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日米を問わず名選手を紹介。

強肩外野手(6)

2008-08-30 21:46:08 | Weblog
主にヤクルトスワローズで活躍した飯田哲也選手の肩は、本当に素晴らしいものでした。捕手出身らしく、非常にテークバックの小さいフォームから、矢の様な球がコントロール良く送球されていました。西武ライオンズとの日本シリーズでの、センターからの見事なバックホームは未だに忘れられません。史上稀な身体能力に恵まれた選手だったと思います。前田智徳選手の強肩も凄かった記憶があります。故障前の彼は正に三拍子揃っており、将来どんな選手になるか、本当に期待したものです。センターからの回転のいい送球は素晴らしく、捕手にとっても捕球し易い送球だったと思います。アキレス腱故障後の彼の守備は、残念ながらかっての俊足は失われていましたが、その肩は度々昔の強肩を彷彿させてくれてはいます。現在メジャーで活躍している田口壮選手の肩も素晴らしく、オリックス時代のレフト田口壮、ライトイチローのイニング間のキャッチボールで見せる二人の強肩は素晴らしく、プロの力を見せ付けてくれたものです。又彼の送球は特にコントロールに優れ、同チームの先輩簑田浩二に酷似しており、度々彼のレフトからの送球で打者の進塁を防いでいました。

小山正明投手

2008-08-29 21:17:57 | Weblog
通算320勝、歴代3位の勝利数を誇る小山正明投手とはどの様な投手だったのかを検証して見たいと思います。昭和28年から一軍で活躍していますが、誠に残念ながら私が初めて彼の投球を見たのは、多分昭和33年位からだと思います。当時既に、精密機械と呼ばれ抜群の制球を誇っていましたが、球速もかなりあり、特に阪神タイガース時代は、甲子園のホームからバックネットへの広さを活かし、軽いながらも伸び切れ共に素晴らしい快速球で打者を詰まらせ、度々捕手へのファールフライで打ち取っていた記憶があります。制球が素晴らしいだけあって、投球フォームももの凄く華麗で、無駄な力が全く入っていませんでした。しかし当時、別所毅彦は彼の投球フォームを決して評価せず、手投げとまで酷評していました。あまりにも綺麗なフォームの為、そう見えたのでしょうが決してそうではなく腰の捻りも十分なフォームでした。実績があるにも関わらず、他人の投球フォームを分析出来ない別所武彦の一面を見た気がしました。球速に関しては昭和31年から37年まで、7年連続200奪三振以上を記録している様にかなりあったと思いますが、華麗過ぎるフォームの為、意外と素人には分かりにくかったのではないかと思います。昭和34年に剛球タイプの村山実が阪神タイガースに入団しますが、全力投球の村山実より華麗な投法の小山正明の方が、実際は速い球を投げているという噂が結構流れていたものです。それにしても本当に素晴らしい投手でした。

強肩外野手(5)

2008-08-27 21:35:44 | Weblog
主に中日ドラゴンズ、西武ライオンズで活躍した俊足強肩の平野謙の送球は素晴らしいものでした。ライトのやや深い位置からのホームへの送球は、何回かバウンドはするものの、凄い速さでホームへ達していました。流石に元投手らしく制球の素晴らしさは、群を抜いていました。当時の同僚秋山幸二より、肩の強さでは勝っていたと思います。ヤクルトスワローズで活躍したスコットも同じく俊足強肩でしたが、こちらは外国人らしく、地肩の強さが目立ち、素早いフォームから矢の様な送球を度々見せてくれました。西武ライオンズで活躍(?)した羽生田忠克こそ、私の知り得る限りメジャーを含めても史上最高の強肩外野手でしょう。当ブログ、或いは他のブログでも紹介しましたが、走者3塁、投手東尾修の時、守備固めでライトを守っていた彼は、打者のかなり深い当たりを焦ったのでしょうか、あろうことか掴み損ねたのですが、素早く拾い、体勢が不十分にも拘わらず、もの凄い勢いで捕手までノーバウンドの送球を見せてくれました。しかし、捕手はあまりにも凄まじすぎる彼の送球を捕る事は出来ず、相手に得点を許してしまうのですが、彼の凄すぎるばか肩、鉄砲肩は異次元の世界を見ている様でした。超強肩を誇るイチローといえども多分かなわないでしょう。彼の肩こそ、日本が世界に誇れる数少ない内の一つと言っても過言ではないでしょう。

