ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

医療従事者と国民の健康を向上させる仕組み  アイデア広場 その788

2021-01-11 18:00:35 | 日記


 日本の誇るべきものに、学校制度と医療制度があります。戦後何もない焼け野原から、経済大国になった理由に、教育の力があったことは世界が認めています。日本の医療は、非常に優れたものです。病気になれば、すぐに病院に運ばれ、お医者さんに治療を受けることができます。そして、誰でもがリーズナブルな費用で治療ができるのです。日本の医療は、同じような制度を持つイギリスなどに比べれば、とても早く治療をしてもらえます。でも、日本の優れた医療が、制度疲労を起こしていることに国民は気づき始めました。新型コロナウイルス感染によって、教育も医療も不都合な真実を見せ始めたのです
 労働災害と認定される過労死ラインは、月80時間以上の時間外労働になります。労働災害(労災)は、働く人が、働いていることが原因で事故にあい、病気になることです。この80時間の2倍を超える時間外労働が、行われている病院もあります。この長時間の時間外労働を認める制度に、医療現場には不満がくすぶっていました。この不満は、コロナ禍が起きる前からささやかれていたものです。今回のコロナ禍において、医療を担ってきた医療従事者の方からは、診療の体制が維持できないとの声もあがっています。できないという声だけでなく、事実できない状況が現実に現れてきたわけです。コロナ禍は、医療現場の実態がさらに明らかにしたわけです。医療に従事する方は、患者にとっては救いの神です。でも、お医者さんや看護師さんは、過労死ラインの厳しい労働環境の中で働いているのです。
 医療関係だけでなく、3交代制で働く人の労働は、厳しいと言われています。でも、本当は、3交代制の勤務より2交代制のほうが厳しいのです。その中で、3交代制勤務より厳しくなる2交代制勤務をとる病院が増えています。大きな原因は、看護師さんの不足があるようです。そこで、3交代制の勤務と2交代制の勤務に関する実験が行われました。看護師さんを対象に、モチベーション向上の実験が行われたのです。給料を上げるという条件で行われたこの実験では、いくつかの結果が予測されていました。普通に推測すれば、3交代側のモチバーションが上がり、2交代側は下がると予想されていました。子育ての真最中の看護師さんは、給料より3交代制の勤務を選ばざるを得なくなりました。この育てに重点を置く看護師の場合でも、病院に保育施設があれば、高いモチベーションを持って看護業務を行っていました。一方、厳しいとされた2交代制を進んで、受け持った看護師さんもいたのです。看護のスキルを上げたい方は、自発的に訓練の場として2交代勤務を受け入れたのです。厳しい労働環境の中でも、看護師さんの家庭状況や自己研鑽の意欲など、いくつかの要素を加味した勤務体系を構築することも必要なことかもしれません。
 東京都では、新型コロナウイルス感染が陽性でも入院先や療養先が決まらない人が急増しています。受け入れ先となる医療機関の病床はひっ迫する状態になっています。割り振りを担う保健所などの人手不足が深刻です。保健所業務の増大で、新規感染者への適切な対応が難しくなっているのです。神奈川県内では市中感染がまん延し、感染経路をたどりきれなくなってきています。感染経路たどる疫学調査には、1人当たりに対して数時間かかります。現在の保健所の人員では、すべての調査が不可能なほどに感染者が急増しているのです。いま対応は、感染されている方への対応を最優先にする非常時の段階に来ています。制限された状況の中で、情報集約や健康観察といった感染者への対応力の維持を目指す方向に、舵を切ったということになります。
