西武ライオンズ一筋に、実働22年、1738本の安打数、通算打率0.247の捕手、伊藤勤も谷繁元信と同じく、打撃よりも守備面での評価が高く、長い現役生活を勤めた選手と言えるかと思います。打撃面では谷繁元信と比較して長打力では劣りましたが、0.280以上を2回マークする等それなりの実績を残しています。又谷繁元信と異なり、捕手としては走力もある方でした。彼の場合、多くのシーズン、優勝争いにチームが絡んでいた事もあり、より守備面が重要視されたと言っていいかと思います。メジャーと異なり、一人の捕手で1シーズンを賄う傾向の強い日本プロ野球に於いて、この2人は打撃よりも守備面が優先される捕手という立場を巧く活用して長い選手生活を送った、或いは送りつつあると言えるかと思います。昨年谷繁元信に通算安打数で抜かれた捕手木俣達彦は、実働19年で1876本の安打を放ち、通算打率0.277、285本塁打をマークしています。打撃に於いては、明らかに彼ら二人を凌駕している選手と言えるでしょう。しかし、肩が決して強くない事もあり守備面での評価は高いものではありませんでした。従って打撃が衰えて来た時期、肩が強く、俊敏な動きの出来る捕手中尾孝義の台頭により、引退の時期が早まったと言えるのでしょう。捕手として長生きするには、後継者の追随を許しにくいと思われる守備面を重視した方がいいと言えるのかも知れません。
先日メジャー昇格が伝えられた五十嵐亮太ですが、2試合に登板しただけで早くも事実上の戦力外通告のマイナー降格、獲得希望球団がない場合、マイナー契約を結ぶ見通しというニュースが流れました。昨年マイナーに降格した時点で、今後もうメジャーに昇格する事はなく、最後の降格であろうと、少し辛辣にこのブログに書きましたが、今回の昇格も含め、その後2回昇格した事に関しては素直に称賛したく思います。2試合の登板内容ですが、最初の試合は1イニング4安打2失点、次の試合ではアウトを取れず2失点です。防御率は36.00になります。僅か2試合ですが、この数字では今回の処置は止むを得ないかと思います。2試合ともしっかり観ましたが、打ち込まれた最大の要因はコントロールの甘さに尽きるかと思います。以前にも少し触れましたが、彼の投球を観ていると、高いマウンドから投げ降ろしている感が少なく、ボールの抑えが効いていない感が否めす、常に球がうわずっている状態に見えてしまいます。結果的に甘いコースの球を痛打されています。しかしファストボールの球速は、最も遅くても93マイル、最速では96マイルをマークし、日本時代の快速五十嵐の頃と,殆ど変化はありません。日本では非常に速く、打者のバットを押し込むような彼の球威でも、圧倒的にパワーの優れるメジャーの打者相手では、抑え込める程の球威ではないという事なのでしょう。現状マイナーでは好投出来ても、メジャーでは無理という評価と思われる彼が、日本への復帰を含め、今後をどの様に考えるのか興味深いものです。
追記 ヤンキースが獲得のニュースが入りました。頑張って欲しく思います。
追記 ヤンキースが獲得のニュースが入りました。頑張って欲しく思います。
およそ1ケ月前、アルロディスチャップマンの球速という題目で、今シーズンの彼の成績と球速に就いて触れました。その時点で失点0、自責点0だったのですが、驚くことに現在26イニングの投球を消化した時点で失点1、自責点0、防御率0.00の素晴らしい数字が続いています。現在奪三振44個、彼としては抑えめの球速の95マイルから102マイルのファストボール、最速94マイルにも達するチェンジアップ、80マイル台後半のスライダー等で、実に1試合平均15.2個の奪三振率になります。具体的に言えば26イニング、78アウトの内半数以上の44個を三振で奪っている訳です。前回も触れましたが、彼としては抑えめの球速により制球力がアップした事が好調の要因だと思います。違う言い方をすれば、抑えめに投げても、メジャートップクラスの球速を誇る、彼だからこそ可能とも思えます。球速の出しにくい先発投手、バーランダーが試合終盤や大事な局面でしばしば球速アップし、100マイルに達するのにも通じるものがあると思います。しかし他の投手達には、勘違いしないで欲しく思います。この芸当と言ってもいいかも知れない事が可能なのは、いつでも100マイルを叩き出せる彼らの90マイル台半ばから後半の球速だからこそであり、頑張ってもそのクラスの球速の投手には困難である事を理解して欲しく思います。
