3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

現役打者の通算打率3割(11)

2013-09-30 13:29:52 | Weblog
今年3人の打者の通算打率3割の危機、陥落に就いてこのブログに書きました。少し結果(経過)に触れてみます。先ずは今日、今シーズンの日程が終了したメジャーリーガー、アレックスロドリゲス選手です。予想では切り上げ3割が微妙としましたが、結果は9818打数2939安打の通算打率0.2993になり、遂に通算打率で3割を切ってしまいました。薬物疑惑で211試合の出場停止処分を不服として裁定が下されるまでの期間を出場し続けている彼ですが、この裁定より軽くなる事は多分有り得ず重くなる可能性の方が強いかと思います。現行の裁定通りと仮定しても2015年の5月末頃に出場可能になります。1年以上のブランクがありその年40歳を迎え、現時点でも衰えが顕著に見られる彼には悲しいかな明るい未来は全く見えて来ません。残念ながら通算打率3割へのカムバックは100%有り得ないと言っていいかと思います。彼は今シーズン出場した事により、区切りの記録650本塁打こそ達成したものの、本塁打数の順位は上げられず、且つ次の区切りの700本塁打には現状の力では程遠く、逆に通算打率3割の座を失った様に思えてなりません。

イチロー選手の通算打率(3)

2013-09-28 14:50:21 | Weblog
日本プロ野球で通算打率3割以上の打者で引退の年に3割をマークした打者に大下弘がいます。規定打席以下の254打数ながら0.303の数字を残していますが、本塁打数は3本ともはやかっての本塁打王の姿とは程遠いものでありました。現役の3割打者では天才打者と言われる前田智徳が昨年49打数16安打の打率0.327、今年は怪我もあり9打数4安打の打率0.444の数字を残していますが、レギュラーとは程遠い存在になっています。現役晩年に比較的いい打率を挙げた打者としては若松勉もそうでしたが、彼も出場の殆どが代打でした。つまり現役晩年に打率をあまり下げない方法(?)としては、力の衰えてきた打者には打数自体が減ってくる事がある意味必要になって来ます。力の衰えて来た打者には打数自体が減る傾向が当然ありますが、チームの看板選手であった長嶋茂雄、王貞治にはこれが当てはまらず、最終年の打率は0.250を切りながらもほぼフル出場し、通算打率をかなり下げる結果になっています。一応来年までヤンキースとの契約の残るイチローは、幸か不幸か現状の力も踏まえ看板選手では決してありませんのでかなりの打数減が予想され、通算打率低下には逆にプラスになる面が大きい様に思えてなりません。

イチロー選手の通算打率(2)

2013-09-27 10:09:54 | Weblog
通算打率の表示に関してメジャーリーグの場合は、5000打数以上を規定打数としています。但し現役選手の場合3000打数以上の選手も含めて打率等の数字の順位を表示しています。現時点での現役選手の打率の順位は5000打数未満のジョーマウアー、0.323、5000打数以上のアルバートプーホルズ、0.321、ミゲールカブレラ、0.321に次ぎイチローは4位になります。かってもっと高い打率でプーホルズやトッドヘルトン等の選手と現役打率首位の座を争っていた事を考えると、本当に率が落ちて来た現実を感じざるを得ません。では最終的にどの位の打率で現役生活を終えるのか少し推測してみます。推測のポイントとしては、最初に引退の時期、次にそれまでの使われ方にあろうかと思います。現役を長く勤めれば勤める程増える可能性のある積み重ねの記録の本塁打や打点と異なり、打率を始めとした率の記録は当然上下します。殆ど全ての選手は打率を大きく落として引退の時期を迎えます。違う言い方をすれば、引退が早くかつ打席数が少ない程、力の落ちて来た選手にとって打率は下降しないと言えるかと思います。

イチロー選手の通算打率(1)

