3388 野球ブログ

日米を問わず名選手を紹介。

勝利数と奪三振数(4)

2013-04-30 11:07:18 | Weblog
通算勝利数と通算奪三振数のベスト4は順位も同じで金田正一、米田哲也、小山正明、鈴木啓示の4人が占めていますl。投手の通線成績で言えばこの4人は別格と言えるかと思います。因みに通算投球回数もこの4人がベスト4で皆4600イニングを越しています。つまり積み重ねの記録は、規定のイニング数に達しさえしていれば比較的少ないイニングでもランキング入り出来る率の記録と異なり、かなりのイニング数を経なければ達成できない記録と言えるのでしょう。今回は奪三振の記録から見ていきたいと思います。通算勝利数のベスト10の内、別所毅彦と東尾修の2人が通算奪三振数ではベスト24に入っていないのに対し、通算奪三振数ベスト10の投手は皆通算勝利数でもベスト24以内に入っています。この10人は長い期間投げる事が出来た上、三振を奪う力も備わっていた投手と言っていいかと思います。この10人を見ると、もの凄く速い球の持ち主か素晴らしい制球力があるか、決め球となる変化球をもっているかの内、最低でも一つの要素を持っています。この様な要素を持ち得た投手のみが達し得るのが勝てて且つ三振の奪える投手と言えるかと思います。

東浜巨

2013-04-29 11:04:59 | Weblog
昨年のドラフト会議で3球団から1位指名を受け、抽選の結果ソフトバンクホークスが交渉権を獲得し同球団に入団した右腕投手です。現在は2試合の登板を経て2軍降格となっています。日本プロ野球の試合はほぼ同じ時刻に開催される事が多い為、彼の初登板の試合は3台のテレビでチャンネルを変えながらもそれなりに見ておりました。その後、先日の楽天イーグルス戦も同じ様な感じで音声を消して、ある程度彼の投球を見ていました。しかし残念ながらと言うか不覚にもと言うか、投げている投手が東浜巨とは恥ずかしながら画面に彼の名前が出るまで気付きませんでした。勿論私の投手を見る目のなさもあるかとは思いますが、僅か2試合のみの登板とは言え彼の投球に際立ったものが全くない事もあろうかと思います。公称181cm、80kgとプロの投手としては多く見られる体格も含め、彼の投球フォーム、投じる球の速さや変化球等何一つ目立つものはなかった様に思えてなりません。2試合だけ見た時点では、はっきり言って平凡な投手としか思えないのですが、ドラフト1位指名の投手、何らかの良さを期待して次回の登板を待ちたく思います。

ダルビッシュ有(13)

2013-04-28 11:06:48 | Weblog
先日のエンジェルス戦でのダルビッシュ有の投球は素晴らしく、強打者ぞろいの相手打線を正に支配している感すらありました。ストレート系の多くが150km台を計時し、スライダーを始めとした変化球の切れもよく、それらが時折投げるかなり遅いカーブの効果をより有効にしている様に思えました。最速投球は97.7マイル(157.2km)とメジャーでの自己新記録をマークし、その球速もさることながら昨シーズンより重みや凄みが増している感じを受けます。もしこの様な投球を持続出来る様なら、前回かなり否定的な見解を示したタイトル争いの可能性もあろうかと思います。今シーズンの彼の投球の素晴らしさの一つは球速にあるかと思います。昨シーズンの自己最速97.2マイル(156.4km)を度々更新しており、その数字がどこまで伸びるかの期待さえ抱かせてくれます。当日のNHKBSの解説者小早川毅彦は、今シーズン中に160km(99.5マイル)の可能性もあり得る様な話をしていましたが、一昨年の8月、ようやく打率を0.260台に上げて来た松井秀喜選手でさえ打率0.300の可能性ありと語った人物だけに、全くあてには出来ませんが、160kmや100マイルに届かなくともダルビッシュ有のより速い球を見たいものです。



勝利数と奪三振数(3)

