「旅の衣は鈴懸の・・・」 歌舞伎十八番でお馴染みの「勧進帳」の舞台、加賀の国は小松。
「お旅まつり」です。
豪華な曳山上で上演される子供歌舞伎は全国的に有名。
その演技の実力は折り紙付きだ。
当番町のひとつ「京町」の演目は「壺坂霊験記」
振付プロデューサーは高名な市川団四郎師匠。
最近の地歌舞伎では度々上演されるお馴染みの演目だ。
其々の舞台を見比べるのも楽しいものだ。
あたりまえ、あたりまえ、あたり前田の・・・ 「てなもんや三度笠」ではございません。 ここは加賀百万石前田家のお膝元なのです。
もう一つの当番町「大文字町」の演目は「曽我十二時揚巻助六の場」
「裾八文字もあざやかに・・・」
花道より登場した助六が見得を切る。
どこから眺めても小学生とは思えない、この色香。
「お旅まつり」では小学生の女子が役者をつとめます。
故事によれば長浜の曳山を模して造られたとされているが・・・
その独自性のある姿は長浜型曳山とは一線を画す見事なものである。
役者は レッドカーペットの花道から曳山舞台へ。
夜は曳山に灯が入り・・・
幻想的雰囲気の中で芝居は演じられる。
風薫る皐月の宵・・・
日常生活と異なった芳醇な空間へ・・・「お旅まつり」の醍醐味、旅情とともに味わいたい。
2015年5月 石川県小松市