2013-09-25 13:35:49 | Weblog
2009年シーズン終了以降のイチロー選手の通算打率を書き出して見ます。2009年、0.333、2010年、0,331、2011年、0.326、2012年、0.322、2013年、0.319になります。2013年は未だ終了していませんが残り5試合、最近の調子から四捨五入で率が更に落ちる事はあっても、上がる事はないと思います。この数字を見ても解る様に力の衰えが非常に顕著であります。4年間で1分4厘位、数字が下降しています。本塁打や打点と異なり打率は上下するものですが、この落ち込みはかなり深刻な状態を表しているかと思います。イチローの様に主に一番打者を務め、更にあまり四球の多くないタイプは必然的に打数が多くなるものです。ヤンキース入団以降のスタメン1番を確約されていない数字を入れても、今日の試合終了時点で8596打数に達しており、年間平均約660打数以上になります。当たり前の話ですが、分母が大きれば大きい程率の上下は少ないものです。つまり打率の上下の少ない打数に達していながらも、急激な打率の落ち込み、元々の打率が高い事を考慮したとしても限界は近づいていると思わざるを得ません。

昭和43年の鈴木啓示投手(2)

2013-09-23 13:04:30 | Weblog
昭和43年、セリーグでは入団2年目の豪速球左腕、江夏豊投手が25勝12敗、防御率2.13、401奪三振の数字を残し、特に奪三振数は従来の記録を遥かに凌ぎ今でも日本記録です。鈴木啓示投手の300個以上の奪三振数は、比較するとその数と奪三振率の上でかなり見劣りしたのはやむを得ないかと思います。しかしその後パリーグでは300を超す奪三振数を記録する投手は現れていませんし、現状の登板数では今後も有り得ないかと思います。当時の鈴木啓示投手の脚の上げ方に関してですが、一連の投球動作というより、何か無理やり上げているかの様に感じ、所謂滑らかさはあまり感じられませんでした。そのせいもあるのでしょうが、上の写真のフィニッシュを見ると一連の折角のダイナミックな動作が、投じられた球にもう一つ伝わっていない様に思えてなりません。その点では、脚の上がらない投法ながら、金田正一投手の方が優れている様に思えます。当時球の速さはパリーグの左腕投手の内では他を圧倒していましたが、球の伸びに関してはやや不足していたかと記憶しています。

昭和43年の鈴木啓示投手(1)

2013-09-22 22:18:17 | Weblog
上の連続写真は[日本プロ野球偉人伝vol6]に掲載された鈴木啓示投手の昭和43年の投球の連続写真の一部です。先日紹介した脚の上げ方の少ない金田正一投手と比較するまでもなく、異常に右足が高く上がっている事がお解りいただけるかと思います。以前このブログで何回となく、入団2年目の昭和42年に脚を非常に高く上げる投球フォームに変え、和製コーファックスと呼ばれる様になったと紹介して来ましたが、その事を見事に証明する連続写真が残念ながらなかなか見つからないものでした。しかしこの連続写真を見れば、その当時の鈴木啓示投手が如何に脚を高く上げたダイナミックな投球フォームで投げていたか証明出来るかと思います。この写真は入団3年目の43年、23勝21敗、防御率2.48、305奪三振を記録したシーズンのものです。翌年44年の24勝13敗、防御率2.50、286奪三振と共に快速球投手時代の彼の数字としてはキャリアハイと言ってもいいかと思う数字でした。しかしもの凄く不幸な事に、このシーズンの彼は違うリーグの同じ左腕快速球投手のお陰でもう一つ目立つものではありませんでした。

昭和32年の金田正一投手(4)

2013-09-21 12:23:36 | Weblog
昭和20年代の金田正一投手は、毎年100個以上、シーズンによっては200個に迫る数字に達する程ファーボールの多い投手でした。この事に関しては、30年代多く刊行された金田正一投手の自著でも、球は滅法速かったがコントロールは悪かったと本人も十分に認めています。昭和30年代に入り、四球がかなり減り逆に三振が増え、30年には初の奪三振300個以上、34年にかけて毎年300個以上の三振を奪う様になって来ました。単純に言えば今までコントロールが悪く四球になっていたケースが、コントロール改善により三振に変わっていったのかと思います。32年の金田正一投手は四球が90個、奪三振が306個と数字上は少なくともコントロールの悪い投手とは言えない存在になっていました。この年の金田正一投手の球速に関して、翌年の開幕前に発行された週刊ベースボールの創刊号には、評論家の意見として最盛期より僅かにスピードが落ちているという記述があります。評論家の一人は小野正一、もう一人は梶本隆夫を最速としています。この年の金田正一投手がどの位の速さだったのか、或はそれ以前の球速にも興味は尽きないものです。