2013-04-27 15:00:43 | Weblog
通算勝利数でベスト24位に入りながらも、通算奪三振数では入っていない残り4人の投手に触れます。東尾修、皆川睦雄、北別府学の3人は皆素晴らしい制球力を誇っている投手ですが、三振を奪うのに大きな武器となる絶対的な球速に欠ける点と、空振りに打ち取れる変化球を持ち合わせていない、つまり決して本格派投手ではない等の共通点があろうかと思います。もう1人の投手堀内恒夫は以前にもこのブログで触れましたが、球の速さは素晴らしく且つ大きな曲がりのカーブを持っている投手です。しかしこの投手は球速が最もあり相手打者も彼の投球に慣れていない新人の年から、球速の割に三振の奪えない投手でした。投球フォームや球の重さやには違いがあるものの、ほぼ同時代に同じタイプの投手として活躍した外木場義郎が三振を奪える投手だったのと比較すると本当に三振の奪えない投手と言えるかと思います。本人は自著[バカでエースがつとまるか]の中で、敢えて三振を狙いに行っていなかったと書いていますが、何か空しささえ感じてしまいます。

勝利数と奪三振数(2)

2013-04-26 14:22:11 | Weblog
前回紹介の7人の投手も含めて、この時代の殆ど全ての投手達の奪三振率は低いものでした。現代のプロ野球とは全く違い、エースクラスの投球イニング数は非常に多い為、彼らの奪三振数自体は少ない訳ではないのですが、率自体は決して高いものではありませんでした。その理由としては登板数が非常に多い為、省エネに徹し三振を狙わず打たせて取る投球をしていたとか、現代と比較して変化球の種類が少ない為とか、パワーに優れない打者が多く、彼らはコツコツと当てにくる打法をしていたとかが挙げられています。しかし前出の7人の投手より少し後に登場して来た金田正一や梶本隆夫、特に梶本隆夫は、入団後数年間今一つ奪三振率の伸びない金田正一と異なり入団時から高い奪三振率を披露してくれました。前出の7人に関して、全く見ていないか晩年しか見ていないので、あくまでも推測になりますが、三振を奪うのに大きな力となり得る球速が不足していたのではないかと思ってしまいます。色々な文献或は本人の言葉では速かったとされている投手が多いですが、実際はそれ程の球速は出ていなかったと想定すると、彼らの奪三振率の低さに妙に納得がいってしまうものです。

勝利数と奪三振数(1)

2013-04-25 11:59:20 | Weblog
左の表は通算勝利数と通算奪三振数それぞれのベスト24になります。2010年シーズン終了時点での数字なので、その後現役選手の数字は当然の如く増加しています。表には反映していませんが、その現役選手の数字の増加分を含めて、勝利数と奪三振数がどの様な関係にあるか少し触れて行きたく思います。勝利数と奪三振数共に表に入っている投手は、両部門共トップの金田正一を始めとして14人います。勝利数では入っていながらも、奪三振数では入っていない投手を見て行きますと、ある程度の共通点が見られます。別所毅彦、野口二郎、若林忠志、杉下茂,中尾碩志、藤本英雄等の内、辛うじて晩年を見れたのは別所毅彦と杉下茂のみであり、他の投手はリアルタイムで見た事はありません。他にスタルヒンが現時点では奪三振数で24位に入っていますが、これもそう遠くない将来杉内俊哉に抜かれる可能性大かと思います。スタルヒンも含めてこの7人の投手の共通点は、戦前から戦後にかけて主に活躍した投手と言う事です。

中山慎也(2)

