ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

イチゴ狩りはロボットを使った遠隔操作で行う アイデア広場 その793

2021-01-16 18:06:39 | 日記

 テレイグジスタンスのロボットが、サンドイッチやおにぎり、そして飲み物を陳列しています。離れた場所にある分身ロボットを遠隔操作する技術を、「テレイグジスタンス」といいます。東京のあるローソンのお店では、バックヤードから商品棚への陳列業務にロボットを活用しています。都内のファミリーマートでも、同様の陳列業務にロボットを活用する検証を始めています。ロボットはカメラを搭載し、その映像を見ながら遠隔地にいる従業員が操作する流れになります。VRヘッドセットを装着し、手に持ったコントローラーでロボットの動きを制御するのです。コントローラーを動かし、バックヤードから弁当を棚に並べる作業を1時間ほどで終えるようです。距離を超えた拡張労働力を浸透させていくことで、新たな小売りの姿を創造するモデルが出現しています。
 国内では1980年代に産業ロボットが普及期に入り、部品の移動や組み立て作業を代替し始めました。でも、決まった品種を、大量に生産する現場での利用に限られていました。事前に教えられた情報に基づいて動くために、扱う部品の変更などへの柔軟性がなかったのです。多品種の製品を扱う現場では、プログラミングが複雑でした。このために、ロボット導入のハードルは高いという現実がありました。ところが、高精度な画像認識を可能にするセンサーやカメラなどの開発が、急ピッチで進展してきました。動作の経路を自動化できる設計が、柔軟なソフトウェアという形で開発されました。ロボットが自分で動き方を判断するように賢くなり、導入コストも半減できる例も出てきたのです。意識の高い中小企業は、既にこのようなデジタル技術を使いこなし始めているのです。
 ある企業の制御システムは、流れてくる段ボールの仕様を自動で判断することができます。従来は、ロボットに段ボール箱の大きさや運ばれてくる順番を教えていました。この進化したロボットは、コンベヤーから送られてくる段ボール箱の大きさや形をカメラで認識します。事前に学習したデータを基に処理するため、現場での高度な画像認識能力は必要ありません。アームについた1 台の汎用カメラで、つかむ位置を判断します。カメラによる段ボール認識とアームの動かし方の速さは、約2秒で計算し、箱の積みつける場所決めていきます。様々な大きさの箱がばらばらに来ても、隙間なく積み上げる優れものです。このロボットの導入は、人手不足の現場に福音をもたらしています。
 サンドイッチやおにぎりを陳列は人がやると簡単な仕事です。でも、人工知能(AI)で解こうとすると難しい作業になります。人ならば、光の当たり方が変わっても、障害物が突然現れたときでも対応できます。産業用ロボットの場合、作業の違いごとに動作を指定するプログラミングが必要になります。軌道計画を指定するシステムの構築には、プログラミング作業に膨大なコストがかかります。コンビニでの作業は、人間がしばらくは遠隔で制御するようになります。もっとも、将来的にはAIがロボットの制御を代替することになるようです。従業員が遠隔操作したデータを、ネット越しに収集し蓄積します。ビッグデータとして、機械学習や強化学習と組み合わせながら利用することになります。将来的には、AIで多彩な作業をできるようにしていくわけです。3年くらいで、ある程度のAIで制御ができるようなると見られています。
 お話は、跳びます。東京の大田市場では青果の初競りが開催されました。野菜の宝船は、青果市場の初競りで出荷される慣例があります。この宝船は、五穀豊穣や商売繁盛の願いが込められた縁起物です。大田市場では例年、桐箱に入った促成栽培の高級サクランボが、初荷の目玉になります。山形県産サクランボの高級品種「佐藤錦」500グラムが、100万円で落札されたのです。マグロの初セリのようです。2020年の80万円を上回り、20万もの高値で取引されました。2020年は、新型コロナ禍で外食店などへの影響が大きな年でした。食に携わる人たちを元気づけたいと、市場関係者は心積もりがあったようです。高値をつけようと昨年の夏ごろから決めていたといいます。江戸っ子の心意気が伝わりました。
 食に関することでは、イチゴ狩りの時期に当たる昨年の2~3月に新型コロナウイルスの感染が拡大し、市場が停滞しました。コロナ禍で、農業関連の企業は事業の変革を迫られているようです。そんな中で、面白い試みが行われました。栃木県のある農園で、オンラインによるイチゴ狩りを始めたのです。スマホを通じて、東京都内や埼玉県から参加者は、Zoomを使って自宅でイチゴ狩りをしたのです。農園の方は、「とちおとめ」や「スカイベリー」など10種類のイチゴを次々と紹介していきます。オンラインの参加者は、「品種の勉強になった」「イチゴが食べたくなった」と良い反応を示したそうです。いちご狩りだけでなく、サクランボやモモなどにおいても、オンライン化は新たな市場開拓の可能性も秘めているといえます。
 オンライン化と言えば、オンラインで客の依頼を受け付ける「衣服のお直しオンライン」のサービスもあります。利用客は、同社のサイトであらかじめスタッフの空き日程を確認し、日程を予約することになります。予約日に、ウェブカメラを使ってスタッフと会話し、衣服の直したい部分について相談するわけです。相談で見積もりの金額に同意すると、クレジットカードを使った決済が行われます。オンラインでの相談で見積もりの金額に同意すると、集荷の手続きに入ります。衣服の引き取りは、宅配便を使うことになります。営業活動を対面からオンラインにシフトし、デジタル技術で仕事を効率的にするモデルになります。企業の75%が、新型コロナを契機にデジタル施策に取り組んでいるといいます。
 最後に、提案になります。いちご狩りをテレイグジスタンスのロボットを使って、行ってはどうかという提案です。自分で収穫したという体験は、収穫した果物を美味しくします。VRヘッドセットを装着し、手に持ったコントローラーでロボットの動きを制御しながら、イチゴを収穫するわけです。2~3月にはイチゴ狩りをコントローラーで行います。メロンは4月の九州からから7月の北海道まで遠隔地の果物を収穫していきます。ブドウは7~8月、モモも7~8月、ナシは7~11月にかけて、そしてリンゴは秋から冬にかけて果物狩り三昧ができます。もちろん、ロボットの利用も重要です。まだまだ高価なロボットですから、レンタルで行います。要請があれば、ロボットを果物産地にレンタルをし、オンラインで果物をするお客にはVRのコントローラーをお貸しするという形になります。果物が到着したときに、コントローラーを返却するようにします。収穫に失敗し傷ついた果物は、ジュースにしてお届けすることになります。ロボットによる遠隔操作の果物狩りが、話題を呼んで、農家の方の所得が少しでも増えればと提案した次第です。