勲の228個に対し、イチローは日米通算ですが240個と多く、割合でも張本勲の通算打数を今年52打数上回った、イチローの方が多い事になります。打者との勝負は決して敬遠四球の数だけで測れるものではないとは思いますが、一つの目安にはなるかと思います。

稲尾和久投手の球速

2009-12-29 21:33:39 | Weblog
約1年半ぶりに、再度大投手稲尾和久投手の全盛期の球速はどの位だったか、勝手に推測してみます。決してケチをつける訳ではないのですが、大投手イコール快速球投手ではないという事を理解して欲しいという気持ちもあります。彼の球速に関しては様々な意見があります。色々な文献を見ても、本人の意見にもかなり違いがあります。一つは本人は決して速くない事を認め、多分145km前後だと語ったのもあり、又逆に元中日ドラゴンズの小松辰夫投手の150kmを越す投球を見て、多分自身の球速と同じ位と語ったという説もあり、残念ながら亡くなった彼が、自身の球速をどう思っていたのかは推し量る事は出来ません。しかし少なくとも昭和33年から彼の投球を見てきていますが、もの凄く球が速い投手と感じた事は一度たりともありません。非常にスムースな、理にかなった投球フォームから投じられる球は、切れ、伸び、制球共本当に抜群でしたが、球速に関しては決して抜きん出ているものではないかと思います。彼の投球フォームは本当に隙の無いものでしたが、快速球を投じられる様な、力感に溢れるものでは有りませんでした。従ってもの凄い球速を誇っていた事はないかと思います。何度となく対戦した野村克也は、稲尾和久の球速を140kmそこそこと評価していますが、多分それよりやや速い145km位がベストの球速かと思います。しかし球速がどの位という事を超越する程の素晴らしい投手だった事は、紛れもない事実でしょう。

松井稼頭央の来シーズンの成績を予想

2009-12-28 20:56:48 | Weblog
懲りずに松井稼頭央の来シーズンの成績を、下記の如く予想して見ました。来年でメジャー7年目を迎える彼ですが、日本時代と全く異なり故障の多い選手と言わざるを得ないでしょう。過去6シーズンでの出場試合数が603試合と、チームの試合数の3分の2にも満たない出場数です。来シーズンどの位の試合に出場出来るかが、問題ですが一応殆ど故障なしとして推測してみます。日本時代、身体能力抜群の彼は、その体に似合わずパンチ力もかなりあり、30本塁打を越えるシーズンも有る等、長打力にも長けていました。又打率も7年連続3割以上をマークし、本当のスーパースターへの道を歩んでいました。しかし日本時代から、その長打力の代償として、三振の多い選手でした。同じくメジャーリーガーの福留孝介もそうですが、タイプ的にはどう見ても長距離打者ではないにも関わらず、予想外に長打が出る事により打撃に、粗さが見られる様になっていました。メジャーでの彼は、日本の投手より速く、重い球に同じ様に対応しようとして、結果打率はかなり落とし、力負けしてか、長打力は発揮できずにいるのが現状かと思います。従って来シーズンも大きな期待はかけられないかと思います。



   144試合    0.267    9本塁打   46打点  21盗塁

鶴岡一人(山本一人)

2009-12-27 21:52:14 | Weblog
実働年数こそ、戦争の影響で8年と少ないのですが、実績としては本塁打王1回、打点王1回、通算打率0.295と素晴らしいものがあります。しかし昭和27年限りに引退した彼の現役時代は一度たりとも見ておりません。又監督とし何回か優勝しており、評価は一応高い様ですが、監督の評価程難しいものはない為、今回はそれには触れません。今回紹介したいのは、評論化時代の彼の姿です。NHKの解説、スポーツ紙の専属をしていましたが、はっきり言って、最も取材もせず、勉強もしていなかった評論家と言えるのでしょう。氏の解説では、殆ど技術論はなく、又采配面への言及も少なかったと思います。氏の解説で、本当に嫌と言う程聞かされたのが、捕手が打撃のいい日は、そのリードも冴えるという事です。氏の解説の日に、少しでも捕手がいい当たりを打とうものなら、このワンパターンの台詞が出てきたものです。又氏は脚の速さ、野球センスの素晴らしさ等で注目されだした阪急ブレーブスの簑田浩二選手を、脚の速い選手と聞いていると語る等、到底常に、現場を見ている筈の評論家とは思えない発言をしたりしていました。残念ながら氏の解説を聞く限り、素晴らしい成績の監督時代が、全く思い浮かばないものでした。