強肩外野手(4)

2008-08-26 21:04:26 | Weblog
阪神タイガースで活躍したカークランドの人並み外れたバカ肩も忘れられないものです。ライトからの凄い速さの送球は素晴らしかったですが、コントロールには多少難があったかと思います。主に阪急ブレーブスで活躍した簑田浩二の、送球の速さにはやや欠けるものの正確無比な送球も、もの凄く印象深いものです。又簑田浩二とほぼ同時期に阪急ブレーブスのライトを守ったウイリアムスの強肩はもの凄く、私の見た外野手の肩の強さでは間違いなくベスト3に入るかと思います。ステップが殆どなく、腕の振りも少ない投げ方でしたが、多分異常な程に手首が強いのでしょう、信じられない程の速さでの送球を誇っていました。当時の阪急ブレーブスの外野陣はレフト簑田浩二、センター福本豊、ライトウイリアムス、と俊足揃いで守備範囲も広く、福本豊の弱肩を除けば全く穴がありませんでした。主に広島カープで活躍したライトルの肩も素晴らしく、ライトから3塁、或いはホームへ殆どノーバンドの速い送球をしていた記憶があります。肩の強さに関しては当時の同僚山本浩二をも凌いでいたかと思います。

張本勲(2)

2008-08-25 22:12:13 | Weblog
今回も史上屈指の好打者張本勲の守備に触れたく思います。これ程打撃と守備に差がある選手は、他には存在しないかと思います。つまり打撃は超一流、守備は超三流といった処でしょうか?その彼が高校時代投手だったらしいのですが、あの弱い肩でどんな球を投げていたか、悲しいかな想像の範疇を越えている様な気がします。又彼は昭和52年の日本シリーズでも守備を交代されています。この交代が幸いにも後の三拍子揃った好選手、簑田浩二の劇的なデビューにつながりました。当時の阪急ブレーブスが一点リードを許して迎えた9回表2アウトランナー2塁で代走で出場した簑田浩二は、次打者の浅いレフト前ヒットで張本勲に代わり出場した二宮至の強肩を生かした好返球をかいくぐり、芸術的なスライディングで同点のホームインをしました。普通の走者なら間違いなくアウトのタイミングだったでしょう。もしレフトが張本勲のままだったなら、俊足簑田浩二は楽々ホームインだったでしょう。この走塁をきっかけに翌年から簑田浩二はスターへの街道を進む事になります。簑田浩二にとっては、本塁がクロスプレイになった事が幸いした事でしょう。この件に関しては当ブログ簑田浩二のコーナーでも触れていますが、未だに印象に残る走塁だったと思います。レフトが張本勲のままだったら、間違いなく彼の優れた走塁は解らなかった訳で、簑田浩二にとってこの交代は結果的にプラスに働いた事でしょう。

張本勲(1)

2008-08-24 15:52:17 | Weblog
今朝のサンデーモーニングで、張本勲氏は昭和37年対阪神との日本シリーズで守備を後退させられ、ベンチで大暴れしたが、当時の監督水原茂に、もっと守備の巧い選手がいる為、交代させたといわれ、納得した旨の話をしていました。確かに監督の判断は大正解でしょう。本人も守備に関しては、巧くなかった事を認めていますが、私の知り得る限り間違いなく最低のレベルでした。何回か彼の守備に関しては紹介していますが、先ず守備に優れない選手によく見られる様に、深い位置に守る事が多く、かといって打球勘がいい訳でもなく、通常の守備位置なら取れる当たりをかなりヒットにしていたものです。天才的な打撃で、安打製造機と言われた彼でしたが、守っても安打製造機と揶揄されたものです。次に走力ですが、通算319盗塁、自己ベスト43個を記録している彼は、見かけとは違いかなりの俊足の持ち主でしたが、何故か打球を追う際の彼の走り方はドタバタしており、走塁の際の機敏さが感じられませんでした。メジャー、ヤンキースのジョニーデーモン選手を思い浮かべていただければ分かり易いかと思います。極めつけは肩です。恐ろしく弱い上に、更に早く投げようとする意識に乏しく常に山なりの送球ばかりでした。

強肩外野手(3)

