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近畿地方の古墳巡り!

歴史シリーズ、第九話「近畿地方の古墳巡り」を紹介する。特に奈良盆地・河内平野の巨大古墳・天皇陵の謎などを取上げる。

大阪食文化 チゲ・水炊き・寄せ鍋編

2007年03月25日 | 文化
今冬の鍋シーズンもそろそろ最終章に入った感がするが、今シーズンの特徴・将来を予兆するデータなどを紹介したい。特に昨今インターネットや通販などの新しい流通チャンネルが台頭すると共に、地域性が薄れ、又新グルメ情報・流行のスピードが速まるなど食文化に大きな変革が起こっていると云える。

最近のアンケート調査結果によると、「すき焼」に続く、人気鍋の第2位は「キムチ鍋(チゲ)」で、世代別では20、30代に「キムチ鍋」の人気が高く、「すき焼」を抜いて、好きな鍋のトップになったと云う。



写真は、辛そうな典型的「キムチ鍋」。
辛いものが苦手でも、「キムチ鍋」の具を「すき焼」のように生卵に通して食べると、辛さが半減し、まろやかに美味しくいただけるとのこと。一度お試しあれ!
昨今の健康志向ブームで、辛くて熱い「キムチ鍋」は、発汗作用、食欲を増進させる効果などが見直され、人気上昇中。

続いて3位は調理が簡単で、野菜をたっぷりと食べることができるという理由から「水炊き」で、「おいしいポン酢があれば、何でも水炊きにして食べることが出来る」ことから、「水炊き」は「ポン酢」好きからも高い支持が集まっていると云う。



写真は、これぞ水炊きの好サンプル。
「水炊き」は自宅では、鶏ガラスープに鶏肉・野菜・豆腐などを入れて食べる鍋料理。
しかし本来の「水炊き」の食べ方は、最初に鶏の旨みが溶け込んだスープに薬味などを入れて飲み、そのあとで、 鶏をぽん酢でいただくとか・・・・・。

写真などで紹介されている「水炊き」は、白いスープに鶏がごろごろと入ったシンプルな鍋に見える。
慶応年間にその起源を持つ「博多水炊き」が本場で、その後各地に広がったと云う。
鶏・野菜などを食べ終えたら、さらりとした雑炊で締めくくるのが通例で、油分もほどよく落ち、大変ヘルシーな料理として、女性に大好評。



写真は、ヘルシーそうな「豆乳の寄せ鍋」。
「水炊き」に続く鍋料理が、お馴染みの「寄せ鍋」で、昆布と鰹節の出汁がベース、これに酒・みりんに、塩・醤油などで味を調えてスープを作る。
ここに野菜・練り物・魚貝類など入れてにぎやかに食べるもの。

「お鍋」の締めくくりは、人気1位が「雑炊」で、「冷凍庫の残りご飯を、ここで一気に処分。関西風の昆布だしをたして、あっさり風味の雑炊に仕上げ、溶き卵と大量の刻みねぎを添えると、老若男女に大人気。

「寄せ鍋」は、自宅では冷蔵庫の残り物を処分する絶好のチャンスとして、家庭の主婦には大助かりで、しかも低カロリー・ヘルシーと申し分ない。
又体も心もポカポカにする「お鍋」は、日本の冬に欠かせないメニューであることを再認識させられた。



写真は、秋田県の専売特許品「きりたんぽ鍋」は東北人に大人気。
そして近年、産地直送通販・インターネット販売などで、ローカル色豊かな鍋物が全国規模で大流行し、例えば秋田県が発祥地と云われる「きりたんぽ鍋」は、比内地鶏のだしに、野菜を入れ、最後に焼いた「きりたんぽ」を入れる郷土料理として名を馳せた。





写真は、北海道にはなくてはならない「石狩鍋」及び九州ならではの「もつ鍋」。
北海道では鮭を主食材とした「石狩鍋」、九州では“牛もつ”のほか、ニラ、キャベツたっぷりの「もつ鍋」。





写真は、関西で大人気の「ふぐちり鍋」と「かにすき」のサンプル。
関西では定番の「ふぐちり(てっちり)」・「かにすき」は、関東では馴染みが薄いそうだが、瀬戸内海や日本海側からの流通・輸送も容易である近畿地方で人気の高さが際立つ。



写真は、大阪名物クジラのハリハリ鍋。
大阪でもう一つ忘れてならないのが「ハリハリ鍋」で、主役である水菜の歯ごたえの擬音から“ハリハリ”と呼ばれるようになったと云う。
京都の水菜・和歌山のクジラ又は河内カモ・大阪の菊菜・難波葱・田辺の大根などが加わると、何ともローカル食材満載の贅沢な一品。

このように、その土地ならではの名産品が「お鍋」の具にも反映され、郷土料理として地元に定着しているだけでなく、全国規模で流通し、食されている。
流通革命の恩恵は、食文化の地域格差・垣根を限りなく取り外す効果が現われつつある。「けっこうでんな!」

大阪“食い倒れ”文化のこだわり

2007年03月24日 | 文化
近世から「京の着倒れ・大阪の食い倒れ」と云われてきたが、食い倒れとは、飲食に贅沢をして財産をつぶしてしまうという喩え。

食事にはけちけちしないが、出来れば安くて栄養があって旨いものを選ぶ。
大阪人は、食べ物を味わうことに大変熱心で、美味しく食べるためなら時間と労力を惜しまず、家庭の主婦なら食材を大切に上手に料理し、料理屋・腕の良い職人なら、お客をもてなすために腕前に磨きをかける。



写真は、大阪道頓堀で有名な“くいだおれ”の看板。

大阪の料理人は、新鮮な食材にも恵まれ、「のれん」を護るためにも、商売・研究熱心で、「食い倒れ」とは、大阪を日本の食文化発展の中心にしたいぐらいの意欲・プライド・屋号的意味合いを込めた“称号”として受け止めるべき。

大阪は「天下の台所」と呼ばれ、北海道からは昆布・広島のかき・下関からはふぐなど地方の新鮮で・貴重な食材が手に入ることで、外食店・料理屋が繁栄し、食材調理法の創意工夫が「食い倒れ」文化を創ったとも云える。

「食い倒れ」とは、唯美味しい食を頂くだけでなく、食を“感じる”存在感の旨さ、“値打ち”を実感できる厳しい目・舌を養う、大阪らしい食文化を云う。



写真は、“てっちり”料理の見た目の華麗さ・醍醐味。
大阪で「てっちり」とは「ふぐちり」のことで、大阪の“ふぐ条例”は、料亭でふぐを出すことを禁じているので、「てっちり」としているそうな???

