28日(日)。わが家に来てから今日で1579日目を迎え、米連邦最高裁は26日、トランプ米政権がメキシコ国境に壁を建設するため国防費を流用することを認める判決を下した というニュースを見て南米諸国からの難民にアドヴァイスを送るモコタロです
最高裁までバカの壁を築いたようだけど 陸がダメなら海があるよ 舟で行こうぜ!
いよいよ今年も「フェスタサマーミューザ」が始まりました ミューザ川崎で7月27日から8月12日まで開かれるこのコンサートは、早くも今年で15回目を迎えます 昨日午後1時55分から「歓喜の広場」でジョナサン・ノット指揮東響管楽アンサンブルにより「オープニング・ファンファーレ」が華々しく演奏されました
オープニングコンサートのプログラムは①バリー・グレイ「ザ・ベスト・オフ・サンダーバート」~ジョナサン・ノット スペシャル・セレクション(オリジナル・サウンドドラックより)、②リゲティ「ピアノ協奏曲」、②ベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」です 演奏は②のピアノ独奏=タマラ・ステファノヴィッチ、管弦楽=東京交響楽団、指揮=ジョナサン・ノットです
オケは左奥にコントラバス、前に左から第1ヴァイオリン、チェロ、ヴィオラ、第2ヴァイオリンという対向配置。コンマスは水谷晃です ステージ上には収音マイクが林立しています オケのメンバーを見渡して気が付いたのは、女性陣にパンツルックが多いということです 普段は黒のロングスカートが多いのですが、この日は黒のパンツルックが圧倒的多数でした どうせならこの路線でいった方が良いと思います 数年前、チョン・ミュンフン指揮アジア・フィルのコンサートを聴いた時、圧倒的に若いメンバーが揃っていたことと、女性奏者が全員パンツルックで統一していてカッコよかったことに感動さえ覚えました パンツルックの方が機能的だし、男女ともパンツルックの方が統制が取れていて美しく見えます
自席は1階センターブロック最後列です。残念ながら通路側は取れませんでした。会場は9割以上埋っているでしょうか
1曲目はバリー・グレイ「ザ・ベスト・オフ・サンダーバート」~ジョナサン・ノット スペシャル・セレクション(オリジナル・サウンドドラックより)です 「サンダーバード」というのは、知る人ぞ知る 知らない人は知らない、1960年代にテレビで放映されたイギリスの近未来SF物語(人形劇ドラマ)です 指揮者のノットはテレビ番組を食い入るように見ていたそうで、さらに 初めて観た映画が「サンダーバード」だったとのことで、「この時の音楽との出会いが自分を指揮者の道へと導いたと言っても過言ではない」とインタビューで語っています
「スリー」「ツー」「ワン」のカウントダウンに合わせて勇ましいマーチが演奏されます Not only Nott but allso I も子供時代に白黒テレビでこの番組を観ていた一人ですが、肝心の音楽はほとんど覚えていませんでした それだけにこの日の演奏を新鮮な気持ちで聴きました
グランド・ピアノがセンターに移動し、オケのメンバーが配置に着きますが、規模が縮小し30人規模となります 右奥には打楽器奏者が1人だけスタンバイします
2曲目はリゲティ「ピアノ協奏曲」です この曲はジェルジュ・リゲティ(1923-2006)が1985~88年に作曲し、1988年2月に全曲初演された作品です 第1楽章「ヴィヴァーチェ・モルト・リトミコ・エ・プレチーソ」、第2楽章「レント・エ・デゼルト」、第3楽章「ヴィヴァーチェ・カンタービレ」、第4楽章「アレグロ・リゾルート、モルト・リトミコ」、第5楽章「プレスト・ルミノソ」の5楽章から成ります
ノットの指揮で第1楽章の演奏に入りますが、リズム中心の音楽で、いくつかのリズムが微妙にずれて演奏されるミニマル・ミュージックのような趣の音楽です リゲティはこれを「ポリリズム」と名付けましたが、私にはジャズのインプロヴィゼーション(即興演奏)のように聴こえました たった一人の女性打楽器奏者が複数の打楽器を忙しそうに移動しながら操る獅子奮迅の活躍に目が釘付けになります この女性、第2楽章ではハーモニカも吹くし、金属の菅も縦笛のように吹きました 第3楽章はピアノの「一人時間差攻撃」のような演奏が印象に残ります 各楽器のアタックの激しい演奏が聴かれる第4楽章、再び「ポリリズム」が戻って来る第5楽章が続き、最後はピアノと打楽器がピタリと決めました
カーテンコールが繰り返されましたが、私は獅子奮迅の活躍を見せた女性打楽器奏者に大きな拍手を送りました
プログラム後半はベートーヴェン「交響曲第1番 ハ長調 作品21」です この曲はルートヴィヒ・ヴァン・ベートーヴェン(1770-1827)が1799年から1800年にかけて作曲、1800年4月に初演されました
第1楽章「アダージョ・モルト~アレグロ・コン・ブリオ」、第2楽章「アンダンテ・カンタービレ・コン・モート」、第3楽章「メヌエット:アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」、第4楽章「フィナーレ:アダージョ~アレグロ・モルト・エ・ヴィヴァーチェ」の4楽章から成ります
ノットの指揮で演奏に入ります。ノットの指揮の特徴は流麗でありながらメリハリのある音楽作りです ベートーヴェンの初めての交響曲である「第1番」はハイドンが確立した古典様式を受け継いでいますが、新しい時代を切り開く意欲を感じさせる推進力に満ちた音楽です ノットは楽員をうまく乗せ、個々の演奏能力を最大限に引き出します
多くの人は、ジョナサン・ノットが過去に「アンサンブル・アンテルコンタンポラン」の音楽監督を務めていたことからか、「ジョナサン・ノットは現代音楽が良い」と言います。私はそれを否定する者ではありませんが、個人的には「ノットは古典が良い。とくにベートーヴェンが良い」と思っています。それだけ彼はレパートリーが広いという証左でもあるわけです
かくして今年の「フェスタサマーミューザ」のオープニングコンサートは満場の拍手とブラボーの嵐で幕を閉じました
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