3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

フェリックスヘルナンデス(Felix Hernandez) の球速(5)

2015-03-31 20:20:25 | Weblog
フェリックスヘルナンデス投手の球速は前回触れました様に、直近3年間でもかっての速さは影を潜めています。しかしフェリックスヘルナンデス投手の成績は落ちるどころか、安定感を更に増しています。直近3年間の通算勝利数は40、毎年200イニング以上を投げ、イニング数を超える三振を奪い、防御率は昨年の2.14を始めとして、悪くても3点をやや超える範囲に収めています。現在メジャーでも間違いなくベスト3に入る投手かと思います。つまり現状の彼は球速の落ち込みとは関係なく、敢えて球速を出さずとも相手を抑えられるレベルに達していると言っていいかと思います。投手とは勝つ事或いは勝てなくともベストピッチをする事こそが与えられた使命なので、現状の彼に文句をつける事はないのですが、かっての豪腕、豪速球投手の姿を知っているだけに物足りなさを感じてしまうのも事実であります。今年29歳になるフェリックスヘルナンデス投手ですが、年齢的にはまだまだ速い球で十分勝負出来ると思うので、妙に巧い投球、円熟化しない投球を見たいものです。

日米投手の球種(1)

2015-03-30 14:26:18 | Weblog
いつも投手の球速に関してばかりこのブログに書いて来ましたので、たまには球種に就いて書きたく思います。日米で一般的に表現の違う球種として、日本ではストレートとされている球種がメジャーではファストボール(fastball)になろうかと思います。日米共にツーシームとフォーシームの2種類がその中に含まれている様です。日本では昔からストレート、直球、速球という表現が多く、以前は特に速い投球に対して快速球という表現もありましたが、最近ではかなり限られて来た様な気もするものです。又ストレート、直球という表現は真っ直ぐという言葉から来ているかと思いますが、現在の様に微妙に動くボールという概念はその当時はなかったものと思います。ストレート、直球という言葉から直には速さを感じないのですが、MLBtvの実況中継でナックルボーラーR.A.ディッキーの80マイル(約128.7km)のファストボールという言葉を聞くと、その速さというか遅さで何がファストボールかとつい言いたくなってしまいます。

榎本喜八(10)

2015-03-29 11:56:37 | Weblog
榎本喜八選手の打撃に関して、昭和30年代を代表すると言うより歴代屈指の投手が語っているのを少し引用して見ます。稲尾和久投手は[ボール球は絶対と言っていい程手を出さなかった]、杉浦忠投手は[投げる球がなかった]、米田哲也投手は[追い込んでからもコツンと当てて、内野と外野の間に落とす]と表現しています。どの投手も榎本喜八選手よりも後の入団であり、榎本喜八選手が初の3割、首位打者を獲得した昭和35年にはチームのエースとして活躍しています。稲尾和久投手や杉浦忠投手が称賛する言葉の意義は十分理解出来るのですが、米田哲也投手の表現には疑問符を抱かざるを得ません。米田哲也投手は現役時代最も苦手な打者として榎本喜八選手の名をあげているのですが、コツンと当て、内野と外野の間に落とす打法の榎本喜八選手の姿を私は見た記憶がありません。常にプルヒッティング、外角の球でも巻き込む様に思い切って引っ張る榎本喜八選手がコツンと当てる打撃をしていたとはどうしても思えないものです。

榎本喜八(9)

2015-03-28 21:48:15 | Weblog
最近何故か榎本喜八選手の事が気になって仕方ありません。そこで少し榎本喜八選手の通算成績の数字が現時点に於いてどの位の位置になるかを調べて見ました。榎本喜八選手の通算打率0.298は、規定打数4000以上の選手の内では25位、通算安打数2314本は15位、通算本塁打数246本は61位になります。優れた数字ではありますが物凄く傑出しているとは言えない数字かと思います。打率と本塁打数で榎本喜八選手を上回る数字を残している選手としては張本勲、王貞治、落合博満選手を始めとして10名以上存在しています。しかし昭和30年のデビュー当時こそ私の年齢的に彼の存在を知らなかったものの、彼の存在をはっきり記憶している昭和35年初の首位打者を獲得した年以降の彼の打撃を見ていると、どうしても残した数字以上と言うよりも遥かにその数字を超えた存在感を感じてしまうものです。昭和30年代と言えば、50年以上前になり記憶は薄れがちになるのですが、榎本喜八選手の大地に足がしっかり着いているかの如くの安定した打撃スタイルは今でも鮮明に覚えております。

テランスゴア(Terrance Gore) (3)

2015-03-27 13:05:56 | Weblog
テランスゴア選手の驚異の脚力にもう少し触れます。右打者なのですが、平均が4秒2、3と言われているファーストまで3.8秒とか、40ヤード(約36.6m)を4秒2、3、ベース間は3秒とかの記事を見かけます。スタートの条件こそ違っているのでしょうが、平均脚力の右打者のファーストまでの時間で40ヤード走ってしまうのは、常識的には想像しずらいのですが、彼の走塁を見ているとあり得るかと思ってしまいます。極め付けは、かってのコーチ及び本人が語っている、[トラックではウサインボルトには負けるが、ベースランニングでは負けない]という発言です。確かに100mでは間違いなくその結果になるでしょうが、テランスゴア選手の脚力を考えるとベースランニングではあり得るかと思ってしまいます。ネットでテランスゴア選手の打撃練習が見れますが、マイナーでの実績、今年のスプリングトレーニングでの実績を含めて考えて見ると、打撃の向上を期待するのはかなり難しく見えます。打撃に関しては失うものはないのだから、思い切ってファーストベースの近い左打席への転向にチャレンジしてもいいかと思います。

