3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

榎本喜八(8)

2014-02-28 13:13:12 | Weblog
榎本喜八選手は盗塁数に関してはそれなりの数字を残していますが、脚力は決してあるタイプではなく打者走者或いは走者としての走塁技術は優れているものではありませんでした。通算二塁打数が409で通算三塁打数が47という所にも、当時の球場の狭さという要素もあるかと思いますが、左打者として二塁打と三塁打の数を比較すると、あまり積極的な走塁ではなかったと言えると思い、走塁に関しては切り上げに近い3の評価をしたく思います。次に守備と肩ですが、ファーストとして様々な守備の記録を保持していますが、この数字通りの優れている守備力であったとは思えませんでした。公称身長は172cmと当時の選手としも小柄な部類に入る身長はファーストには不向きとは思えるものの、外野手としては脚力不足という事で、その打撃力を活かすにはファーストが最適とされたかと思います。昭和34年に13試合外野手として出場していますが、それ以外の年には全てファーストを守っています。榎本喜八選手は不動のファーストと揶揄された様に非常に守備範囲が狭く、又後の松原誠選手の様に脚を思いっきり延ばして捕球する事もなく、捕れる範囲の球を捕っていたので結果的に高い守備率を誇っていた事になろうかと思い評価としたら2かと思います。最後に肩ですが、ファーストの場合非常に判断しにくいのですが、何回か内野手への送球を見る限り決して強いとは思えないので一応やや甘く3の評価にしたく思います。

榎本喜八(7)

2014-02-27 20:55:13 | Weblog
榎本喜八選手のライト方向への本当に綺麗であり且つ異常な程伸びる弾道程素晴らしいものはなく至高の技術を感じたものでした。前回彼のパワーに就いて3の評価をしましたが、切り下げの3である事を記したく思います。もし榎本喜八選手の打棒を封じるとしたら、昨今メジャーで多く見られる打者に応じた守備体型が有効かと思います。具体的にはサード、ショートも1、2塁間に守備し、センターはライト方向へ移動、レフトがセンターからやや右翼寄りの位置に移動する位しか防げないかと思います。兎に角殆どミスなしにバットの芯に当てる技術は空前絶後のものと言って言いかと思い、前記以外の防御法は全盛期の彼にはないかと思います。次に走塁ですが18年間の現役生活で通算153盗塁成功で84盗塁失敗の数字が残っています。決して優れた数字とは言えないのですが、現役生活の殆どを主軸打者として過ごした選手としてはそれなりに走る意欲を示していた選手という言い方もあり得るかと思います。

榎本喜八(6)

2014-02-26 21:53:39 | Weblog
先日張本勲選手を5部門に於いて5段階評価を勝手にさせていただきました。今回は何回か張本勲選手との比較でブログを書かせていただいた榎本喜八選手を同じく評価したく思います。先ずはミート力ですが、この部門に関しては全く迷う事なく5をつけたく思います。張本勲選手の時に5以上があればつけたいと書きましたが、それ以上にもっと高い評価をしたく思うのが榎本喜八選手です。扇打法と呼ばれ全方向に安打を放ち分けていた張本勲選手と大きく異なり、ほぼライト方向への引っ張り一辺倒ながら投球にバットを当てる技術は信じ難い程のレベルでありました。榎本喜八選手に関しては初の首位打者を獲得した昭和35年以降、物凄く注意して見て来ましたが、全くブレのない軸等、彼ほどミートポイントの優れている打者はそれ以前もその後も私は知りません。兎に角ミートする力に関しては歴代を通じて他の打者を圧倒的に引き離しているのが榎本喜八と言っていいかと思います。次にパワーですが通算本塁打数が246本、シーズン20本塁打以上が3回と決して長打力があるタイプではなく、又その20本塁打以上のシーズンも極端に狭い東京スタジアムを本拠地とした時代という事もあり、評価としたら3かと思います。

小川泰弘(1)