「てっ」とは鉄砲のことで、鉄砲が当たることを、ふぐにあたることになぞられたという、いかにも大阪人らしい、ウィットに触れた漫才流の逸話。

庶民の味が粉もんから“ふぐ”・“カニ”まで、食のバラエティー・幅の広さは、大阪と云う土地柄・風土・伝統が生んだ食へのこだわりであり、“食い倒れ”文化を象徴している。「ほんま!」


大阪食文化 東西比較 すき焼編

2007年03月23日 | 文化
鍋物の代表格は何と云っても「すき焼」だが、今風のかたちが完成したのは昭和30年代、おりしも日本の高度成長時代で、当時としては贅沢品だった牛肉を存分に食べることができることから、正月・誕生日など“特別な日”のイメージを持ったご馳走として、日本人の食卓を飾ったことが思い起こされる。

中には「昔、兄弟で肉の取り合いをしたことをよく覚えている」人たちがいるように、そんな懐かしい思い出深い、日本の伝統的ご馳走メニュー。

「すき焼」の起源には諸説ある中で、室町幕府・足利家の料理手引書に、油をひいた鉄板で肉を焼く「南蛮焼」の記述があり、その流れで農民たちが鳥獣類の肉を薄くそぎ「剥き身」にして、たまり醤油に漬け込み、鋤など鉄製の農具などで焼いて食べたのが「すきやき」の語源だと云われている。

明治時代には、イギリス公使館に牛肉を納める業者が、横浜で始めた「牛鍋」が広まる一方で、関西では肉をタレに漬けて食べる「すきやき」の流れが進化し、関東大震災で「牛鍋屋」が被害を受けたのをきっかけに、関西の「すきやき」が一気に上京し、「牛鍋」と融合して今日の「すき焼」になったようだ。





写真は、典型的な関西風すき焼サンプル。
食材は、関西・関東ともほとんど同じで、牛肉・白ネギ・春菊・椎茸・焼豆腐・こんにゃく又はしらたき・焼き麩のほか、関西では地元産の白菜・玉ねぎも使う。

関西風では、先ず鍋を熱してから、鍋の真中に牛肉を1枚ずつ広げて入れ、肉の脇に砂糖を入れ、脂味が溶けるので肉で鍋肌をなでる程度に、サッと酒・醤油をからめて先ず肉を食べる。
そして鍋に残った汁に調味料と水を足して、残りの肉と、上述の野菜を煮て、溶き玉子をつけながら食す。





写真は、典型的な関東風すき焼サンプル。
一方関東風は、鍋を強火にかけて醤油・みりん・砂糖・水などで割り下汁を作り、上述の野菜類を鍋半分に入れる。
軽く煮立ったら、鍋の空いたところに牛肉を1枚ずつ広げながら入れ、裏返しながら、好みで玉子をつけていただく。

もともと野菜と一緒に肉や魚介類を煮込んだ鍋料理が、明治以降、牛肉を使った「すき焼」が一般的になったため、牛肉以外の時は、具材に合わせ「~すき」と呼ぶようになったと云う。

と云うように、関西ではあくまでも肉が主役、特に脂が多めの高級な牛肉をサッと焼いて味わい、野菜はおまけのようなもので、家庭では野菜類をたっぷり食べられる関東風が健康的食品と云えるかも・・・・・・。

そのほか関西・関東の違いは、関西ではこんにゃくは、肉を硬くするので使わないとか、関東では割り下汁で「煮る」ことから、すき焼「鍋」にするが、関西では「焼き煮」の表現に近く、むしろ「焼く」要素が強い。

最近のアンケート調査によると、鍋料理のトップは「すき焼」で、キムチ鍋・水炊き・寄せ鍋・しゃぶしゃぶが続く。
小さな子供でも食べられる甘い「すき焼」は、家族全員で楽しめるお鍋の王道と云える。

某ウェブサイトの口コミ情報のうち、全国すき焼店ベストファイブ・ランキングでは、山形県米沢市の「米沢牛亭ぐっと」をトップに、京都の「三嶋亭」、三重県松阪市の「和田金」、三重県上野市の「金谷本店」、大阪心斎橋の「北むら」と続く。



写真は、ほっぺたがおちそうな、あの米沢牛肉!
すき焼店トップの「米沢牛亭ぐっと」では、「すき焼は、しゃぶしゃぶのようにあまり煮過ぎず、ほとんど生に近い状態で食べてください。」と勧められていると云う。
すき焼試食だけのツアーで、米沢を訪れても良いくらいと云う、もっぱらのうわさ!
「ほんまでっか!」


東西食文化の違い 歴史的背景・思想

2007年03月22日 | 文化
関西料理の特徴は、大阪では自然の食材を最高の状態で提供しようとこだわり、京都では食材から自然を再生するという京料理の伝統を育んだ。

この点は、海に近く魚介類の多い大阪と、海に遠くて野菜が手じかに採れた京都との違いで、総じて関西の料理は、自然の食材を如何に生かすかに、心血を注いだ結果、今日的食文化の伝統に繫がっていると云える。





写真は、日本的伝統食材の原風景及び京料理らしく盛付けられた京寿司。

関西は古代から食材に恵まれ、瀬戸内海や若狭の魚介類や、京都を中心とした淀川平野の野菜などは、いずれも貴重な食資源であり、昆布の出汁・薄口醤油など、食材に合うように、女性的な美味・独特の味覚が作り出されてきた。

関西人は、“上方町民時代”から美味しいものを食べることに貪欲で、それを恥ずかしいとも思わないし、「あそこは美味しい・ここは不味い」と食べ物情報に敏感にして、情報交換に熱心。

一方江戸では大名屋敷が定着し、江戸ご用達町人が成立し、独自の江戸食文化が育ってくると、江戸自慢の自前の料理が発達していった。

東京湾の魚は美味とされ、これらが即席に料理され、特に鍋物料理が発達し、他にも江戸前寿司・天ぷら・うなぎの蒲焼や、そばなども即席料理として人気を博した。





写真は、美味しそうだけでなく、見た目が鮮やかな江戸前寿司。

関東では良質な野菜が少ない分、濃厚な醤油を用いて、濃厚な味付けにより、男性的味覚の腰掛料理・即席料理が発達していったと見られる。

東京人は美味しいものに執着しないというが、「食い物のことで熱くなるな!」と云われ、江戸文化は武士の価値観が基本で、食い物という下賎なことに関知しないというポーズをとる習慣が影響しているかもしれない。
うまい・まずいなど五感に関わることに対して、つべこべ云わないことを美徳とする、武家社会の常識が支配していた?

