トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

夕方のぶらんこ

2013-07-21 18:07:59 | ポエム
昼間の暑さを残しながら、少しつめたい風が吹いている。

新しいペンキを塗られた古いブランコに乗りながら、白く浮かんだ月を眺める。

お兄ちゃんと公園に来るのはいつ以来だろうね。

「俺って、進歩ねーな。」

「楽しい子が友達だとは限らないんだよ。一緒に遊んでくれる子が信用できるとは限らないんだよ」

「インプットされちゃうんだよね」


忘れないで。

「お兄ちゃんが遠ざかっていた間、ずっと待っていてくれた人がいる事を」

「どんな時も変わらずそばにいてくれる人がいる事を。」




信用するってなんだろう。

友達ってなんだろうね。

傷つきながら学んでいこうね。



待ってるから

2013-07-14 23:50:50 | ポエム
時計は夜中の12時になった。

「お兄ちゃん帰ってきた?」

「帰ってこないね。携帯も切ってる。」

「お母さん、見てきて。あーちゃんひとりで待てるから」

「そうだね。見てくるね。」

『心配だから、もう帰っておいで』10回目のメールを送る。

送信エラーの表示。

蒸し暑さの残る外へでる。

夜中の12時をまわっても、車の数の多さと、帰宅する人たちを見て、夜はまだ眠っていないんだなと
ぼんやり考える。

何かがあったのだろう。
そう思うけどお兄ちゃんの本当の気持ちは遠くにあってわからない。

一通り行きそうなところを探してみる。

かばんの中で携帯が光っている。
『もう少し頭冷やしてから、帰る』

『分かった。外で待ってる』

『いいよ。中で待ってて。今日はショックで何も話せそうにないから』

『分かってる。何も聞かない。 でも外で待ってる』

『一人になりたいから、中で待ってて』

『わかった。中で待ってる。早く帰っておいで』

早く帰っておいで。

あーちゃんも起きて待ってるから

帰ってくるのを待ってるから