トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

言葉の問題

2010-08-25 20:38:36 | お兄ちゃん
これが1番難しい。

お兄ちゃんがスポーツセンターに友達と行きたいと言った。
色々なスポーツが出来る施設で、下はカラオケ、ゲームセンターなど
巨大なレジャー施設だ。

友達同士の施設への出入りは支援クラスでは禁止されているので、友達のお母さんが
付き添ってくれる事となった。

入場料を多めに入れた封筒に『おつりは車代にしてジュースでも飲んでくださいね』と手紙を添えてお兄ちゃんに渡した。
渡す時に
『この封筒ごと、お友達のお母さんに渡してね。こっちがお昼代だからね。』と封筒のほかにお昼代を持たせた。

その後、2、3度『入場料の入った封筒だから、封筒ごと渡してよ』と念を押した。


楽しく遊んで帰ってきた数日後。。。
お兄ちゃんの部屋のゴミ箱に、ビリビリに破った封筒が捨ててあった。

『ちょっと!封筒ごと渡してっていったでしょ!中身はどうしたの?』

『中身は渡したよ』

『多く入ってたんだからおつりあったでしょ。使ったの?』

『うん。封筒を友達に渡して失くしたら困ると思って、中のお金だけ渡した。
そしたらおつりだよってくれたから、使った』

『いやーー!だって、お昼代のおつりはお母さんに渡したじゃない。
どうして、入場料のおつりは出さなかったの?』

『・・・・・・』

こういう場合、怒っちゃダメだって分かってるけど、カッとなってしまったら言葉が止まらない。

『封筒ごと渡してねって言ったんだからどうして言うとおりにしてくれなかったの?
お昼のお金は渡したんだから、入場料のおつりはお母さんに渡すべきでしょ!』

『・・・・・・・』

こうなると、お兄ちゃんはもうパニックになって私の言葉など耳に入っていない。

目線が中を浮いて、私の言っている事を理解してどうやって言えば良いだろうと必死になっている。(傍から見ると聞いていないように見えるから余計に腹が立つ)

もう、これ以上は言ってもダメだと思い、そのまま仕事へ出かけた。

仕事をしていて、なぜ封筒ごと渡して欲しいかを説明しなかった事に気がついた。

家に帰り『封筒ごと渡して欲しかったのはおつりは車代に友達のお母さんに貰って欲しかったからだよ。付き添ってくれたからそれでジュースを飲んで欲しかったの。
お兄ちゃんのゲーム代に使って欲しかった訳じゃないんだよ。

お願いする時はそれなりの理由があるんだから、頼まれたとおりにやってね。』

『うん。分かった』


その後、友達のお母さんに会った。
『この前ね、お兄ちゃんが遊びに来て帰るときに、気をつけて帰りなさいって言ったら
お兄ちゃんが息子に「お前の母さん、けっこう【うざい】んだなって言ったんだって。」
と言われビックリした。

友達のお母さんは笑っていたけど、折角、心配して言ってくれたのに【うざい】は
ひどいって思いながら家に帰ってお兄ちゃんに聞くと

『うざいって言われて友達のお母さんショック受けてたよ』

『え~?悪い意味で言ったんじゃないよ』


お兄ちゃんはうざいって言葉を知らないで使っていたらしい。

心配性だなって意味でもうざいって使って良いと思い込んでいたらしい。

『お兄ちゃん、うざいは人を馬鹿にするときに使う言葉なんだよ』

『ふーん。。。そうなんだ』とちょっとションボリした。


外食していてウエイトレスが『以上ですか?他はありませんか』と言って
立ち去った後突然大声で『上から目線だな!』と言った。

一緒に食事をしていた人たちが『何が?』とびっくりして困惑した顔をした。

結局その時も『上から目線』という言葉をどこかで聞きかじって使ってみた
だけなんだと思った。

しかし、周りの人たちにその事は分からない。

聞いた人は不快に思い、トラブルとなる。

言葉の問題なのだ。

誰かが何気なく言った言葉でもお兄ちゃんの独特の言葉辞典に悪い言葉として
入っているとお兄ちゃんは『馬鹿にしやがって』と反応してしまう。

これまで成長する間に間違って覚えてしまった言葉はいくつあるだろうか。

ひとつ、ひとつ修正するには、こんな風にトラぶらないと気づく事ができない。

先生は『お兄ちゃんは必死でその辞典を作ってきたんです。それを修正する為には
言葉ノートを作成していくしかないです』と言った。

なかなか難しい作業になりそうだ。。。

気分が悪い

2010-08-17 21:01:48 | 
離婚して4年。
年々、元夫とのかかわりが辛くなる。

面会の前に、お兄ちゃんが発達に障害がある事が分かった事。
高等養護学校へ入る準備をしている事などを伝えた。

メールで『了解しました。報告ありがとうございます。今までまかせっきりですみません。
これからは力になれることがあったら言ってください。ところで今度の面会の時の対応は普通で良いんですかね。病状とかわからないんで』

馴れ馴れしいって感じてしまう。

報告したのは、中学に入ってから受験の事をしつこく言ったりしていたのと、どこ受けるんだと息子に聞いて『高等養護学校』と息子の口から聞いて動揺して余計な事を息子に言って欲しくなかったからだ。
頼って報告したわけじゃない。


今回の面会から帰ってきてお兄ちゃんが『お父さんに高等養護学校へ行く事と自分の障害の事言ったよ。残念な事が分かったんだ。俺、障害があったんだ。って言ったら【そっかぁ。なんも、残念じゃないしょ】って言ってた』

『ふーん。そっか』と言うと『うん』と満足そうなちょっとはにかんだような顔をした。


お兄ちゃんは自分の障害を受け入れたんだなぁって感慨深かった。
『俺の頭は腐ってんだ!』って動揺して、2人で泣いた日から2年かかって、ようやく
此処まできたんだなって思ったら嬉しかった。