しかし江戸時代中期以降は、食材・酒・調味料なども手に入るようになり、江戸町人も美味しいものに目覚め、江戸っ子は宵越しの銭は持たないとばかりに、美食し、遊興したと云う。

このような歴史的背景・東西文化の違いが、今日の食文化に影響している!
「さよか!」


大阪食文化 東西比較 粉もん・中華まん

2007年03月21日 | 文化
次にお馴染みの「中華まん」OR「豚又は肉まん」を取上げる。
関東では「豚」のことを「肉」と呼び、関西では「肉」といえば牛肉を指し、「豚肉」は「豚肉」、「鶏肉」は「かしわ」という。

関西の一戸当たり牛肉消費量は関東の2.2倍であり、例えば首都圏で家庭の「肉じゃが」の作り方は53%が豚肉を使い、牛肉を使う家庭が38%に対して、関西では80%以上が牛肉を使うと云うデータがある。又関西には関東に比べ、焼肉屋がやたら目に付くのも頷ける。

と云うことで、「牛肉が入ってへんのに肉まんゆうたら変やんか!」となる。
一部の例外を除き、中華まんの主たる具は豚肉であることから、関東では肉まんとなり、関西では豚まんとなるわけ。

関西で豚まんといえば、「蓬莱」が代表格で、関西を中心に多店舗展開中。
昭和20年3人で始めた中華料理店が、現在では夫々が独立して、「蓬莱本館」・「蓬莱別館」・「551の蓬莱」の店舗名で、関西を中心に豚まん・焼餃子・しゅうまいなど、同じような事業を展開している。

昨今特にマスコミの露出度が高いのが「551の蓬莱」で、「味もサービスも “ここ” が“ いちばん” を目指そう!」という意味を込めて、「551」 の名前が生まれたそうな。





写真は、「551の蓬莱」自慢の典型的豚まんの表皮と中身、値段は140円/1個。
ボリューム感たっぷりの中身は、豚肉と玉ねぎを中心に、手作りにこだわった看板メニューで、57店舗で一日平均12万個以上を販売していると云う。
豚まんの皮が厚めなのに皮自体も旨い点が特に忘れられないそうな!
又大阪自慢のみやげ物として、常に人気上位にランクされていると云う。







写真は上から、「新宿中村屋」・「江戸清」・「神楽坂五十番」の肉まん。
関東の代表格は、昭和2年に始めた肉まんの老舗・新宿中村屋、横浜中華街を中心に肉まん人気ランキングトップの「江戸清」、昭和32年神楽坂でスタートした、四川中華料理店「神楽坂五十番」などが挙げられる。

コンビニルートでは「ヤマザキ」の中華まんが圧倒的人気を誇るが、スーパー・コンビニに卸している「井村屋」の肉まんも、簡単に電子レンジでチンできる、手軽な“チルド肉まん”を中心に、不動の人気を博していると云う。







写真は上から、チョット変わった肉まんで、スープ入り小ぶり肉まん・玉子入り・豚の代わりに牛肉を使った、福岡市の和牛肉まん。

夫々何とかユニークな特徴を出そうとしている努力は窺える。
中でも、和牛肉まんを試食してみたい。牛肉と玉ねぎ・椎茸・タケノコなど野菜との混ざり具合・相性・ジューシー感などが心配されるが・・・・・・。

豚肉文化圏の関東の方が、肉まんの消費量が多いのでは?
肉まんの清楚な見栄え・出来栄え・食べやすさなどは、関東人の好みに合っていることからも、肉まんは関東人の食べ物!

関東と関西の違いは、関西で豚まんを買うと、必ず“からし”を付けてくれる。
コテコテ好みの関西人にはピリッとこない豚まんには、“からし”のような刺激なしでは何か物足りなさを感じてしまう????
「ほんまでっか!」


大阪食文化 粉もん イカ焼・餃子の巻

2007年03月20日 | 文化
大阪で粉もんといえば、たこ焼き・お好み焼がメジャーだが、これらに次ぐ粉もんとして、イカ焼・餃子が挙げられる。

「イカ焼」というと、露天などで売られている「イカの姿焼き」を連想するかもしれないが、大阪ではお好み焼の一種で、お好み焼の生地にイカを短冊状に切り、野菜などと混ぜて焼いた庶民の味で、バリエーションとしては、これに卵がプラスされる程度。

イカ焼発祥の地には諸説あるが、お好み焼の展開・変形と見れば、やはり大阪が妥当なところか・・・・・。





写真のように、大阪のイカ焼は形が定まらず、未だ創作の余地があるが、そのうちのサンプル。
少し柔らかめに焼いたものと、パリパリ直前の「堅焼き」状のものがある。
焼きたてにさっとソースを塗ったものを、2つ折りにしてかぶりつく姿は、大阪独特のローカルな食風景。

次に餃子発祥の地は、中国東北の長春、ハルビン、北京、中国西北の西安、蘭州など諸説あり、どこかは特定できないが、それぞれが固有の旨さを持ち、特徴が異なると云う。

国内の発祥地は、「餃子の街」宇都宮で、市内あちこちにある餃子店の看板や餃子広告のちらしが目に付き、人気店の前には長蛇の列ができるなど、フィーバー振りには定評がある。



写真は、ボリュームたっぷりの宇都宮の餃子。
第二次大戦後、中国にいた日本人が宇都宮に帰国して、中国東北の餃子を懐かしく再現したところ、評判が良く、瞬く間に普及したと云う。

