そばの醍醐味...！

　そばが、二口三口かんでから

のどにいれるのが一番うまい

「盛りそばで酒をのむのはいい...」

というようなことを

通ぶった人がよく言うでしょう。


だけど実際に、

通じゃなくてもいいものなんだよ。

だから、そばで酒を飲んでも

ちっともキザじゃないんだよ。

僕も好きですよ。


（そばというのはやっぱり

「本場」というのがあって

そこへ行って食べなきゃダメなんですか...）


その土地土地によって

みんなそれぞれの特徴があるんだから、

それを素直に味わえばいいんですよ。


　　「男の作法」
　　　　　　　　　　池波　正太郎 著
　　　　　







　僕は関西生まれ

そばはスキーの時に食べた信州そばか、

駅で食べる立ち食いそば

そんなそばしか知らなかった若い頃


福井で就職して、ある時

職場の新しい上司が毎日お昼に

「越前おろしそば」を食べていた

どんなに寒い雪の日も

昼食は冷たい「おろしそば」

変わった人だと思ったけど、


その上司は体のためにはそばが一番、

栄養価が高くてダイエット食品

すべてに合理的な食事だと教えてもらい

僕も食べてみた


食わず嫌いというのは

美味しいものを食べるのが

なんと遅れてしまうことか


おろしそばとは実に美味しいもの

それに大根おろしのからいことったらない

七味のからさと相まって

そばとの絶妙なハーモニー

最後に冷たいダシ汁をすすって

笑みがこぼれ、実にうまい

こんなそばで酒を飲んだら

美味しく酔えそうである


　　　　　早起き鳥




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旅...！

　旅が嫌いだという人は

あんまりいないだろうと思うけど、

ぼくはねえ、どっちかというと

おっくうなほうなんだよ、

旅へ出るのは。


どっちかといえば家で

ゴロゴロしているほうがいいわけなんです。

観光シーズンにはまず旅へ出ないね。

旅に出て心身をやすめるんだったら、

観光シーズンに行ったら

何にもならないわけだ。

絶対に休まらないからね


僕には２月と１２月、

それと梅雨どきの６月

これが旅をするには

一番いい時期ということになる。


　　「男の作法」
　　　　　　　　　　池波　正太郎 著
　　　　　







　一人旅、いいだろうな、自由で

寂しい気持ちは

いく先々の土地の人との会話

そして列車の中で隣に座った人との会話

思い切って話しかける勇気


その何もかもが

良き出会いであり良き思い出

そんな旅の醍醐味を体験できるとすれば

閑散期ということになりそうだ



旅行シーズンに

一人旅なんてするもんじゃない

と僕も思う

そんな時は家にいて

本でも読んでいるのが賢明


それに僕もたまに一人で

近場の温泉で２泊するというのが最高の贅沢

交通費といっても車だから大したことはない

宿泊といっても一人だから散財することもない

昼間は一日中部屋で

好きな本を読んで

気晴らしに風呂に入って

大いに羽を伸ばす


こんな近場の一人旅がお気に入りだが

近頃は贅沢だと謹んでいる昔の話


　　　　　早起き鳥




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帰省は正月が済んでから...！

　太平洋戦争が始まって、

海軍へ入る前の１年ほどを

僕は徴用されて

岐阜県の軍需工場で働いていた。


その時にね、

年も押し詰まってから工場長に、

正月は東京に帰らずに

こっちで仕事をしてくれ、

その代わり正月の終わりには

１０日間の休暇をだす、

といわれたんだよ。


たいていの人は、

こういう場合、いやな顔をする。

ところが僕は大喜びになっちゃう。

どうしてだが、わかるかい。


正月に帰郷する人々で

混雑する列車にのるよりも、

空いた列車へ

ゆっくりと座って帰ったほうが

どれだけ休暇が楽しいかしれないから。


　　「男の作法」
　　　　　　　　　　池波　正太郎 著
　　　　　







　正月や盆休みの帰省ラッシュは

いつもテレビのニュースで

大変な混雑が伝えられる


わかっていながらその時期を逃すまいと

覚悟をきめて人々は大移動

お金のある人は列車のグリーン席でゆったりと

