トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

スーパー銭湯

2007-09-24 21:31:45 | 子供
「あーちゃん、大きなお風呂に入りたい。ねえ、何時行く?今日は?明日は?」

私が休みになるたびにあーちゃんにおねだりされる。

私の家の近くに大きなスーパー銭湯がある。
あらゆる種類の湯船があり、天然温泉で軽く食事もできる。

娘はそこが大好きだ。
離婚前は結構家族で遊びに行っていた。

近くと言っても車で5分くらいはかかるため、歩いていくには遠く、
自転車なら行けるかなって感じだった。

でも私と娘が女湯に入ると息子が1人で男湯に入ることに
なる。
お兄ちゃんは「俺!ひとりで男湯なんてやだ!」と断固拒否。

あーちゃんをずっと宥めて抑えてきたけれど、遂に限界を超えて
「大きなお風呂に入りたーい。兄ちゃん1人が嫌ならお父さん呼んでーーー」大泣き。

困った。困ったと悩んでいると
フッと閃いた!

「そうだ。お兄ちゃんとあーちゃんが男湯に2人で入ったら。」

「そうだ!その手があった!」お兄ちゃんが大喜びで
「あーちゃん。兄ちゃんと男湯に2人で入れる?そしたら大きなお風呂に行けるよ」


「あーーー!そうか!入る。あーちゃん、お兄ちゃんと入る!」

3人でイソイソとスーパー銭湯へと出かけた。

チケットを買って中に入ると2人仲良く男湯に消えていった。

家ではよく2人で入って、お兄ちゃんはあーちゃんの頭も洗って
あげられるから、軽く言ったけれどやっぱりちょっと心配になった。

大勢の男ばかりのお風呂で恐がらないだろうか。
湯船が深くて溺れないだろうか。

体を洗いながら隣の風呂の様子に耳を傾ける。
特に泣き声も笑い声も聞こえない。

大丈夫かな?とちょっと安心して、自分も久々の銭湯に
のびのびとつかってくつろいだ。

そろそろ上がろうかなと思い脱衣所で着替えていると
どこからか子供の泣き声が聞こえだした。

その声はだんだん大きくなり、絶叫のような声に変わった。

最初はあーちゃんの声とは違うなと思ったけれど、ちょっと心配になり
絶叫から悲鳴のような泣き声になる頃には私の心はパニックになっていた。

きっとあーちゃんだ!
そう思ったらもう心配で体もそこそこに拭いて、頭もベシャベシャのまま
外に飛び出した。

すると男湯の暖簾をニコニコと笑いながらあーちゃんが出てきた。
私を見て「おかあさーん。あーちゃんね自分で頭洗ったんだよ!!」と
駆け寄ってきた。

「あれ。誰か泣いていたからあーちゃんかと思って慌てて出てきたんだよ」

「あれはねーー。赤ちゃんだよ」

「俺がいれてんだから、泣くわけねーじゃん」とお兄ちゃんが後ろからゆっくり
寄ってきた。

「大丈夫だったんだ。」
「当たり前!髪も洗ったし、体も洗ったよ。」と得意そうに言った。


あー良かった。本当に安心して、少し休んで家路に着いた。

家に着いてジーパンを着替えようと思ったら。。。。。

ジッパーが全開になっていた。

「ありゃーー。お母さん、あーちゃんの泣き声かと思って慌てちゃって
ジッパーあげなかったんだね。下着丸見えで帰ってきちゃったよーー」と言うと

お兄ちゃん
「あはは!かーちゃんドジだ!なんで心配すんの?俺を誰だと思ってんの?あーちゃんの兄だぞ!」と言って転げまわって笑われた。

全くね。いらぬ心配だったわね。トホホ。

今日も私の話を聞いてくれてありがとう



最新の画像もっと見る

10 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
初めまして (イクチャン)
2007-09-24 22:03:21
ほほ笑ましい光景が目に浮かんできます。

我が子は2人、女の子ですが、子供だけでお風呂に入ってくれたら・・・どんなに助かるか・・・

我が家のお風呂は小さいので、我が子も銭湯や温泉は大喜びです

頑張りましょうね!お互い・・・
返信する
お兄ちゃん (ピアノ)
2007-09-24 23:44:51
お久しぶりです。(^-^)

お兄ちゃん。。。
昔いろいろ、ちっこさんが悩んでいらしたあのおにいちゃん
なんて、たくましくなったのでしょう。

> 俺を誰だと思ってんの?あーちゃんの兄だぞ!

