3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

江藤愼一(打撃編)

2008-03-31 22:29:42 | Weblog
前回の守備編とは全く異なり、打撃に関しては本当に素晴らしかった選手です。どっしりとした相手投手を威嚇する様な構えから、あまりステップを取らず、思い切った豪快なスイングをして来ました。昭和46年オールスター戦で、あの左腕豪速球投手、江夏豊の高目の明らかなボール球を、思いっきり空振りしたスイングは、今でも脳裏に焼きついています。プルスイングを身上としていましたが、決して粗さはなく、又チャンスにも滅法強く、本当に頼りになる打者でした。その証拠にこのタイプの打者としては、かなり三振が少なかったものです。長距離打者ではなく、中距離のクラッチヒッターだったと思います。彼の素晴らしい点は、両リーグ通算3回の首位打者です。セリーグでの2回は王貞治に競い勝ちし、又パリーグでの首位打者は加藤秀司を退ける等、首位打者争いの常連に勝っている事です。しかし記録を見ると、3割到達は5回、100打点到達はなしと、更に自己ベストの本塁打数も36本と、イメージよりも低いものです。逆に言えばそれだけ強烈な個性を発揮していた事でしょう。



通算成績     2084試合   2057安打    0.287   367本塁打    1189打点

江藤愼一(守備編)

2008-03-30 14:44:49 | Weblog
昭和34年から51年まで中日ドラゴンズ、ロッテオリオンズ、大洋ホエールズ、太平洋クラブライオンズで、大活躍した右投右打の選手です。捕手として入団していますが、入団当初はチーム事情もあったのでしょうが、捕手、一塁、外野を兼ね、6年目以降、主に外野を守っています。はっきり言って、何処を守っても守備に関しては決して巧くはなく、彼のもの凄く素晴らしい打撃を活かす為、当時の監督が選んだ守備位置だったと思います。特に外野守備に関しては、右の張本勲と呼びたい位のレベルでした。先ず結構足の速かった張本勲と比べ、江藤愼一は決して足が速くはなく、守備勘も悪く、守備の下手な外野手の残念な特徴となる、かなり外野フェンスに近い、後退した守備位置を常に取っていました。又更に彼の欠点は、もの凄く肩の弱い事です。私が実際に見た外野手では松本匡史、張本勲と共に、ワースト3ではないでしょうか?主にレフトを守っていましたが、中継野手への、山なりの送球しか記憶にありません。本当に投手泣かせの外野手だったと思います。しかし、次回は逆に、相手投手を泣かせた素晴らしい打撃を紹介したいと思います。

条件付き記録(3)

2008-03-29 22:00:57 | Weblog
今回は条件付き記録の内、素晴らしいものを紹介します。先ずは両リーグにて1000本安打以上です。大杉勝男、落合博満の2人が達成しています。次は両リーグ200本以上の本塁打です。これは前記、落合博満のみが達成していますが、大杉勝男が僅か1本足りず、引退しています。この二つの記録は、それなりに注目されましたが、投手部門でこれとほぼ同等と思われる記録を達成した、精密機械と呼ばれる程の、絶妙のコントロールを誇った小山正明投手が、両リーグ100勝、更には1000奪三振を達成した時には、私の記憶では、殆ど話題にすらならなかったと思います。環境の違う両リーグでの、素晴らしい実績には、本当に、敬意を表したいと思います。しかしある意味、彼らはいい時期に、リーグを変ったと思います。35歳でセリーグへ移籍した張本勲や、38歳でセリーグへ移籍した米田哲也は、移籍が遅すぎた為、上記の様な記録を達成できず、又リーグ間移籍をしていない金田正一、鈴木啓示、王貞治、長嶋茂雄、野村克也、山本浩二等の選手には挑戦のチャンスすら有り得ません。そう言った意味では、矢張りその偉大さを十分に認めながらも、若干何か、引っ掛かる記録と言えます。

条件付き記録(2)

2008-03-28 21:28:33 | Weblog
前回に引き続き、条件付き記録です。全球団からの勝利、本塁打等という記録がありますが、かっては、両リーグ各2球団以上在籍しなければ達成出来なかった訳ですが、インターリーグが始まった昨今では、同一リーグで2球団以上在籍すれば、達成可能になり、今後多くの選手が達成する事が予想されます。しかしこの記録も、達成し易くなったとは言え、最低1回は在籍チームが、変る事が前提となります。最近多少変ってきていますが、メジャーリーグに比べ、移籍の少ない日本の場合、その記録に挑戦出来る選手の数は限られています。やはり、殆どの選手が挑戦出来る記録に比べ、その価値は低いかと思います。その根拠としては、かって一流選手のトレードの少ない日本の場合、上記の記録を達成した選手の内には一流と呼ばれる選手は少ないものでした。

条件付き記録(1)

2008-03-27 21:11:28 | Weblog
どうしても気になっている記録があります。それは色々な条件の付いた記録です。つまり、その条件に合致した選手のみ、達成出来る記録の事です。例えば打者の場合、打順により公平、不公平は有り得ますが、一応レギュラー選手の場合、取り敢えず打率、打点、本塁打、盗塁等の数字に関しては、打順に関係なく、皆タイトルを狙える範囲にあると思います。勿論、打順、更に走者の有無によって打撃内容は変る訳ですが、どの選手にもタイトル獲得のチャンスはあると思います。しかし、以下に紹介する記録に関しては、その条件に該当する選手しか、挑戦の資格がありません。この記録を如何に評価するか、非常に難しい所かと思います。いくつか例を挙げて見ます。先ずは先頭打者本塁打です。これは当然トップバッターでなければ、達成出来ない記録なので、トップを打つ可能性の低い長距離打者には縁のないものです。逆に言えば、長距離打者を無理やりトップに起用すれば、先頭打者本塁打の記録更新も可能かと思える訳です。

