「他の子供さんはずいぶん
みんな器量好しだねえ、
あの一羽の他は、みんなね。
お母さんがあれだけ、
もう少しどうにか
善くしたらよさそうなもんだのに」
「あれは全くのところ、
器量好しではございませぬ。
しかし誠に善い性質をもっておりますし、
泳ぎをさせますと、
他の子供たちくらい、
いやそれよりずっと上手にいたします。
私の考えますところでは、
あれも日が経ちますにつれて、
美しくなり、たぶん、
からだも小さくなることでございましょう。
あれは卵の中にあまり長く
入っておりましたせいで、
からだつきが普通に
出来上がらなかったのでございます
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
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他人から批判される我が子のハンディ
そしてその子自身が
そのコンプレックスにどう立ち向かうのか
何をもって器量よしというのか
みんなと同じような容姿が器量というなら、
飛び抜けて変わっていれば
それは不器量なのか
でもそれはどう考えても醜いのだろう
この生まれ落ちた現実をどう思うのか
この子家鴨君本人に
インタビューしてみたい
どう考えていいかさえわからないだろう...!
どことなく知っている童話も
少し掘り下げて読んだことなどない
こういう機会を通じて読み返し、
子供への読み聞かせも大切
そして大人自身の理解というか
僕は、この童話との再会をよろこびたい
早起き鳥
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「まあ何て上手に足を使う事ったら!
それにからだもちゃんと真っ直ぐに立ててるしさ。
ありゃ間違いなしに私の子さ。
よく見りゃ、あれだってまんざら
そうみっともなくないんだ。
グワッ、グワッ
さあ、みんあ私についておいで
これから偉い方々のお仲間入りをさせなくちゃ。
だからお百姓さんの裏庭の方々に紹介するからね。
でもよく気をつけて私の傍を離れちゃいけないよ。
踏まれるから。
それに何より第一に猫を用心するんだよ。」
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
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あの器量のよくない子家鴨も
生まれてみんなと一緒に水に入り
一緒に泳ぐようになり、
本当によかったと安堵のお母さん家鴨
このさきの展開に目がはなせない
この子家鴨はどうなるのだろう?
お母さんが我が子ではないことを悟るのか
あまりの器量やデキの悪さに愛想が尽きるのか
器量の良し悪しは別として、
他の兄妹とちがう疎外感
我が子と信じて疑わない母親の
その子家鴨への想いはどうなのだろう
その子家鴨自身の想いはどうだろう...!
早起き鳥
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どれ私にその割れない卵を見せて御覧。
きっとそりゃ七面鳥の卵だよ。
私もいつか頼まれて
そんなのをかえした事があるけど、
出てきた子達はみんな、
どんなに気を揉んで直そうとしても
どうしても水を恐がって仕方がなかった。
私あ、うんとガアガア言ってやったけれど、
からっきし駄目!
何としても
水に入れさせる事ができないのさ。
まあもっと良く見せてさ、
うん、うん、こりゃあ間違いなし、
七面鳥の卵だよ。
悪いことはいわないから、
そこに放ったらかしときなさい。
いそいで早く他の子供に
泳ぎでも教えた方が良いよ。
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
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七面鳥だとの指摘に
この母親の行動が印象的
ひょっとしたら家鴨ではないかもしれない
きみ悪さに動揺せず
もうすこし卵がかえるのを待つ
その心がまた、すごいこと
突然変異の可能性だって否定できない
もう少しじっと待つことを選択した
七面鳥だったら
どうするつもりだったのだろう
ここはインタビューしてみたいところである
七面鳥だったとしても
この家鴨のお母さんなら
面倒をみつづけると思う
同じ巣にいた卵
神様からの授かりもの...!
早起き鳥
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とうとうやっと一つ、殻が裂け
それから続いて、他のも割れてきて
めいめいの卵から
一羽ずつ生き物が出てきました。
そして小さな頭をあげて
「ピーピー。」と鳴くのでした。
突然母親は
「何だね、お前達
これだけが全世界だと思っているのかい。
まあそんな事は
あっちのお庭を見てからお言いよ。
何しろ牧師さんの畑の方まで
続いているって事だからね。
だが、私だってまだ
そんな先の方までは行った事がないがね。
では、もうみんなそろったろうね。」
と言いかけて、
「おや!一番大きいのがまだ割れてないでるよ。
まあ一体いつまでまたせるんだろうねえ、
飽き飽きしちまった」
「醜い家鴨の子」 アンデルセン 著
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醜い家鴨の子供だと思った鳥が
実が美しい白鳥だったというお話
アンデルセンの「醜い家鴨の子」
暫く醜い家鴨の子になってみよう
まずは孵化する前
他の兄妹とちがってなかなか孵化しない子を
どんな気持ちで母親は待つのだろう...?
大きいから孵化が遅いのか
何かほかの原因なのか
親とすれば心配なところ
いつまで待たせるんだろうなと
言葉はきついけれど
お母さんであること
生きとし生けるも共通の想い
その一つを残してその場を離れるなど
というようなことは決してしないで欲しい
最近の世相では一部
不心得なお母さんもいるらしい
でもそれはそれなりの原因あるとはいえ
理解できない事も
多く伝えられているのが悲しい...!
家鴨のお母さん、顔晴って
そして醜い家鴨の子が守られますように
早起き鳥
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昔の賢人には
国家のために大成功の
ある大事業をした人もあった。
それを自らはさして大した仕事とも思わず、
ただぼんやりと軽いもやが、
ふんわりと浮いた雲の
ようだとして誇らなかった。
自分は昔にこんな人がいたと聞いている。
今はこんな人は夢でなければ見られない。
「言志後禄」 佐藤 一斎 著
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自分のしたことを
良くも良くなくても誇らしく語りたい
これだけ頑張って来たんだと!
そして目に見える功績あるなら
孫末代の誉れとたたえ
鼻をより高くして
誇らしげに生きたい
昔の賢人とは書き物を残したわけでもなく
ただ飄々といきて、天寿を全うし
いろいろな言葉や教えは
お弟子さんが書きものに記して
今に伝えてられているようだ
賢人はたしかに偉い人
そしてそれに匹敵する
お弟子さんの功績たるや凄まじい
両者とも、目立たず、誇らず、淡々と
長い悠久のなかで語り継がれ
未だ人々のこころのなかで生き続けている
すごい人がいるものだ。
早起き鳥
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