人生の目的は音楽だ!toraのブログ

クラシック・コンサートを聴いた感想、映画を観た感想、お薦め本等について毎日、その翌日朝に書き綴っています。

「ちいさな独裁者」 ~ ナチの大尉に成りすました男の話、「家へ帰ろう」 ~ アルゼンチンからポーランドまでスーツを届けるために旅を続ける88歳の老人の話 ~を観る:ギンレイホール

2019年07月04日 07時22分16秒 | 日記

4日(木)。わが家に来てから今日で1735日目を迎え、欧州連合(EC)は2日ブリュッセルで開いた臨時首脳会議で、欧州中央銀行総裁にフランスのクリスティーヌ・ラガルド国際通貨基金専務理事を、EUトップの欧州委員長にドイツのウルズラ・フォンデアライエン国防相を指名したが、2019年秋に正式に就任すれば、いずれも女性初のトップとなる というニュースを見て感想を述べるモコタロです

 

     

      同じように各国の首相や大統領を みな女性にすれば戦争は無くなるんじゃね!?

 

         

 

昨日、夕食に「豚バラ麻婆茄子」「キノコのスープ」「冷奴」を作りました 「キノコのスープ」は調味料に塩コショウ、鶏がらスープの素のほかにオイスターソースと酢が入っていますが、これが見事にマッチしています

 

     

 

         

 

昨日、神楽坂のギンレイホールで「ちいさな独裁者」と「家へ帰ろう」の2本立てを観ました

「ちいさな独裁者」はロベルト・シュペンケ監督による2017年ドイツ・フランス・ポーランド合作映画(119分)です

1945年4月、敗戦濃厚なドイツでは、兵士の軍規違反が続発していた   命からがら部隊を脱走したヘロルトは、偶然 車の中に置き去りにされた軍服をまとって大尉に成りすまし、途中で出会った兵士たちを言葉巧みに騙して服従させていく 権力の味を知ったヘロルトは傲慢な振る舞いをエスカレートさせ、ついには大量虐殺へと暴走しはじめる

 

     

 

この映画は第二次世界大戦末期に起きた実話をもとに描いていますが、よくもこんなデタラメが許されていたものだと呆れます 大尉の軍服の威力と「総統の命令だ」というヘロルトの話術だけで、いとも簡単に他の軍人たちが騙されてしまいます 不思議なのは「ヒトラー総統の命令」であるなら 命令書があるはずですが、映画では曖昧なままにしています   この映画から得られる教訓は「大きな嘘ほどバレることはない」ということです 某国の某大統領のツイッターを見れば一目瞭然です

映画の終盤、彼の部隊は戦闘機の機銃掃射を受けますが、ヘロルトと数人の部下は命びろいします そして、画面は一転、戦後の復興を遂げた街を軍用車で凱旋パレードするヘロルトと部下たちを映し出します その時に流れたのはヨハン・シュトラウス2世の「トリッチ・トラッチ・ポルカ」でした ワーグナーでなくて良かったと思います 彼らは車を止めて、道行く人たちから勝手に通行税を取ったり、物を略奪したり、抵抗する者には手錠をかけたりしますが、アナクロニズムの極致をいくシーンで 極めてシュールでした

 

         

 

「家へ帰ろう」はパブロ・ソラルス監督による2017年スペイン・アルゼンチン合作映画(93分)です

ブエノスアイレスに暮らす88歳の仕立て屋アブラハムは、自分を高齢者用の施設に入れようとする子供たちから逃れ、故郷であるポーランドを目指して旅に出る その旅には、第2次世界大戦時に、ユダヤ人である自分をナチスの手から救ってくれた親友に70年ぶりに会って、自分が仕立てた最後のスーツを渡すという目的があった

 

     

 

アブラハムは独りの力でブエノスアイレスからポーランドに行ったわけではなく、たまたま飛行機で隣り合わせた青年や、旅の途中で知り合った安ホテルの女性支配人や、文化人類学者の女性などの手助けがあって初めて可能だったのです ユダヤ人であるアブラハムはパリから列車でポーランドに行くのにドイツを通りたくないとわがままを言います ドイツで乗り換えなければならない時、「ドイツの土は踏まない」というアブラハムに対し、文化人類学者の女性は、床に衣服を敷いて道を作りますが、これには思わず笑ってしまいました アブラハムは列車の中で気絶してしまいポーランドの病院に入院しますが、退院してからその時の担当看護婦に付き添われて車椅子で、メモに書かれた住所を目指します そして、遂にガラス越しに見覚えのある人物の顔を確認し、70年前の約束を果たすことができたのでした

88歳のアブラハムが、70年ぶりに親友に会って、若い時に採寸して作ったスーツを渡すことになりますが、「70年も経てば体形がすっかり変わっていて サイズが合わないだろうに」と 野暮なことを言ってはいけないのです しかし、率直に言って、70年ぶりに会って本人と確認できるのだろうか

コメント
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