前回の守備編とは全く異なり、打撃に関しては本当に素晴らしかった選手です。どっしりとした相手投手を威嚇する様な構えから、あまりステップを取らず、思い切った豪快なスイングをして来ました。昭和46年オールスター戦で、あの左腕豪速球投手、江夏豊の高目の明らかなボール球を、思いっきり空振りしたスイングは、今でも脳裏に焼きついています。プルスイングを身上としていましたが、決して粗さはなく、又チャンスにも滅法強く、本当に頼りになる打者でした。その証拠にこのタイプの打者としては、かなり三振が少なかったものです。長距離打者ではなく、中距離のクラッチヒッターだったと思います。彼の素晴らしい点は、両リーグ通算3回の首位打者です。セリーグでの2回は王貞治に競い勝ちし、又パリーグでの首位打者は加藤秀司を退ける等、首位打者争いの常連に勝っている事です。しかし記録を見ると、3割到達は5回、100打点到達はなしと、更に自己ベストの本塁打数も36本と、イメージよりも低いものです。逆に言えばそれだけ強烈な個性を発揮していた事でしょう。
通算成績 2084試合 2057安打 0.287 367本塁打 1189打点
通算成績 2084試合 2057安打 0.287 367本塁打 1189打点