3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

渡辺秀武(2)

2012-03-31 21:00:58 | Weblog
オーバースロー時代の渡辺秀武の投球フォームは躍動感に欠け、球を置きに行く感じが拭えず、球速はやや速い部類に属するでしょうが、切れや伸びも含めて、いい印象は殆どありませんでした。その後アンダースローと言うよりサイドスローからの投法に変え、成績もかなりアップして来ました。腰の回転がサイドスローに適していたのと、当時これだけの長身の投手がサイドから投げる例は殆どなく、それらが幸いしたのか、かってより伸びや切れも増して来た様な感もありました。しかし、サイド、アンダースローの投手に特有なと言うより、必須といっていいと思える、投球の際の深い沈み込みは感じられませんでした。昭和45年には、自身最初で最後の20勝以上の23勝と、素晴らしい成績を挙げるのですが、悲しいかな真の意味での20勝投手の力はなく、少し辛辣に言えば上手く打線とマッチした結果かと思います。その年以外15勝以上をを挙げた年がない事が、それを裏付けしているかと思います。その後、幾つかの球団を渡り歩き、それなりの活躍をしましたが、23勝を挙げた年以外は、今一つの実績の投手と言う印象が強いものです。

渡辺秀武(1)

2012-03-30 18:27:10 | Weblog
読売ジャイアンツに入団、その後日拓ホームフライヤーズ、日本ハムファイターズ、大洋ホエールズ、ロッテオリオンズ、広島東洋カープと計5球団に在籍した右腕投手です。実働は昭和39年から、57年までの19年間に亘る息の長い投手でした。渡辺秀武投手が入団した時の選手名鑑での公称身長ですが、記憶に間違いがなければ184cmとなっており、当時としては物凄く背が高く、背の高い事で知られる金田正一と同じ身長という事で興味を持ちました。入団当初の彼は、長身を生かすべく、ややスリークォーター気味のオーバースローから投げており、当時の評価は球が速く、球威は充分ながらも、メリーちゃんというニックネームで呼ばれるほどの気の弱さが災いし、大成を阻んでいるという意見が多いものでした。しかし、腰の回転がぎこちなく、且つオーバースローの捻りとはやや違う感じであり、全体的に見てもスムースさに著しく欠ける投球フォームでした。従って、彼が投じる球には、あまり威力は感じませんでした。体が大きく、一見速い球を投げそうな投手が、なかなか頭角を現さない場合、現在もそうですが、マスコミは性格面等、技術以外のせいにする傾向は強いものですが、当時の彼の投じる球について、その評価程の力があるとは、私には思えないものでした。

ウラディミールゲレーロ(Vladimir Guerrero) (4)

2012-03-29 15:33:19 | Weblog
前回ゲレーロの通算成績を記入していた時に、日本プロ野球のある選手に非常に似ている事に気づきました。その選手の通算成績は下記の通りです。実働年数は、現時点でゲレーロ16年に対し17年、打率こそ多少差があるものの、本塁打数、打点数、更には盗塁数も非常に近い数字を残しています。その選手とは長嶋茂雄です。彼は記録より記憶に残る選手と言われていますが、これは比較される相手が、同チームの王貞治の場合が多い為、この様に表現されますが、実績、つまり記録自体も凄いものです。打撃三部門共、複数回獲得と率も残せ、長打もあり、チャンスにも打てる選手でありました。少し両選手のキャリアハイの数字を比較して見ます。打率はゲレーロ0.345に対し長嶋茂雄0.353、本塁打数は44本に対し39本、打点は131に対し125、盗塁数も40に対し37になります。但し本塁打数と打点数及び盗塁数はシーズン毎の試合数が違う為、一概に比較は出来ないと思います。もっと言えば盗塁に関しては、二人とも若い頃は多く試みましたが、年齢を重ねるに連れ、減って来た点も似通っています。日本で超一流の選手と言われている長嶋茂雄と遜色のない実績をメジャーで残しているのが、怪物ゲレーロと言っていいかと思います。



長嶋茂雄 通算成績    2186試合     2471安打    0.305     444本塁打     1522打点     190盗塁

投手の球速(1)

2012-03-28 21:44:12 | Weblog
先日、以前やっていたブログに速球投手と思われる各投手の最速年度と、最速(初速、終速)推定値を尋ねるコメントがありました。そこで実際に観た範囲になりますが、その各投手別の私なりの順位付けをしたく思います。時期としてはおよそ昭和32、33年以降になります。その年以前にデビューした投手に関しては、その投手の最速年度とは異なっている場合が多いと思います。又各投手の一部を除き、皆かなりの速球投手の為、異論が多々ある事は覚悟の上で、こんなランク付けもあると言う位の感覚で見ていただければありがたく思います。又ランクも尋ねられた投手内でのものに限っております。


