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日米を問わず名選手を紹介。

メジャーでの日本人快速球投手(2)

2010-04-30 21:08:03 | Weblog
メジャーでもクローザーとして活躍した佐々木主浩も、落差のもの凄く大きいフォークボールを武器としていましたが、クローザーとして好調時150km前後の球速は決して速いものではありませんでした。むしろ速球派の多いリリーフ投手の内では平均クラスかと思います。日本では左腕屈指の快速球を誇っていた石井一久も、メジャーではどう考えても速球派投手と言うイメージはありませんでした。彼がメジャー挑戦の頃は、速球とスライダー主体に多く三振を奪う投球内容があのビッグユニットことランディジョンソンに似ているという事で、かなり期待されたのですが、悲しいかな全くレベルが違いました。球速、スライダーの切れ、共に比較にもならないものでした。石井一久は確かメジャー入団の年は、最速96マイルの速球も投じていた記憶がありますが、速球の殆どが150km弱だったと思います。メジャーでは少なくとも速球投手ではなかったと思います。現在の彼の投球は1990年代のリーグを代表する快速球投手というイメージは、全くなくなっており、もう一つ魅力のない技巧派投手に変貌してしまい、非常にかっての投球を知る者としては、寂しさを感じるものです。

メジャーでの日本人快速球投手(1)

2010-04-28 22:28:32 | Weblog
現在まで、多くの日本人投手がメジャーに挑戦しています。本当に球の遅かった最初のメジャー投手村上雅則は全く別の存在として、野茂英雄以降、日本で速球投手と呼ばれる投手の多くがメジャーに挑戦しています。しかし残念ながら、日本人投手として、メジャーでも速球投手として認められる投手は現役も含めて存在していないかと思います。日本での近鉄バッファローズ時代には落差の大きいフォークボールと150kmを超す速球を武器に、面白い様に三振を奪っていた野茂英雄の球速は、メジャーでは決して速くはなく、フォークで三振を奪う為の見せ球として使われていたと思います。又彼の後、メジャーに挑戦した史上有数のスケールの大きい豪速球投手の伊良部秀輝の球の速さも、メジャーでは傑出していたものではありませんでした。但し入団に関して、色々と問題があり、それも影響したのか、トレーニング不足もあり、彼の体重がかなり増え、彼独特のタメの十分ある投球フォームを、メジャーでは殆ど発揮できなかったかと思います。当時の日本人最速158kmクラスの速球を投げられる体調にあれば、彼ならばメジャーでも快速球投手として通用する素質は十分にあったと思われ、本当に残念に思います。

浮き上がる快速球(6)

2010-04-27 21:49:30 | Weblog
昭和50年代の江川卓以降、球の速い投手、好投手は多く現れましたがもの凄くホップする球を投げられる投手は、藤川球児投手の出現までいなかったと思われます。しかしその内でも、郭泰源の華麗なフォームから投じる160km近い快速球は、軽いながらも打者の手元でぐっと浮き上がる感じがありました。彼の投球フォームは小山正明の華麗さを活かしつつも、よりダイナミックにした感がありました。しかし彼の場合、もの凄く速い球があるにも関わらず、伝家の宝刀スライダーを巧く活用しており、今一つ快速球投手としての迫力に欠けたり、非常にコントロールが良く、投球術も優れている事も相俟って、滅茶苦茶に球の速い技巧派投手という印象すら受けました。同じく台湾出身の郭源治も、全身バネの様な体を活かし、好調時には本当に浮き上がる感のある快速球を投じていました。やや打者に正対する感じの投球フォームながらも、類稀な球速、手元で伸びる球を武器に先発、リリーフ、二つの役割で大活躍しました。

浮き上がる快速球(5)