2008-08-22 22:14:54 | Weblog
中日ドラゴンズ、ロッテオリオンズに在籍した江島巧選手は、その強い肩だけで、銭の取れる選手でした。悲しいかな打撃には全く優れていませんでしたが、強肩と守備範囲の広さを活かし、守備固め要員として欠くことの出来ない選手でした。地肩も強く制球も良かった記憶があります。読売ジャイアンツで活躍した高田繁選手は、主にレフトを守っていましたが、ライン際の二塁打性の当たりを好捕し、強肩を活かし走者を二塁でアウト、或いは一塁に止まらせる強肩をしばしば見せていました。広島カープで大活躍した山本浩二の肩も、もの凄いものでした。彼の入団時、ある評論家が、六大学での打撃、走塁の記録はプロ野球とはレベルが異なる為、鵜呑みには出来ないが、肩だけはプロもアマも同じ土俵という論評をしていましたが、正しくその通りで、センターからの送球は、本当に素晴らしく、元投手らしく綺麗な球筋が印象深いものでした。全盛期の彼がメジャーに挑戦していれば、その打撃と守備力をどの様に評価されたか、非常に興味深いものです。

強肩外野手(2)

2008-08-21 21:17:55 | Weblog
先ずは主に大毎オリオンズで活躍した葛城隆雄選手です。昭和37年から、内野から外野に転向しています。ライトを守る機会が多かったでしたが、あまりステップせずに地肩の強さを見せつけた送球が印象に残っています。次は中日ドラゴンズ、大洋ホエールズで活躍した森徹選手です。公称173cm,95kgというポパイの様な体格から、外国人選手並みの地肩の強さを見せ付けてくれました。しかし、あまりにも肩が強すぎる為でしょうか?肩の極端に弱い、例えば張本勲の様な選手には考えられない送球先を遥かにオーバーする送球もしばしば見られたものです。主に阪神タイガースで活躍したソロムコ選手も外国人選手特有の地肩の強さも忘れられません。読売ジャイアンツで活躍した柴田勲選手も、流石投手出身らしく、センターからの球筋の綺麗な、制球に優れたバックホームは見事なものでした。主に西鉄ライオンズで活躍した田中久寿男選手の筋肉質な肉体から投じられる、もの凄い速さの送球は未だに脳裏から離れない程の素晴らしさでした。

強肩外野手(1)

2008-08-19 22:27:34 | Weblog
今までに見てきた外野手の内、肩が強いと思った選手を主に年代順に紹介したいと思います。投手の速い球、野手の強肩は決して練習に拠って鍛えられるものではなく、かなりの割合で天性のものがある為、非常に憧れるものであります。日本プロ野球では強い肩と評しますが、メジャーではストロングスローイングアーム或いはストロングアーム、つまり強い腕と表現する様です。この表現の違いに日米の外野手の投げ方の違いが表されているかと思います。メジャーの場合、所謂地肩が強いのでしょう、体全体を使うというより、送球の際、あまりステップせず腕の力だけで投げている選手が多い様に感じられます。逆に日本の選手の場合、ステップを巧く利用し体全体を巧く利用している様に見受けられます。従って無理な体勢での捕球からの送球は、メジャーの選手の方が早さにおいては優れ、日本の選手はステップを巧く利用する為、制球には優れているというのが、全体的な印象です。次回から昭和30年代以降の強肩外野手を紹介したく思います。

松井秀喜(10)

2008-08-18 21:51:49 | Weblog
報道によるとメジャー復帰が近が近い様です。ヤンキースもプレーオフ進出を狙っていますが、現状はかなり厳しい状態です。センターの強肩若手選手のカブレラを降格させて松井秀樹を昇格させる様ですが、かなり厳しい賭けかと思います。先ず彼の現在の膝の状態から守備に就く事は難しく、デーモン、ジアンビという守備に関しては全く期待出来ないが、打撃に関しては優れている選手とのDHでの併用しか考えられません。そこまでして松井秀喜を起用する必要があるのか、非常に疑問を感じざるを得ません。多分ヤンキースとしては、最終決断をする時期に来ているのでしょう。つまり期待に添えない様なら、未だ選手として、価値のある今の内にトレードしようとしている様に思えてなりません。メジャーの場合過去の引退した名選手には、日本と比べ驚く程敬意を払っていますが、その一方現役選手には恐ろしい程冷酷です。そういった意味から松井秀喜は人生最大の、ターニングポイントに立たされている様に思えてなりません。是非唯一の長所のパワーを発揮して欲しいものです。