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日米を問わず名選手を紹介。

天才投手?(4)

2013-02-28 10:45:03 | Weblog
かって内野手へのライナーと思われた打球がホームランになったり、バットを振る度に焦げた臭がする等、様々な逸話が語られる強打者中西太や、高校中退でプロ入りし、歴代屈指の速さを誇る豪速球のみで勝負していたと言ってもいいかと思える尾崎行雄の二人は怪童と呼ばれていました。怪童、辞書によると並外れた力のある、体の大きい子供となっています。彼ら二人は当時の選手としても決して身長の高い選手ではありませんでしたが、尾崎行雄の胸板の厚さや、中西太の横幅は対戦相手には、実際以上の大きさの感覚を与えていたかと思います。怪童、長ずれば怪物と称される様になるのでしょうが、どうしても他を圧倒する力、パワーの面に重点が置かれている様に思います。違う言い方をすれば、技術面、繊細な面にはあまり言及されてはいない、或はそれ以上にパワー面の印象が強すぎるかと思えてなりません。天才投手、私の勝手な解釈かも知れませんが、この言葉から来るイメージとしては、他の投手を超越している力の面プラス技術面、抜群の制球力とか投球術、更には他の投手では投げる事の不可能な変化球を投げ得る投手像が浮かび、パワーのみが優れている投手は思い浮かばないものです。

天才投手?(3)

2013-02-27 13:53:39 | Weblog
がっしりとした体格、重く速い球を投げそうな左腕投手に対して、マスコミは江夏二世とか第二の江夏と名付けたがる傾向があります。これまで何人かの投手がそう名付けられましたが、江夏豊投手に近づいた投手は皆無かと思います。江夏豊程の投手がそう簡単に出現しない事は、冷静に考えずとも分るはずかと思います。近藤真一(真市)投手、本の中では[江夏二世]と呼ばれた超大型左腕というタイトルが付き、豪腕投手とか剛球という言葉が出て来ます。初登板ノーヒットノーランの読売ジャイアンツとの試合を含め何回か彼の登板を見ていますが、悲しいかな豪腕とか剛球というイメージは全く浮かびませんでした。柔軟性に欠ける感のある投球フォームからの重い球質は確かに感じましたが、球の速さや切れ味の良さは感じられませんでした。と言うよりも寧ろシャープさに欠ける印象が強く残りました。故障もあり、3年目以降勝ち星を挙げれずに実働は6年で引退するのですが、この投手と天才投手、何一つ繋がるものが無いように思えてなりません。

天才投手?(2)

2013-02-26 11:22:06 | Weblog
天才とは何か、天から与えられたような人の努力では至らない様なレベルの才能もしくはその人を指すとなっています。では前回紹介の7人、そこまでの天賦の才能の持ち主でしょうか、どう考えても伊藤智仁投手以外そうとは思えません。具体的に触れて行きます。先ずは伊藤智仁投手、この投手の高速スライダーを幸運にも目の当たりにしてしまった為、プロ野球史上、そんなに多く存在し得ないはずの天才投手という称号も、この投手なら与えてもいいかなと思ってしまわざるを得ない程の桁違いの威力がありました。選手としての価値を測るには一瞬の輝きではなく、ある程度の期間の積み重ねが必要という旨を、今まで結構しつこく書いて来ましたが、天才という言葉はその積み重ねとは全く関係なく、眩いばかりの瞬間の輝きでもありかと思っています。持続性がなくとも他の誰にも真似の出来ない、破格のレベルのものであればその名前に値するかと思います。伊藤智仁投手のスライダー、正にそのレベルにあったかと思ってしまいます。

嵯峨健四郎(2)