2010-04-26 20:14:54 | Weblog
昭和48年にデビューの鈴木孝政投手の快速球の威力は凄まじいものがありました。彼を初めて見たのは昭和49年でしたが、もの凄く撓る肘を巧く活用しての快速球の浮き上がる感じ、伸びには本当に驚かされたものでした。当時江夏豊、鈴木啓示、堀内恒夫等のかっての快速球投手の球速に陰りがかなり見えてきた事もあり、本当に衝撃的なものでした。球質は軽いながらも、ホップする感じは後の藤川球児に近いものがあったと思います。昭和54年デビューの江川卓の浮き上がる快速球も素晴らしいものがありました。テークバックの小さなフォームながらも、高めにホップする球は威力抜群で、彼の残した数字以上の印象を多くのファンに与えていたと確信しています。特に昭和56年20勝を挙げた年の球速及び、その伸びは素晴らしく、怪物とまで呼ばれた理由は十分頷けるものでした。私の知る得る限り彼の最速は、多分153,154km位だったと記憶していますが、藤川球児同様スピードガン以上の速さを感じたものです。

張本勲(27)

2010-04-25 16:44:46 | Weblog
今回もしつこいのですが、張本勲の守備に触れます。今朝のサンデーモーニングで張本勲が又自身を省みない発言をしていました。彼は現役時代の自分の守備を忘れたのでしょうか?確かに現役時代守備の巧くなかった選手が、評論家という立場になって、他の選手の守備を批判してはいけないとは言えないのでしょうが、あまりにも張本勲の守備は酷いものでした。誰が名付けたかは知りませんが、守っても安打製造機という渾名は、かってメジャーで活躍し、来日し大洋ホエールズでも長打力を発揮したディックスチュアートの渾名Dr.Strange Gloveと並び、最も的を得た渾名かと思います。しかし個人的には残念ですが、張本勲の守っても安打製造機はあまり公にはなっていません。それにしてもあの拙守、弱肩の彼が、阪神タイガースの金本知憲選手の肩を使い物にならないとまで発言していました。金本知憲選手も本来決して肩が強い選手ではないのですが、右肩を痛めている為の、浅いレフトフライから中継の選手へのバウンドした送球になってしまったと思います。この送球と殆ど変らないか、或いはもっと酷かったのが通常の張本勲の送球でした。殆ど全てが本当にやる気があるとは思えない、山なりの送球であり、先日の試合での金本知憲選手の様な、肩を痛めているとは言え、速い送球をしたいという意思すら全く感じられないものでした。張本勲選手の現役時代を知らない世代が多い現代でしょうが、彼には少なくとも守備に関しての論評は控えて欲しく思います。

浮き上がる快速球(4)

2010-04-23 21:42:57 | Weblog
昭和30年代、左腕快速球投手金田正一は、常に自身の球速と高めにホップする球、更に三振を奪える投手と言う事をもの凄く自慢していました。確かに球は速く、現在より三振奪取率の低い投手の多い内では、当時の彼は非常に三振を多く奪える投手でした。しかし残念なるかな、本人がビールを引き合いに出して、ビールも投手もホップがなければ始まらない旨の発言を多くし、自身の速球は約20cmから30cmホップすると広言していましたが、果たして現実はどうだったでしょうか?素人の私の目には、彼の球が本人の言うほど、ホップしたのは見た事はありませんでした。左投手特有の右打者の内角低目に、クロスファイヤー気味に食い込む快速球には、数え切れない程、その切れ、速さ、鋭さには目を見張りましたが、もの凄くホップしたという感覚はありませんでした。同じく大投手、通算320勝の小山正明投手は、球速こそ金田正一よりかなり劣りましたが、スナップの効いたスリークォーターから、かなり浮き上がる感じの投球が多く、バックネットまでの距離が非常にある甲子園では、多くのキャッチャーフライを稼いでいたものです。

浮き上がる快速球(3)