金田正一   最速年度 昭和33年   ランク 2

昭和33年開幕前に出版された、週刊ベースボール創刊号では、全盛期よりやや球速が落ちていると言う評論家の意見が掲載されています。球速では、もっと若かった頃が速かった可能性は高いと思います。私が観だした頃は、球速にかなりの差がある大きなカーブを巧く取り入れ、ストレート一本槍の投球ではありませんでした。試合別では、5連続奪三振のオールスター戦での速さが物凄く印象に残っています。以下何回かに分けて、書きたく思います。 



    

野間口貴彦

2012-03-27 10:21:54 | Weblog
2004年ドラフトの自由獲得枠で読売ジャイアンツに入団、2005年の初登板から現在に至る右腕投手です。今回朝日新聞の報道により、入団前に200万円を受領、契約金が7億円だったという事が暴露されてしまいました。同じく多額の契約金を受け取った他の選手は、それなりの活躍をしていますが、野間口貴彦投手は、どう贔屓目に見ても、又契約金の額は全く無視したとしても活躍しているとは言い難い選手です。それよりも、何故この程度の投手に対して、7億円の契約金、驚きしかありません。今回彼の名前がクローズアップされましたが、多分これが彼の名前が大きく報道される最後の機会だと思います。彼にとっては悲しいかな、その投球で今後世間を騒がすような事は有り得ないレベルの投手です。2005年、それなりに騒がれて入団した彼の投球を初めて観ましたが、一目でがっかり、所属球団から考えると、ある意味嬉しく思った事をよく覚えています。先ず感じたのは体に力がないという事でした。一応速球投手という触れ込みでしたが、何故か力強さとは無縁の感じに思えました。当時はオーバースロー、後にサイドスローに転向していますが、どちらのフォーム共、腰の回転が不足し、肘にも撓りがない為、二流投手に多く見られる、切れにも伸びにも欠ける球を置きに行っている印象が強いものでした。実力的にはアマチュア止まり、プロ野球での活躍は望めないという投手と言えるのでしょう。それにしても分不相応の金額を手にした訳ですから、プロ入りは大成功とも言えるかも知れません。

西岡剛の今シーズン

2012-03-26 16:55:42 | Weblog
先日ミネソタツインズの西岡剛選手が、マイナー降格を通告されました。非常に恐れていた事が、予想より早く起きたという感じです。ツイッターでは地元記者の、2Aが満杯の為3Aか?を始めとして、最良のニュース、スカウトは何を見て来たのか?3Aは彼にとって最適の場所とか、もうメジャーの打席に立つ事はないだろうとか、彼にとって辛辣な意見が数多く見られます。昨年全くと言っていい程通用しなかった事もあり、今年はレギュラーの座は用意されておらず、セカンド、サード、ショートを守れるユーティリティプレーヤーとして役割を用意されている様でした。ユーティリティーと聞こえはいいかも知れませんが、つまりレギュラーの座を任せられる力はなく、控え選手という事です。一般的に打力は優れずとも、器用さがあり守備力のある選手が控えとして起用されますが、悲しいかな西岡剛には肩の力を始めとして、控え選手に求められる様な守備力には欠けます。打撃でも昨年、非力である事を見せてしまった様に、最早彼の生き残る道は非常に厳しくなっています。残念ながらメジャー復帰の道は険しく、内野手を必要としているチームがあったとしても、来年まで契約が残っている事もあり、年俸負担をどうするか等、前途は多難かと思います。松井稼頭央や岩村明憲のメジャーリーガーとしての晩年の姿が浮かんできて仕方ないものです。

格(1)

2012-03-25 14:31:54 | Weblog
2009年、WBCの代表に選ばれたマー君こと田中将大投手は、自身の背番号18番は、当時日本のエースとして見られていた松坂大輔の存在がある為、着ける事が出来ず、次回は是非18番を着けたい旨の発言をしていました。代表選手として背番号が重なった場合、具体的にどの様な過程を経てどちらの選手が着用する決定をするのか知りませんが、基本的には前年の成績のみならず、その時点まで積み上げて来た実績を鑑みると言うか、ネームバリューつまり格を重んじて決定している様な気がします。その時点でプロ2年間で通算20勝の田中将大の格は、日本で通算108勝、メジャーの2年間で通算33勝であり、8歳年上の松坂大輔とは比較の対象にすらならなかったと言っていいかと思います。松坂大輔が自身の背番号18を着ける事に、異論のある人多分はいなかったと思います。もしその時点で、田中将大投手が昨年の様な成績を2年連続して挙げていたとしても、背番号18は着ける事はなかった様に思います。実際のエースは誰かという事とは関係なく、その選手がそれまで積み上げてきた有形無形のものが、格となって現れて来ている様な気がするものです。