外木場義郎

2009-12-25 20:48:24 | Weblog
私の記憶の内では、本当に忘れられない投手の一人かと思います。デビュー時から彼の投球を見ていますが、正しく本格派投手と言っていいのでしょう。彼のスリークォーターよりやや下から、投じられる球は恐ろしく速く、重く、更に切れもありました。決して大きくない体ながらも、思いっきり腰を捻ったフォームからの豪速球は本当に威力抜群でした。更にもの凄く大きく曲がるカーブの切れも鋭く、好調時には相手打者には手も足も出ない投球を見せてくれたものです。完全試合1度、ノーヒットノーラン2度の快記録も十分肯けるものです。しかしシーズン毎、試合毎の成績のバラツキは結構多く、その抜群の球威の割には、通算成績では負け越しています。当時彼の所属していた広島カープは、弱い時代が長く続いていたので、仕方のない事なのですが、彼の球威を考えるともっと勝率が高くても良いかとさえ思います。しかし昭和50年、球威にはやや衰えを見せたものの、円熟した状態で迎えた阪急ブレーブスとの日本シリーズでは、投げ合った山口高志投手との比較では、悲しいかな球速の差を感じざるを得ないものでした。出来れば彼の球速の全盛期に、対決をして欲しかったと思います。

松井秀喜(24)

2009-12-24 20:16:21 | Weblog
松井秀喜の日本での10年間と、メジャーでの7年間の数字を比較して見ます。先ず日本での数字を紹介して見ます。打率0.304,本塁打332本、打点889です。実働10年ですので、平均を求めるには単純に、打率以外は桁を一つ減らせばいいかと思います。次にメジャーでの7年間の数字を紹介します。打率0.292,140本塁打、597打点となっています。平均すると本塁打は20本、打点は85点という事になります。この数字を見て大雑把に言えば、本塁打数以外は意外と、大きな差はないという事です。日本での彼の場合、新人の年以外は全試合出場を果たしています。メジャーでは2006年の故障以降、出場試合数が著しく減ってきています。従って試合数の多いメジャーにいながら、7年間で916試合と、日本での1268試合と割合的には、殆ど差のない数字に終わっています。つまり松井秀喜の場合、メジャー挑戦と共に、唯一の長所であるパワーを捨て、クラッチヒッターとして生き延びようとしていたのでしょうが、結果的には魅力である本塁打数のみ著しく減り、意外にも打率、打点はあまり変っていないのが現状かと思います。しかし彼の実力から見れば、メジャーで率も残し、且つ長打も発揮出来るとは到底思えないので、是非来シーズン以降は本来の彼の魅力である長打を、多少率を犠牲にしてでも発揮して欲しいものと思います。

大杉勝男(10)

2009-12-23 20:52:37 | Weblog
大杉勝男はパリーグ10年、セリーグ9年の現役生活をすごしました。そこでセパでの実績を比較して見ます。先ずは打率ですが、パでは1171安打の0.281,セでは1057安打の0.293をマークしています。本塁打数はパで287本、セで199本を記録しています。残念ながら1本不足でセでは200本塁打には達していません。打点に関してはパで819打点、セで688打点を記録しています。リーグ関係なしに、素晴らしい実績を残したと言っていいのでしょう。この数字を見るだけでも。セパでの彼の打撃の違いが解るかと思います。つまり長打力抜群で30本塁打以上を6回マーク、内40本塁打以上を3回マークしたパリーグ時代,本塁打数こそ30本塁打以上が2回と少ないながらも、打率3割以上がパリーグ時代の2回より、遥かに多い5回を記録したセリーグ時代は、より円熟した打撃をしていたと言えるのでしょう。打点に関しては通算で4回100打点以上を記録し,90打点以上は8回記録していますが、矢張り長打力に優れたパリーグ時代に100打点以上3回,90打点以上を5回記録していますが、長打力に若干の陰りの見え出したセリーグ時代にも100打点以上1回、90打点以上3回という数字も本当に素晴らしいものかと思います。

