毎朝、会社に行くときに乗る列車のドアの一番前に立っている男性がいる。
彼は、いつも私が改札を抜ける頃に後ろから『ドタドタドタ!』と大きな足音と共に
私の横スレスレに追い越して走っていく。
ものすごい勢いで、時には興奮のあまりに大きな声で『死ね!うっせ!』と怒鳴りながら
走っていく。
前に、授業が終わってドアが空くのと同時に走り出す生徒がいると聞いたことがある。
ドアが空いたら走る。
誰よりも一番にドアから出る。という強いこだわりからそういうふうにせずにはいられないのだという。
彼もそうなのだと思う。
有るとき、彼にぶつかってしまった男性がいた。
彼はものすごい形相で男性を追いかけて『な、な、なにぶつかってんだ!ふざけんな!○×▲☆!』
殴りかかろうとした手を必死に頭の上で握り締めて怒りに耐えながら
彼は、列車の中を行ったり来たりしながらひたすら自分の気持ちを鎮めようと必死に耐えていた。
そんな時、私は家でパニックになるお兄ちゃんの姿とダブってしまう。
何か声をかけてあげられないかとハラハラと彼を見守る。
周りは恐る恐る彼の動向を見守っている。
そんな空気に私は言いようのない苦しさを感じてしまう。
とても悲しい気持ちになってしまう。
私は密かに心の中で『彼は我慢したんだよ。彼はこういうふうにしか自分を表現できないけれど
怒りを堪えたんだよ』って言いたくなる。
お兄ちゃんと仲良し君は今は距離を置いて付き合っている。
結局、仲良し君のお兄ちゃんが彼女をとってしまうんじゃないかという妄想が酷くなってしまって
お兄ちゃんの携帯を友達を使って調べさせたり、
必要以上に電話をかけ続けたりしてしまうようになってしまった。
彼女もまた、お兄ちゃんに仲良し君と上手くいかないと色々相談するけれど、
お兄ちゃんがそれに何かアドバイスしたり、彼女と一緒に仲良し君の愚痴を言ったりすると
彼女はその内容を全て仲良し君に伝えてしまった為に仲良し君の逆鱗を余計にかって遂に学校で
大爆発してしまった。
先生方も交えての話し合いとなり、彼女にも言っていいことと悪いことを考える事の大切さを
指導し、お兄ちゃんとはもう関わらないように言ったそうだ。
お兄ちゃんも彼女のとった行動にショックをうけ、
『相談にのっていただけなのに。。。なんでこんな事に』とがっかりしていた。
『先生にもう、彼女ともメールしないように。仲良し君ともしばらく付き合わないようにってさ。俺も、疲れたからもう付き合わない。
どうやって付き合っていったら良いか分からないから。
ほどほどって分からないから。』
その後。結局仲良し君は彼女とも別れてしまったらしい。
別れた彼女に『顔うぜー』とか『消えろ』とか酷いメールを送ってくるようになってしまったらしく
彼女はまたお兄ちゃんに相談をしようとしているけれど、
『俺は、もう絶対関わらないって決めたらから。。。へーそうなんだ』ってだけ言ってる。
そうだよ、また、そこにお兄ちゃんが入ると巻き込まれてひどい目にあってしまうんだから。
仲良し君も衝動的に人を傷つける言葉を言ってしまうのを止められないんだよ。
彼女も誰かを巻き込もうと思ったり、困らせようと思ってやっていないんだけど、
そういう風にしかできないんだよ。
昨日、過去にお兄ちゃんに絶交メールを夜中中送り続けて疎遠になっていたお友達が
『仲良し君と彼女別れたって、仲良し君から聞いた。俺、彼女と付き合って見たいから俺のメール彼女に伝えて連絡くれるようにしてくれ』と言ってきた。
お兄ちゃんは『いくらなんでも、それは無理でしょう!』と言って断ったら
また昨日からメールが鳴り止まなくなってしまった。
『あいつは俺が言う事聞くまで絶対メールを止めない。逆ギレして死ねだのキモイだの、うんざりだ』
ようやく夕方に止まった。
『ようやく諦めたらしい』ホッとしたように言った。
『彼も、思いついたら止まらないんだよ。彼女にメールを貰いたいって思ったら止まらないんだよ。
お兄ちゃんが言うこと聞くまで止められないんだよ。それはとても困った行動なんだけど彼は
、そういう風にしかできないんだよ。
結局周りを巻き込んでひとりぼっちになっちゃうのにね。
彼は自分に跳ね返ってくるのに止められないんだなぁ。きっと。。。。
お母さんは、そう思うと彼はどうしてこんな難儀な生き方しかできないのかってとても胸がいたくなっちゃうんだよね。
『可哀想になぁって思ってしまうんだ』
お兄ちゃんはしばらく考えて小さく
『うん』 と言った。。。ちょっと悲しそうだった。
お兄ちゃんと二人で障害があると言うことを、確認し合うとき、やっぱりちょっと寂しく悲しい気持ちになる。
前向きになったり。後ろ向きになったり。