中国では、目出度く、縁起の良い食べ物として、新年を迎える大晦日には欠かさない料理と云う。



写真は、大阪王将の典型的餃子。
関西では、餃子の「王将」が、京都市山科区に本社を置き、京阪地区を中心に全国展開しているほど、大阪風の餃子を売りにした中華料理チェーンの名称。

他方「大阪王将」と名のつく中華料理店も存在するが、京都の創業者一族が本店から独立して始めたもので、その後のチェーン展開でお互いに激しい競争を繰広げていると云う。

いずれも「安い・早い・うまい」の3拍子揃った、大衆中華料理店としてチェーン展開し、郊外店も含めて、いつもいっぱいの盛況。
餃子の値段は、大阪王将の12個・180円が基本で、店によっては100円のところもあると云う。

東京では、餃子の値段が6個・400円もする店もあるほど高い。
サイズの違いもあるが、餃子のボリューム満点と安さは大阪庶民の味方。
「すきやねん!」

大阪食文化 粉もん お好み焼の巻そのⅡ

2007年03月19日 | 文化
次に大阪の代表的お好み焼屋・トップクラスの2店舗を紹介しよう。
大阪のお好み焼屋で、よく行く店ランキングでは、鶴橋風月・千房・ぼてじゅう・ゆかり・とおりゃんせなどが上位にランクされている。





写真は、大阪東成区鶴橋にある“風月”店頭の光景及び小麦粉の量が少なめで、キャベツたっぷりの“風月”のお好み焼きは、関西風の代表例。

“風月”は、創業60余年の老舗お好み焼き店で、関西トップ・クラスの繁盛店としてランキングされている。
人気の秘密は、目の前でつくられるライブ感・できたての熱々を味わう食の醍醐味・慣れ親しんだ当店オリジナルの美味としてPRしている。

“風月”は、自身のHPによると、座右の銘を作り、事業発展のためには「飛耳長目」(吉田松陰作)の構えであらゆる情報に気を配り、何に対しても主体性をもって臨むこと。

そして「百歩狂人 現状落伍 十歩成功」(小林一三作)の諭しに習い、先走りしすぎず、現状に止まらず、実現可能な目標に向かって着実な進歩を遂げるべく、日々努力することを社是としている。「なかなかやるやん!」

現在65店舗ある関西を中心に、全国規模のフランチャイズ店を展開中で、急拡大している。まだまだ店舗増大の可能性を秘めている。

鶴橋風月本店は、JR鶴橋駅から続くショッピング街の一角にあり、間口は狭いが、奥行きが広く、二階もあり、125席を有する大型店。
店員の動きはキビキビして、サービスの流れはスムーズで、サービス・ノーハウが出来上がっている印象が強い。値段もリーズナブルで良心的だ!

数ある店内の鉄板に出向いて、お客の目の前で、手馴れたベテランが焼いてくれる焼き方は、裏返しも入れて15分前後と十分過ぎるほど時間をかけているようだが、実はメニューにより調理の時間管理が行届いていると観察した。

ふっくらとした厚みにじんわりと、火が通るように試行錯誤した結果であろう。
ふわふわしっとりした出来栄え・味わいは、見かけどおり、ずばり旨い。
一度ご試食あれ!





写真は、大阪千日前“千房”本店の店構えと店内の光景。
大阪ミナミ・千日前の“千房”は、創業30年の歴史とノウハウを生かし、お好み焼きへのこだわりや人間味を重視したポリシーで、全国に直営34店舗、FC加盟16店舗のチェーン店を展開している。

3つの味を大切にすると称して、「前味・中味・後味」を謳い文句に、「前味」はお店に入ったときの第一印象。内装や従業員の迎え方など、その店の雰囲気。
「中味」は食品そのものの味 つまりお好み焼の味。そして「後味」は、お好み焼が焼きあがってソース・マヨネーズ・青海苔・かつお節をふりかけ、さらにその上にふりかける人の味、そして食べ終わってから店を出るまでの味等々を売りとしている。チョット理解に苦しむが?????

「前味」では、「店内に入ると、そこは造形と質感と光の変化による異なるイメージゾーン」云々と宣伝しているが、格別に印象付けられることはなかった。





写真は、千房のお好み焼メニューのうち、代表的なもの2枚。
焼き方は、ベテランによる集中調理方式で、一ヶ所で焼いた後、出来上がった品を各顧客の鉄板付きテーブルに移して食べてもらう方法。

値段は他の競争相手に比べ、割高感は否めない。鉄板焼きも中心メニューに据えているので、客層がチョット上層かもしれない。

でもお好み焼と云うように、好みはそれぞれであり、各人のテーストに合わせて、一度試食・比較してみてください。
あなたの好みはどっち?????「なんぎやな!」


大阪食文化 粉もん・お好み焼きの巻そのⅠ

2007年03月18日 | 文化
大阪人は、そもそも安くておいしい庶民的な食べ物にこだわる。
この合理的な精神は、タコ焼き、ネギ焼き、モダン焼き・・・と、街のあちこちに目立つ看板を見ても、よくわかる。

昼食に、会社帰りのちょっと一杯に、粉もんの焼き物は大人気であり、これら粉もんに共通するメリケン粉文化の歴史を遡って概観してみたい。

小麦を粉にして、調理するようになったのは奈良時代だそうで、当時は小麦粉をこねて油で揚げた、中国の「唐菓子」が最初だったが、上流貴族の口に入るぐらいで、庶民とは無縁であり、町民が小麦粉を口にするようになったのは、江戸時代の“うどん”が最初だったと云う。

お好み焼きの原形は、江戸時代末期に、水で溶いた小麦粉を鉄板や鋳物鍋に流し込んで焼き、片面に味噌をぬって食べるという習慣が、今日のお好み焼きのルーツ。

これが幕末から明治初期にかけて、大坂では「文字焼き」として、鉄板の水溶小麦粉辺上に文字を焼いて見せたと云う。

大正時代に入ると、小麦粉に干しえび・刻みスルメなど魚菜を加えて焼いたり、豚肉の細切れを配したり、今風のお好み焼きがお目見えしたと云う。

そして第二次大戦前から、キャベツなどの野菜、イカなどの海産物を混ぜて焼き、1枚1銭で売られていた、“一銭洋食”が登場し、以来、大阪のメリケン粉文化は途絶えることなく、庶民の味として根づいた。

