これが1番難しい。
お兄ちゃんがスポーツセンターに友達と行きたいと言った。
色々なスポーツが出来る施設で、下はカラオケ、ゲームセンターなど
巨大なレジャー施設だ。
友達同士の施設への出入りは支援クラスでは禁止されているので、友達のお母さんが
付き添ってくれる事となった。
入場料を多めに入れた封筒に『おつりは車代にしてジュースでも飲んでくださいね』と手紙を添えてお兄ちゃんに渡した。
渡す時に
『この封筒ごと、お友達のお母さんに渡してね。こっちがお昼代だからね。』と封筒のほかにお昼代を持たせた。
その後、2、3度『入場料の入った封筒だから、封筒ごと渡してよ』と念を押した。
楽しく遊んで帰ってきた数日後。。。
お兄ちゃんの部屋のゴミ箱に、ビリビリに破った封筒が捨ててあった。
『ちょっと!封筒ごと渡してっていったでしょ!中身はどうしたの?』
『中身は渡したよ』
『多く入ってたんだからおつりあったでしょ。使ったの?』
『うん。封筒を友達に渡して失くしたら困ると思って、中のお金だけ渡した。
そしたらおつりだよってくれたから、使った』
『いやーー!だって、お昼代のおつりはお母さんに渡したじゃない。
どうして、入場料のおつりは出さなかったの?』
『・・・・・・』
こういう場合、怒っちゃダメだって分かってるけど、カッとなってしまったら言葉が止まらない。
『封筒ごと渡してねって言ったんだからどうして言うとおりにしてくれなかったの?
お昼のお金は渡したんだから、入場料のおつりはお母さんに渡すべきでしょ!』
『・・・・・・・』
こうなると、お兄ちゃんはもうパニックになって私の言葉など耳に入っていない。
目線が中を浮いて、私の言っている事を理解してどうやって言えば良いだろうと必死になっている。(傍から見ると聞いていないように見えるから余計に腹が立つ)
もう、これ以上は言ってもダメだと思い、そのまま仕事へ出かけた。
仕事をしていて、なぜ封筒ごと渡して欲しいかを説明しなかった事に気がついた。
家に帰り『封筒ごと渡して欲しかったのはおつりは車代に友達のお母さんに貰って欲しかったからだよ。付き添ってくれたからそれでジュースを飲んで欲しかったの。
お兄ちゃんのゲーム代に使って欲しかった訳じゃないんだよ。
お願いする時はそれなりの理由があるんだから、頼まれたとおりにやってね。』
『うん。分かった』
その後、友達のお母さんに会った。
『この前ね、お兄ちゃんが遊びに来て帰るときに、気をつけて帰りなさいって言ったら
お兄ちゃんが息子に「お前の母さん、けっこう【うざい】んだなって言ったんだって。」
と言われビックリした。
友達のお母さんは笑っていたけど、折角、心配して言ってくれたのに【うざい】は
ひどいって思いながら家に帰ってお兄ちゃんに聞くと
『うざいって言われて友達のお母さんショック受けてたよ』
『え~?悪い意味で言ったんじゃないよ』
お兄ちゃんはうざいって言葉を知らないで使っていたらしい。
心配性だなって意味でもうざいって使って良いと思い込んでいたらしい。
『お兄ちゃん、うざいは人を馬鹿にするときに使う言葉なんだよ』
『ふーん。。。そうなんだ』とちょっとションボリした。
外食していてウエイトレスが『以上ですか?他はありませんか』と言って
立ち去った後突然大声で『上から目線だな!』と言った。
一緒に食事をしていた人たちが『何が?』とびっくりして困惑した顔をした。
結局その時も『上から目線』という言葉をどこかで聞きかじって使ってみた
だけなんだと思った。
しかし、周りの人たちにその事は分からない。
聞いた人は不快に思い、トラブルとなる。
言葉の問題なのだ。
誰かが何気なく言った言葉でもお兄ちゃんの独特の言葉辞典に悪い言葉として
入っているとお兄ちゃんは『馬鹿にしやがって』と反応してしまう。
これまで成長する間に間違って覚えてしまった言葉はいくつあるだろうか。
ひとつ、ひとつ修正するには、こんな風にトラぶらないと気づく事ができない。
先生は『お兄ちゃんは必死でその辞典を作ってきたんです。それを修正する為には
言葉ノートを作成していくしかないです』と言った。
なかなか難しい作業になりそうだ。。。
