ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

リーダーには時間と余裕を与える配慮も必要です アイデア広場 その779

2021-01-01 21:50:13 | 日記


 2020年9月の菅義偉政権発足から100日が過ぎ、内閣支持率が急落しています。内閣支持率が42%に急落しているのです。コロナ対策を「評価せず」と59%の数字が政権の足場を不安定にしています。経済再生の目玉だった観光需要喚起策の「GoToトラベル」が、停止に追い込まれました。さらに12月25日以降は、国内でこれまでより最大70%感染しやすいとされる新型コロナの変異種が確認されています。菅首相との多人数の会食に批判が集まり、「国民の誤解を招く意昧で真撃に反省している」と陳謝の報道もされています。こんな状況を、10年近く前にもあったなと思い出してしまいます。
 2011年3月の東日本大震災が発生しました。その時の対応を民主党政権が、国民から非難された状況と似ているのです。原発事故を含めた復興費は、20兆円を越えたといわれています。その復興費が使われている現在、住民にとって良いインフラ整備だったかというと疑問もでてきます。せっかく建設したのに、利用しない施設もあるようです。その疑問が如実に示すことは帰還する住民が極端に少ないことです。ちょっと一息おいて、地域のより良いインフラを考える時間があっても良かったのではないかと思ってしまいます。復旧が、災害前より良い環境に変わっていることを誰しも希望します。でも、速い復旧を、窮地に陥った人々は求めるものです。今考えれば、もっとこうすれば良かったという点が今考えると次々と出てきています。東日本大震災や原発事故にだけ目が注がれている間に、外患が拡大していました。
 この震災の時期にも、中国艦船は尖閣諸島に侵入を繰り返していました現在はさらに、多くの艦船で侵入を恒常化してきています。中国の台頭は、日本の安全を脅かしています。尖閣諸島のスクランブル回数を見れば明らかです。1962年に起きた中印国境紛争では、インドは規定の国境線を大幅に後退させられました。インドも中国の海洋進出に警戒を強めています。海軍の実力は、潜水艦の性能で決まるともいわれています。インドの海軍は、中国海軍に比べ劣勢です。優れた潜水艦の技術は、インドにはなく、日本にはあります。インドにはI T技術者が豊富におり、日本には不足しています。ある意味で、日本とインドは、補完関係にあるともいえます。
 世界は、軍事的緊張を増してきています。2014年のロシアによる東部ウクライナ侵攻は、NATOに新たな脅威をもたらしました。東部ウクライナ侵攻は、NATOに「加盟国の領土と国民の防衛」と言う政策に回帰させているのです。スウェーデンは2010年に廃止した徴兵制を、2017年に復活しています。フランスも、同様の処置を取り始めています。小国であるリトアニアにも、脅威を感じています。リトアニア社会全体が、侵略者に対して戦う意思があることを示しています。独立を維持するために、多くの一般市民が生命を犠牲にする用意があることを表明しているのです。リトアニア国民が全体で抵抗すれば、NATOは独立リトアニアを支援すると捉えています。NATOもその要請に答えて、NATO軍をリトアニアに駐留させています。
 一方、中国が海洋進出する理由は、過去の苦い経験があるからです。アヘン戦争で沿岸防衛がもう少ししっかりしていたら、イギリスに破れることはなかったと考えています。冷戦時代、中国はアメリカとソ連を敵に回していました。その時に、中国は戦略的に重要な施設を内陸部に移動させていたのです。改革開放後は、沿岸部に移し、現在の繁栄を築いています。沿岸部の繁栄を支えたのは、石油や鉄鉱石など輸入による工業化の発展でした。沿岸部が崩れると中国の繁栄は崩れるということになります。沿岸部の守りを確実にするため、南沙諸島に人工島を建設し、海洋進出を図っているわけです。そして、さらに安全を高めるために、太平洋へ、インド洋へ、果ては北極海まで進出しようとしています。ここまでくると、他国への侵略と捉えられる状態になります。見方を変えると、ここに中国の弱点があることになります。
 近年、内患外憂の状態が続く日本です。これを乗り切るリーダーが、求められます。でも、パーフェクトなリーダーはいません。リーダーが、いきな政策をピークの状態に持って行けるわけではありません。ピークにもっていくまでには、時間がそれなりにかかります。自分の精神テンポと異なるテンポに合わせて作業をすると、普通は作業効率が落ちます。一度に大量の情報が手に入るからといって、情報を有効に利用できない場合も出てきます。順調にいかない、壁にぶっかるという経験は、どのリーダーにもあります。国民は拙速な判断を、リーダーにさせるべきではないようです。東日本大震災や原発事故で、そのことは明らかになっています。リーダーの能力が十分に発揮できる時間と環境を整えることも、国民の知恵になります。そして、成熟した国民の民度ともいえるものです。この対極にポピュリズムがあるようです。リーダーがモチベーションを高めて、それを維持できる時間と環境を、与えても良いようです。新型コロナウイルス感染の感染者は増えていますが、日本全体としての死者は減少しています。医療従事者の方の頑張りがあるからでしょう。ここで国民が、もう少し外出を控え、行動を自粛すれば、感染者は減ります。感染者が減れば、心疾患や脳疾患の治療に、医療従事者をまわすことが可能になります。日本の医療を安定させて、持続可能な状態にできるわけです。これを行う日本国民の民度は、評価されることでしょう。
 日本には、優れた人材がいます。優秀な官僚が戦後の日本を成功に導いてきたことは、日本より世界が認めています。日本のキャリア官僚が、優秀であることは世界的に知られていることです。政治家が官僚の背中を押せば、官僚は着々と政策を実現していきます。一度決まったことは、行政が淡々とこなしていきます。今後の課題とされるワクチン接種なども、淡々と実施されていくことでしょう。始まれば、速く終息することになるかもしれません。その時を平常心で待ちたいものです。
 余談ですが、日本とインドの補完関係が成立する可能性があります。中国の力による領土拡張は、将来中国の子ども達に周辺国からの恨みという「負の遺産」を残します。日本とインドの安全保障は、中国の暴走を抑制する作用を果たします。それだけでなく、両国の安全保障は、中国の子ども達への負の遺産を軽くするものになると善意に解釈することもできるようです。