炭水化物の小麦粉をベースに、肉・魚介類のタンパク質を加え、ネギ・キャベツといった繊維質の野菜を混ぜて、栄養バランスの良い、健康食品の定番として定着した。

恐らく全国どこに行っても、お好み焼きが庶民のテーブルに載るほど、日本人に愛される、国民的食品のアイドルとも云える。

お好み焼とは個人注文に応じる特別食品で、十人十色の食を実現した点で、画期的メニューと云える。
最近では牛スジ肉・チーズ・サラミソーセージ・ベーコン・ハムなど、若者の嗜好に合ったものまで出現し、好みのものを混ぜ入れて、まさしく「お好み焼き」は更に変化・進化している。
「お好み焼き」とは上手に名付けたものである。



写真は、関西の若者向きのお好み焼き。
しかしこの若者向きのお好み焼きは、イタリアのピザを思い起こすような、脂肪分過多の洋風フードになりつつあり、“健康食品”とはかけ離れていくようで、先行きがチョット心配。

現在のお好み焼を生地などで分類すると「関西風」・「関東風」・「広島風」の3つの流れと,少数派の「もんじゃ焼」を加えて4つにまとめられる。

まず関西風・大阪風は、キャベツやねぎを混ぜた生地を鉄板に流し,豚肉・牛肉は鉄板で炒めて後からのせて焼く。
関東風よりもコテコテとして、生地もベーキングパウダーなどを混ぜで、関東よりふっくら・どろどろ感が強い。





写真は、典型的関西風の”コテコテ”お好み焼きサンプル。 
ボリュームたっぷりの具沢山から厚みがあり,マヨネーズやソースもたっぷりと塗る。



写真は、関東風お好み焼きの代表例。
関東風は、関西風に比べて具に対して生地の量が多く、薄めにカリッと焼き上げるのが特徴で、ソースやしょうゆをさっと塗って,シンプルに仕上げる。





写真は、全国的に良く知られている、広島風お好み焼き及び東京風のもんじゃ焼きのサンプル。
薄い生地に野菜と具にそばを重ねる、重量感たっぷりの広島風や、東京の下町に伝わるユニークな、「文字が書けるくらいに柔らかい」ことから名付けられた「文字焼」が訛った、もんじゃ焼きなどがある。

大阪をはじめ関西一円では、例えば豚玉のお好み焼きに、味噌汁・ご飯・漬物を加えた、「お好み焼き定食」が大食いサラリーマンの強い味方で、定番の昼食メニュー。



写真は、関西風の焼きそば定食。
関西では同じ理屈で「焼きそば定食」も存在し、炭水化物オンパレードといった大阪ならではの食文化。

大阪人の食生活の特徴に、「ソース文化」があり、「ソースものはおかず」であり、トンカツ・コロッケなどと同じ扱いで、とにかくソース大好人種。
「すきやねん!」


大阪食文化 粉もん・たこ焼き最新情報

2007年03月17日 | 文化
続いて、たこ焼きに関する最新情報をお届けする。
先ずつい一週間ほど前に気づいたが、新幹線新大阪駅の中央出口を出て右方向に並ぶ、飲食店通りに新たに“くくる”店がオープン。



写真は、大阪道頓堀“くくる”本店舗の光景。
午後7時近かったが、長い行列ができるほどで、チョットビックリ。
調べてみると、“くくる”店は、道頓堀に本店を持つ、創業60年の老舗で全国規模の多店舗展開。

たこ焼き中心部分の温度・焼成時間・生地の熟成時間など、温度・時間の計測管理にこだわることで、玉子の入ったトローリ生地から、大タコがプリッと出てくる絶妙な食感を大事にしているとか。



写真は、“くくる”店のたこ焼き具合と美味しそうな澄まし汁。
玉子焼き風のたこ焼きを、特性のだし汁につけて食べる点もユニーク。





写真は、“和楽路屋”の店頭及び特性のたこ焼き。
御堂筋線終点千里中央駅のセルシー地下街にある“和楽路屋”のたこ焼きは、隠し味の白ワインが、ほんのり香る仕上がりで、外が香ばしく、中はふっくら。
試食の値打ちは十分、ご試食あれ!





写真は、たこ焼き入りうどんとたこ焼き入りラーメン。
それと大阪らしいといえば、粉もの同士の融合食品で、ふんわりと柔らかいたこ焼き入りうどんやそば、たこ焼き入りラーメンなど。
前者は新大阪駅の在来線コンコース“浪速そば”店、後者は布施駅前の商店街にある。

たこ焼きうどんは、麺類とご飯のセットものよりも、同質の炭水化物色が強いコテコテの粉もん食で、チョット抵抗を感じるが、はたしてお味の方は?
粉もの代表選手同士のぶつかり合いは、返って夫々の持ち味を帳消ししてしまうのではと懸念するが????「ええやん!」

最後にたこ焼きの海外最新事情について、中国・台湾・韓国・タイ・インドネシアなどの東南アジア諸国、ニューヨーク・サンフランシスコ・ハワイなど日本食店が数多い地域には、たこ焼き店が進出しているようだ。

でも現地ではタコを食べる習慣がないため、限定的な食材で、現地人にとっては、どちらかと云うと物珍しさの域を出ない。

それから冷凍食品として、電子レンジで“チン”タイプのインスタント“たこ焼き”が海外に輸出されている。タコも入っており、外はサラサラ・中はモチモチ・歯応えもよく好評とか。「さよか!」

大阪食文化 粉もん・たこ焼きの巻

2007年03月16日 | 文化
ここからは、東西比較ができにくい、西高東低・関西が圧倒的人気のたこ焼き・お好み焼などの“粉もん”を取上げる。

たこ焼きの起源について諸説ある中で、古いものでは、千利休の弟子である、千幸兵衛が発案したもので、形状がたこ焼きのような茶菓子が起源と云うもの。
又秀吉時代に振舞われた「太閤焼き」が「太鼓焼き」となり、江戸時代中期頃に、たこの入った「たこ焼き」へと発展していった歴史的経過は説得力がある。

現状のような“たこ焼き”の誕生は、昭和10年頃に明石焼きが、たこと卵を入れて焼いたことから、現在のたこ焼きの起源として、洗礼を受けたと云う。

大阪の代名詞でもある、“たこ焼き”の店舗数は、大阪が圧倒的に多い。
“たこ焼き”と共に“お好み焼き”も扱う店舗も多く、詣や祭りなどでは屋台も多く出店する伝統がある。



