トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

がんばれ!あーちゃん

2008-05-27 23:16:15 | 子供
引越しもようやく一段落ついてホッとした頃
あーちゃんを保育園に迎えに行くと先生が『ちょっとお母さん良いですか』と呼び止められた。

『あーちゃんは、頑張ろうという意欲が周りのお友達よりもとても低いです。
牛乳も嫌いなのは分かりますが、いつまでも時間がかかってみんなのお支度が終わる頃ようやく飲み終わるか、残して終わる状態です。

無理に飲ませようとか思っていないのであまり進まない時は『もう、お終いにしようか』と声をかけるけど本人は『頑張る!』と言い張ったまま飲まずにダラダラ状態でみんなのお支度も遅れがちです。

それから恐がりで大きな坂を下りることができません。
来月にはちょっと高い山登りの遠足がありますが、坂道を降りられないとなると
小さい組さんと動物園へという事になってしまいます。

今、縄跳びをみんなで練習しているのですがそれも苦手だと言ってすぐ諦めて
全くやろうとしません。

このままいくとみんなとの差が開くばかりでこれからの小学校へ向けての保育園生活がとてもあーちゃんにとって辛いものとなると思います。

もっとあーちゃんに達成感を感じさせられるような経験をおうちでも工夫して
『やれば、出来るんだ』と思えるようになるよう協力して欲しいんです。

お支度もぼーっと見ていることが多くて。。。』眉間にシワを寄せて、息つく暇もなく喋り続ける先生の顔を見てホトホト困っているんだというのがとてもよく分かった。

お兄ちゃんは支度が遅くてマイペースで幼稚園でも家でも心配する事が多かったけれどあーちゃんは家では私よりも先に玄関に立っているほど支度が早いので全く心配していなかった。

あーちゃんは1才の公園デビューの頃から姑の同居に介護。
離婚に私の仕事と公園でゆっくり遊ばせてやれることも少なかった。

実家に帰った時だけ近くの大きな公園で思いっきり遊ばせてあげるくらいしかしていない。

気がつけば周りの子供達は補助輪なしで自転車に乗れていた。
あーちゃんはようやくこげる様になったばかりだ。

あまりに手をかけてやっていなかったと反省。

さて。達成感を感じさせられるような体験とは?

結局私の浅知恵では物でつるしか思いつかなかった。
会社の昼休みに大きな文房具店へ行き、可愛いシールと綺麗なシール帳を買ってきた。

『あーちゃん、これから縄跳びを頑張ったらスペシャルシールを手帳に張ってあげるからね。牛乳もおうちでみんなで飲む練習をしようね。お母さんも飲むからね。


『わーい。あーちゃん頑張る!』

それから毎日、家に帰るとあーちゃんは縄跳びを始めた。
全く飛べなかったのが1回。2回と増えた。

最初はグズグズ言ってすぐ止めたがったが
シール欲しさに泣きながら頑張っていた。

最後にシールを貼ってあげると嬉しそうにいつまでも眺めて『明日も頑張る』
とニコニコと呟いていた。

飛べるようになると楽しいのか、今では『もう休憩したら』というまでやり続けている。

保育園に行くと『お母さん。あーちゃん今日は誰よりも早く牛乳を飲んだんですよ』と他のクラスの先生にまで喜ばれた。(みんな。困ってたんだね)


後は坂道。
これはその登山遠足の山まで行ってみるしかないかもしれない。

お兄ちゃんに相談すると『俺も登ってみたい』と言ったのでみんなで
晴れた週末に登りに行ってみる事にした。

いままで、よく見てあげられなくてごめんね。あーちゃん。
頑張ってみんなに追いつこうね。

頑張れ!あーちゃん。








結果

2008-05-23 20:49:20 | 
この、引越しは間違いだったのだろうか。
不動産屋さんは手に負えないような物件を押し付けたんだろうか。
騙されちゃったんだろうか。

そんな気持ちを持て余しながら、黙々と引越しの荷物を片付けた。

子供達がテレビを見たいと言ったから線を繋いだものの全く映らない。
電波が悪いんだろうか?

