早起き鳥 

【未明混沌】今日も必ずお元気で…!

rakuten

満天の星、ヨットデッキから仰ぐ...!

2016年06月30日 06時15分40秒 | 読書







 島から島への航海の最中にも、

夜、満点の星を仰ぎながら、

同伴している息子に


白く輝いて見える星は

今燃えている真っ盛りなので、

周りに大気がないから白く光って見える。


しかしあんな星とて、

実は今、

この俺たちが生きている時点には、

実はもう存在しておらず、

とうの昔に

消滅してしまっているのかもしれない。


この茫々大々の宇宙を洗って

流れていく時間の総体に比べれば、

我々が人生の中で計り数える時間なんぞ、

全宇宙にとっては

瞬間のようなものに違いない、


などという会話を風の吹きそめる

ヨットのデッキに仰向けに並んで

寝そべりながら交わしたものでした。



  「老いてこそ人生」
          石原 慎太郎 著
     









 ヨットレースから一転して

家族と共にくつろぎながらの航海

なんともはや、羨ましい光景が

まぶたに浮かんでくる


大きく育った息子たちとともに、

ヨットで島から島への航海

島の風景と出会い

うまいものを食べながら

島々の温泉も堪能して

島の人との楽しい会話

なんと満ち足りた船旅だろう


豪華客船で巡る船旅も

素晴らしいだろうけれど、

家族とともに巡るヨットクルーズ

乗組員はいずれも

類い稀なヨットマンときているのだから

なんとも羨ましいの一言でしかない


とはいえ、穏やかな大自然の

優しい安らぎに包まれて

家族で生きている実感を

共有する時間こそ素晴らしい


アウトドアがどうも苦手な

僕にとっても船旅は憧れる

海の上から眺める満天の星は

本当に手が届きそうである

流れ星が本当に自分の顔に

降り注ぐ気がするのだからたまらない



     早起き鳥




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恐ろしいトカラを突っ切る...!

2016年06月29日 05時03分22秒 | 読書







 強い黒潮の洗うトカラ列島海域は

レースの季節、

五月の連休の頃には

まだ多い北寄りの風が吹くと、

北上する黒潮に風がまともにぶつかり

とんでもなく悪い三角波を立てて

危険極まりない。


今でこそ、GPSのような

簡単で正確なナビゲーション用の

機械が開発されているが、

当時は一般の本船は嫌がって

大きく迂回するような難所でした。


しかし互いに先を競って

1分、10メートルを争うレースでは

荒天の深夜だろうと、

トカラ列島を横切る

黒潮の進路を探ってそれに乗り、

いずれかの地点であの恐ろしいトカラを

突っ切らなくてはならい。



  「老いてこそ人生」
          石原 慎太郎 著
     









 ヨットマンには

こたえられない冒険レース

勇気とチャレンジ精神で自然の猛威に挑む

3000メートル級のアルプスを目指す

クライマーと同じ心境だろうか

航路として考えると難所のトカラ


でもダイビングを楽しむ立場からすれば

なんとも美しい

大自然の憩いのスポットではなかろうか

僕も航海とまではいかないけれど、

学生時代、沖の養殖イケスに

給餌のため、1日に三度一人で

原動機付船を操縦したことがあるが

太平洋沿岸は干満の差が激しく

気がつけば帰れなくなることもあった


ちょっとした不注意でとんでもない

事故や不測の事態に陥ることがある

自然を甘く見たら命取りである

そのことは重々承知しているわけで


ヨットマンとて同じ、

それを敢えて迂回せず

難所を突っ切る勇気と行動力が勝敗を制する

別段、レースに勝たなくてもいいではないか

と思わないではないが

人間のあくなき野望という不思議な心が

トカラという難所に向かわせるのだろうか...!



