どうやってもすっきりしない。
どんなに気持ちを盛り上げても気持ちが切り替わらない
考えても考えても答えが出ない
姑が来た日の事が頭から離れない
私は姑を匿っている時からすっかりインターフォンの音に敏感になってしまった
「ピンポーン」となると飛び上がるほどビックリする
また舅が来たんじゃないか。
酔って怒りに任せて玄関に仁王立ちしてドアを蹴ったり、怒鳴ったりして
また警察を呼ばなくちゃ行けなくなったらどうしよう
そんな不安にいつも取り付かれるようになった
ドキドキしてインターフォンに出れば息子の友達だったり
集金の人だったりして心底ホッとするのだ
心臓はドキドキと自分の耳まで届くほど高鳴る
時々ぎゅっと痛くなる時もある
夢にだって何度も出てくるのだ
姑が家にいた時は舅がいきなりやってきて姑がドアを開けて入れてしまう
夢だった
いつも汗びっしょりに目が覚めたものだ
それは正夢となった。
姑は易々とドアを開け舅は夢と同じジャージを来て顔を赤くして
入ってきた
正夢となった事は私を益々恐怖へ陥れた
夢は夢じゃなかった
いつか不安は的中する。そんな確信さえ得た
姑が帰ってからは二人そろって家に来る夢にうなされる
姑が玄関の前に立ちその後ろに舅が立っていて何事もなかったように
家の中に入ってくるのだ
そして最初穏やかだった舅が豹変してあの歯のない血だらけの口で何かを喚き始めるのだ
私は混乱し「もう帰れ!」と怒鳴り目が覚めるのだ
そしてそれは現実となった
いつも気が緩んだ時にそれは起こるのだ
舅が来た時も全く無防備だった
あれ程緊張状態が続いていたのにふっと今日は大丈夫と気が抜けていた
玄関に鍵すら掛けていなかった
インターフォンに出て「あー。お義父さんだけど・・・。開けてくれ」と言われた時のあの目の前がくらくらする様な感覚今でもハッキリと覚えている
これは夢なのか?現実なのか?足元がガラガラと恐怖で崩れていくような
全ての感情が止まってしまうような感覚・・・
姑が来た時も夢と同じだった
全く無防備だった。いつものような午前中。娘とのんびりテレビを観ていた
「あー。お義母さんだけど・・」
杖をコツコツと床に置く音まで夢と同じだった
そーっとドア穴を覗くと後ろに大きな体の人が立っていた
夢同様舅と2人で来たのだ
血だらけの口をした舅が何かをわめきに来たのだ・・
恐怖が駆け上がりドアを開けてはいけないと心の中で誰かが叫んでいた
ドアノブを握り締め私は立ち尽くしていた
ドアの向こうで姑がコツコツと杖で地面を叩く
「あれ?開かないな」のんきにつぶやく声が聞こえる
娘が後ろで「誰?お母さん。誰が来たの?」と何度も何度も聞く
何でインターフォンに出ちゃったんだろう
いつもは誰が来たか確認してから出るのに今日に限って
どうして無防備にも出てしまったのだろう
自分を悔やんだ
このまま出なければ帰ってくれるだろうか
舅が大声で叫びだしたらどうしよう
頭が混乱して全ての思考が止まっていった
コツ。コツ。コツ。
秒針を刻むように姑の杖がいつまでもなり続いていた
私はドアを開けてしまった・・
姑の後ろに立っていたのは舅ではなくて家政婦だった
体から力が抜けていくようだった
今まで心臓が止まっていたんじゃないかと言うくらい
物凄い鼓動が頭の中に響いた
目の前の姑は痩せた骸骨の顔の大きな目を見開いて
「入ってもいいかい?」と聞いた
私は易々と姑達を招き入れてしまった
今私は自分の事が恐ろしくて仕方ない
私はあの時の姑のように頭の中で「止めろ!開けるな」と何かが叫んでいたのに
自分の内なる声とは逆の行動を起こしてしまった
私は自分を娘を守ることが出来なかったのだ
もし後ろにいたのが家政婦ではなくて舅だったら私はどうしたのだろう
また2人を家に残し娘を連れて逃げ出していただろうか
錯乱した舅が何をするかも想像出来た筈なのに
私の恐怖心はドアを開ける方を選んだのだ・・・
その事に私は凄く混乱している