お兄ちゃんは『ごくせん観たい!』と必死に訴えていたけれど
何度やっても映らない。
いつもなら怒り出すお兄ちゃんも疲れきった私を見て
『良いよ。パソコンで再放送見るから。。。』と諦めたように
自分の部屋の荷物を片付け布団にもぐりこんだ。

『ごめんね。これが現実なんだよね。お母さん離婚したんだって今ようやく気がついたよ。お母さんが離婚したことでお兄ちゃんやあーちゃんを振り回してしまったんだなって。迷惑かけっちゃったんだなって。』

『そうだよ。迷惑さ。今さらだよ』

荷物が片付け終わると外は明るくなっていた。
あーちゃんの布団に潜り込んで、ウトウトとしていたら突然携帯が鳴った。

6時だった。朦朧として電話に出ると『ちっこ!お母さん!寝てんの!?』

『うん。今寝たとこ。寝る場所ないし徹夜して片付けた。風邪は治ったの?
もう、片付いたから無理してこなくても良いよ』

『もうね。7時のバス乗るのに家出るとこ。1時間位で着くから!』

お兄ちゃんも起きてきて、昨日買ったパンをみんなでかじった。
モソモソと固くなったパンを無言で食べた。

『テレビついた?』『まだ』
『あーちゃん、テレビみたいよー』とグズグズと言い出した。

もう一度、テレビの裏をよく見ると繋いだ線が折れて穴に入っていない事に気がついた。
ゆっくり差し込むとザーと言っていた画面がくっきりと映った。

『わー!ついた!お母さん偉い!』とあーちゃんが飛び跳ねて喜んだ。
やった。やった。とみんなで笑うとちょっとホッとした。

そうこうしているうちに電話が次々と鳴り出した。
友達に弟夫婦。

友達には片付いた事を知らせ弟には水道が水漏れをしている事を伝えた。

母が到着して、昨日の引越しやさんもやってきた。

食洗機は勝手にホースを切ったわけじゃなくて、右に置いてあったのを
今度は左に置いたからその分短くなったのだと分かった。
『勘違いしてすみません。でもこれじゃあ危なくて使えないです。。』

『いやいや。良いですよ。この辺のホームセンターに行ってホース買ってきますから。色とか拘らなかったら付け替えてあげますよ』

私の勘違いだったのに怒る様子もなくホースを買いに出かけて行った。

大きなバタバタと走る足音と共に弟夫婦がやってきた。
『どれどれ!』と弟が入ってきて
『お姉さん!今日も手伝いますよーー!』と元気良く弟のお嫁さんも後に続いて入ってきた。

弟のお嫁さんには引越しの荷造りも殆ど通い詰めで手伝ってもらっていた。
『もう、片付いたから良いんだよ』と言ったけど
『食卓テーブルもないって言うし、調理台もないって言うから家にあった、
使っていないワゴンと小さいけどテーブル持ってきましたよ。』とニコニコと笑って言った。

弟は水道のところでゴソゴソと何かやっていた。
見るとパッキンを買ってきて交換してくれていた。
『こりゃあ。蛇口がダメになってるんだな。ホームセンターで買ってきてやるから』トコトコと出かけていった。

あっという間に午前中が終わり、引越し屋さんが1時間以上かけてホースをあちこちのホームセンターを探し回ってようやく帰って来た。
『勘違いで呼びつけて、ホースまで探しに行って頂いてすみません。』と謝ると

『いいよ。いいよ。』と手を振ってホースを付け替えて、山に積まれた空のダンボールも引き取ってくれて帰って言った。

ダンボールがなくなると部屋はいくらか広く感じられて、水漏れも直り洗濯をする事ができた。

冷蔵庫の傷も透明なフィルムを弟が張ってくれて傷が目立たず怪我もする心配がなくなった。

暮らせる目処がたってようやく気持ちが落ち着いた。

その後もパソコンが繋がらなかったり、洗面所の水漏れがあったりと次々とトラブルに襲われたけど、結局みんながすっ飛んできてくれてあっという間に治していってくれた。

今まで生きてきて、これほど誰かの力を借りた事はないかもしれない。
トラブルが『あなたは一人じゃないよ』と教えてくれた。

あの家を離れて、元夫の事を思い出す事が減った。
想い出のない我家。
これから想い出を積み重ねていく我家。

私達親子3人は
また、次の角を目指して歩き出す。

沢山のありがとうを心に詰め込んで。

ブログのみなさんにもまたお会いできて嬉しいです。
パソコンはこのまま繋がらないんじゃないかと思いましたが
無事に買い換える必要もなく直って、また皆さんの名前をみて、
変わらないものもあるんだよと教えて貰いました。