2010-04-22 20:33:51 | Weblog
球のもの凄く速い投手が、明らかにボールと思われる高めの球で打者を空振りさせるシーン程、興味をそそり、わくわくさせるものはないと思います。打者としては、矢張り長打を打ちたいと言う色気があるのでしょう。どうしても手が出てしまうものなのでしょう。特に打者の振った軌道より、投手の投じた球がそのかなり上を通過していた場合は、打者の力不足というより、投手の投じた球の凄さ、つまり圧倒的な速さや浮き上がり方に驚嘆してしまうものです。投手としても、最も自分の投げた球に威力を感じる時かと思います。今までに見て来た投手の内、この投球が明らかに出来た投手は尾崎行雄、山口高志、現役の藤川球児の3人だけかと思います。スピードガンの計測のある藤川球児は勿論の事、尾崎行雄、山口高志の2人も間違いなく150kmを超していたでしょう。長打を打たれる危険性のある高目の球で勝負出来る投手には、本当に魅力を感じます。逆に言えば150kmを超す球の速さ、プラス浮き上がる球がない投手は高目の球で勝負すべきではないという事なのかも知れません。

浮き上がる快速球(2)

2010-04-21 20:53:05 | Weblog
昭和41年には2人の浮き上がる快速球を投じる投手がデビューしました。1人は史上最高クラスの球速を誇る、右腕横手投げの森安敏明投手です。彼の投じる球は恐ろしい程速く、打者にとっては本当に嫌な事に、球道が定まっていませんでした。時に右打者の懐をえぐる様にもの凄くシュートしたり、右打者の視界から消え去るかの様なスライダーになったり、その制球力不足も相俟って、彼程打者にとって、恐怖を感じる投手はいなかったのでしょう。更に指先に球が巧く絡んだ時の、彼の快速球は異常な程にホップする感じでした。好調な時の彼は本当に手のつけられない投手だったかと思います。もう1人は右腕オーバースローの堀内恒夫です。デビュー当時第二の沢村栄治と称された様に、そのホップする快速球と落差の大きいカーブ(当時はドロップと呼ばれていました)は素晴らしいものがありました。球速こそ森安敏明には劣るものの、本当に本格派らしいフォームからの、綺麗な球筋の快速球は未だに忘れられるものではありませんでした。

浮き上がる快速球(1)

2010-04-20 21:45:40 | Weblog
現代の藤川球児以外の投手で、浮き上がる快速球を投じた投手を何人か紹介したく思います。私は個人的には、この浮き上がる快速球を投げられる投手がもの凄く好きであり、本当に見ていて楽しいものでした。先ずは昭和33年入団の杉浦忠は、非常に重心を深く沈ませた華麗な投球フォームから、下手投げ一流投手独特の、本当に浮き上がる感抜群のホップする球を投げていました。しかし彼の場合、これから紹介する投手程の球速は多分なかったと思われ、ある意味球速とホップする感の落差は非常に大きく、逆に武器になっていたかとも思います。昭和36年入団の権藤博も、軽い球質ながらも非常に浮き上がりましたが、矢張り球速には多少不満を感じました。昭和37年入団の尾崎行雄のスリークォーターよりやや下の位置からブン投げる様なフォームからの、もの凄い球速は、この2人を遥かに凌ぐ威力を誇っており、十分に高目の球で勝負出来る投手でした。更に彼の場合は球質も重く、コントロールやこれといった変化球がないながらも、高目への豪速球だけで4回も20勝以上を挙げられる程のものでした。

藤川球児投手の球速

2010-04-19 20:25:00 | Weblog
昨日藤川球児投手が登板しました。確か最速は151kmだったと思いますが、数年前の彼を彷彿させる、浮き上がる感じ抜群の、伸びのある快速球を投げていました。しかし前から思っていたのですが、彼が一番スピードガンの登場により、損をした存在なのではないかと思います。つまり球速表示が出る事により、彼が単に球速ではトップではないという事が、証明されている様な気がします。藤川球児の快速球はよく読売のクルーン投手と比較され、球速表示と実際に打者が感じる球速が異なる例に出され、速く見える球と実際の球速は違うサンプルの如く扱われています。もしスピードガンがなければ、彼の異常な程に伸びのある快速球は、今以上のもの凄い評価を受け、史上最高クラスの称賛を浴びているに間違いないかと思います。彼にとって残念ながら、球速だけならもっと速い投手がいることを証明したのがスピードガンなのでしょう。昨日の試合では、球速100km位のスローカーブを交えていましたが、あの快速球がある限りもの凄く有効な武器となるのでしょう。