そんなに簡単にはいかないね。。。
彼は、いつも私が改札を抜ける頃に後ろから『ドタドタドタ!』と大きな足音と共に
私の横スレスレに追い越して走っていく。
ものすごい勢いで、時には興奮のあまりに大きな声で『死ね!うっせ!』と怒鳴りながら
走っていく。
前に、授業が終わってドアが空くのと同時に走り出す生徒がいると聞いたことがある。
ドアが空いたら走る。
誰よりも一番にドアから出る。という強いこだわりからそういうふうにせずにはいられないのだという。
彼もそうなのだと思う。
有るとき、彼にぶつかってしまった男性がいた。
彼はものすごい形相で男性を追いかけて『な、な、なにぶつかってんだ!ふざけんな!○×▲☆!』
殴りかかろうとした手を必死に頭の上で握り締めて怒りに耐えながら
彼は、列車の中を行ったり来たりしながらひたすら自分の気持ちを鎮めようと必死に耐えていた。
そんな時、私は家でパニックになるお兄ちゃんの姿とダブってしまう。
何か声をかけてあげられないかとハラハラと彼を見守る。
周りは恐る恐る彼の動向を見守っている。
そんな空気に私は言いようのない苦しさを感じてしまう。
とても悲しい気持ちになってしまう。
私は密かに心の中で『彼は我慢したんだよ。彼はこういうふうにしか自分を表現できないけれど
怒りを堪えたんだよ』って言いたくなる。
お兄ちゃんと仲良し君は今は距離を置いて付き合っている。
結局、仲良し君のお兄ちゃんが彼女をとってしまうんじゃないかという妄想が酷くなってしまって
お兄ちゃんの携帯を友達を使って調べさせたり、
必要以上に電話をかけ続けたりしてしまうようになってしまった。
彼女もまた、お兄ちゃんに仲良し君と上手くいかないと色々相談するけれど、
お兄ちゃんがそれに何かアドバイスしたり、彼女と一緒に仲良し君の愚痴を言ったりすると
彼女はその内容を全て仲良し君に伝えてしまった為に仲良し君の逆鱗を余計にかって遂に学校で
大爆発してしまった。
先生方も交えての話し合いとなり、彼女にも言っていいことと悪いことを考える事の大切さを
指導し、お兄ちゃんとはもう関わらないように言ったそうだ。
お兄ちゃんも彼女のとった行動にショックをうけ、
『相談にのっていただけなのに。。。なんでこんな事に』とがっかりしていた。
『先生にもう、彼女ともメールしないように。仲良し君ともしばらく付き合わないようにってさ。俺も、疲れたからもう付き合わない。
どうやって付き合っていったら良いか分からないから。
ほどほどって分からないから。』
その後。結局仲良し君は彼女とも別れてしまったらしい。
別れた彼女に『顔うぜー』とか『消えろ』とか酷いメールを送ってくるようになってしまったらしく
彼女はまたお兄ちゃんに相談をしようとしているけれど、
『俺は、もう絶対関わらないって決めたらから。。。へーそうなんだ』ってだけ言ってる。
そうだよ、また、そこにお兄ちゃんが入ると巻き込まれてひどい目にあってしまうんだから。
仲良し君も衝動的に人を傷つける言葉を言ってしまうのを止められないんだよ。
彼女も誰かを巻き込もうと思ったり、困らせようと思ってやっていないんだけど、
そういう風にしかできないんだよ。
昨日、過去にお兄ちゃんに絶交メールを夜中中送り続けて疎遠になっていたお友達が
『仲良し君と彼女別れたって、仲良し君から聞いた。俺、彼女と付き合って見たいから俺のメール彼女に伝えて連絡くれるようにしてくれ』と言ってきた。
お兄ちゃんは『いくらなんでも、それは無理でしょう!』と言って断ったら
また昨日からメールが鳴り止まなくなってしまった。
『あいつは俺が言う事聞くまで絶対メールを止めない。逆ギレして死ねだのキモイだの、うんざりだ』
ようやく夕方に止まった。
『ようやく諦めたらしい』ホッとしたように言った。
『彼も、思いついたら止まらないんだよ。彼女にメールを貰いたいって思ったら止まらないんだよ。
お兄ちゃんが言うこと聞くまで止められないんだよ。それはとても困った行動なんだけど彼は
、そういう風にしかできないんだよ。
結局周りを巻き込んでひとりぼっちになっちゃうのにね。
彼は自分に跳ね返ってくるのに止められないんだなぁ。きっと。。。。
お母さんは、そう思うと彼はどうしてこんな難儀な生き方しかできないのかってとても胸がいたくなっちゃうんだよね。
『可哀想になぁって思ってしまうんだ』
お兄ちゃんはしばらく考えて小さく
『うん』 と言った。。。ちょっと悲しそうだった。
お兄ちゃんと二人で障害があると言うことを、確認し合うとき、やっぱりちょっと寂しく悲しい気持ちになる。
前向きになったり。後ろ向きになったり。
そんなに簡単にはいかないね。。。