3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

2013年 野球殿堂入り(11)

2013-01-31 21:07:57 | Weblog
今年のエキスパート部門での殿堂入り候補者として、昭和40年引退の故大沢啓二、同じく42年引退の土橋正幸、44年引退の権藤博等がいます。大沢啓二が最も活躍したのは入団間もなくの昭和30年代初期、土橋正幸は30年代の前半から中盤、権藤博は30年代中盤の入団後2年間と言っていいかと思います。大沢啓二が候補になった理由は現役時代の実績ではないと思われるものの、彼らを昭和28年生まれの落合博満、同じく30年生まれの大野豊、32年生まれの北別府学がどの位リアルタイムで見ているでしょうか、年齢的に彼らの全盛期は殆ど見ていない可能性もあろうかと思います。その殆ど知らない先輩への投票権を彼らは有している事になります。現在の規定では引退後5年を経過した選手がその後15年間プレーヤー部門の表彰対象者の候補の資格を得、それに漏れた選手がその後エキスパート部門の資格を得る事になっています。これも蛭間豊章様のブログで確認させて貰いましたが、2007年に現在の条件に改訂されるまでは、監督やコーチの在任期間は殿堂入り資格の期間としてはカウントされない仕組みになっていました。殿堂入り候補者の多くは監督やコーチに就任しています。以前の規定だと監督やコーチに就任の都度、候補になるのが伸び伸びになっていく可能性があり、その為か年少の殿堂入りのOBが大先輩のOBへの投票権を持つ事になってしまったと思わざるを得ません。又他の選出委員にしても、かなり昔の記憶を辿れなければならないという問題点がある様に思えてなりません。

2013年 野球殿堂入り(10)

2013-01-30 13:49:49 | Weblog
いつも興味深く読まさせていただいている蛭間豊章様のブログによりますと、今年のエキスパート表彰部門は殿堂入りの競技者30名と競技者表彰の幹事18名の投票であり、投票を棄権した人達の殆どが殿堂入りの競技者らしいと書かれています。殿堂入りの競技者30名、少し生存者を調べてみましたが、計算ミスがなければ2007年までの競技者表彰とその後のプレーヤー表彰で殿堂入りの人数と合致します。つまり生存のOB全員に投票権があり、その内の10名に近い人数が棄権したみたいです。生存のOBの内殆どマスコミに登場していないのは、私の知る限りになりますが、かなり高齢の川上哲治と杉下茂辺りくらいかと思います。つまり野球界と関わりあいを持ちながら投票を棄権しているOBが何人かは存在していると言えると思います。しかし競技者表彰の幹事の年代は分からないので、何とも言えませんが、殿堂入りOBの若い世代が自身より年上の候補者の投票権を持っている事も事実としてあります。次回、もう少し具体的に触れます。

2013年 野球殿堂入り(9)

2013-01-29 12:01:30 | Weblog
外木場義郎投手が今年選出されたエキスパート部門は、2009年度から青田昇、江藤慎一、皆川睦雄が選ばれています。元プレーヤーの場合、プレーヤー部門で選ばれる事なく引退後21年を経た選手が対象になっています。選出委員としては競技者表彰の幹事と殿堂入りした競技者が3人以内の連記で投票し、3分の2以上の有効投票で75%以上の得票者が選出される仕組みになっている様です。つまりプレーヤー部門で期限切れになった選手を救済する様なシステムに思えてなりません。違う言い方をすれば、敗者復活戦と言っても過言ではないかと思っています。江藤慎一、皆川睦雄はプレーヤー部門で選ばれるべき選手かと思い、遅ればせながらも殿堂入りは好ましいとは思いますが、どうしてもエキスパート部門はプレーヤー部門より格下のイメージがある様に思えてなりません。このエキスパート部門が新たに設けられた理由が、実績十分と思われながらも何故か選考に漏れた選手の救済だけにあるのなら兎も角としても、そこまでして殿堂入りの人数を増やす事にどれだけ意味、意義があるのか非常に疑問であります。殿堂入りの人数を増やすなとは敢えて言いませんが、人数が増える程価値が下がっていくのは事実かと思えてなりません。

伊東昭光(2)

