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日米を問わず名選手を紹介。

田淵幸一(14)

2012-10-31 14:24:25 | Weblog
田淵幸一の打撃を豪快と称する人は多いみたいですが、彼にしか出来ない美しすぎる放物線を描く本塁打を見ていると、豪快と言うよりも彼の技術の高さを感じてしまいます。このブログに多くコメントをいただくオールド昭和様の表現、(外野ノックを打つかのようにいとも簡単に打ってみせ)が最もぴったり来る様な気がします。バットにボールをのせ、スピンをかける打法本当に素晴らしいものです。本塁打を多く放つ打者に見られがちな欠点、力みがちになったり、パワーや手首の強さに頼ったりという点は田淵幸一の打撃にはなく、長身を巧く利しての自然なスイングをしている様に思います。多分彼には他の本塁打者程のパワーや手首の強さはなかったかと思います。同じく手首の強さを全く感じさせないか弱いかも知れないとさえ思える打者に安打製造機、扇打法の張本勲がいます。彼の場合はその弱さを巧く利用し無理に引っ張ったりせず広角に打ち分けていた様に思います。田淵幸一はこの本塁打を打つには欠点とも思える手首の強さやパワー不足を、逆に巧く利用して力みのない打法を試みていた様に思います。

田淵幸一(13)

2012-10-30 13:58:18 | Weblog
田淵幸一の滞空時間が長く美しい放物線を描く飛距離抜群の本塁打は、見ていて本当に楽しいものでした。彼の放つ本塁打は打った瞬間、間違いなく本塁打と分かる打球が多く、他の打者が放つ本塁打より外野スタンドに到達するまでの時間がかかる分より楽しめた様に思います。以前にも何回か書きましたが、レッドソックスの本拠地フェンウエイパークレフト側の巨大な壁、11.3mのグリーンモンスター越えの本塁打を多く打てると思えるのは彼しかいないと思います。本塁打王のタイトル獲得の経験者、野村克也や山内一弘は測ったかの如く巧くレフトスタンドの前列に本塁打を放っていましたが、その放物線は決して大きくはなく、フェンウエイパークならばその殆どはフェンスに当たる打球或はレフトフライになるかと思います。又同じく本塁打王経験者、大杉勝男の打球は前述2人より遥かに豪快で飛距離も凄いのですが、豪打者、強打者の特徴と言っていいのでしょうか、鋭く強烈なライナー性の打球が多く、田淵幸一程の高い放物線は描いておらず、グリーンモンスター越えと思われる打球は少なかった様に思います。フェンウエイパークでの田淵幸一、一度は見たかったものです。

田淵幸一(12)

2012-10-29 13:54:52 | Weblog
田淵幸一は以前にも紹介した[猛虎戦士録]で現役時代故障が多くフルに出場したシーズンが少ない事を悔やみ、もしそれがなければ600本以上の本塁打が打てていたと思う旨の話をしています。野球にレバやタラを言い出したらキリはないとは思うものの、彼の打撃力なら可能性はあったかと思います。しかし入団2年目、セリーグの右腕投手では最も速く重い豪速球を誇る外木場義郎からの頭部へのデッドボールは不可抗力としても、他には避けられる故障もあった様に思います。フル出場が出来ない、そこにこそ彼の大きな欠点があったと思います。田淵幸一の本塁打に関しては、美しい放物線とか滞空時間の長さとか色々な表現がなされていますが、正しくその通りで最高のホームランアーティストという称号に異論は全くありません。しかし時折豪快なアッパースイングという表現もされています。アッパースイングの定義がどうなのかは兎も角として、彼の打法は最近の選手で言うとメジャーのプリンスフィルダーや阪神タイガースに在籍していたブラゼルに見られる振り出す時点からしゃくり上げる感じとは異なる様に思えます。彼の打法はバットにボールをのせ揚力を巧く利用して美しい本塁打を放っていると思います。ボールとバットの接触以降を見てアッパースイングと捉えられるかも知れませんが、少なくとも振り出し時点に於いてはその軌道は違う様に私には思えます。

本塁打率について(3)