昭和32年の金田正一投手(3)

2013-09-19 14:11:34 | Weblog
前回より前の部分の写真です。クイック投法で脚を上げていない様にも見えますが、これは金田正一投手が元来脚の上げ方の少ない投手であり、更にセットポジションという事に由来すると思います。現在と異なり、この当時はランナーがいる状態でしかセットでは投げなかった為、ランナーを意識して多少脚の上げ方が少ない様なフォームになっていたかと思います。日本一の大投手、金田正一投手の投球を観ていつも思っていたのは、脚の上げ方が少なくそのせいか腰の捻りというか回転が不足しているのではないかという事でした。昭和30年代中半から後半にかけて金田正一投手は常にと言っていいのでしょうか肘の痛みに悩まされており、湿度の上がる梅雨時には芳しい成績を挙げられませんでした。この肘の痛みも、もっと脚を上げ腰の捻りを利したフォームならば、少なくともかなり軽減されたかと思います。しかしこの様に下半身を巧く使っていないと思われる割に、投球時の胸の張りや肘の撓り等素晴らしく、流石に金田正一と思わせてくれます。但しこの上半身の使い方が素晴らしい故、下半身の使い方とのアンバランスが顕著になり肘痛に繋がった可能性は否定出来ない様な気もしてなりません。

昭和32年の金田正一投手(2)

2013-09-18 13:03:15 | Weblog
昭和32年の金田正一投手の成績は、28勝16敗、防御率1.63、353イニングを投げ306奪三振ともの凄く素晴らしい数字であり、30年から33年に至る彼が最も充実した成績、防御率1点台、奪三振数300以上を記録した4シーズンの内、翌年の33年と共に全盛期といってもいいシーズンかと思います。しかし連続写真を見る限りダイナミックさや荒々しさは感じるものの、後に見られる洗練されたフォームではありませんでした。後のフォームととかなり異なる点としては、脚のストライドが広くそれに伴い胸の張りが大きい所にあります。又左腕の後方への引き方も、滑らかさには欠けるものの、打者からの目線を避けるかの如く強引に速く行っています。この投球フォームから推測すると、本人が未だに自慢している球速の凄さも頷けないものではありません。制球には課題があるかも知れませんが、以前このブログで触れました背番号14時代の小山正明投手と同様、もの凄く速い球を投げていたであろう事を容易に推測させてくれる投球フォームかとおもいます

アンドリューキャッシュナー1安打完封

2013-09-17 13:04:16 | Weblog
昨年このブログで何回か触れましたサンディエゴパドレスの速球投手です。今年これまで彼に就いて書かなかったのは、速球投手大好きの私としては昨年程の魅力を今年の彼の投球には感じなかったからです。昨年主にリリーフとして登板した彼のフォーシームは最速102.0マイル、平均98.0マイル、100マイル以上計測は104回とメジャー屈指の球の速さを誇っていたのですが、今年先発に転向した彼のフォーシームの球速は最速100.2マイル、平均94.6マイル、100マイル以上計測は多分1回のみと、球速自体はかなり落ち込みを見せています。昨年も先発した折リリーフの時より球速が落ちていた為、今年の球速はある程度予測出来ていたのですが、正直彼の投球に昨年程の魅力を感じてはいませんでした。従って昨年はMLBtvの映像で必ずチェックしていた彼の投球は、今年は球速チェックのみに終わる事が多くなりました。今朝は珍しく彼の投球を試合開始から観ましたが、写真の数字が示す通りの1安打完封、併殺打があった為27人の打者で終わるという完璧な投球を観せてくれました。しかし先発として長いイニングを投げねばならないという意識のせいか、最速は98マイルと矢張り昨年のリリーフ時程の球速は出ていません。今朝の試合で今シーズン10勝目を挙げ、先発としての力を見せつつあるのですが、昨年の豪速球連発をもう一度観たいという気持ちも捨て切れません。