2013-01-28 12:44:13 | Weblog
伊東昭光投手の投球フォームは、適度に後方へ右腕を引いて投げていましたが、格別個性的なフォームではなかったと記憶しています。現役時代常にそうであったか少し記憶が曖昧ですが、ランナーを背負ってない時には、速球投手でもないのに結構振りかぶって投げていた時があった様に覚えています。投球フォームに躍動感は感じないものの、昔の大洋ホエールズの多くの投手に見られた様な体の動きの切れのなさや、鈍重感は感じた事はありませんでした。入団2年目には全て先発で投げ14勝を挙げながらも、チーム事情はあった様ですが翌年には全てリリーフ登板で最多勝に輝く18勝、通算でも先発とリリーフの登板数が殆ど変わらない等、便利に使われたと言うか、チームとしてもこの投手をどう使っていいか解らなかった様な気さえします。使われ方が一定せず、又安定した成績を挙げられない投手というイメージがあります。私程度の投手の力量を見る力だと、残念ながらこの投手のどこが良いのか、或はどこが悪いのか掴み切れないと言わざるを得ないと思います。。



通算成績    325試合     87勝76敗      防御率4.01      632奪三振

2013年 野球殿堂入り(8)

2013-01-27 11:54:16 | Weblog
前回殿堂入りへの年数として最低でも12年、出来れば15年以上が望ましいと書きましたが、少しだけ例外を認めたく思います。10年或はそれ以下の実働の時期でも、認めたいというか認めざるを得ない選手がメジャーリーグに1人います。それは現在エンジェルスに所属するアルバートプホルズ選手です。彼は10年連続3割、30本、100打点以上の成績を残しています。2010年のシーズン終了時、10年目のシーズンを終えた彼の通算成績は打率0.331、408本塁打、1230打点と凄まじいものでした。積み重ねの数字、本塁打と打点は私の考える最低基準の12年間の数字として、仮に12で割ったとしても平均34.0本塁打、102.5打点と素晴らしい成績です。昨シーズンを終えた時点での彼の成績は0.325、475本塁打、1434打点になっており、最近少し陰りが見えるものの、彼はメジャーリーグの規定年数10年に満たない時でも、十分に殿堂入りに値する数字を残していた様に思います。今後彼がどこまで数字を伸ばしていくのか、もの凄く興味深いものです。

両リーグでの同タイトル同時獲得の可能性(3)

2013-01-26 13:21:26 | Weblog
昭和36年、西鉄ライオンズの稲尾和久投手は、404イニングを投げ42勝14敗、防御率1.69、353奪三振という素晴らしい成績を挙げ防御率部門でも1位に輝いています。しかし面白い事にこの年の素晴らしい防御率でさえ、入団から6年目のシーズンを終えた彼にしてみれば、2番目に悪い数字ではあります。この年のパリーグの試合数は140試合あり規定投球回数は196回、セ・リーグは130試合あり規定投球回数は182回でした。あくまでも仮定に過ぎませんが、丁度いい時点で移籍し、それぞれのリーグで規定投球回数以上投げ、同じ防御率を残し、合計で378回以上を投げれば両リーグで防御率のタイトルを獲得する可能性はあった訳ではあります。この年セリーグにも素晴らしい投手がいました。429.1イニング、35勝19敗、防御率1.70、310奪三振の中日ドラゴンズの権藤博投手です。稲尾和久より投げさせられたと言っていいかと思う彼も、もし同じ様な時点で移籍したとしたら彼にも可能性はあったかと思います。他にも規定投球回数の2倍以上を投げた投手もいましたが、その投球回数を投げてセパ合わせて防御率トップという投手は稲尾和久だけでした。少し遊びで仮定の話になりましたが、規定投球回数が現在より厳しい時代にその2倍以上を投げた或は投げさせられ、防御率でも優れた投手が存在した事は紛れもない事実であります。

伊東昭光(1)

2013-01-25 16:47:44 | Weblog
1985年のドラフト1位でヤクルトスワローズに入団、同チーム一筋に過ごし、1998年に引退していますが、1991年は登板なしの為、実働年数は12年間になる右腕投手です。この投手で先ず思い出すのが、1993年同チームで颯爽とデビューした伊藤智仁投手と漢字は違えど同じ読みながら、投球スタイルや球の威力が全く違うという事です。伊藤智仁投手の撓り過ぎる肘を利してのもの凄く威力あるストレートと歴代トップクラスのスライダーの組み合わせと比較すると、正直殆ど特色のないのが伊東昭光投手でした。公称176cmと決して大きくない体からオーバースローに近い位置から投じていましたが、球の速さ更に一通りの種類はあったかと思う変化球、球のキレ、制球、投球術どれをとっても格別優れていると思えるものはありませんでした。その時点で伊東昭光投手はある程度の実績を残していましたが、二人の投球内容の差は歴然としおり、通算勝利数に於いて、伊藤昭光投手が圧倒的な差を付けて現役を終えるとは想像すら出来ませんでした。