2014-02-25 16:03:20 | Weblog
昨シーズン、16勝4敗、防御率2.93の成績で最多勝、最高勝率、新人王に輝いたヤクルトスワローズの右腕投手です。その特徴ある脚の上げ方から和製ノーランライアンと呼ばれていますが、脚の上げ方は兎も角としてもその状態でのタメの作り方がライアン投手とは異なる様に見えてしまいます。ロッテオリオンズ時代の伊良部秀輝投手の方が、球速、脚の上げ方、タメの作り方にノーランライアン投手に近いものを感じてしまいます。公称171cm、80kgの体格から繰り出される球は伸びやキレも素晴らしく威力も感じるのですが、画面で見る感覚よりもスピードガンの数値は出ていません。昨シーズンのストレートの平均球速は141.3km、最速は148kmと数値的には傑出したものではありません。昨シーズンの様な俗に生きている球を投げれている間は、表示される球速を気にする必要は少ないかと思いますが、不調時或いは球速が落ちて来た時点に於いて相手打者を圧倒出来ない可能性があり、この切れ味鋭い投手の将来性を疑わざるを得ないものです。

日米に於ける球速

2014-02-22 15:08:28 | Weblog
以前日米で登板した投手の球速を比較して書きました。その時点で各投手の2013年度の球種毎の平均球速が分からなく、前年と比較して大きな差はないだろうとある程度憶測で書きましたが、Slugger特別編集の選手名鑑に各投手の平均球速が掲載されていましたので、前年の球速と一緒に書き出して見ます。各投手、最初の数字が前年の2012年、次が昨年2013年の数字です。マシソン投手、149.9km、151.9km、ミコライオ投手、149.3km、150.9km、サファテ投手、147.2km、148.7km、ファルケンボーグ投手、147.9km、147.1kmとなっており、どの程度までを大きな差がないとするのか疑問はあろうかと思いますが、数値の差が皆2km以内、物凄く大きな差ではないと言えるかと思います。昨年の平均球速や最速をメジャー時代と比較しても、物凄く大きな差はなく、日本のスピードガンとメジャーのpitch f/x、昨年の数字でも大きな差がないと言えるかと思います。しかし当然同時計測ではないので、断定する気はありません。今年メジャー移籍の田中将大投手の平均球速は2012年146.1km、2013年147.4kmと少しアップしています。今年26歳になる田中将大投手の球速ですが、平均球速91.7マイル(147.5km)、最速96.7マイル(155.6km)と予想して見ます。


土井豊投手

2014-02-21 21:34:46 | Weblog
昭和33年の開幕前、当時の阪神タイガースの田中義雄監督が週刊ベースボール創刊号でのインタビューで、スピードにかけたらタイガースで一番で、度胸も満点だから面白い存在になると思うと語った左腕投手です。残念ながら私は全く見た事のない投手なのですが、その前年の昭和32年の小山正明投手のその後とはかなり異なった、本当に速い球を投げていそうな投球フォームの連続写真を見て以来、その小山正明投手より速いと監督が認めた投手とは、どんな投手だったのか妙に気になる存在でした。当時の選手名鑑を調べて見ましたが、当時入団2年目20歳になるシーズンの土井豊投手は、32年の選手名鑑ではスピードもありカーブのコントロールもよい期待の新鋭投手と論評されています。又34年の選手名鑑では快速球の持ち主だが期待されながら足踏みとの論評です。当時の公称サイズは173cm、67.5kgと決して当時の選手としても決して大きくはないのですが、一体どの様な投球フォームでどの位の速さの球を投げていたのか知りたい思いです。因みに実働は移籍後も含め4年、勝ち星は33年の2勝のみです。

立浪和義(4)

2014-02-20 11:47:15 | Weblog
立浪和義選手の通算二塁打数は歴代トップですが、意外にもシーズン毎でトップになった事はありません。しかし17.9打数に1本の二塁打率0.056はかなり高い数字で、二塁打を生産する能力は高いと言えるかと思います。この二塁打の数字を見ているとメジャーリーグでバリーボンズ選手に破られるまで通算本塁打数755本でトップだったハンクアーロン選手の本塁打記録を何故か思い出してしまいます。ハンクアーロン選手は本塁打王に4回輝いていますが、キャリアハイは47本塁打で一度も50本塁打に達した事はありません。二塁打と本塁打と部門は違えど、両者共安定した数字の積み重ねの結果かと思います。パワーと走塁に関しては以上触れました様に、評価としては3或いは3プラスα位かと思います。次に守備と肩に移ります。立浪和義選手はショート、セカンド、サード、外野手と多くのポジションを守り外野手以外ではゴールデングラブ賞に輝いており守備は上手いとされていますが、彼の身体能力が格別優れていると感じた事はありませんでした。例に出して恐縮ですが、立浪和義選手のデビューと時と同じショートを守るメジャートップクラスの身体能力を誇るホセレイエス選手と比較すると、月とスッポン位の差はあろうかと思います。

