昨年から今年にかけてのイチローの打撃を見る限り、残念ながら衰えを感じざるを得ません。では守備はどうなのか、少し触れたく思います。昨年の一時期、多分5月から6月頃だったと思いますが、打撃の不振と共に守備もかなり酷い状態にありました。捕れそうな打球も捕れず、フェンス際でのジャンプもタイミングが物凄く悪いものでした。守備勘の衰えというか狂いを非常に感じたものでした。当時イチローの所へ打球が飛んでいくと、不安な気持ちになったものでした。当時37歳という年齢から動体視力の衰えがやって来たのではないかとの疑問を持ったものでした。しかし今シーズンの彼の動きを見ていると、昨年思ったような心配の徴候はありません。先日もヤンキースタジアムではフェンスによじ登ったり、スライディングキャッチも見せる等、全く不安は感じないものです。肩に関しても、ランナーをアウトにするアシストを最近は記録してはいないものの、相変わらずの強肩でアウト、セーフギリギリの送球は度々見せてくれてはいます。今の彼を見ていると、昨年の一時期の守備は何だったのかと思えてしまいます。しかし脚力、肩に関してはやはり僅かとは言え衰えは見られ、全盛期と比較すると90％から95％位の力かと思います。かって好守を誇った山本浩二や秋山幸二ですら、晩年には打撃より守備の衰えが先に目立ち始めたただけに、イチローの好守がいつまで続くか見て行きたく思います。