多分来シーズン、2000本安打を達成すると思われる谷繁元信という、今シーズンで24年目の実働を誇る捕手がいます。高卒入団、その年即1軍出場、丈夫で長持ちの選手です。この選手が2000本を達成すると、他の選手と比べて、かなり稀な記録の持ち主という事が、クローズアップされるかと思います。先日もTVでアナウンサーが紹介していましたが、規定打席到達者中、最低打率の年度が、彼には過去4回あります。又、昨年終了時点で0.243の打率の彼が、8000打数までに2000安打を放つ、つまり0.250以上の打率で到達する為には、現時点で残り150を切った打数の内、半数以上の安打を打たなければなりません。現実的には100パーセント不可能と言えるでしょう。従って初の0.250以下の打率での達成者になります。これは田中幸雄の0.262を遥かに下回る記録になります。しかし、彼は0.300や0.295をマークした年もあり、1回もマークしていない柴田勲や田中幸雄、又2000本安打達成時にはマークしていない衣笠祥雄とは違う面もあります。実働年数が長いとは言え、通算本塁打数も200本を超えており、必ずしも打撃に優れていない選手とは言えないかと思います。結果的にリードを含め、守備が重要視される捕手というポジションと、打撃をあまり期待されない打順を任される場合が多い点、チームにとって不可欠な選手ながらも、決してスター選手ではなく、衰えを指摘されにくい点もあり、従来にはない異色の2000本安打達成者になろうかと思います。
将来、通算安打数が2000本に達しそうな選手は、残り1本の小久保裕紀を始めとし、現在現役選手の内からも何人か誕生すると思いますが、2500本となると、なかなか見当たらない気がします。将来その選手がメジャーに挑戦しない事を前提として、故障や怪我がなく、上手く行けば達成可能な選手を考えたとしても、残念ながら2人しか浮かんで来ません。先ずは、今年30歳になり、昨シーズン終了時点で1090安打を放っている内川聖一です。首位打者2回の実績、5年連続3割、コース、球質に逆らわず柔らかい打撃をする選手です。しかし決して優れているとは言えない脚力と右打者という事で、内野安打を稼ぐタイプではありません。残り1400本弱、どの位本数を積み上げられるか、興味あります。次に、今年31歳になる鳥谷敬です。昨シーズン終了時点で1154安打です。段々成績を上げて来ており、ここ2シーズンは3割をマークしています。非常にいい選手なのですが、攻守走それぞれにもう一つのインパクトに欠ける様な気がしてなりません。又大卒でありプロ入りが遅いのもマイナス材料であり、2500安打達成はかなり困難かと思いますが、最低でも2000本は超して欲しく思います。
1976年、ドラフト1位で広島カープにショートとして入団、1978年のデビューから1993年まで右膝粉骨骨折で未出場の1981年を除き、1993年まで、同チーム一筋に活躍した、実働15年間の右投両打の選手です。公称は178cm、82kgとなっていますが、もっと体重が少なく、細身の選手に見えましたが、恐らくかなり筋肉質の体型だったかと思います。攻守走三拍子プラス野球センスのある選手という印象が強く残っている選手です。この選手を語る時、同チームで2年先輩の高橋慶彦の存在を外す訳にはいかないと思います。1976年、山崎隆造がドラフトで指名された時点で、投手として入団した高橋慶彦の実績はないに等しい為、チームとしてはショートを守れる選手として、かなりの期待を込めて指名したかと思います。しかし彼が入団した1977年、高橋慶彦はその素晴らしい素質の片鱗をを見せ始め、未だ欠点が多いながらも活躍し始め、翌1978年には、ほぼショートレギュラーの座を確保します。学年で2年差、実質には1年と1ヶ月位の年齢の差、更には二人とも、三拍子そろった同じタイプでもある事から、無理に競争させず、チームは彼をセカンドにコンバートしたかと思います。
