ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

ドライバーの収入と健康を向上させる仕組み アイデア広場 その795

2021-01-19 18:07:28 | 日記


 新型コロナウイルス感染の拡大で、外出を自粛の動きが継続しています。外出自粛のムードにより、料理店舗の売り上げが低迷している状況です。代わりに、料理店舗は出前館などを通じた宅配依頼が急増しています。調理が、全く間に合わない状態のお店もあるようです。出前館とウーバーイーツでは、緊急事態宣言後の利用者が6割増となっています。ウーバーイーツは、注文が殺到する地域をアプリで赤く表示しています。一点100円以上のボーナスを支払うことで配達を誘導しているのです。感染の継続により、宅配需要が高まり、対応店舗もこのチャンスを生かそうとしています。アマゾンは、米連邦航空局からドローンを使った配送サービスに必要な認可を受けました。まだ、実現はしていませんが、ネット通販サービスにドローン配送を導入する計画です。ラストワンマイルのボトルネックの解決のために、ドローンの採用を決めたわけです。2kgまでの重さの商品を、注文から30分以内に発注者の自宅の庭などに商品を届け、それを自動操縦で飛行することを目標にしているのです。ラストワンマイルをスムーズに行う仕組みを、多方面から実現しようとしています。人を使った配達や最新のドローンを使った配達などを考案する機運は高まっています。
 一方、配達の方法に工夫が求められるようになりました。マクドナルドは、日本全国の331店で宅配業務を展開しています。この会社は、排ガスを出さない電動3輪バイクの使用に徐々に移行していく計画を立てています。マクドナルドが導入するのは、日本の企業が発売した電動3輪バイクになります。電動バイクの車両価格は、一般にガソリン車と比べて6割ほど高くなります。でも、数年単位で利用すれば、ガソリン燃料のバイクに比べコスト負担が軽減できるのです。ガソリン車で、定期的に発生するエンジンオイルや駆動系部品の交換も不要になります。新型コロナ感染拡大による宅配需要の増加で、電動3輪バイクを採用する飲食店が増えています。排気ガスをまき散らすガソリン車を使用する企業よりも、環境に配慮する企業のほうが、これから評価が高くなる時代です。
 人の有効活用を考え、先端技術を開発し、そして、その2つのコストパフォーマンスを考慮する時代になっています。新しければ、良いというわけでもなりません。アメリカのメジャーでは、運動能力の高いアスリート系の選手を外野に配する傾向が出てきました。メジャーの内野守備は、近年データを駆使し、極端な守備隊形を取る方式が定着してきたのです。内野が抜かれても、外野で抑えれば良いという考え方です。内野の運動能力のある選手であれば、外野に回したほうが良いというデータが多くなったともいえます。内野手には、「君たちは決められたところに立っていればいい」、そして、抜かれた場合はデータが間違っていたと割り切るようになったわけです。このデータ野球が、いい結果を残していることに驚きを覚えた方は多いようです。さらに、報酬の高い選手はトレードに回して、報酬が低くともチームの戦力になれる選手を入れる傾向も出てきています。
 人の活用という点では、お隣の韓国では、面白い宅配形態があります。ある面で、非常に合理的な仕組みです。ソウルの宅配事業団では朝から高齢者が、宅配依頼が入るのを待機室で待ちかまえています。軽量の荷物や書類を届ける宅配事業団では、朝から高齢者が宅配依頼の入るのを待っているのです。65歳以上の高齢者は、ソウルの地下鉄が無料で利用できます。地下鉄を利用できるために、宅配を安く請け負うことができるわけです。安くて、確実であれば、依頼は多くなります。宅配歴6年の73歳の老人は、地図アプリを使いこなして配達しています。1日の稼ぎはおよそ2000円で、月に4万円を稼ぐといいます。年金制度が十分に確立していない韓国では、月に4万円は年金を上回る収入だと言うことです。彼は、歩くのは健康に良いし、毎日決まって出かけるところがあって幸せだといっています。日本でも、地方自治体によっては、バスが無料で乗れる地域が多いようです。増加する高齢者を、有効利用する仕組みを作ってはどうでしょうか。60代後半の人が、40分ほど速歩を1年続けたところ、海馬の容積が2%増加したという報告があります。認知症などの予防にも、使える仕組みになるかもしれません。
 宅配も速さだけでなく、環境や福祉の観点からビジネスに繋がると時代になっているようです。満足は、速さだけではありません。アマゾンと差別化できるものができるならば、規模や速さで対抗する必要がありません。ニューヨークのマンションの人達に一番売れた家庭用品は、花壇に使うガーデニング用品になっています。隙間ビジネスは多くの人にではなく、ほんの一部の人が満足するものを届ければ良い環境になっています。物質的にも精神的にも人の要望を満たすモノを、届ける仕組みを作れば勝ち組になります。ゆっくりと花壇の花の成長を見守るゆとりの精神の中にも、ビジネスチャンスが潜んでいるようです。また、高齢者が働く中に生きがいを潜ませておく仕掛けにも、ビジネスチャンスがあるようです。
 ドライバーを長く続けていた方の健康寿命は、短いとされています。流通業に関わる人たちの健康が、心配されるわけです。健康志向の現在、多くの人々が、体重体組成計や血圧計、そして万歩計から、健康データを把握しています。リストバンド型の活動量計は、歩数や睡眠時間などをセンサーが計測していきます。歩数や睡眠時間のデータを、専用アプリで解析するサービスもあります。そして、体重体組成計や血圧計、リストバンドからのデータ収集は、スマホでカバーできる時代になってきたようです。目の動きは、スマホのカメラをかざしておけばわかるようになりました。運転席の頭上にスマホ置き、運転手の目の動きを捉え、センサーでクラウドに送信することができます。目の疲れは、ドライバーにとって命取りになる場合があります。ドライバーの健康は、ある意味でとらえやすい環境になりつつあるわけです。
 高等動物の脳は、常に熱を持った状態で活動するようになりました。進化を加速したのは、哺乳類と恐竜を子孫に持つ鳥類になります。鳥型恐竜は脳の発熱が多いために、トサカが脳を冷やす役割を担っています。人間の場合、入眠の前に手足の指先が温かくなることが知られています。8時間の眠りのうち、6時間がノンレム睡眠、2時間がレム睡眠といわれています。ノンレム睡眠は大脳を鎮静化し、大脳の機能を回復させるための休養の時間になります。睡眠の時間まで、脳が活動的になると脳の機能が損傷します。深いノンレム睡眠の確保が、人間の健康を保証しているわけです。流通に従事した方は、健康寿命が短いケースが多いのです。その理由は、睡眠不足が日常化していたためともいわれています。宅配ドライバーの方は、睡眠をきちんととれる職場で働くようにしたいものです。睡眠を個人の責任で取るということは、ある面で当たり前とされます。でも、宅配業務は、大きな社会的な役割を果たす業務になりました。この仕事に従事している方の健康は、社会全体で保障する時期にきているようです。ドライバーの方には、働くときも健康な状態でお金を稼ぎ、ドライバーを辞めてからも健康に過ごす仕組みを作っていきたいものです。