(つづく)
どんなに気持ちを盛り上げても気持ちが切り替わらない
考えても考えても答えが出ない
姑が来た日の事が頭から離れない
私は姑を匿っている時からすっかりインターフォンの音に敏感になってしまった
「ピンポーン」となると飛び上がるほどビックリする
また舅が来たんじゃないか。
酔って怒りに任せて玄関に仁王立ちしてドアを蹴ったり、怒鳴ったりして
また警察を呼ばなくちゃ行けなくなったらどうしよう
そんな不安にいつも取り付かれるようになった
ドキドキしてインターフォンに出れば息子の友達だったり
集金の人だったりして心底ホッとするのだ
心臓はドキドキと自分の耳まで届くほど高鳴る
時々ぎゅっと痛くなる時もある
夢にだって何度も出てくるのだ
姑が家にいた時は舅がいきなりやってきて姑がドアを開けて入れてしまう
夢だった
いつも汗びっしょりに目が覚めたものだ
それは正夢となった。
姑は易々とドアを開け舅は夢と同じジャージを来て顔を赤くして
入ってきた
正夢となった事は私を益々恐怖へ陥れた
夢は夢じゃなかった
いつか不安は的中する。そんな確信さえ得た
姑が帰ってからは二人そろって家に来る夢にうなされる
姑が玄関の前に立ちその後ろに舅が立っていて何事もなかったように
家の中に入ってくるのだ
そして最初穏やかだった舅が豹変してあの歯のない血だらけの口で何かを喚き始めるのだ
私は混乱し「もう帰れ!」と怒鳴り目が覚めるのだ
そしてそれは現実となった
いつも気が緩んだ時にそれは起こるのだ
舅が来た時も全く無防備だった
あれ程緊張状態が続いていたのにふっと今日は大丈夫と気が抜けていた
玄関に鍵すら掛けていなかった
インターフォンに出て「あー。お義父さんだけど・・・。開けてくれ」と言われた時のあの目の前がくらくらする様な感覚今でもハッキリと覚えている
これは夢なのか?現実なのか?足元がガラガラと恐怖で崩れていくような
全ての感情が止まってしまうような感覚・・・
姑が来た時も夢と同じだった
全く無防備だった。いつものような午前中。娘とのんびりテレビを観ていた
「あー。お義母さんだけど・・」
杖をコツコツと床に置く音まで夢と同じだった
そーっとドア穴を覗くと後ろに大きな体の人が立っていた
夢同様舅と2人で来たのだ
血だらけの口をした舅が何かをわめきに来たのだ・・
恐怖が駆け上がりドアを開けてはいけないと心の中で誰かが叫んでいた
ドアノブを握り締め私は立ち尽くしていた
ドアの向こうで姑がコツコツと杖で地面を叩く
「あれ?開かないな」のんきにつぶやく声が聞こえる
娘が後ろで「誰?お母さん。誰が来たの?」と何度も何度も聞く
何でインターフォンに出ちゃったんだろう
いつもは誰が来たか確認してから出るのに今日に限って
どうして無防備にも出てしまったのだろう
自分を悔やんだ
このまま出なければ帰ってくれるだろうか
舅が大声で叫びだしたらどうしよう
頭が混乱して全ての思考が止まっていった
コツ。コツ。コツ。
秒針を刻むように姑の杖がいつまでもなり続いていた
私はドアを開けてしまった・・
姑の後ろに立っていたのは舅ではなくて家政婦だった
体から力が抜けていくようだった
今まで心臓が止まっていたんじゃないかと言うくらい
物凄い鼓動が頭の中に響いた
目の前の姑は痩せた骸骨の顔の大きな目を見開いて
「入ってもいいかい?」と聞いた
私は易々と姑達を招き入れてしまった
今私は自分の事が恐ろしくて仕方ない
私はあの時の姑のように頭の中で「止めろ!開けるな」と何かが叫んでいたのに
自分の内なる声とは逆の行動を起こしてしまった
私は自分を娘を守ることが出来なかったのだ
もし後ろにいたのが家政婦ではなくて舅だったら私はどうしたのだろう
また2人を家に残し娘を連れて逃げ出していただろうか
錯乱した舅が何をするかも想像出来た筈なのに
私の恐怖心はドアを開ける方を選んだのだ・・・
その事に私は凄く混乱している
(つづく)