2012-10-28 20:58:18 | Weblog
前回までメジャーでは、どの位の割合で本塁打が打てるかについて本塁打÷打数の本塁打率のみが使われている様な書き方をしてしまいました。しかし前回投稿した後もう少し調べて見ると、日本と同じ打数÷本塁打数で書かれているのも結構見つかりました。the BILL JAMES HANDBOOKやBASEBALL REFERENCE更にはMLBcom等は、at bats per home runとして1本塁打に要する打数を表示していました。勿論率を意味するpctという文字は入っていません。前回勝手に日本式、メジャー式の表し方としましたが、少し早とちり、誤解していた様で申し訳ありませんでした。メジャーでどちらの表示が主流なのかは分かりませんが、両方使われている様です。今回色々と本塁打率を調べて見ると、通算本塁打率1位は日米共0.094という数字になっています。メジャーはマークマグワイア、日本はこの人以外考えられない王貞治です。厳密に計算するとほんの僅かの差でマグワイアの方が上回っています。それにしても日米トップが変わらない本塁打率、この数字あたりが本塁打率の限界なのかも知れません。

本塁打率について(2)

2012-10-27 13:15:35 | Weblog
メジャーの記録集、ESPN BASEBALL ENCYCLOPEDIAやBASEBALL ALMANACでの本塁打率の表示は本塁打数÷打数で計算されています。因みに少し数字を挙げて見ますと通算の本塁打率トップはマークマグワイアの0.094、2位はベーブルースの0.085、3位はバリーボンズの0.077になっています。全て1割以下、10打数につき1本塁打に満たない数字となります。多分他の記録集でも同じ表示のされ方をしているものかと思います。もし日本式に本塁打率を打数÷本塁打数で計算するのなら、本塁打も含む安打の率、打率も同じ表し方をしないとおかしいかと思ってしまいます。例えば打率0.250は4.0、打率0.333は3.0、打率0.400は2.5としなければ整合性がないかと思います。日本式本塁打率の表示には暗黙の了解というかそのくらいは分かっている事を前提にしているのかも知れませんが、矢張り本塁打率という表示は違っているかと思います。基本的には、どの位の割合で本塁打が打てるかが分かればいいという事は承知の上で、敢えて非常に細かい事を書かせていただいた次第であります。

本塁打率について(1)

2012-10-26 12:29:31 | Weblog
先日田淵幸一(9)の記事の投稿後、本塁打率の数字が何故か物凄く気になり翌朝説明を付けた上で数字を訂正しました。私の知りうる限り日本プロ野球では、本塁打率を殆ど打数÷本塁打数で出しています。その慣例(?)に従ったというかついいつもの感じで当初その数字を書いてしまったものです。田淵幸一の通算成績を例として少し説明して行きます。5881打数で474本塁打の彼は5881÷474=12.41という事から彼の通算での本塁打率は12.41とされています。しかしこの数字は12.41打数につき1本の本塁打が平均して打てるという事を示している訳であり、つまり12.41分の1という事であります。従って率で表すとしたら1÷12.41=0.081、8.1%が正しいと思います。確かに本塁打率0.081と言うより、何打数につき1本という方が今までの経緯もあり日本のファンには馴染みやすいかと思いますが、少なくとも本塁打率として田淵幸一は12.41と表示するのは誤りかと思います。本塁打率の数字か物凄く気になった理由のもう一つとしては、メジャーの表示は本塁打数÷打数=本塁打率で統一されているだろうと思われる事を思い出したからです。次回もう少し続けます。

佐々木信也(6)

2012-10-25 12:35:05 | Weblog
以前紹介しましたが[伝説のプロ野球選手に会いに行く2]で佐々木信也氏へのインタビューを基にした記事が他の9人と共に掲載されています。ここで大きな疑問が湧いて来ます。前回通算成績を紹介したのでお分かりかと思いますが、この程度の成績が伝説のプロ野球選手と言えるのでしょうか、正直それに値する選手とは甚だかけ離れているとしか思えません。故障以外の原因による短い現役生活の選手、それだけでも評価出来ないとさえ思っています。佐々木信也氏が当時読売ジャイアンツの仁志敏久選手に、セカンドの先輩としてベンチからセカンドの守備位置まで走って欲しいと頼んだが無視された事に怒っているという記述があります。一生懸命走らないから読売ジャイアンツの野球はつまらなく、ひいては日本プロ野球の魅力がなくなってしまうという考えみたいです。面識はないものの同じ六大学の出身という事で、仁志敏久は佐々木信也氏の事を知っていると思っていた見たいです。仁志敏久がその時点で佐々木信也氏の事を知っていたかどうか、多分現役時代の実績は知らなく、評論家としての技術解説らしきものは殆どして来なかった、或は出来なかった事から五月蝿い老人と思ったとしても仕方ない様に思えてなりません。