写真は、大阪千日前商店街入口、たこ焼き商戦激戦区。

近畿圏の家庭では、ほとんどがたこ焼き用の鉄板や道具があり、おやつ代わりに好きな時に簡単に作るほど、人気が高いと云う。
又「たこ焼き器」を囲んで「たこ焼きパーティー」が行われる際には、タコ・天カス・チーズ・ちくわ・こんにゃくなどを持ち寄り、ソースだけでなく、マヨネーズ・ポン酢をかけるなど様々。







写真は上から、夜店のたこ焼き風景、唯今焼いている最中の、典型的大阪のたこ焼き光景及びお馴染みの一般的なたこ焼き現場。

昨今では、小麦粉・卵・てんかす・紅生姜・鰹節・青海苔・ソースなどの基本材料のほかに、こんにゃく・チーズ・ちくわ・キムチなどを具にしたものまでもお目見え。

又醤油にだし汁・柚子などを混ぜた、隠し味的な調味料・ベーキングパウダー・乾燥紅生姜をブレンドした“たこ焼き粉”などのほか、専用の“たこ焼きソース”の開発も進み、チョットした“たこ焼きグルメ時代”に突入した感がある。

たこ焼きの値段は、関西ではさすが最大消費地であるだけに、競争も激しく、他の地域より安くて、6~8個セットが一人前で、250円~400円が相場。







写真は上から、たこ焼き商戦激戦区である、道頓堀通り又は千日前通りにある、「たこ焼きくん」・「たこ昌」・「大たこ」各人気店の店頭光景。

いずれのお店も大阪を代表する、たこ焼きベストテンに入る有名店で、さすがにグルメ的味わいは、形は別にして、たこ焼きのイメージを超えている。





写真は、NHKの取材まで受けた、超人気店“たこやきくん”の方向指示看板及び店頭看板。
“たこやきくん”店は、チョット店舗が引っ込んでいるため、商店街通りで“店の舖方向指示看板”まで出して、客引きをするほど、競争が熾烈な“たこ焼き”激戦地で奮闘。







写真は上から、“グルメ”の域に達した、極上“たこ焼き”のディナー感覚の仕上がり具合、ネギをたっぷりトッピングした仕上がり、盛り付けがユニークな出来上がり具合等々。


たこ焼きの味は千差万別で、お店の数ほど味が違うことは間違いないし、各家庭で“お袋のたこ焼き”の味は、それぞれ又格別であろう。

上述3店舗以外の代表的“たこ焼き”店も含めて、仕上がり具合は、大きく分けて二通りあるように思う。これは、たこ焼きグルメツアーの弊体験談による。
一つの典型は大きめで、ふんわり焼かれた生地の内側は、とろけんばかりで、本当にあつあつのクリーム状に仕上げたもの。
生地のだしが、何とも大人好みの味わいで、ほんのり甘く柔らかい食感は、食べた者だけが知る、極上の醍醐味。チョットオーバーかも・・・・・。

もう一つの典型は、少々小ぶりで、カリットした外側の仕上がりに、ふわふわで、“てんかす”たっぷりのジューシーな食感を併せ持つ、若者向きの仕上がり。
マヨネーズ・ソース・鰹節・青海苔などのトッピング無しでも、十分旨い。
タコの大きさは、大中小様々だが、前述の“大たこ”店はさすが、他店より大きい。

写真のような、たこ焼き専門店は、将に“プロの味”であり、性別年齢を問わず、やみつきになること請け合いで、「たかがたこ焼き、されどたこ焼き」の感動に陥るほど。一度ご試食あれ!
「ほんまでっか!」


大阪食文化 東西比較 粉もん・うどんの巻

2007年03月15日 | 文化
ここからしばらくは、粉もんと呼ばれる、うどん・たこ焼き・お好み焼き・餃子などを取上げてみたい。

先ずはうどんについて、「きつね・たぬき」とは大阪の呼び名で、「きつねうどん(そば)・たぬきうどん(そば)」が東京での呼び名。大阪では「きつね」を「けつね」とも呼ぶ。





写真は、大阪の典型的な「きつね」・「たぬき」のサンプル。
大阪では、きつね・たぬき共に油揚げが乗っているもので、「きつねうどん」であり、「たぬきそば」である。この二通りしかない。

大阪人の本来の好みであるうどんが、そばに化かされたので「たぬき」はそばと云う説もあるが・・・・・。







写真は上から、基本的には東京でしか食べられない、天カスの入った、「たぬきうどん」と「たぬきそば」及び東京らしい濃口のだし汁の「きつねそば」。

東京では、「きつねうどん」は大阪のきつねであり、「きつねそば」は大阪のたぬきであり、東京でたぬきと云えば、天カスの入ったもの。従ってうどん・そばが夫々二通りずつで、計四通りある。

本当にややこしいが、加えて、何も具が入っていないうどんを、関東では「かけうどん」、関西では「すうどん」と呼んでいる。

何故これほどまでに、呼び名にこだわるのか不思議であるが、恐らく東西の差別化意識、“我が”と云うこだわり意識が余りにも強く、夫々のプライドが、不自然な表現差異に終止したのではないかと想像する。

大阪では、天カスの入った麺類には呼び名がないが、天カスの存在は当たり前で、いわゆるトッピングに相当し、本来タダであり、メニューにはない。
大阪では、たこ焼きをはじめ、粉もんには天カスが付き物で頻繁に使う。
そのため、天婦羅の揚げ滓だけでは、需要を賄い切れず、カスだけを自作・自給しているはず。

大阪でうどんといえば、大阪・堺で200年続いた老舗料亭「耳卯楼」を大正13年、「うどんすき」を中心に、麺類専門店として「美々卯」と改め、今日まで存続・繁栄している。



写真は、大阪中央区平野にある、「美々卯」本店舗。
「美々卯」は現在20店舗にまで拡大し、何といっても「うどんすき」が名だたる一品として、その名声を広めた。



写真は、美々卯ならではの一品・“うどんすき”メニューの見栄え。
名声の由縁とは、一番だし汁と手打ちうどん、はまぐり・海老・鶏・里芋・京がんも等々具沢山で、中でも野菜類は全て土のついた状態から調理するため、新鮮な味わいを、庶民的な値段で提供してくれる。

