3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

大杉勝男(11)

2011-12-31 21:39:11 | Weblog
以前にもこのブログで少し触れましたが、私が今までに観て来た右打者の内最も好きな選手でした。デビュー時の物凄いパワー、ヤクルトに移籍後の円熟味を増した打撃への変身、野球人生をも危ぶまれた程の打撃不振の時期等、本当に物凄くその動向が気になる選手でした。従って彼の現役時代、彼に関するニュースには、自分ながらチェックして来たつもりではいます。しかしごく最近まで彼がヤクルトから、その背番号8が1983年永久欠番に制定され、1985年本人の意思により広沢克己に禅譲されて消滅したという事を知りませんでした。当時この記事が大きく扱われてはいなかったかも知れませんが、本当に永久欠番に制定されていたのか、正直未だにその真偽が疑問ではあります。大杉勝男は確かに両チームで活躍しましたが、私にはどうしてもパリーグ時代のイメージが強すぎるものに思えてなりません。メジャーでは所属した複数球団での永久欠番はありますが、日本の場合は現状なく、もしそのままヤクルトでの永久欠番が残っていたとしても、どうしても大杉勝男イコール東映フライヤーズの意識が強烈な為、違和感が残り続けていた様な気がします。

松原誠(3)

2011-12-30 13:04:26 | Weblog
松原誠はレギュラー獲得の翌44年以降、主に4番を務める年も多く、紛れもない大洋ホエールズの主軸打者になりましたが、打率、打点、本塁打それぞれにそれなりの数字を残すものの、何か今一つ物足りないというか、特色に欠ける感は否めないものでした。主軸ではなく、この打撃の選手が6番くらいに座る打線があれば、非常にあなどれないという雰囲気の選手でした。印象としては生涯タイトル争いに食い込む事は先ずあり得なく、又20年間の現役生活や、2000本以上の安打を放つ選手になるとは、ほとんど想像出来ないものでした。しかし30歳で迎えた49年に初の3割超えを果たし、その後数年間は三部門共主軸打者に相応しい成績を残せる様に変化して行きました。打撃の特長としては、何と言っても右中間に大きい打球を放てる事が挙げられます。上手く引き付け,狙いすましたかの様に、鋭い打球が右中間を破ったのを何度も見せてくれたものです。又格別パンチ力があったり、物凄く振りが速いと言う訳ではないのですが、毎年20本以上の本塁打を黙っていても打つ感じの典型的な中距離ヒッターでした。打撃フォーム自体にはあまり特色はなく、投球の球質やコースにより、バットの出し方を巧く変えていた様に思えます。

松原誠(2)

2011-12-29 16:19:17 | Weblog
松原誠が大洋ホエールズ在籍時、内野手にはクリートボイヤー、ジョンシピン、米田慶三郎、山下大輔等守備力に優れた選手がいました。彼等の守備力は確かに凄いものでしたが、ファーストに抜群の捕球力を誇る松原誠が存在している事も見逃せません。兎に角捕球さえすれば、少々悪い送球でも捕球してくれると言う安心感があったかと思います。次に2000安打、300本塁打、1000打点以上と史上稀有の素晴らしい実績を残した打撃に触れたく思います。入団5年目の昭和41年レギュラーの位置を獲得した彼は、その後も不動のレギュラーとして14年間チームに君臨していきます。彼がレギュラーになった41年、チームには新人王、本塁打王、打点王の実績を持つ、桑田武という強打者がいました。しかし桑田武は、松原誠の台頭に反して、この頃からやや力の衰えを見せ始め、43年には急激に成績を落しています。後にオートレースの八百長に絡む等、芳しくない噂はありましたが、これ程急激に数字を落した選手は、打者ではあまり見られないものです。その43年に松原誠は打率0.278、本塁打28本、打点86と主軸打者としての数字を残しました。しかし当時のイメージとしては、かって長嶋茂雄と本塁打、打点で争った桑田武と比較して、非常に地味なものであり、華やかさには欠けるものでした。

永久欠番(1)