いない間も話を聞きに来てくれたみなさん。
温かい言葉をかけてくださったみなさん。
本当にありがとうございました。


お久ぶりです。

2008-05-19 21:49:48 | 
引越しはトラブル続きだった。

引越しをした事がなかった私は、引越し業者をよく調べずに頼んでしまった。
やってきた業者は若いお兄さんばかりの小さな業者だった。

廊下に傷止めの敷物もせず、どかどかとあちこちに傷をつけながら運び始めた。

引越しの前の日に母が疲れから熱でダウン。
友達が朝から手伝いに来てくれた。

5分と離れていない新しい住まいは3階建てのマンション。
4Lから2Lになってしまったために、とにかく運べる荷物を減らした。

本も古いCDも客用布団になべ、食器、鏡台にレンジ台。
実家にもあらゆる物を運び、友達にも分けてリサイクルにも売って。
ゴミも何十袋も捨てた。

これだけ減らしたんだから、きっと部屋に入るはず。
そう思っていたのにどんどん積まれていくダンボールに居間は足の踏み場もない状態となった。

引越しの準備の時もあれも持っていけない。これも入らないと
だんだん惨めな気持ちになっていった。

運ぶだけ運び込んで洗濯機と食洗機をセットしてホッとしたのもつかの間
洗濯機につなぐ蛇口から水がポタポタと垂れていた。

水道の蛇口もグラグラとして水が落ちてくる。
友達が『まだ、住んでもいないのにこんなのおかしいから大家さんに電話してみたら』と言った。

大家さんはおばあさんなんだけど家の管理はその娘さんがしているのだと聞いていた。娘さんに電話すると『そんなの自分でなんとかしてください!』と
私の話を聞きもせずにガッチャリと電話を切られてしまった。。。

引越しのダンボールに埋もれて座る場所もなくボーゼンとしていると
友達が『ちょっと。食洗機ホース短く切られてるよ。これ熱湯出てくるから危ないよ』と言った。

大きなため息と共に見てみると確かに短くなっている。
排水の水は熱湯だし勢いもよく出てくるからこれでは危なくて使えない。

帰ったばかりの引越し業者に電話したら明日すぐに来ると言った。

冷蔵庫を見ると出す時に台所の出口が狭くて、ドアの取っ手に擦った後があって
深い傷がついていた。
触ってみるとガサガサしていて指が切れそうで子供が触ると怪我をしそうな感じだった。

出る時に『冷蔵庫傷がついてしまいましたが良いですか?』と聞かれ
ちょっと位しかたないとよく見もせず『はいはい』と返事をしてしまった事を
後悔した。

友達は夜遅くまで手伝ってくれた。
それでも子供達の寝床を確保するだけで精一杯だった。

食欲もわかず子供達と近くのファミリーレストランへ出かけご飯を食べた。
お兄ちゃんが心配そうに私の顔を何度も覗き込んだ。

『大丈夫だよ。なんとかなるさ』

疲れきった体に無理やりハンバーグを詰め込んで家に帰った。

子供達は着の身着のままでいつのまにか眠っていた。
私は体は疲れているのに眠る気になれなかった。

どうせ寝る場所もないんだし、朝まで片付けよう。
そう思って片付けた。

住み慣れた家は私を離婚という現実から守り続けてくれた。
まるで一人ぼっちで雑踏の中に放り出されたような寂しさが襲ってきた。

友達が帰りがけに言った。
『お兄ちゃんに、引越しして寂しくないかい?って聞いたら
お母さんの方がもっと寂しいと思うって言ってたよ』

子供達をまた振り回してしまった。
ダンボールに隠れるようにして眠るあーちゃんの寝顔を見て
唇を噛みながら『がんばれ。がんばれ』と呟いた。

引越し1日目。
長い長い一日だった。(つづく)

みなさん、お元気でしたか?

トラブル続きのお引越しでしたがどうにか住めるようになりました。

子供達も元気です。

また、宜しくお願いします。




いよいよ、お引越しです。

2008-05-05 20:38:04 | 
いよいよ、引っ越します。

いろんな事があったこの家とも本当にお別れです。

まだまだ寂しい気持ちもありますが、気持ちを新たに
新しい一歩を踏み出そうと思います。

パソコンもあっちの家で新しく開設するので
しばらく時間がかかるようです

それまで、ちょっとお別れです。
みなさん。

本当にありがとうざいましました。
それでは、また。

勘弁してよ

2008-05-01 23:19:49 | 元夫婦
『やっぱり、電話して確認しあったほうが良いね。メールじゃ分からないからさ』
嬉しそうに電話口で元夫が言った。

引越しするのに義理父名義で登録していたものとかあって
その手続きをメールしたらお互いに勘違いして二回手続きをしていた。

『今回は私がもう一度銀行に連絡しておくから』

『そう?で。電話はどうなったの?こっちでなにかすることある?』
まるでピクニックにいく相談みたいに明るく言う。

『ところで家は近くに見つかったの?』

『それで、引越しはいつ?』


なんでそんなに明るいの?
私は毎日遅くまで自分の荷物からあなたの置き去りの荷物まで整理して
ゴミの日は朝早くから何回も往復して捨てに行っているんですよ。

『で。電話番号は決まったの?』

勘弁してよ。。。。