 医療の世界では、患者を救いたいけれど、そうできないケースがでてきます。医療従事者の方も、悩み苦しむという構造を取る場合がでてくるわけです。「治療をすべきだという理想と、できない現実の葛藤」が、医療従事者の悩みや苦しみを増幅しています。人間に大きな苦しみが生じたとき、コルチゾールが分泌されます。コルチゾールは、ストレスホルモンともいわれ、苦しみに抵抗します。軽い苦しみならば、すぐに正常に戻ります。でも、苦しみや葛藤が長く続くと、コルチゾールの分泌や効果も限界になってきます。ストレスの過剰の非常事態が長期間続くと、脳や体内の組織が弱体化していきます。深刻な悩みや苦しみに耐えられず、人間は押しつぶされてしまうのです。コロナ禍は、2020年2月ごろから、医療従事者を休ませずに、過労な環境で働くことを強いてきました。その過重な負担が、この時期に顕著に現れているようです。
 医療の質を落とさずに、患者の命を守るためには医療従事者の健康が大切になります。ケアをする側の医療従事者はフレッシュな状態を維持しながら、医療業務に従事すべきです。理想的な医療は、専門家のスキルを十分に発揮できる心身の状態を確保が前提条件になります。医療従事者の方にも、自分たちの生活があります。新型コロナの情況は、医療現場で働く方たちへ配慮をする余裕がなくなりつつあります。ある意味で、国民のエゴの現れかもしれません。国民の皆さんが求めるサービスの水準は、高いところにあるようです。病気になれば、治してもらえるという甘えがあるようにも見えます。人間は必ず死ぬというという事実を忘れているかようです。国民が医療サービスを求める場合、分度をわきまえることが大切になります。あまりにも、エゴを強めると両者が共倒れという事態になります。医療従事者の厳しい労働環境が続き、ケアをする側が病気になれば、患者も共倒れということになるということです。国民にできることは、外出をしない。感染をしない、感染しても人にうつさないという姿勢が求められるようです。新型コロナウイルスに感染しない有効な方法は、示されているわけです。
 余談ですが、中間層」と言われる人たちの所得が、全体的に下がる傾向は多くの先進国で観察されるようになりました。そんな中で、極端な人手不足が発生する職種と人員が過剰となる職種の二極化が生まれています。「事務的職業」や「清掃・包装等の職業」は、有効求人倍率「1.0」を大きく下回るようになりました。有効求人倍率は、「保安の職業」で7倍、「建設や採掘の職業」で5倍を超と高水準で推移しています。そして、「家庭生活支援サービスの職本業」、「介護サービスの職業」、そして「生活衛生サービスの職業」は、4倍を超えて人手不足が顕著になっています。不足する労働力を、新技術で代替する動きが加速していくことになります。また別な面からは、余剰感のある分野から不足している労働市場に、人材を供給していくことも必要になります。個人としては、事務も生活衛生もできる能力を身に付けておけば、仕事を得ることができる社会とも言えます。社会全体としては、人材の最適化を目指す人員配置が求められることになります。目先の利く方は、今からこの「家庭生活支援サービスの職本業」、「介護サービスの職業」、そして「生活衛生サービスの職業」の分野で働けるスキルを磨くことになります。できれば、ここに新技術のデジタルのスキルが加味できれば、完璧かもしれません。