2013-02-24 15:28:26 | Weblog
嵯峨健四郎は右腕の後方への引きが大きい事もあり、腕の出所が見え易い点、更には決め球となるべき球種もなかった為、三振は奪えなかったのでしょう。前回書きましたが、そんなに速い球を投げられる投手でもないのに、意外な程球速に自信を持った発言をしていました。昭和35年東映フライヤーズ入団の彼ですが、同チーム在籍時、土橋正幸、尾崎行雄、森安敏明等屈指の速球投手を見ているはずなのですが、その自信がどこから来るか正直解らないものです。嵯峨健四郎の入団から2年間の背番号は19番でしたが、その時点で1勝も出来なかったせいもあり、その背番号は昭和37年、期待の新人尾崎行雄のものとなり、嵯峨健四郎は45の背番号となっています。その37年登板なしもあり、将来をあまり期待されてない投手だったかと思います。その割に20勝も経験する等、頑張った結果は残していると思います。しかし読売ジャイアンツへの不可解な移籍もあり、この投手に黒い噂が付きまとっていたのは事実ではありました。

岩瀬仁紀(1)

2013-02-23 12:48:43 | Weblog
1998年のドラフト2位で中日ドラゴンズに入団、今年15年目のシーズンを38歳で迎える左腕投手です。約3年前の4月に[破られる可能性のある通算記録]として、岩瀬仁紀投手の通算登板数に触れました。その時点で入団11年間、636試合登板でしたが、その後3年間で実働14年間、800試合登板とほぼ順調に数字を伸ばしています。今回再び、米田哲也投手が保持している通算登板数949試合を岩瀬仁紀投手が更新する可能性に就いて言及したく思います。結論から書きますと、タイ記録には残り149試合、前回と同じくもの凄く微妙かと思います。今までとほぼ同じペースでの登板で3シーズン、もしその登板数に変化、今まで以上の登板数は普通考えられず、つまり登板数減があるとしたら、チーム事情もあるでしょうが、岩瀬仁紀投手の力の衰えによるものが大きいかと思われます。現在38歳の岩瀬仁紀投手、近年流石に衰えは見え始めており、役割も多少変わりつつありますが、多くの投手に見られる急激な落ち込みではありません。ポイントとなる今後3年間を少し推測して行きたく思います。

嵯峨健四郎(1)

2013-02-22 14:43:14 | Weblog
昭和35年、東映フライヤーズに入団、43年に読売ジャイアンツへ移籍、翌44年に出戻りするも登板なしでその年を限りに引退した右腕投手です。37年も登板なしの為、実働年数は8年になります。写真は嵯峨健四郎投手が唯一出場した46年のオールスター戦でのものです。投球回数、完投数、防御率等キャリアハイであり、彼にとって21勝を挙げた39年のシーズンと共にベストの状態の時と言っていいかと思います。右腕の後方への引きが非常に大きい大掛かりなフォームながらも、球速はさほどでもなく、球の切れや伸びも今一つでした。体の柔軟性に欠けている事もあり、腕が遅れて出て来る事はなく打者に正対した投球フォームでした。この投球フォームの投手に多く見られるのが三振を奪えないという事です。このシーズンでの1試合当たりの三振奪取率は2.95と非常に低いものであり、通算でも3.62と、現在より三振奪取率の低い当時でも、三振の奪えない投手と言えるかと思います。

三浦広之

2013-02-21 14:55:28 | Weblog
1977年、ドラフト2位で阪急ブレーブスに入団、初年度の1978年から登板するも実働は3年間のみ、在籍6年間、1983年に引退した右腕投手です。同期の同じく甲子園で活躍した左腕松本正志と共に、将来の左右のエース候補としてかなり騒がれました。かっての右腕エース米田哲也と左腕松本正志、かっての左腕エース梶本隆夫と右腕三浦広之の体型は比較的類似している事もあり、チームとしての期待は大きかったと思います。しかし残念ながら力量はかなり違っていました。三浦広之はやや後ろにのけぞるかの様に左足を抱え込む感じの始動から、オーバースローで投じていましたが、もう一つ球に体重が乗り切れていない印象がありました。球質も軽い方に属し、球自体もそんなに速い方ではなかったと記憶しています。切れ、伸びは決して悪くはないものの、所謂球威を十分感じさせる投手ではありませんでした。初年度4勝、翌年7勝と高卒新人としてはかなり活躍するものの、将来大きく伸びる投手とは思えないものでした。