東西の好みの麺類は、関東のそばに対して、関西ではうどんであるが、この点の違いは、温暖な関西に比べ、気候が冷涼な信州・甲州・北陸地方では悪条件下の土地でも、育ちやすいそばの栽培が盛んであった事情がある。

以前に触れたように、東西食文化の決定的な違いの一つは、だし汁にある。
東京うどんのだし汁の濃さ・塩辛さにはビックリする。大阪人にとって、東京のきつねうどんは、どうしても受入れらないようだ。

庶民の食卓には欠かせない、うどんが東西食文化の違いの代表格とは、食文化の奥深さと味に対するこだわりを象徴していると云える。

関東が濃口醤油を使うのは、鰹節・片口鰯などの魚の臭みを消したり、或いは激しい肉体労働に必要な塩分を補う必要があったからと云うが・・・・・・。
「ほんまでっか!」


大阪食文化 東西比較 おむすびと餅編

2007年03月14日 | 文化
次におむすびと餅を取上げる。
先ず関西で「おむすび」が、関東では「おにぎり」になる。
外出用に持ち運ぶご飯の表現の違いのように思える。
でもどう違うのか、紛らわしいが一般的には、関西は俵型で海苔でも巻くが、ゴマをふりかけたりする。一方関東では三角型が主流で、海苔でくるむ。
他にも、太鼓型・ボール型など地方色が見られる。









写真は、上から家庭的手作りおむすび、手作り創作おむすび、形・見かけとも変わったおむすび、選り取りの今風おにぎり等々、将来を暗示するような、アイディア満載の今風おむすび・おにぎりのサンプル。

おむすび又はおにぎりの具の種類・味付け、型・握り方、見栄えなど、出来上がり具合は、千差万別であり、十人十色の創作可能性・面白さが、将に米文化の醍醐味・和食の縮図であるように思えてならない。

「おむすびころりん」は、どんな型でも、多少地域性・謂れがあるにしても、「ころりん」と行けば好いことで、正直独創力豊かな子供たちに握らせてみたい。

昨今コンビニの一番の売れ筋が、「おむすび」又は「おにぎり」と云うことだが、はたしてどこまで、東西の差別化を忠実に守っているのであろうか?

三角型の海苔巻きが、大阪のコンビニ店舗でも、「おむすび」の主流を占めているように見受けられる。他に俵型・太鼓型でゴマをふりかけた「おむすび」も散見されるが・・・・。

姿・形・見た目にこだわらず、お買得の値段・味わいを最優先するのが大阪人気質からして、コンビニ店舗の普及も含めて、いずれ表面上の東西差別化は不要・不明になるのではないか?????

次に餅は、江戸時代中期・徳川吉宗の時代に登場し、江戸と上方がお互いに意識し始めた頃に、対抗意識の現われが形となって、上方は「丸餅」、江戸は「角餅」と両者が並存したと云う。



写真は、角餅が焼かれて膨らみ、丸みを帯びつつ、変わっていく姿。

上方の丸餅は、縁起ものとして円満の意味を持っているとかで、伝統を重んじたのに対して、当時新興都市・江戸では人口が集中し始めたこともあり、手早く作れる「切り餅(角餅)」が使われ始めたことがキッカケであったと云う。

丸餅と角餅の地理的境界は、岐阜県の関ヶ原辺りと云われているが、はたしてどうであろうか?



写真は、今風の何でもありの餅の例で、掬ったアイスクリームのように見える。

今日では常食となった餅であるが、以前は餅といえば、正月に迎える神様へのお供え物を、雑煮で頂く、年に一度の楽しみが当たり前であった。

雑煮の味付けは、上方が「白味噌」で、江戸では「すまし」であったと伝えられているが、今日では好みの味付けで、境界はないようだ。

伝統が失われつつあるのは、一面寂しいことではあるが、反面時代の趨勢・流行を反映したものであり、受入れざるを得ないのでは??????
「しゃあない!」


大阪食文化 東西比較 パン編

2007年03月13日 | 文化
日本で最初にパンが焼かれたのは、幕末近い1842年のことで、外国への関心が高まりつつあった頃と時を一にしている。

最新の消費動向調査では、朝食は主にパンが関西では57%、東北では11%と両極端で大きく違う。





写真は、菓子パンとトースト。
パンの好みの差は、東京が菓子パン、食パンは大阪からスタートしたらしい。

味の素が昨年、全国規模で行った朝食卓調査では、全国平均でご飯派が6割に対して、トースト派が4割だった。ご飯の比率が高いのは、関東・北陸・甲信越以北・九州で、関西はパン食派が多いという地域性が浮かび上がった。

関西では、和食がいいと思いつつ、貴重な朝の勤めを、手早く済ませたいから朝食はパンという消費者が多いのではないか・・。多少イラチの影響も??

“敷島製パン”広報部によると。同社の「超熟」パンの昨年度売上は、8枚切りが関東で全体の約30%、関西では1%未満、5枚切りが関西は焼く46%、関東では約3%と、明らかに違いう。

厚手のパンを焼くことを好む、大阪ではお好み焼きのような、もっちりした食感が好まれているからであり、東京ではせんべいのような、さくっとした食感が好まれるからではないか????



写真は、典型的な朝食メニュー、コンチネンタル・スタイル。
又洋風朝食は、トーストと飲み物程度で、温かいサイド料理のない所謂「コンチネンタル」と、玉子やハムの料理がついた「アメリカン」に分ける場合、家庭での朝食は、コンチネンタルが多いようだ。
これも朝の貴重な時間を考えると、大阪人ではやむなしといったところか?????