さっき元夫から『お兄ちゃんから、成長障害のこと聞きました。自分なりに気持ちの整理が出来ている印象をもちました。背丈も精神的にも大人になったみたいですね』とメールがきた。


何にも知らないくせに。
お兄ちゃんと私がどんな思いで此処まできたか知らないくせに。

『大変なんです。困っているんです』って養育費を滞納したり、音信不通状態になったり。
ずっと自分の事ばっかりだったくせに。

だいたい『成長障害』なんて言ってない。

いっつもそうだった。私の話なんか全然聞いてなかった。
適当に聞いてひとが喜びそうな言葉を並べているだけ。

嬉しそうな反応をしなかったらたちまち機嫌が悪くなって
『言ってやったのに!言わないよりましだろ!』って逆切れされて。


たった2晩子供達の面倒を見ただけで、何もかも分かったみたいに感想なんか言われたくない。


夕飯食べてたらあーちゃんが
『お父さんの新しい会社見てきたよ。お母さんのね会社の近くなんだよ。乗る列車も
同じなんだって言ってたよ。会えるかもしれないね』って嬉しそうに言った。


吐きそうだ。
子供たちを連れて逃げたい。

子離れ、親離れ

2010-08-15 21:00:24 | 
前は、子供達だけで実家に泊まりに行ったりして、家でひとりになる時
『レンタルビデオを好きなだけ見よう』とか
『仕事帰りにショッピングでブラブラしよう』とか色々楽しめたのだが
最近は、パソコンもする気になれず、ビデオを見ていてもつまらない。

携帯の待ち受けのあーちゃんの写真を何度も閉じたり開いたりして眺めたり
寝る時はあーちゃんのタオルを抱いて寝たり。

寂しくってしょうがない。

なんだか、急にお兄ちゃんに手がかからなくなってしまった。

支援クラスに入ってずっとハイテンションで、大声で歌ったり、
ずっと話っぱなしだったり。

機嫌が悪い時はあーちゃんに八つ当たりも酷かった。
言葉遣いも悪くて、ちょっとでも何か言えば怒鳴ったり暴れたり。

学校は楽しくなったはずなのに、お友達も出来て楽しいはずなのに
なんで?って思うほど情緒が安定しなかった。

夏休みに入るちょっと前に急に静かになった。
部屋に入って好きなゲームや刺繍をやっていた。

あーちゃんへの言葉遣いも急に穏やかになり、前のように遊んでくれたり
し始めた。

夏休みの宿題も『先にやっちゃった方が後から楽なんだ』と言って、
気がつけば机に向っていた。
課題の雑巾縫いも終わり。
結局一度も私が声をかける事無く宿題を終わらせてしまった。


友達と遊べない日が続いても、ひとりになるのが嫌だとどこかへ飛び出していき、知らない子を連れてくることもなく。
それに部屋に篭っている時間も長くなった。

部屋で音楽を聴いたり、歌ったりしている。

あーちゃんも、最近は週末は友達と約束して、公園で朝から夕方まで遊んでくる。

私はひとりの時間を図書館へ行ったり、買い物をしたりと過ごすようになった。

ふと、気がつけば手持ち無沙汰の私が残った。

で。昨日から子供達は2泊3日で元夫のところへ出かけた。
私は姉一家が来るというので一人実家へ。

お墓参りやお寺参りに忙しく走り回り、姉一家や弟一家と買い物に出かけた。

姉一家が『ちょっと、お姉ちゃんがペットショップ見たいって言ってるから行って来る』
と言って出かけたら1時間後に合流した時には子犬を持っていた。

『買っちゃった~』と喜ぶ姉の子供たち。
中を覗くと目をキョロキョロさせた子犬が。。。

『か。かわいい』

子供たちと一緒に子犬と遊んで帰ってきた。

今日も我家の子供達はいない。
私は明日も仕事。

あーぁ。

これからもどんどん子供達は手を離れていく。
友達に『何か趣味がないとダメじゃないの』と叱られた。

ほんとだなぁ。
読書とか、ビデオ鑑賞とか、ゲームとか結構趣味があると思っていたんだけど。

私も子犬欲しいなぁ。

本当はうさぎが欲しいんだよね。

あーぁ。早く子供達が帰ってこないかな。



ため息

2010-08-11 19:44:43 | 
新しいメニューに挑戦した。

最近火を使わないように料理していたが、今日は張り切って
汗だくになって作った。

あーちゃんは、ごはんに味噌汁をかけて食べた。

お兄ちゃんは味噌汁だけ飲んで『ちょっとおかず脂っこいね』と言って箸を置いた。

私は、残ったおかずをおなかに収めた。
やっぱりちょっと脂っこかったか。
ムカムカして胃薬を飲んだ。

『ハア』大きなため息がでた。

また、面会の日が近づいている。

毎度の事だけど、気分が重くなる。

『養育費を○日に入れます。面会は○日希望です。
ダメ元で聞きますが、仕事が4連休なので2泊3日で面会しても良いですか』


いつも養育費を入れる日にちを口実に希望日をしてくる。

でも面会が終わっても養育費が入ることはない。

『ダメ元で聞きますが』というフレーズもおねだり調の甘えを感じられて吐き気がするほど気分が悪い。

2泊3日と聞いて子供達は大喜び。


『約束したんだから。会いたい時は会えるからねって』
これまでも心の苦虫を噛む様に呟いてきた言葉を、また胸の中で繰り返す。

あー。ムカムカからお腹も痛くなってきた。
夏バテに脂っこすぎたか。

子供達は食べなくて正解だったかも。