2011-12-28 13:35:21 | Weblog
阪神タイガースが金本知憲選手の背番号を、永久欠番にする方針であるとデイリースポーツ紙が報じているみたいです。打者の球団記録部門の多くを更新している為、それに値すると球団幹部が考えているそうです。しかし同紙が報道している球団記録の更新ですが、金本知憲選手の広島カープ時代と阪神タイガース時代を合計しているとしか思えません。現時点で9年間在籍の阪神タイガースでは、どの主要部門も更新してはいません。ここで注目したいのは、永久欠番は球団が決めると言う事です。つまりその球団に貢献した選手の栄誉を称えて、その背番号を他選手が付ける事なく、永久に封印すると言う事です。基本的にはその球団での実績が基準になり、他球団での実績はあまり加味されるべきものではない様に思います。その事もあり多くの永久欠番の選手は同一球団で、素晴らしい実績を挙げた選手が選ばれています。唯一例外としては、読売ジャイアンツで永久欠番の金田正一位かと思います。彼の国鉄スワローズ時代の勇姿を知っている人なら、永久欠番の球団に関して、結構意外に思っているのではないでしょうか?それ程球団と密接なのが永久欠番と言う制度かと思います。

村山実(6)

2011-12-27 21:12:26 | Weblog
村山実の奪三振率は、入団1,2年目が素晴らしく、特に1年目は295.1イニングで294個とほぼ1イニングに1個の割合で、当時の投手としては物凄い奪三振率です。その後防御率1点台の年も含め、素晴らしい成績を挙げた年も多くあるのですが、奪三振率が1試合平均7個を超える事はありませんでした。多くの速球投手は奪三振率の高い時期、つまり若くて球の速い時期に自己ベストの成績を挙げています。逆の言い方をすれば、球速の衰えが奪三振率の下落に繋がり、ひいては成績の落ち込みになっています。梶本隆夫、米田哲也、稲尾和久、杉浦忠、権藤博、江夏豊等はこの例に当てはまるかと思います。しかし村山実は奪三振率が落ちても、成績に影響はありませんでした。と言うよりも奪三振率と成績が関係ない稀な速球投手と言えるのでしょう。彼にとってのキャリアハイは25勝14敗、防御率1.20、265奪三振の昭和37年かと思いますが、この年の奪三振率も6.51とあまり高いものではありませんでした。今年田中将大投手の項で、デビュー時より奪三振率が昨年まで落ち込みかけており、凄く将来が気になっていたと書きましたが、幸いにも彼は奪三振率、成績双方を大幅にアップさせました。しかし奪三振率が上がらなくとも、好成績を挙げ続ける事の出来たのが村山実投手と言えるのでしょう。

松原誠(1)

2011-12-26 21:15:18 | Weblog
昭和37年大洋ホエールズに入団、以降同チーム一筋に終えるかと思いましたが、現役最終年56年、読売ジャイアンツに移籍し引退した右投右打の選手です。捕手として入団しながら、ファーストへ転向、その後サード、再びファーストへ戻りながらもセカンド、外野も守る等多くのポジションをカバーしました。先ずは守備に就いてですが、最も彼に相応しいポジションは間違いなくファーストと言えると思います。特に巧いのは捕球です。股が本当に裂けるのではないのではないかと思える程、異常に大きく開き、どんな送球でもさばいていたと言っても過言ではない位素晴らしいものでした。戦前タコ足と呼ばれた中河美芳と言う名選手がいたそうですが、当然彼のプレイは観ていないのですが、私にとっては松原誠の柔軟過ぎる捕球態勢こそ、最高に絵になる、これぞプロの捕球として、未だに脳裏から離れるものではありません。彼の現役時、ダイヤモンドグラブ賞(現ゴールデングラブ賞)が創設されましたが、あの守備力で一度たりとも受賞していないのは、不思議でならないものです。次回触れたく思います打撃にも物凄く秀でたものがありますが、私にとって松原誠で最初に浮かぶのは、あの守備力以外にありません。

続3割1分の壁

2011-12-25 16:04:02 | Weblog
2008年1月20日に、3割1分の壁という項目で、複数回3割をマークしながらも、3割1分を一度も越した事のない4人の選手を紹介させてもらいました。その時点で漏らした選手も含めて、他の3人の選手を下記紹介します。3人共前回の選手とはタイプが違います。来シーズン間違いなく2000安打に達するであろう宮本慎也は、パワーには恵まれず、打撃自体も長打を狙う事はありません。ミートする力には優れている為、高い率を残せているかと思います。非力な彼には、ある意味3割到達が限度かも知れません。それにしても3割到達5回に敬意を表したく思います。ホセフェルナンデスはパワーオンリーだけではなく、巧く右中間に打てる打撃がありますが、反面粗さもあり、これ以上の高打率を残すのは困難かと思います。もう一人桧山進次郎は、どうしても最近の代打専門の意識が強く少し意外でした。20年間の実働の割にはレギュラーのシーズンが少なく、好調の年に上手く打率を3割に乗せたと言えるかと思います。