昨シーズン終了時点での、松井秀喜選手の通算成績は1202試合、1239安打、173本塁打、0.285になります。昨日終了時点、3Aで30打数4安打の0.133の数字の彼ですが、何故かメジャー昇格の噂もあったりします。確かにいい当たりを捕られたりのケースもありましたが、3Aでのこの打率は正直寂しいものと言わざるを得ません。今後彼のメジャー昇格の時期、或いは有無次第になりますが、もし昇格したとしても、物凄い活躍をし、更にチームが優勝争いに絡まない限り、38歳になっている彼の来年の契約はかなり厳しいものになると思います。従って、2007年度版で予想されている数字の試合数1358、安打数1427の達成は物凄く困難であり、唯一本塁打数186のみ達成の可能性があるかと思います。但し、その時点で打率のダウンは免れず、又試合数より安打数が多い現状ですが、逆の状況になる可能性もあろうかと推測します。因みに、(THE BILL JAMES HANDBOOK)の予想数字は、来季の去就以前になされており、127試合、103安打、13本塁打、0.263です。この数字を当てはめると、シーズン後の通算成績では、1329試合、1342安打、186本塁打、0.283になります。今後メジャーに昇格したとしても、安打数、本塁打数の増加との引き換えとして、通算打率のダウンは避けられないと思います。
(THE BILL JANES HANDBOOK)は松井秀喜選手の生涯成績も予想しています。少し書いて見ます。2004年、シーズン終了後の2005年度版、1441試合、1471安打、203本塁打、0.287、2006年度版、1558試合、1676安打、213本塁打、0.291、2007年度版、1358試合、1427安打、186本塁打、0.289になっています。ここで注目して欲しいのは、2005年度版から2006年度版にかけて、あらゆる予想がアップしていますが、2007年度版では逆の予想になっています。この予想の背景には、当然2006年5月のあの怪我が当然入っています。この本で優れている点なのか、選手にとって余計なお世話なのか、どちらか解りませんが、2006年度版では、怪我の危険性のある選手を挙げており、膝の危険性.092として松井秀喜の名前を挙げてもいます。その年は膝の故障ではありませんでしたが、手首の怪我により、長期欠場を余儀なくされた事が、生涯成績の予想数字のダウンにつながったのは、間違いないかと思います。
(THE BILL JAMES HANDBOOK)の生涯成績予想で、通算安打数が2500本に達しないであろうとされた現役選手イチローは、昨日現在1793試合、2479安打で打率0.325の数字です。この本の予想では、、そこまでの安打数を放つ事の出来る選手とは思っていなかったという事なのでしょう。因みに今シーズンの成績予想は162試合、206安打、打率0.303となっています。この数字をそのまま当てはめて見ると、12シーズン目を終えた時点で1911試合、2634安打、打率0.324になります。2006年シーズン終了時の最終予想に対して、当然積み重ねの記録の安打数は、予想の2402本をかなり上回っている訳ですが、率の記録は、その時点でかなり予想の0.321に近づく事になろうかと思います。勿論この本の予想が常に当たっている訳ではないのですが、ある程度の年齢になって来ると、積み重ねの記録と率の記録双方を狙うのは、物凄く困難である事を表しているかと思います。天才打者イチローですが、シーズン前の打率0.326を今後維持したり、或いは上げるのは、現在の年齢から至難の業と思われ、3000本安打に近付けば近付く程、通算打率が下がるのは止むを得ないかと思います。
pitch f/xでの球速表示の最速は、チャップマンの105.1マイル、次いでズマヤの104.8マイルとされています。しかし、gamedayでの表示は小数点まではありません。つまり小数点表示をしていないだけで、実際には小数点までこの装置は計測しているのだろうと思っていました。そこで色々と調べた処、各投手の球質別最速も含み、横回転や縦回転、スピン数等、様々に投球を分析したサイトが見つかりました。その最速の数字と、gamedayでの数字を比較して見ると、四捨五入して正数表示しているであろう事が分かりました。具体的に言えば、100マイルと表示された場合、実際には99.5マイル以上、100.5マイル未満という事になるかと思います。つまり同じ100マイルという表示でも、km換算すれば1.6kmまでの誤差が生じる可能性があるという事です。100.4マイルの球速の場合、100マイルと画面表示され、NHKの中継では160kmと換算されますが、実際の球速は161.5kmになります。物凄く細かく、どうでもいいと思われる事を書きましたが、出来れば小数点単位まで、画面表示されると嬉しく思うものであります。