球速の評価(4)

2014-02-18 16:20:12 | Weblog
前回の池永正明氏の発言は、昨年発刊されたベースボールマガジン9月号のインタビュー記事から引用したものです。池永正明氏は永久追放処分から2005年復権したものの、マスターズリーグでの登板等の一部の報道を除きあまり話題にはなっていないかと思います。ネットで調べると地元では解説をしている様なのですが、私の知る限り全国区ではその動向はあまり知られてはいないかと思います。つまりそういう背景があるからこそ語れる側面があるかと思わざるを得ません。インタビューを受けるOBの殆どは球界と密接な繋がりがある為、自身及び同時期に活躍した仲間を悪く言いにくい環境にあり、又過小評価より過大評価しといた方が無難という事が有る様に思えます。話は少し飛びますが、先日オリンピックのノルディック複合の解説をしていたかっての世界の絶対王者荻原健司氏は、現在の選手の方が遥かに優れており一緒に試合をしたらとても敵わない旨の発言をしていました。この発言、当時圧倒的な実力を誇っていた荻原健司氏より出たものなので、当時の全ての選手に同じ事が言えると解釈出来るかと思います。謙遜なのか正直なのか分かりかねますが、当時の選手としては聞きたくない言葉だった様に思います。次回池永正明氏の発言の背景に触れたく思います。

球速の評価(3)

2014-02-17 19:12:28 | Weblog
このブログで何回となく書きましたが、投手打者を問わず球界OBの多くはというよりも殆どは、自分たちの時代の投手の球速が現代より優れていると語っています。特にスピードガンのなかった時代のOBにその傾向が見られます。これには大きく分けて二つの理由があるかと思います。一つは、球速を測るものがものがないのだからある意味言った者勝ちであり、好き勝手な事が言える訳であります。もう一つはスピードガンの一般的な普及は昭和54年で、もう35年前になります。従ってスピードガンのない時代をはっきりと記憶している人は、現在少なくとも40歳を越えているものと思います。それより若い人はリアルタイムで見ていた訳ではないので、OBが自身或いは周りの選手を誇張して語ったとしても現実には分からないものであるのでしょう。そういった球速を始めとして誇張した表現が多い中で極稀に違う表現をするOBがいます。八百長行為により永久追放された池永正明氏は、昔の大投手はみんな豪腕というイメージがあるがウソであり、一部例外はいると思うが、今の投手の方が球は速く、体の大きさが違い、小さい方の私は140kmそこそこだったと語っています。次回続けます。

張本勲(43)

2014-02-16 09:01:09 | Weblog
立浪和義選手を勝手に5段階評価している時、ふと史上屈指のアンバランスな選手である張本勲選手も、立浪和義選手と同じ条件で比較してみたくなりましたので、今回書いて見ます。先ずはミート力、これは間違いなく5でありそれ以上の評価があれば付けたい位のレベルかと思います。内角高めのかなり速い球にこそ若干難はあるものの、当てる力、全方向に打ち分ける力等申し分ないかと思います。パワーに関しては、ミート重視もあり、記録的にもシーズン34本塁打がキャリアハイなので4かと思います。走塁は通算300盗塁以上やシーズンでのリーグ2位の記録もあり、又稀にバントヒットを狙った際にもかなりの速さを見せていますので4かと思います。もし主軸打者限定で評価したとしたら5を付けてもいいかと思います。次に守備と肩ですが、実際にデビューから引退まで見て来た者として、全く迷う事なしに1を付けたく思います。守備率や補殺数で反対の意見もあろうかと思います。しかしその理由は今までその姿を散々書いて来ましたので今回は割愛しますが、悲しいかな1以外の評価は考えられないものであります。