お兄ちゃんがスポーツセンターに友達と行きたいと言った。
色々なスポーツが出来る施設で、下はカラオケ、ゲームセンターなど
巨大なレジャー施設だ。
友達同士の施設への出入りは支援クラスでは禁止されているので、友達のお母さんが
付き添ってくれる事となった。
入場料を多めに入れた封筒に『おつりは車代にしてジュースでも飲んでくださいね』と手紙を添えてお兄ちゃんに渡した。
渡す時に
『この封筒ごと、お友達のお母さんに渡してね。こっちがお昼代だからね。』と封筒のほかにお昼代を持たせた。
その後、2、3度『入場料の入った封筒だから、封筒ごと渡してよ』と念を押した。
楽しく遊んで帰ってきた数日後。。。
お兄ちゃんの部屋のゴミ箱に、ビリビリに破った封筒が捨ててあった。
『ちょっと!封筒ごと渡してっていったでしょ!中身はどうしたの?』
『中身は渡したよ』
『多く入ってたんだからおつりあったでしょ。使ったの?』
『うん。封筒を友達に渡して失くしたら困ると思って、中のお金だけ渡した。
そしたらおつりだよってくれたから、使った』
『いやーー!だって、お昼代のおつりはお母さんに渡したじゃない。
どうして、入場料のおつりは出さなかったの?』
『・・・・・・』
こういう場合、怒っちゃダメだって分かってるけど、カッとなってしまったら言葉が止まらない。
『封筒ごと渡してねって言ったんだからどうして言うとおりにしてくれなかったの?
お昼のお金は渡したんだから、入場料のおつりはお母さんに渡すべきでしょ!』
『・・・・・・・』
こうなると、お兄ちゃんはもうパニックになって私の言葉など耳に入っていない。
目線が中を浮いて、私の言っている事を理解してどうやって言えば良いだろうと必死になっている。(傍から見ると聞いていないように見えるから余計に腹が立つ)
もう、これ以上は言ってもダメだと思い、そのまま仕事へ出かけた。
仕事をしていて、なぜ封筒ごと渡して欲しいかを説明しなかった事に気がついた。
家に帰り『封筒ごと渡して欲しかったのはおつりは車代に友達のお母さんに貰って欲しかったからだよ。付き添ってくれたからそれでジュースを飲んで欲しかったの。
お兄ちゃんのゲーム代に使って欲しかった訳じゃないんだよ。
お願いする時はそれなりの理由があるんだから、頼まれたとおりにやってね。』
『うん。分かった』
その後、友達のお母さんに会った。
『この前ね、お兄ちゃんが遊びに来て帰るときに、気をつけて帰りなさいって言ったら
お兄ちゃんが息子に「お前の母さん、けっこう【うざい】んだなって言ったんだって。」
と言われビックリした。
友達のお母さんは笑っていたけど、折角、心配して言ってくれたのに【うざい】は
ひどいって思いながら家に帰ってお兄ちゃんに聞くと
『うざいって言われて友達のお母さんショック受けてたよ』
『え~?悪い意味で言ったんじゃないよ』
お兄ちゃんはうざいって言葉を知らないで使っていたらしい。
心配性だなって意味でもうざいって使って良いと思い込んでいたらしい。
『お兄ちゃん、うざいは人を馬鹿にするときに使う言葉なんだよ』
『ふーん。。。そうなんだ』とちょっとションボリした。
外食していてウエイトレスが『以上ですか?他はありませんか』と言って
立ち去った後突然大声で『上から目線だな!』と言った。
一緒に食事をしていた人たちが『何が?』とびっくりして困惑した顔をした。
結局その時も『上から目線』という言葉をどこかで聞きかじって使ってみた
だけなんだと思った。
しかし、周りの人たちにその事は分からない。
聞いた人は不快に思い、トラブルとなる。
言葉の問題なのだ。
誰かが何気なく言った言葉でもお兄ちゃんの独特の言葉辞典に悪い言葉として
入っているとお兄ちゃんは『馬鹿にしやがって』と反応してしまう。
これまで成長する間に間違って覚えてしまった言葉はいくつあるだろうか。
ひとつ、ひとつ修正するには、こんな風にトラぶらないと気づく事ができない。
先生は『お兄ちゃんは必死でその辞典を作ってきたんです。それを修正する為には
言葉ノートを作成していくしかないです』と言った。
なかなか難しい作業になりそうだ。。。