そんな優雅な人もいるだろうけれど

法外な経費は庶民には高嶺の花


でもラッシュ時期を避けての帰省は

それはそれは道路も列車もゆったりのんびり

二人分の席を独り占め

こんな自由な休みかたができたら素晴らしいけど


それにしても池波先生の話からすると

軍需工場というのは２４時間フル運転の年中無休

そんな中でも休みの取り方、取らせかた

知恵を出して、休みを活用し

そして有意義な休日をすごしたいものだ


　　　　　早起き鳥




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監督の人間性を観察...！

　「プロ野球の監督というのも

ある意味で演出家と相通じる

仕事じゃないかと思うんです。

やはり「人を使う」という立場で。


プロ野球に対してはみんな

それぞれ関心を持っていますから、

それについての先生のお考えとか、

見かたというものをおうかがいしたいのですが...」


プロ野球を見る場合に

そこのところを見なきゃ

見ている価値がないんだ、

僕にいわせれば。


まあ、プレーだか見て喜ぶのもいいけど、

監督の人間性をみることは

やはり自分のこやしになるわけですよ。


　　「男の作法」
　　　　　　　　　　池波　正太郎 著
　　　　　







　僕も野球観戦は大好きで

お気に入りチームの

テレビ放送があればよく見ている


そしてテレビ観戦すると

負けることが多い阪神タイガース

今期はあの頼りになる

兄貴金本が絶大なる期待を背負って

チームを率いる

今年の阪神はやってくれるだろうと

期待が膨らむ


監督といえば天才肌の長島

コツコツ努力家の王

細かいところに気がつく野村

異色肌の広岡

ちょっと古い監督ばかりが頭に浮かぶが

みんな個性的でおもしろく

チームの個性に

大きく影響しているのもうなずける


野球のチームという組織を

どう組み立ててどう実践していくか

それは職場の人事管理、労務管理に

匹敵すると思う


人事を間違うと組織力は

大きく低下し仕事は停滞するが

うまい人事ができると

目覚ましい活躍をしてくれる

まさに監督職の人の起用と采配こそが

組織力の全てということになりそうだ


　　　　　早起き鳥




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ぶらっと旅に出てみようかな...！

　旅をすることが

いいというのも同じことですよ。

たとえば政治家でも

首相になってどこへ行っても

顔がわかっちゃう人ならともかく、


そんなに顔の知られていない人だったら、

あんなバッジなんかつけないで、

普通の格好をして

どこか全然しらないところを

一人で旅をすると

そこの町の駅員とか食堂の人とか

いろんな人が自分を

どういうふうに見るかということがわかるわけ。


（あ、この人はおれのことを

あまりいい感じにおもっていない、

きらっているな...）

とか

（あ、この人は好感をもってくれたな）


なんの利害関係もない

第三者の目に映った自分を見て、

普段なかなか自分自身で

わからないことを教えられる、

それが旅に出る意味の一つですよ。


　　「男の作法」
　　　　　　　　　　池波　正太郎 著
　　　　　







　一人旅というのを

あまりしたことがない

仕事で一人で県外に行くことは

結構あったけど


ぶらっと２、３泊の一人旅というを

全くと言っていいほどしたことがない

それだけ余裕がないというか、

せわしい自分のタチからして

時間とお金の無駄と考えてしまう

心が狭いと思えてしかたがない


でもこの歳になれば何冊かの本をもって

あてのない旅をするのも、

いまは、憧れている


知らない町、知らないお店にはいって

美味しいものを食べて見たい

そのお店の人に、

自分はどんなふうに映るのだどう

一見さんの旅の人、

ふんだくられるかもしれいないし、

案外、期待を裏切るほどの

もてなしを受けるかもしれない


そんな少しの冒険気分

味わってみたい気がしている

これからはそういう

時間と心の余裕を持って生きていたい


　　　　　早起き鳥




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