通算成績    36試合      14勝14敗       防御率4.10     129奪三振

ナイジャーモーガン(Nyjer Morgan) (2)

2013-02-20 13:29:53 | Weblog
過去ある程度の人数、俊足と言われる選手が来日しました。しかし期待した程の盗塁数を記録した選手は意外と少ないものです。多くの盗塁数を記録出来ない原因としては、日本では求められる役割が違いあまり盗塁を期待されていない面もあるでしょうが、日本の投手のクイックや癖に慣れない点が多い様に思います。脚力自体には全く問題ないと思われるモーガンの場合、多少慣れるのに時間がかかったとしても20~25盗塁は十分可能かと思います。又多少強引とも思える感のある果敢に次の塁を狙う走塁は、日本の選手にはあまり見られない魅力あるものかと思います。モーガンはMLBcomの数字では5フィート10インチ、185ポンドとなっており、日本式にすれば177cm、83kg位になりますが、体重はもっと少ないかもと思う様な細身の体型の選手です。その体型の通り、メジャーに於いては、そのパンチ力は著しく劣り、非力な感じさえ強く受けました。打撃スタイルは、その体型の割に結構思い切って振っていくタイプで、小柄な打者に多く見られるコツコツ当てにいくミートの巧い打者ではありません。しかし総体的にメジャーより球が遅く軽い日本の投手相手だと、0.280前後の打率、10~15本程度の本塁打は可能かと思います。モーガン三番説もある様ですが、そのタイプとは思えず一、二番で起用すべき選手かと思います。




通算成績     583試合      536安打      0.280     11本塁打     130打点      117盗塁
  

天才投手?(1)

2013-02-19 15:01:29 | Weblog
七人の投手、伊藤智仁、近藤真一、上原晃、石井弘寿、森田幸一、田村勤、盛田幸妃に就いて書かれている本が、河出書房新社より出版されています。著者は松永多佳倫で本の名前は[マウンドに散った天才投手]となっています。一瞬の輝きを放ちながらも、怪我や病気のアクシデントと共に大半の現役生活を送った選手へのインタビューを基に記事が書かれています。著者も認めています様に、贔屓チームの中日ドラゴンズの投手が多く扱われてはいますが、しっかり取材して書かれている様には思います。しかし本の題名[マウンドに散った天才投手]、果たしてこの題名がそれに相応しいものか、それに値するものか甚だ疑問に思えてなりません。全ての投手をリアルタイムで見て来た上で敢えて書きますが、この七人で天才投手の称号に値する投手、正直伊藤智仁以外考えられません。他の六投手、それぞれに輝きを放った時期はあるものの、残念ながら天才投手というレベルとは、かなりかけ離れているとしか思えません。売らんが為に付けられた題名とは思うものの、本の価値を下げてしまっている様に思えてなりません。




ナイジャーモーガン(Nyjer Morgan) (1)

2013-02-18 11:53:47 | Weblog
今シーズン、横浜DeNAにミルウオーキーブリュワーズから新しく加入した今年33歳になる左投左打の外野手です。昨年、青木宣親選手がブリュワーズに入団した時、前年規定打席未満ながらも0.304を記録し、俊足且つ守備範囲の広い彼を抜いてレギュラーになる事は、困難だろうと予想されていました。しかし0.239に終わった打撃不振もあり、シーズン途中から台頭して来た青木宣親のレギュラー定着に伴い、はじき出されての横浜DeNA入団というイメージはぬぐい去れないかと思います。日本でどの位活躍出来るか少し予想してみます。先ずは守備ですが、メジャーでも屈指の俊足を利し、守備範囲はもの凄く広く、どこを守るにせよ荒波翔選手とのコンビはリーグ屈指の守備力になろうかと思います。しかし、残念ながら肩は一度でも送球を見れば解る様に決して強くなく、期待はしない方がいいかと思います。次に走塁面は、昨年、一昨年と盗塁数は少なかったのですが、2009年、42盗塁、2010年、34盗塁をマークしている様に、多少失敗は多いものの期待は出来るかと思います。