ウラディミールゲレーロ(Vladimir Guerrero) (3)

2012-03-24 10:13:25 | Weblog
前回ゲレーロの守備を、気を抜いた様な雑な守備も見られると書きましたが、ひょっとして守備勘に優れていない可能性もあり得るという気もしています。しかしコントロールよく送球した時の彼のバカ肩から投じられる球の速さと言いましょうか、球の勢いには凄まじいものがありました。2000年代初頭の彼は脚もかなり速く、盗塁も多く記録し、特に2002年は40盗塁を記録し、本塁打が39本と、3割、40本塁打、40盗塁に僅か本塁打が1本だけ足りないと言う素晴らしい記録を残しています。その頃の彼は、主力打者としては珍しく多く盗塁を試みていましたが、スタートに優れないのでしょうか、結構失敗は多いものでした。しかし走塁では加速が付き、スピードに乗った状態での速さは、物凄く迫力に溢れているものでした。当時の彼は、守備力に若干不安はあるものの、打撃、パワー、走塁、肩と優れ、それぞれのレベルも考えると、最も5ツールプレイヤーに近い存在だったといってもいいのでしょう。次回あまりにも個性的な打撃に触れたく思います。



通算成績    2147試合    2590安打      0.318     449本塁打    1496打点    181盗塁

ほぼ全盛期に引退した投手(池永正明) (17)

2012-03-23 11:18:16 | Weblog
昭和37年、史上屈指の豪速球を引っ提げてデビューした尾崎行雄投手は、入団5年間で20勝以上を4回含み計98勝を挙げています。しかし彼は、その後12年間の現役生活を送りますが、残りの7年間で僅か9勝の勝ち星しか稼げませんでした。当時ボウリングのやり過ぎで肩を痛めたとか、色々と噂されていましたが、原因は兎も角としても肩を痛めたのは事実であり、6年目或いはそれ以降の投球を観るのは、かっての物凄すぎる豪速球を知っているだけに、非常に寂しいものを感じたものです。しかし彼の凋落の傾向は前年の投球にかなり見受けられました。流石に24勝を挙げ、防御率も2.62と悪いものではないのですが、奪三振数122,奪三振率3.76と急激な落ち込みを見せていました。球の速さのみで勝負する尾崎行雄とコンビネーションが売り物の池永正明、全くタイプが違う為、比較の対象にはなりにくいのは事実ですが、どうしても6年目以降の尾崎行雄の急激な衰えが気になるものでした。ある程度の年数を積み、実績を挙げて来た打者の場合、致命的な故障に出くわさない限り、少なくとも急激な衰えはあまりないものですが、肩が命の投手の場合、その故障に拠り、大きく投手生命を脅かされる危険性があり、池永正明がそのまま現役を続けた場合、その将来に就いて、どうしても尾崎行雄の例が気になってしょうがないものでした。

ウラディミールゲレーロ(Vladimir Guerrero) (2)

2012-03-22 11:27:06 | Weblog
ゲレーロの攻守走に触れたく思います。先ずは守備面ですが、昨年は2006年に痛めた膝の影響があるのでしょうか、1試合も守備に就く事はありませんでした。この点も、FAの彼に未だオファーがない大きな要因になっているかと思います。つまりDHでしか起用出来ない選手と見られているかと思います。ここ数年は、守備に就く機会が少ない為、2000年代初頭の彼の守備に関して、語りたく思います。彼の最大の魅力はバズーカ砲と呼ばれた程の、物凄い肩の強さにあるかと思います。バカ肩というか鉄砲肩というか、兎に角、地肩の強さは並はずれたものがありました。単純に地肩の強さだけなら、イチローや並み居るメジャーの強肩外野手をも上回っていたかと思います。今まで見た選手の内でも、最高クラスと言っても、間違いないかと思います。しかし、制球には難があり、あまりにも強すぎる肩の為か、投げる目標としている選手を飛び越してしまう送球も、結構あったものです。又当時はかなりの俊足だったのですが、気を抜いているのではないかと思われる雑な守備も見られるのと、捕球自体も決して上手いタイプではありませんでした。脚の速さや肩の強さには人一倍恵まれていても、ゴールドグラブ賞を一度も獲得していないのも十分納得出来るものでした。