   宮本慎也        5回
   ホセフェルナンデス   3回 
   桧山進次郎       2回
   

若松勉と青木宣親

2011-12-24 14:39:54 | Weblog
二人には多くの共通点があります。所属球団、右投げ左打ち、小柄な体格、外野手、3割到達複数回、首位打者複数回獲得等共通しています。しかしこれ以外に、この二人に関して即思い浮かぶ共通点があります。それは守備力です。二人とも脚力はある方なのですが、打球の追い方が、何故か物凄くぎこちなく見えて仕方ありません。走る際の上下動が大きく、当然打球を見失う可能性も高く、効率的に打球を追っている様にはどうしても見えないものです。又守備勘も今一つで、第一歩、スタートが素早いとは言えません。更に二人に共通しているのが肩の弱さです。来年メジャーに移籍するであろう青木宣親の場合、その肩からレフトしか考えられないかと思います。日本でもこの二人の肩は、明らかに平均以下のレベルです。特に昨今の若い外野手は、肩の強い選手がかなり多く、気の毒な事に青木選手の弱い肩は非常に目立ってしまっています。もう一つの共通点は、若松勉が2回、青木宣親が6回ゴールデングラブ賞に選ばれている事です。他の選手との比較もあるのでしょうが、正直ゴールデングラブの賞に値する守備力とは思えないものです。過去メジャーに挑戦した日本人外野手は皆、ゴールデングラブ賞獲得経験者です。しかし青木宣親の守備を観た時、メジャー選手は松井秀喜以来2度目のショックを受け、日本プロ野球のゴールデングラブ賞のレベル、価値のなさ、もっと言えば彼らを選出する記者の見る目のなさを知る事になるでしょう。

永尾泰憲

2011-12-23 22:11:04 | Weblog
昭和48年ドラフト1位でヤクルトアトムズに入団、近鉄バッファローズ、阪神タイガースに移籍し、15年間の実働後、62年に現役引退した右投左打の選手です。入団当初はショート、その後セカンド、サードも守る等器用な面も見せたりしました。公称169cm、73kgの小柄な体格、攻守走格別秀でたものはなくとも、大きな欠点はありませんでした。左打席での打撃はパワーこそ感じられないものの、時には思い切りのよさもあり、又スクイズ等小技も結構こなしていたと思います。しかし彼のシーズン毎の好不調もあるのでしょうが、どうしてもその時のチーム状況や、首脳陣の方針により起用方法が異なっている様に思えました。小柄な体、格別な長所も短所もない選手の宿命ともいえる様な気がしてなりません。規定打席到達が1回のみと言うのも、彼の選手としての特徴を物語っているかと思います。チームにとってレギュラーとして存在するより、控えとしていて欲しい選手と言えるかと思います。



通算成績     1114試合   610安打    0.258     23本塁打     208打点

ネフタリフェリース(Neftali Feliz)

2011-12-22 21:56:03 | Weblog
テキサスレンジャースに所属する、来年24歳になる右腕投手です。昨年は40セーブで新人王に輝き、今年も32セーブを挙げたレンジャースの若きクローザーです。しかし来シーズンは先発転向が噂されています。ダルビッシュ有入団としての話ですが、彼の起用法により勝ち星が大きく左右されるかと思います。もし彼が先発として起用されるなら、現時点では明らかに力が落ち、往時の面影の全く消えた移籍のジョーネーサンがクローザーを予定されているそうです。ダルビッシュ有を含め、先発投手の勝ち星を消す可能性が物凄く低いのが、クローザーを務めた場合のフェリースと言えるのでしょう。公称191cm、98kgの体躯から繰り出される快速球は、物凄く速く威力抜群であり、ストレートの平均球速は96.3マイル(154.9km)を計時し、100マイル越えも21回記録しています。正にメジャーを代表する速球派と言っていいかと思います。彼の投球フォームは、非常に無理無駄がなく、物凄く華麗なものです。メジャーの多くの巨漢投手に見られる、力任せの投法から繰り出される重みのある豪速球とは異なり、迫力や威圧感こそ今一つ感じられないものの、伸び切れには異常な程に優れています。日本プロ野球歴代屈指の快速球を誇った郭泰源のリリーフ時代を彷彿させてくれたのが、彼の投球でした。チームにとって、先発リリーフどちらが好ましいかは別として、先発投手の立場からは、是非リリーフを続けて欲しい投手と言えるかと思います。