喜多方ラーメンのブランド力を高める  アイデア広場 その786

2021-01-11 09:35:37 | 日記

 福島県の喜多方は、酒と蔵とラーメンの町といっても良いでしょう。ラーメンを求めて喜多方には、多くの方が訪れます。使われている平打ち熟成多加水麺は、幅は約4mmの太麺で切刃番手は12番および14番が人気を集めているようです。この麺は、多くの水を加えてつくられます。喜多方は酒所だけ合って、水がとても美味いのです。飯豊連峰の湧水が、酒とラーメンを両立させる下地になっているようです。
 そこで、より喜多方独自のラーメンを提供できないかと考えてみました。日本では、ラーメンに適した小麦種が少ないのです。小麦粉は、ほとんどが外国産の小麦を使用してきました。そんな中で、福岡県は国産の小麦を使ったラーメンを開発しました。この麺は、細麺です。この細麺にはコシのあり、歯切れが良く、味が良いと評判です。この細麺に使う麦はラー麦といわれ、福岡のラーメンのために新たに品種改良された小麦なのです。このラー麦は、福岡の郷土食である豚骨ラーメンの麺に適した品質を持っています。
 喜多方ラーメンの麺は、独特の縮れがあり、食感は柔らかいことが特徴です。この麺の特徴を出せる小麦を、喜多方の地でつくり出してほしいのです。地産地消が、これからの流れになります。喜多方のダイズで醤油をつくり、ネギやメンマも地元産のものを提供することができれば楽しいことになります。他では味わうことのできない喜多方ラーメンを、これからも訪れる方に提供して欲しいわけです。それでは、具体的にどのような策を練れば良いのでしょうか。以下が、現在のラーメン業界の現状を眺めながら愚考したものです。
 ラーメンという食文化は、日本で育ち、現在の地位を獲得しています。小麦はふつう、秋に蒔いて冬に育て、初夏に収穫します。小麦は水が十分に得られる冬を生育期間とし、夏は種子で休眠して凌ぐという生存戦略を持っています。いわゆる地中海式気候の中で、育つ作物になります。この小麦を、美味しいラーメンの麺にしたいわけです。現在、コメの研究は多くの県で行っています。でも、小麦の研究やその試験栽培をする県は少ないようです。福岡県のラー麦の開発は、特別の事例のように見えます。このラー麦のような研究や栽培を、やってほしいのです。それも、各県単位ではなく、いくつかの県が集まって研究資金や人材を集中的に投資する事業を行えればと考えています。テーマを決めて研究し、そして試験栽培をして、ラーメンの品質を高める小麦を開発してほしいわけです。一般的に、小麦の特徴、他品種への優位性、消費者のニーズ、販売実績の4点の視点から、小麦の優先順位を決めることになります。さらに、新品種の利点と欠点を分析する組織、時間とコストなどリスクを管理する組織などが、優先順位を決めて栽培を奨励することになるでしょう。予算の少ない県同士が集まり、日本や世界に売れるラーメン用の小麦を作ってほしいものです。
 2020年は、過去最多ペースで倒産が続くラーメン業界の現状があります。新型コロナウイルスの感染でお客が激滅する中でも、努力と工夫をしながら売り上げを伸ばしているお店もあるのです。あるチェーン店では、夜の集客に期待できないなら、昼の営業を開拓したいと挑戦している企業もあります。夜はイタリア料理店として、昼間はラーメン店として、昼夜の二毛作営業を始めたのです。販売責任者は、「生ハム」と「キノコ」を使う条件を出して、ラーメンのプロジエクトチームをスタートさせたのです。このチームは、イタリア式の生ハムと乾燥ポルチーニ茸を使い、塩味でまとめるラーメンを作り上げました。パスタで使用するデュラムセモリナ粉を混ぜて、良い歯触りに仕上げています。麺はストレートの中細麺で歯触りと、のど越しの良さの両立を実現して、評判は良いようです。
 もう一つの事例は、コロナ禍の影響をほとんど感じさせないほど人気を呼んでいるラーメン宅配店です。宅配でのラーメンはまだ珍しく、コロナ禍では「ほぼ独占状態」だったといいます。この店は2019年から新しい収益源として、直営4店で宅配のテストを進めていました。ラーメン業界で宅配参入が進まなかった理由は、汁漏れを防ぐことが難しい点でした。この開発チームは、ラーメンを載せた盆を30分揺らし続けて配達時の振動を再現するといった検証を重ねました。努力の甲斐があり、この難関を乗り越えました。昼になると、料理宅配サービス「ウーバーイーツ」の配達員がひっきりなしに出入りするお店になりました。ラーメンの麺は、配達員が店に取りに来る5分前にゆで始めます。麺のゆで時間も45秒縮めて、お客のところに届くまでのびにくくするという工夫も加えています。イタリア式ラーメンからは、小麦をブレンドすることにより、新しいラーメンの麺ができるかもしれないということが分かります。宅配ラーメンからは、「伸び」を遅くする麺ができれば、販路を広げることができることなどわかります。これらができれば、ビジネスチャンスになるわけです。
 不易流行という言葉があります。変わるものと変わらないものが、あるということです。喜多方ラーメンは、変わってほしくないものです。その中にあっても、進化したラーメンになってほしいという欲張った要望になります。以前、ラーメンに求めるものとして、消費者の要望は「おいしさ」が1位でした。でも近年、ラーメンに求めるものは「安全・安心」、次いで「健康」、そして「おいしさ」の順になってきています。安全安心を確認する指標として、近くに絶滅危惧種の動物が住んでいれば、良い環境ということができるようです。ある地域に、ニホンミツバチ、アリ、アブなど、多彩な昆虫の生息が確認されたとします。すると、この小さな虫を求めてカエルやフナやドジョウ、トンボまでが飛来してくることになります。さらに、これらのカエルやフナやドジョウ、トンボを狙った鳥たちが降り立つ光景も日常的になります。もし、これらの動物の中に、絶滅危惧種が混じっていれば、この地域(生態系)は非常に安全な場所になります。このような場所で栽培された小麦は、付加価値の高い食材になります。この小麦で作られたラーメンも、評価が高くなるわけです。イギリスやEUでは、これらの生態系を維持する農家には、補助金を出して応援しています。喜多方ラーメンの小麦が、こんな環境で作られ、地産地消を実現して頂ければ、これからも皆さんに愛されるラーメンになることは確実でしょう。