ところで最近の若者には、コンビニ食頼り人口が増えているかも・・・・。

菓子パンの好みで比較すると、関西でクリームパンが好まれ、東京ではフランスパンが最高においしいそうだ。





写真は、神戸屋のプリン及び新宿中村屋の月餅。
関西の代表的デザート・おやつは、神戸プリンで、こちらは原料が、卵、砂糖、乳製品、洋酒など、とってもシンプル。

他方関東代表は中村屋の月餅で、中には、くるみ、カシュナッツ、レモンピール、いちじく、パイナップル、レーズン、落花生、りんご等々が入って、なかなか凝っている。関東人は高級菓子への要求・期待は大きいようだ。

関東人には、ハイクラス・スタイルが似合っているが、関西人は安価な庶民嗜好が合っていると云える。
「さよか!」


大阪食文化 東西比較 天ぷら編

2007年03月12日 | 文化
天ぷらは、古今東西親しまれている日本の伝統的料理手法とはいえ、東京の天ぷら専門店の数は、関西と比較にならないほど多いと云う。

「高級天ぷら店」の発祥の地には諸説ある中、東京の「新宿つな八」が発祥の地とする説、或いは東京「両国橋のたもと」もその一つで、現在も老舗の天婦羅店が存在する。



写真は、典型的なアナゴの天ぷら。
東京で天ぷらと云えば、先ず思い浮かべるのがアナゴの天ぷら、東京湾の羽田沖で獲れ獲れのアナゴは絶品で、東京人には最高の贅沢。

でも関西では、圧倒的に焼きアナゴが好まれるようだ。



写真は、関西人好みの焼きアナゴ。
例えば、アナゴの漁場としても知られる、兵庫県明石市の「本焼あなご下村」店は創業130年余りで、「こだわりのアナゴ」の老舗店。
「焼きたての香ばしさを味わってほしい」と云う当店の願いからか、9対1で焼きアナゴが多いと云う。でも食事がメーンの女性客はてんぷらを好むそうだ。

新鮮なアナゴを開き、1本丸ごとに衣をつけ、ゴマ油で豪快に揚げた江戸前てんぷらは、瀟洒な風情の焼きアナゴとは対照的で、夫々格別な食べ物として食通の間で、もてはやされていると云える。

ところで、焼きアナゴか、天ぷらアナゴか、あなたならどちらを選びますか?

次に「てんぷらをソースで食べる地域分布」をアンケート調査した結果、関西では半数近い人が「野菜と魚のてんぷらはソースで食べている」ことが判明。
又ソースの種類については、関東以北は中濃ソース、関西はトンカツソース、九州はウスターソースという具合に、主に好まれるソースに地域差があることも分かっている。

一部の人ではあるが、カレー、チャーハン、肉まん、シュウマイにもソースを使い、更にはお好み焼き、たこ焼き、焼きそばもソース味で、名古屋の人はみそ味が好きなように 大阪ではやはりソース味が好まれている。

それから、海老などの天ぷらとは別に、関西で「天ぷら」というと関東のいわゆる「さつまあげ」のことを指す場合もある。



写真は、手作りのさつま揚げ。
関東ではあまり揚げたての“さつまあげ”は見かけないが 関西では小さな市場などでも 揚げたてを売っている。これがまた美味い!



写真は、紅しょうがの天ぷら。
それからもう一つ、天ぷらで忘れてはいけないのが、「紅しょうがの天ぷら」。
関東ではほとんど見かけないが、関西では紅しょうがが、普通の天ぷらにも使われるし、さつま揚げ用の天ぷらにも使われる。

更に付け加えると、私の居住地である大阪箕面市の名物「モミジの天ぷら」の起源は、およそ1300年前に遡るとのこと。
作り方は、1年ほど前に収穫したモミジを塩漬けし、衣を付けて揚げるだけ。



写真は、大阪箕面市の名物・もみじ天ぷら。
大阪北部に位置する箕面市は、都会の喧噪から離れたモミジのスポットが国定公園内にあり、見るモミジもいいけれど、美味しい食べ物を求める、花より団子派の人にも受けているスポット。
なかなかの珍味で、賞味の値打ち十分。
シーズンになると、およそ400メートルに及ぶ、緩い傾斜の道のりには、15軒ほどの土産物店が「もみじ天ぷら」の看板を揚げている。

と云うように、将に「所変われば品変わる」の具体例として興味深い。
「おもろいやん!」

大阪食文化 東西比較 鍋物編

2007年03月11日 | 文化
鍋物と云えば、すき焼き・しゃぶしゃぶ・水炊き・寄せ鍋・キムチ鍋などが一般的だが、チョットはりこんで、てっちり・かにすき、他にもうどんすき・ちゃんこ鍋・煮込みラーメン・餃子鍋・豆乳鍋等々、冬の定番メニューとして欠かせない、家庭鍋料理のバリエーションの豊かさが窺える。
“鍋文化”の広がりや家族の温かみが感じられる。



写真は、典型的な寄せ鍋の食材。
最近のアンケート調査結果によると、家庭での鍋料理の頻度は、関西のほうが多く、特に水炊きは関西が関東の約1.8倍と高い。

鍋に入れるメイン具材の肉と魚では、関西の鍋には肉が多く使われ、特に豚肉は関西が高く、逆に関東は“たら”の利用が多いと云う。

土地柄・食文化嗜好の違いから、出汁は関東ではだしの素に対して、関西ではだし昆布が多いこと、うどんなどの麺を入れるのは関西のほうが多いと云う。

その他の具材では、白菜、長ネギ、豆腐、えのき、生シイタケなどは東西とも使用率が高く定番と言えるが、関西は春菊を多く使い、関東では“糸こんにゃく”より“しらたき”が多いなど、東西の鍋の個性が現れていと云える。

ところで“しらたき”は、こんにゃくの粉から作った白いひも状のこんにゃくに対して、“糸こんにゃく”は、ひじきなどで黒くしたもので、歯ごたえがあり、カルシウムを倍近く含む。大阪を含む近畿圏では、糸こんにゃくの方が多い。



写真は、典型的なすき焼きの食材。
鍋物で人気上位のすき焼きは、関西では豚肉より牛肉が多く、しらたきより糸こんにゃくが多く、又たまねぎを多く使う。関東ではしらたき派で、たまねぎは余り使わないと云う。

たまねぎの歴史は浅く、明治に入ってからだそうで、北海道と大阪・泉州地方で栽培が始まり、泉州の栽培ノウハウは、その後淡路島にも導入され、今日では泉州産・淡路島産とも全国的に知られている。

又中国・四国地方では、大根がすき焼きによく使われると云うが、これも地元産の大根が飛びっきり美味しいからで、鍋物具材は、当然のことであるが、産地に密接に関係している。
「ええやん!」