大杉勝男(9)

2009-12-22 21:32:50 | Weblog
1979年、セリーグ5年目の大杉勝男は、何故か急激に成績を落とします。前年より全ての数字が著しく落ち、バットスピードが落ちた様に感じました。当時34歳の年齢から、まだまだ一流選手として通用すると思うものの、若干の不安を感じたものでした。しかし彼は再び蘇ります。翌1980年0.301,21本塁打,82打点をマークし、未だ打撃術の高さを示してくれました。更に信じられない事に翌1981年、彼は36歳にして自己最高打率の0.343をマークし、本塁打も20本、78打点と健在振りを遺憾なく見せてくれました。その当時の彼は、本当にクラッチヒッターの典型とも言うべきタイプで、チャンスに強く、長打力こそ衰えたものの、相手投手に与える恐怖はもの凄いものだったでしょう。当時主に3番を打っていた若松勉との比較ですが、確かに打率は若松勉の方が高かったと思いますが、相手投手に与える恐怖感、威圧感に於いては遥かに大杉勝男の方が勝っていたかと思います。最近の選手で言えば、シアトルマリナーズでDHとして大活躍した、エドガーマルチネスの姿がその当時の大杉勝男をより思い出させてくれるものです。

大杉勝男(8)

2009-12-21 20:20:46 | Weblog
1976年ヤクルト移籍2年目の大杉勝男は、素晴らしい復活を遂げます。前年の不振から大杉勝男の一流打者としての生命は終わったかに見え、シーズン当初は主に代打要員でした。この状況で大杉勝男は、代打で貴重な本塁打を何本か放ち、レギュラーの座を再び勝ち取ります。このシーズンから3年間は、彼のヤクルト時代での最盛期と言えるかと思います。その年こそ久し振りの3割、90打点以上をマークするも、本塁打は29本に終わりますが、翌年、更に翌々年は打率は遥かに3割をオーバーし、本塁打も30本以上打ち、打点も楽々90打点以上をクリアーしました。円熟した大杉勝男の誕生と言っていいかと思います。前年迄気になっていた投手寄りにバットが傾く欠点もかなり修正され、逆に巧く右中間に打球を運ぶのに、適するかの様に思えました。長打力こそパリーグ時代の最盛期より衰えたとは言え、本当に滅法チャンスに強いクラッチヒッターとして蘇った,新しい大杉勝男を見る事が出来ました。パリーグ時代よりも安定した打撃を誇り、穴も少なくなった大杉勝男は初めて出場した日本シリーズでもMVPを獲得する等、最も充実したセリーグでの時代と言えるのでしょう。

100マイル(160.9km)の快速球

2009-12-20 20:20:07 | Weblog
今シーズンメジャーリーグで100マイル以上の投球が何回あったかを、ビルジェームス氏のハンドブックで調べて見ました。アメリカンリーグでは355回計時し、内ジョエルズマヤが、、半数以上のの198回マークしています。一方ナショナルリーグ152回計時し、内ジョナサンブロックストンが90回マークしており、こちらは6割弱の率と成っています。記録はベスト10までしか紹介されていませんが、ナショナルリーグ7位タイの投手が1回計時、アメリカンリーグは10位の投手が2回計時の為、実際には両リーグ併せ507回を大きく越える事はないかと思います。メジャー30球団で公式リーグは、年間2430試合実施される訳ですので、単純計算ですと約5試合に1回しか見られない事になります。更に当然の事ながら、上記の2人の様に投げられる投手は限られていますので、実際100マイル以上の投球を見られる機会は遥かに少ないのが現状でしょう。もう一つ問題点があります。100マイル以上の速球を投げられる投手は、ごく一部の投手を除いてはリリーフ投手の為、試合展開により登板の有無が決まる為、その投球を見たいと思っても、狙い通りにはいかないものです。それ程100マイルの速球はメジャーリーグでも本当に貴重なものかと思います。