ファンタジアランドのアイデア

ファンタジアランドは、虚偽の世界です。この国のお話をしますが、真実だとは考えないでください。

危機を克服しながら豊かになる人々 アイデア広場 その804

2021-01-29 18:21:23 | 日記


 オーストラリアでも、新型コロナウイルスを受けたテレワークが広がっているようです。新型コロナ以降、大都市のシドニーから「脱出」する人が増えています。海外からの移民が多いオーストラリアでは、仕事がある都市部に人口が集中する傾向がありました。一つの目安が、住宅価格の上昇率になります。シドニーやメルボルンなどの8都市では上昇率が2%でした。でも、これら大都市以外の地方部では6.9%の上昇だったのです。住宅価格が上昇する際は、都市部の上昇率が地方を上回るのが普通でした。そこで人気の地域はというと、シドニーから車で約1時間半のキルケア地区がその候補になります。4LDKで1億3000万円と高額ですが、人気物件となっているのです。新型コロナでテレワークが一般化し、ライフスタイルを重視する人が増えているようです。
 オーストラリアと同じように、東京でも人口流出が起きています。新型コロタウイルスの感染拡大を境に、東京から人口が流出しているのです。2020年11月に東京都から転出した人は約2万8千人で、前年同月比で19%も増えています。移住先になっている地域は、東京都心から50~100kmの圏内になっているようです。神奈川県鎌倉市や相模原市、千葉県流山市、栃木県宇都宮市周辺が移住先になっているようです。危機を、チャンスと見る自治体もあります。地方に、優秀な人材を呼び込むチャンスととらえているわけです。東京からの移住と住宅の取得契約を結ぶと、150万円を助成する制度を設けている自治体もあります。
 人口密集地は、感染のしやすい地域になります。風通しが悪く、人が密集する場所では、感染リスクが高いというわけです。この事実を突きつけられて困ったのは、カラオケ店でした。確かにグループで歌えば、感染の3密という条件を満たしてしまいます。でも、危機を利用して、新しいことをやろうする人たちはいるものです。コロナ禍において、人々はストレスの発散や解消を工夫するものです。見方を変えると、カラオケ店は安全な場所になります。1人で1室を使えば、密室とはいえ、家と同じような環境になります。カラオケボックスには「朝うた」というメニューを作り、30分300円から利用できるようにしました。会社に出勤する前に、喫茶店代わりに、ひとりカラオケ店をストレス発散に利用する人たちも出てきました。もっと上をいく人は、一人で、楽器を持ち込んで防音室の代わりに使用する人も現れたのです。
 人々の中には、困難に陥っても、そこを上手に楽しく乗り切る方法を見出す人たちがいます。彼らは、好きなものを選んで食べられるバイキング食堂のように、仕事でも好きなものを複数選んで仕事するべきだと考えます。収入源を複数確保できるなら、さらにやりたいことにも挑戦できると意欲を持つわけです。ある金融業を退職した30歳代男性は、憧れの地方移住を実現しました。彼は金融業で養ったスキルで、地元企業の財務やマーケテイングのコンサルティングなどを支援しています。この給料が、15万円になります。さらに、町の集落支援員としては、月に17万円を、そして草刈りでは1万円といった具合に収入を得ています。この地域で、彼は30種以上の仕事を行っているようです。地方では、仕事を複数持つことで収入を安定させています。収入源を複数確保できるなら、固定費をある程度下げれば生きていける環境があるようです。
 先日の市場において、大手の外食株が軒並み買われたと報道されていました。コロナ過が収まると予想し、今後の外食需要の戻りを享受できるとの期待感が高まっているのです。確かにコロナ過が沈静化すれば、昨年のGo to Travelのように、観光地は旅行客でいっぱいになるでしょう。日本の家庭全体を見渡せば、消費の抑制や給付金の取得で家計が平時より25兆円ほど膨れ上がっています。人は自由を奪われた時に、ストレスや悩みが増します。そしてこの抑えこまれたストレスが解き放とうとします。これが解き放されれば、需要は「倍返し」で戻ってくるはずだと誰しも期待します。感染の落ち着きとともに、これまで控えられてきた旅行や飲食などにお金が向かうと予測するわけです。株式に精通している人は、旅や食の爆発を予測しているようです。この爆発を受け止め、ストレスと上手に発散し解消し、持続的な旅と食を継続する仕組みを事業家は、用意していることでしょう。ある意味で、ビジネスチャンスの到来です。
 副業を巡る潮流はここ数年で大きく変わり、副業を持つ人は珍しくなくなりつつあります。最近は、多くの仕事を並行して手掛ける「マルチワーカー」が活躍しています。マルチワークをうまく機能させれば、リスク分散の効果も大きくなります。収入増やスキル向上のほか、リスク分散の効果も見込めるというわけです。関連性もない別々のものを引き合わせることで、新たな価値が生まれることは経験則として知られています。仕事の種類や収入は異なるが、仕事を多数組み合わせることで有利な生計を立てることが可能になってきています。マルチワーカーの中では、人間関係やスキル、社会に貢献する感覚、お金の獲得、そしてそれ以外にもたくさんの価値が現れることがあります。1つの仕事の人脈は、別の仕事に生かすことができるなどの好循環につながるケースもあるのです。
 世界の国々の農業政策では、補助金を出しています。穀物生産を高めた農家や家畜をたくさん育てた農家に、補助金が多くだされてきました。でも、最近は農産物の生産と直接関係のない事業にも補助金を出す国が現れてきています。たとえば、スイスでは自然景観の保護に新たな補助金を農家に増額するようになっています。農業と観光が融合して、地域を豊かにする方策が取られているのです。農業地域も、農業と自然景観を生かした民宿の経営で豊かになっています。幸福感の高い地域は、単線系だけでなく、複線系の仕掛けを持つようです。幸福を大切にする地域は、文化の質が高くなり、創造性の豊かなになります。このような地域は、自分のために働くことが、地域の豊かさを高め、環境保護につながる仕組みを構築しているようです。