佐々木信也(5)

2012-10-24 15:57:09 | Weblog
実働4年   466試合    1602打数424安打   0.265    13本塁打    101打点    86盗塁



上記佐々木信也氏の現役時代の実績です。新人の年、当時の試合数154試合全てにフルイニング出場や新人最多安打180をマークする等素晴らしい成績を挙げています。しかし通算成績から逆算するとある程度見当がつくかも知れませんが、毎年成績を落としジリ貧状態のまま僅か4年の現役生活を昭和34年に終えています。最後の年、67試合出場、0.196、1本塁打、6打点の数字で自由契約になっています。父親が大毎オリオンズファンでしたので、その頃よく山内一弘や小野正一等の名前は聞かされていましたが佐々木信也の名前を聞いた事はなかったかと思います。一度も彼のプレイは見ていませんが、数字から追っていく限り新人の時のみ活躍出来た選手、つまり打撃部門で欠点を見つけられて以降、活躍が叶わなかったと推察していい選手かと思っています。

田淵幸一(11)

2012-10-23 14:26:53 | Weblog
2980打数798安打    0.261    259本塁打    本塁打率  0.087     1186三振



上記の数字は、打数こそ田淵幸一の半分位でありますが、一時期圧倒的な長打力を見せつけたラルフブライアント選手の数字です。本塁打率、打率はかなり近い数字になっているかと思います。既出のマグワイア、ブライアント更には数字的には劣るものの山崎武司も含めて打撃成績を比較してみると、田淵幸一の三振を喫する率が少ない事に気づきます。三振といえば絶対にこの打者を外す事が出来ない程、驚異的なペースで三振し続けたブライアントの三振率0.398、およそ5回に2回の三振は特殊な例外としても、マグワイア0.258、山崎武司0.240とおよそ4回に1回は三振しているのですが、田淵幸一のそれは0.165とおよそ6回に1回の割合でしかありません。田淵幸一より遥かに打率が高く且つ本塁打の打てる打者の内には、もっと三振率の低い打者はある程度います。しかし彼クラスの打率で本塁打が多く放つ事が出来るも、その割に三振をあまりしない打者を私はあまり知りません。一発の恐怖を相手に与えながらも、意外にも多くは三振しない打者田淵幸一は矢張り稀有な存在と言えると思います。

アンドリューマカッチェン(Andrew Mccutchen) (3)

2012-10-22 14:28:03 | Weblog
前回マカッチェン選手の盗塁に触れましたが、彼の脚力からして是非盗塁成功率80%以上で30盗塁以上を目指して欲しく思います。最も広い守備範囲を要求されるセンターを任されているマカッチェンの守備に触れたく思います。驚異の身体能力と抜群の反射神経を活かして、本当にダイナミックなプレイを何度となく今シーズンも見せてくれました。あの脚力に加えスタートが抜群に素晴らしい為、前進でも後退でも通常の外野手なら不可能とも思える打球でも、追いつきキャッチするシーンも多く見せてくれました。イニングや試合展開にあまり関係なく、常に全力で守備をしている感を最も強く受ける選手です。シーズン終盤の試合でもダイビングキャッチで脚を痛め、途中退場するケースがありました様に、積極的な守備は負傷の危険性も伴いますので、是非負傷だけは避けていただき且つアクロバチック守備を見せて欲しいという贅沢な要求を彼だからこそしたく思います。守備での欠点をあげるとしたら決して強くはない平均点クラスの肩かと思いますが、送球動作は速く大きな問題点にはなっていないかと思います。守備だけでも観客を沸かせてくれる稀有な選手と思います。