両リーグでの同タイトル同時獲得の可能性(2)

2013-01-24 12:34:21 | Weblog
現在規定投球回数は試合数と同じ数字になっています。投手の分業制が確立されたと思われる現在、先発投手として200イニング以上を投げれば十分合格点と言われている様です。しかし昭和30年代には、1シーズンで400イニングを超す投球イニング数を投げた投手がいました。仮定の話に過ぎませんが、防御率の分野で、表題の両リーグでの同タイトル同時獲得の可能性の必須条件としては、規定投球イニング数にそれぞれのリーグで達する事、つまり最低でも規定投球イニング数の2倍を投げなければなりません。昭和30年代当時、年間300イニング以上を投げる投手はほぼ毎年何人か存在しましたので、必須条件に合致する投手はある程度存在する様に感じるかも知れませんが、当時の規定投球回数は試合数×1.4でした。その当時、試合数はセパで異なっていたり、多少年度毎の差はあるものの、規定投球回数の2倍という事になると400イニングに限りなく近い数字が必要となります。あくまでも仮定の話で恐縮ですが、規定投球回数に達した時点で違うリーグに移籍し、移籍後のリーグでも同じ防御率を残したとした場合、当てはまる投手が1人だけ存在しました。

2013年 野球殿堂入り(7)

2013-01-23 22:31:38 | Weblog
野球殿堂入りに必要な年数、メジャーリーグは10年となっていますが、最低でも12年、出来れば15年以上が望ましいかと思います。その根拠としては、現代の投手でもその位の年数を常時先発として過ごせたとしたら、300試合登板から400試合登板以上も可能かと思います。打者の場合でもほぼレギュラーとして出場していれば、間違いなく1500試合以上、15年あれば2000試合以上もあるからと思うからです。投手或は打者としてもその位の出場数があれば、本当の意味での実力が解るかと思います。物凄い活躍をしたとしてもごく僅かな期間の選手は、真の実力があるとは思えません。しかし上記の様な試合数があれば、それなりの数字が出て来ると思います。名誉ある殿堂入り、やはりある程度長いシーズン活躍した選手に与えて然るべきべきかと思います。従って、エキスパート表彰の候補になっている権藤博投手に関しては、現役時代の実績、特に投手としての実働年数から考えると殿堂入りに値するとは思えません。

両リーグでの同タイトル同時獲得の可能性(1)

2013-01-22 12:26:14 | Weblog
このブログにも書きましたが、昨シーズンメジャーリーグのエイドリアンゴンザレス選手が、シーズン途中でアメリカンリーグからナショナルリーグに移りましたが、移籍時点でアメリカンリーグの規定打席に達して打率0.300を記録していたものの、シーズン合計では0.299とアメリカンリーグでは3割打者ながらも、シーズン合計では3割に満たないという非常に珍しい記録を残しています。ゴンザレス選手はその前年、2011年度のシーズンでは終盤に抜かれましたが、最後まで首位打者を争っていました。もし昨年も同じ様な成績であれば、移籍しながらも元のリーグでの首位打者の可能性もあったかも知れません。その辺が妙に気になったもので、日本プロ野球に於いて、両リーグで同時に同じタイトルを獲得する事が可能なのかどうか、過去その可能性があったのかどうか少し調べて見ました。先ずは率の部門、打者に於いては過去は勿論なく今後も間違いなくあり得ないものであります。丁度半分の試合数で移籍したと仮定した場合、規定打席、試合数×3.1の2倍以上、つまり1試合平均6.2打席以上必要な訳で、延長のイニング数や時間制限のある日本プロ野球では間違っても可能性はなくメジャーリーグでも同じ事でしょう。しかし、あくまで仮定の話ながらも、投手の防御率の部門では過去1例見つかりました。