ケントハドリ

2008-03-26 22:22:09 | Weblog
昭和37年から42年まで、南海ホークスで活躍した左投左打の一塁手です。流石に元メジャーリーガーだけあって、パワーは素晴らしく、かなりの飛距離の本塁打を数多く放っていた記憶があります。バットスピードも非常に速く、当時の同僚4番の野村克也より、速い打球に関しては多かったと思います。しかし穴も多く、現在より打者の三振の少ない当時としても、かなり多くの三振を喫していました。やや硬さの感じる打撃スタイルの為、率はあまり残せませんでしたが、入団2年目から4年目まで30本、29本、29本と安定した本塁打数を記録した様に長打力に関しては、定評がありました。彼が不振の時は、ケントハドリの名前から、よくケントハズレと野次られていた事も結構記憶に残っています。現在ほど外国人選手の多くはない時代でしたが、本当に忘れられない選手でした。



通算成績   781試合   727安打    0.260   131本塁打    396打点

島野育夫

2008-03-25 23:45:43 | Weblog
昭和38年から55年まで、中日ドラゴンズ、南海ホークス、阪神タイガースで活躍した右投右打の外野手です。もの凄く足が速く、その俊足を利して守備範囲はかなり広く、肩も悪くはなく、守走には優れていました。しかし残念かな、打撃に関しては期待外れと言わざるを得ませんでした。特に打撃フォームに問題がある訳ではなく、打撃センスに欠けていたのでしょうか?このタイプの選手は、非常にミートが巧いか、或いは意外に長打力があったりするものですが、彼にはそのどちらも欠けていました。チーム事情もあったでしょうが、その俊足好守の割には常時出場出来ず、18年間の現役生活の内、規定打席到達が3回、最高打率が0.274という成績に終わりました。又盗塁数に関しても、昭和48年に61個を記録していますが、福本豊が95個を記録しており、競争にもなりませんでした。しかし常時出場出来なくとも、貴重なサブプレイヤーとして、どの球団でも貴重な存在だったと思います。


通算成績    1466試合   733安打    0.242    24本塁打    211打点   251盗塁

豊田泰光

2008-03-24 21:04:48 | Weblog
昭和28年から44年まで、西鉄ライオンズ、国鉄、サンケイスワローズ、サンケイアトムズにて活躍した右投右打の遊撃手です。彼のイメージとしては矢張り、西鉄ライオンズ時代でしょう。特に新人の年の昭和28年には、同チームの前年の新人王、怪童と呼ばれた中西太の、新人の年の本塁打12本を遥かに凌ぐ27本を記録する等、素晴らしい活躍をし、新人王に選ばれています。打撃スタイルはバットをやや投手寄りに傾けたフォームの為、結構投手の速い球に、詰まり気味の打球が多かった様に記憶しています。又その後、新人の年の本塁打数を超えられなかった様に、典型的な中距離打者でしたが、当時の打者としては、かなり三振の多い粗さも目立っていました。入団当初は足は速かったのでしょう、かなりの盗塁数を記録していますが、昭和32,33年以降の彼を見る限り、あまり足の速さは感じなかったものです。又守備に関しては移籍後、徳武定之と組む三遊間は、不動の三遊間と言われる位、両者が交差する事のない位の、非常に狭い守備範囲でした。晩年代打が主な仕事になっていましたが、当時中日の豪腕山中巽から2日連続でのサヨナラ本塁打は今でも記憶に残っています。


通算成績    1814試合   1699安打   0.277   263本塁打   868打点   215盗塁

水野雄仁

2008-03-23 15:42:09 | Weblog
昭和59年から平成8年まで、読売ジャイアンツに在籍した右腕投手です。甲子園で大活躍しドラフト1位で期待されて入団しましたが、決して活躍したとはいえない成績に終わった選手です。我流に近いスリークォーターの投球フォームは、豪速球投手尾崎行雄に若干似た感じがありましたが、その球速、球威は比べ物にもなりませんでした。又これといった変化球もありませんでした。とは言え球速は平均よりは速かったのですが、その投法の為か、コントロールに欠け、更には故障がちな結果を導いてしまった様です。全てに於いて、典型的な二流投手というレベルだったと思います。甲子園での大活躍と、入団した球団が人気があったという事で、名前を知られている投手だったと思います。



通算成績   265試合   39勝29敗   防御率  3.10   519奪三振

松坂大輔の今シーズンの成績を予想

2008-03-22 22:57:40 | Weblog
昨年の別ブログでの予想に懲りずに、今シーズンも彼の成績を予想してみます。



14勝11敗   防御率   4.23    203イニングス    196奪三振


最も気になる点は、矢張りメジャーの投手として、打者を牛耳る事の出来る球速が不足している事です。彼のフォーシームの速球の平均球速は、93マイルに達せず、決して球速で打者を圧倒出来ることはありえません。又メジャーのマウンドが固いせいか、日本時代と比較して、上体に頼った投球フォームの為、その投球に体重が乗り切らず、伸び、切れ、重みに欠けるかと思います。又日本時代に、右打者のスイングから消えるかの様に、逃げていったスライダーも上記の理由で威力が半減しているかと思われます。従って今シーズンも、昨年とあまり変らない成績に終始すると思います。当然の如く、投手の主要なタイトルとは縁がないでしょう。しかし彼の投球術は素晴らしいので、是非予想以上の活躍を期待したいものです。希望としては200イニングス以上投球するのであれば、95マイル以上計測のリーグベスト10に入る位の球速が欲しいものです。(昨年のアリーグ1位はマリナーズのヘルナンデスの1058回計測です。)