2013-04-24 21:27:43 | Weblog
中山慎也投手の特性をチームも見極められないのか、入団から数年間は先発が多いものの、昨年辺りからはリリーフが主な役割となっている感があります。球の威力からして決して本格派ではなく、又変則的な投球フォームでもない彼の球は癖があるとかひねくれている感じは全くなく、打者に怖さを全く感じさせない投手と言っていいかと思います。少し辛辣に言えば、彼の登板により試合への興味、関心が薄らいでいく感すらあります。ある選手名鑑によると、昨シーズンの救援投手の奪三振率のトップは彼で1試合当たり9.05をマークしていると書かれていますが、彼にはもの凄く申し訳ないがたまたまの結果としか思えず、今後その様な奪三振率が続くとは思えないものです。よく言えば適度にまとまっている投手、悪く言えば中途半端であり伸びしろ、魅力に欠ける投手と言えるかと思います。





昨シーズンまでの実績      120試合     17勝29敗      防御率3.78      337奪三振

中山慎也(1)

2013-04-23 21:40:19 | Weblog
2005年の大学.社会人ドラフト5巡目でオリックスバッファローズに入団、初年度の2006年から毎年実働を続け現在に至る左腕投手です。日本プロ野球の場合、メジャーと異なり、多くの試合が殆ど同じ時間帯に組まれる為、今一つ球団に興味が湧かずあまりリアルタイムで見ていないバッファローズの所属選手ながら、何故か中山慎也投手の登板は数多く見ている様な気がします。この投手を見ていていつも思うのは、非常に平凡な投手と言う事です。先ずはストレートの速さですが、昨シーズンの平均球速138.0kmが示す様に決して速くはありません。又変化球もカーブ、スライダー、チェンジアップ等一通りのものはあるのですが、これといった武器になり得る球ではなく、今一つ威力に欠けるものです。スリークォーター気味の腕の角度からボールが繰り出されますが、腰の捻りが不足している為か切れ味、威力とも不満の残る所であります。掲載した写真に5項目の評価がされていますが、ほぼこの評価通り、良くも悪くも突出したものがない投手と言えるかと思います。

神部年男(1)

2013-04-22 21:07:40 | Weblog
ドラフト2位で昭和45年近鉄バッファローズに入団、その後54年にヤクルトスワローズに移籍し56年の引退まで実働12年間の左腕投手です。ヤクルトスワローズに晩年の3年間在籍しているのですが、スワローズにも在籍していたのかなという感じで、イメージとしては圧倒的にバッファローズ時代が強いものです。この投手の名前から先ず最初に思い出すのが、何故かその投球よりあの福本豊が多く語っている牽制の巧さです。当時はパリーグの放映が少なく、残念ながら二人の攻防を見るチャンスは殆どなかったのですが、福本豊は本当にこの投手からは盗みにくかったのでしょう、神部年男の名前は嫌と言う程彼の口から聞かされたものであります。投手としての神部年男を思い出す時、中日ドラゴンズの守護神岩瀬仁紀のイメーが何故か湧き上がってきます。主に先発の神部年男とリリーフ専門の岩瀬仁紀、役割こそ大きく違うのですが、本格派では決してないながらも、技巧派という範疇には入らない両投手、何か共通点がある様に思えてしまいます。

トレバーローゼンタール(Trevor Rosenthal)

2013-04-21 20:30:58 | Weblog
現在22歳、セントルイスカージナルスに所属する右腕投手です。この投手を初めて見たのは昨年のプレイオフでした。先ず驚かされたのは、球の速さでした。オーバースローから繰り出される球の速さは時に100マイルに達し、ストレートの殆どは90マイル台後半を計時していました。公称188cm、86kgとなっていますが、身長、体重共にもっとありそうながっしりとした体型から、速く且つ重く凄みのある球を投じていました。未だ投球術や制球力には問題がありそうですが、この球の速さなら将来のクローザー候補として大いに有望かと思います。今シーズンの成績は現在今一つですが、既に球速だけならカージナルスのクローザーのジェイソンモットを凌いでいるので、どの様に成長していくのか本当に期待が持てる投手かと思います。現時点での今シーズンの最速投球は、彼の叩き出した101.4マイル(163.2km)であり、この数字をチャップマンかへレーラ或は彼も含めて誰が更新するのか非常に興味のある所です。