テランスゴア(Terrance Gore) (2)

2015-03-26 14:30:11 | Weblog
テランスゴア選手は昨年の8月末メジャーデビューしました。マイナーでの打率0.221の彼が昇格出来たのは、マイナー4年間、330試合で168盗塁、17盗塁死という数字を評価されたとしか考えられないです。ロイヤルズにはもう一人、メジャーでも超が付く程のトップクラスの脚力の持ち主、試合終盤青木宣親選手の代走や守備固めでよく起用されていたジャロッドダイソンという控えながら36盗塁をマークした選手がいますが、そのジャロッドダイソンでさえ、その脚力に於いては見劣りする様な感すらあります。テランスゴア選手の走り方ですが、走っていると言うより、フライイング、素晴らしいエンジンをつけて飛んでいるかの様なスピード感、迫力を感じます。彼のスライディングを見ていると、全くスピードを落とさずに飛び込んでいる様に思えてなりません。兎に角、異次元の速さとしか思えないものです。

テランスゴア(Terrance Gore) (1)

2015-03-25 15:25:17 | Weblog
現在カンサスシティロイヤルズに所属する背番号0、公称170cm、75kgの今年24歳になる外野手です。昨年メジャーのプレイオフをご覧になった方はその存在をご存知かも知れませんがこの選手の特長は何と言っても脚の速さにあります。と言うよりも、脚以外の要素を見るチャンスはありませんでした。昨年テランスゴア選手の走塁を観て以降、過去現在も含めて他の全ての選手の走塁がもの凄く遅く見えてしまう様に感じられて仕方ないものです。打撃に関しては、2011年からの4年間、マイナーリーグそれも下のレベルの経験が多いのですが、330試合出場、1048打数248安打、打率0.237、0本塁打、68打点、293三振という打撃成績です。つまりテランスゴア選手の安打を見るより、三振を見る確率の方がかなり高い事になります。かって近鉄バッファローズで活躍したラルフブライアント選手みたいに当たればホームランみたいな長距離打者ならば、安打より三振が多くても納得がいきますが、マイナーリーグですら本塁打0の選手です。前置きが長くなりましたが、次回彼の凄すぎる脚力に触れたく思います。

フェリックスヘルナンデス(Felix Hernandez) の球速(4)

2015-03-24 12:28:56 | Weblog
前回フェリックスヘルナンデス投手の2006年の投球に触れましたが、その前後3年間の平均球速を書き出して見ます。pitch f/xは2007年からなので、pitch typeでの数字になります。2005年95.8マイルで先発全投手の内2位、2006年95.2マイル、先発前投手の内3位、規定投球回数以上では1位、2007年95.6マイル、先発全投手の内2位、規定投球回数以上では1位と、先発投手としては間違いなくトップクラスの球速を誇っていました。しかし徐々に球速は落ちて行き直近3年間の平均球速は2012年92.4マイル、2013年91.3マイル、2014年92.5マイルとなり、最速は2012年95.6マイル、2013年95.7マイル、2014年95.1マイルとなっています。最も速かった時期から約3、4マイル、数字としてはメジャーの投手対日本プロ野球の投手の球速差に匹敵する程遅くなったと言え、直近3年間での最速数値がメジャーデビュー時の平均球速とほぼ変わらない数字と言えるかと思います。つまりかって普通に投げていた球速が現在では最速になっていると思います。

松坂大輔投手の今シーズン(2)

2015-03-23 12:46:19 | Weblog
前回書き忘れましたが、負け数の予想としては勝ち数とほぼ同じかやや少ない位かと予想します。具体的には7勝6敗から9勝8敗の範囲に収まると思います。昨年のメジャーでの成績83.1イニング、3勝3敗、防御率4.21を総体的に上回れそうな理由一つとしては松坂大輔投手の球速にあります。昨年の彼のファストボールの平均球速は90.3マイル、キロ換算すると145.3kmになり、100イニング以上の先発投手の球速順位としてはパリーグでは3位、セリーグを含めても6位に相当します。メジャーでは平均以下の球速の彼でも、今シーズンも去年並みの球速を出せると仮定したら、日本の先発投手としたら速い部類に入る事になります。つまりメジャーでは通用しない球速も日本プロ野球では未だ活用出来る可能性があるかと推測します。又メジャーと日本人打者の根本的なパワーの差も、彼にはプラスの要素となり、少なくとも昨シーズンよりは球に体重の乗っている感のある投球フォームで投げられれば、パワーでは劣る打者相手の為、先発の5、6番手に主に入る事も可能かと思います。

ベンローエン (Ben Rowen) (3)

2015-03-22 12:16:40 | Weblog
ベンローエン投手の球速は前回紹介しました様に、どの球種でもあまり差がありません。つまり球が遅く、更に球速の変化もない投手と言う事になります。ファストボールと称していいか分かりませんが、最も速い球でも遅いのだから球速の変化は少なくなるという考えもあるかも知れませんが、かって日本プロ野球では遅い球で有名だった星野伸之投手の場合、130kmに達しない程度の直球からカーブは100kmを切ったりする程度の球速ながら緩急を巧くつけて奪三振も多く活躍したものです。ベンローエン投手はサブマリンの投法とメジャーでは紹介されていますが、前回と今回の写真で解る様にサブマリン投法と呼ばれるに必要と思われる沈み込む感が全くなく、腕の力だけで投げている様に思えます。又体の開きも早く、打者に正対しており打者からは球を最も見極めやすい投手と言えるのでしょう。この程度の投手が昨シーズンメジャーデビューし、今年もマイナー契約ながらもドジャースとの契約、非常に数の少ないサイドハンドの投手というメリット以外に、彼を雇う理由が解らないものであります。