太平洋戦争が始まって、
海軍へ入る前の1年ほどを
僕は徴用されて
岐阜県の軍需工場で働いていた。
その時にね、
年も押し詰まってから工場長に、
正月は東京に帰らずに
こっちで仕事をしてくれ、
その代わり正月の終わりには
10日間の休暇をだす、
といわれたんだよ。
たいていの人は、
こういう場合、いやな顔をする。
ところが僕は大喜びになっちゃう。
どうしてだが、わかるかい。
正月に帰郷する人々で
混雑する列車にのるよりも、
空いた列車へ
ゆっくりと座って帰ったほうが
どれだけ休暇が楽しいかしれないから。
「男の作法」
池波 正太郎 著
正月や盆休みの帰省ラッシュは
いつもテレビのニュースで
大変な混雑が伝えられる
わかっていながらその時期を逃すまいと
覚悟をきめて人々は大移動
お金のある人は列車のグリーン席でゆったりと
そんな優雅な人もいるだろうけれど
法外な経費は庶民には高嶺の花
でもラッシュ時期を避けての帰省は
それはそれは道路も列車もゆったりのんびり
二人分の席を独り占め
こんな自由な休みかたができたら素晴らしいけど
それにしても池波先生の話からすると
軍需工場というのは24時間フル運転の年中無休
そんな中でも休みの取り方、取らせかた
知恵を出して、休みを活用し
そして有意義な休日をすごしたいものだ
早起き鳥
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