     早起き鳥




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ヨットで梅雨前線を追う

2016年06月28日 05時50分13秒 | 読書







 1997年、まだ

東京の知事に就任する前、

自分がまた政治家に戻るなど

毛頭も考えていなかった頃、


春先沖縄に運んでおいたヨットに乗って

梅雨明けの沖縄から北上している

梅雨前線を追うように

南からの追っ手の順風に乗って

ホームポートまで帰ってきました。


このコースの途中には、私が言い出し、

日本外洋帆走協会が

沖縄の本土復帰を記念し創設した

日本で最大最長のヨットレース中での

難所中の難所、トカラ列島があります。



  「老いてこそ人生」
          石原 慎太郎 著
     









 梅雨明けの沖縄から

自分のヨットで梅雨前線を追っかける

なんと素晴らしい夢のような体験


海の好きな人にはたまらない光景が

まぶたに浮かんでくる


海の怖さも知っているが故に

航海する喜びがこたえられない

自分のクルーザーを

持てるなどというのは夢のような話である


僕も小型船舶操縦士の

免許を持っていたのだが

還暦を過ぎてもう乗ることはないと

更新するのを断念してしまった

筆者のこうした夢のような話を読むと

更新だけはしておけばよかったと

悔しい思いがする


でも筆者はヨットが

人生そのものだったのだから

老いても海と共にあればいいし

僕は海を仕事の対象としていたけれど

海を見て暮らしたいと思うほど

憧れがあったわけでなない


とは言え、一度でいいから

クルーザーに乗って日本一周をしてみたい



     早起き鳥




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仲間の大方は死んでしまった...!

2016年06月27日 04時39分12秒 | 読書







 私はこの章を

始めから終わりまでただただ

ノスタルジーだけで綴っていますが、


それを敢えて自分に許して

かかるだけの意味合いを

この写真は私にとって持っているのです。


まあ誰にとってもそうしたものが

一つや二つあったっていいでしょう。

どうせ誰も、どう逆立ちしたって

時間を遡ることなど

できはしないのだから。


で実は、

この写真に写っている仲間の大方は

死んでしまったのです。



  「老いてこそ人生」
          石原 慎太郎 著
     









 青春の思い出の写真

そんな写真の一枚や二枚

だれにも残っていそうだが


僕にはなぜか、

そんな写真が残っていない

とても残念なのだが

頭の記憶の中には確かに残っている

若かりしあの頃

なぜそこまで熱くなれるのか

今考えると不思議の何物でもない


そんな熱かった頃

写真に一緒に写っている友

その友のほとんどが死んでしまったとある

筆者は長生きの部類

あれだけ酒を飲んで

不摂生をした割には長生き(笑)

長生きをする人の

ノスタルジーとはいかなるものなのか


長生きをしてみないとわからないけど

昔を懐かしく思うノスタルジーを

長く味わって生きられるのだから

幸せだろうか...?

晩年を元気で過ごせたらいいけど

病床に伏せる晩年だけはゴメンである



     早起き鳥




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ついに、ついに、ついに俺たちは...!

2016年06月26日 06時21分23秒 | 読書







 海に臨む逗子の家のレースで

獲得したトロフィーや記念の写真を飾った

サロンにこの写真もかけてあります。


その下に私自身の書き込みがある。

レースのはるか後になっても

いまだに興奮が続いていたのか、英語で


「ついに、ついに、ついに俺たちは

この憧れの海を走るのだ!」

とあります。

その言葉の実感は今でも強烈にある。


14日間に及ぶ航海の中で日本と同じ海ながら、

いったいどれほど数多く

生まれて始めのものごとを

味わい目にしたことだったろう。


  「老いてこそ人生」
          石原 慎太郎 著
     









 筆者のまさに青春時代の象徴が

このトランスパック・レース


処女航海にでる興奮というのが

どんなものなのか計り知れないけれど、

自分のクルーザーが持てたとして

これから進水し処女航海に出る興奮

それはもう夢心地であるに違いない


さらにその航海が

世界でもっとも権威のある国際レース

日本代表として臨むのである

その興奮たるや

筆者の感動が伝わって来る


素晴らしい青春時代の記憶が

その後の人生でどれだけ力強く

励ましてくれるかしれない


きっとその喜びと同じくらいの、

試練がそのレースで体験されたに違いない

二週間にも及ぶ4000キロのレースなら

快晴の凪の日もあれば、

ハリケーン並みの暴風雨にも

遭遇したに違いないが

いやはやなんとも言葉が思いつかない


そして迎えるゴール、

成績を度外視して

これほど満ち足りた青春を

表現する情景はないだろう...!



     早起き鳥




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