思わず、涙がにじんでしまいました。

ところで。ちっこさんが離婚されたと知ったときに
ここに書けなかったことがあったのですが
そのお話をちょっとだけ。

わたし(自分)のことなのですが
かなりの不幸慣れというかトラブル生活慣れをしているつもりの自分でしたが

離婚後は、恐ろしく辛かったです。

離婚して、数ヶ月経った頃から
もうドーンときました。

わたしは夫がフタになっていたのです。
彼が起こす問題でてんてこまいの毎日で
自分の心と向き合う余裕がなかった。

ところが離れてしまうと
まあでることでること、トラウマが嵐のように。

あらためて、自分をよく見ると
どこもかしこも怪我だらけで、血まみれ。

だから、もしもちっこさんも
わたしと同じように、傷だらけの自分が見えてきて
辛くなったら。。。

どうか、自分へのちょっとした安らぎの時間を
持つようにしてくださいね。

カフェでも、美容院でも
本でもいいし、音楽でも

好きなこと(嫌じゃないこと)を
子供と離れた時間でする、たとえ週に1度でも。

わたしはお金もなくて、息子も1歳で
だからよくデパートに(授乳室があるから)
行っていました。

部屋にいると、死にたい病になってしまうので。

いまは。その傷だらけの自分がいるからこそ
「この子(息子)がいるんだ」
そう思うと、自分の傷も可愛がってあげよう
そんな気持ちになれたのだけど。

余計なお世話だったら、ごめんなさい。

また遊びに来ます。(^-^)
返信する
かわいいねぇ (メープル)
2007-09-25 01:01:00
いや~、二人ともとってもかわいいよ。
心配するちっこさんもかわいいお母さんだ。
返信する
(^o^)ハハハ (aiai)
2007-09-25 08:34:47
大笑いしました!(^o^)ハハハ
楽しいお話ありがとう!
しっかりもののお兄ちゃんですね。
将来が楽しみ♪
返信する
イクチャンさんへ (ちっこ)
2007-09-25 19:35:50
初めまして。
女の子2人もにぎやかで楽しそうですね。

大きなお風呂は本当に気持ちが良いですね。
これから、寒い季節になり、ますますお風呂が楽しみですよね。

>頑張りましょうね!お互い・・・

はい。頑張りましょうね!
ありがとうございます

返信する
ピアノさんへ (ちっこ)
2007-09-25 19:56:09
お久しぶりです。

本当にそうですね。
息子も随分成長してくれました。

>部屋にいると、死にたい病になってしまうので

ドキッとしました。
私も死にたい病にかかってました。


>わたしと同じように、傷だらけの自分が見えてきて
辛くなったら。。。

>どうか、自分へのちょっとした安らぎの時間を
持つようにしてくださいね。

優しい気遣いをありがとうございます。
元夫にかけていた時間を自分の為に
使っていこうと思います。

楽しい事をたくさん見つけて生きたいですね。






返信する
メープルさんへ (ちっこ)
2007-09-25 20:00:18
2人でどんな風にお風呂に入っていたのか
覗いてみたい気分でした。

それにしても。。。。
けっこうピチピチのジーパンだったので
モロにオープンになってました。

あー。。恥ずかしい。
返信する
aiaiさんへ (ちっこ)
2007-09-25 20:09:01
楽しんでいただけて良かったです。(笑い)

娘はまだ4歳なのでしばらくはこの手で
お風呂にいけるかな?

来年はお兄ちゃんも中学なので、今だけかもしれないですね。






返信する
頼もしいですね。 (ひまこ)
2007-09-29 14:03:28
今回のエピソード

あったかくって、ホッとするお話。
ちっこさん、頑張ってるなァと思いました。

そして何よりもお兄ちゃんの頼もしさにウルウル

私の周りを見て思うのに、
兄妹のパターンの方が成長するのにも
良い結果になるような気がします。

兄として妹を庇いながら成長して、
女性を大切にしなければいけないという事を
自然と学んで行く。

我家のように姉弟だと、
弟の方は、常に誰かにやってもらえる王様のような気分になってしまって、
誰かを労わるという、大切な心が育って行かないと思います(我家だけかな?)

そういう意味で上がお兄ちゃんのパターンは理想的だと・・・

私の勝手な解釈ですが・・・・・

お兄ちゃん、
あーちゃんの面倒を見られるなんてエライです。
これからはお母さんの事も労わってくれると思います。

楽しみですね。

温かいお話をありがとう
返信する
ひまこさんへ (ちっこ)
2007-09-30 10:53:56
離婚と言う現実を兄妹ふたりで乗り越えていこうとしています。
最近は兄弟げんかも多くて、大丈夫かなぁと心配だったんですが、親が側にいないと意外と2人で仲良く
力が合わせられるんですね。

家じゃまだまだ子供っぽいところの多いお兄ちゃんですが、私が思うよりずっと逞しくなってくれてました。

あーちゃんが男湯に入れるのも今年位かなと思うので
また今度いこうと思います。
今度は慌てないように気をつけます。。。
返信する

コメントを投稿