お兄ちゃんが宿泊研修の前の日に『実は学校でトイレにいけない』と告白された。
成長期真っ盛りのお兄ちゃん達。
どの子も自分のからだの変化が気になって仕方がないらしい。
ある日、トイレでお兄ちゃんの隣に立った子が『見せて』と言った。
『やだ』って言ったらその子は黙って去っていった。
しかしお兄ちゃんはそれからまた誰かが見せてと言って
ふざける子達だったら仲間を呼んでくるかもしれないと不安になり
トイレにいけなくなったのだと言った。
どおりで最近慌てて帰ってきてトイレに駆け込んでいると思ったら。。。
だから宿泊研修のお風呂に入りたくないと憂鬱そうに言った。
そんな、前日に告白されても。。。。
一度不安に駆られるとなかなかそこから抜け出せないらしく
大きなため息を何度もつく。
『先生にはお兄ちゃんのことちゃんと伝えてあるから見ていてくれると言ってたよ。脱衣所にも当番で立つ先生の名前が書いてあるから大丈夫だよ。
お風呂に入っている時間も短いし、お兄ちゃんにかまっている暇なんてないと思うよ』
『そうか。先生がいるなら大丈夫か』とちょっとホッとしたようだったが
時々思いつめたようにため息をついた。
お兄ちゃんが宿泊研修に出かけている間に、相談員さんに電話をした。
今の学級のことや最近の勉強のことなどをはなし、
『去年の検査から1年経ったので、周りの対応など上手くいっている部分も見受けられるのでまた検査をしてみたい』と言われた。
もう少し詳しい情緒面の検査にするか、またウイスクにするかはその時にの面談でと予約した。
実際にそういう目に合ったわけではないけれど、ある事がきっかけで廊下に出たりトイレに入っているときに嫌がる事を強制されて、それを断ったらきっと仲間を呼んできて囲まれて無理やり嫌な事をやらされそうな気がして、恐くてトイレに行けないと言っている事を相談した。
相談員さんは、深刻そうに
『それで、お母さんはどう対処されたんですか?』
『だから、囲まれたわけでもないし、無理やり嫌がる事をされたわけでもないんだから心配しなくても良いんだよ。』と宥めたんですが。。。
『お母さんがそんなことないよと言って本当に起こってしまった時の方が恐いんですよ。そういう時はこうするんだよという対処法を伝えて安心させてあげる方が良いんですよ。』
そうなのか。。
起こってしまってからでは遅い。
確かにそんな恐ろしい目にお兄ちゃんがあったら。。。
考えただけでぞっとする。
そんな事は起こらないに違いない。
そう思っていたい。
でもそれではお兄ちゃんの不安は消えないし、対処法を聞けば安心して
トイレにいけるようになるのかもしれない。
電話を切るときに相談員さんが『心配ですねぇ。。。大丈夫でしょうか。。。』ともの凄く暗く深刻そうな声で呟て電話が切れた。
なにが?
何が心配なの?
宿泊研修のお風呂でお兄ちゃんが想像しているような恐ろしい事が起こるかもしれないって事?
突然、私の中に妄想の映像が浮かびぞっとした。
それから、心配の種が噴出して夜も殆ど眠れなかった。
次の日の仕事もなかなか集中できず『きっと楽しんでいるに違いない。元気に帰ってくるはずだ』何度も自分に言い聞かせた。
相談員さんはきっと何度もこういう事例を見てきたのだろう。
前に『支援が行き届かず何人も不登校や引き篭もりになっていく子を見て
本当に残念でなりません。ぜひお兄ちゃんに武器(支援のこと)を持たせてあげてください。』と言っていた。
だからお兄ちゃんの不安も空想だけだとは思えなかったに違いない。
そんな風に思えば思うほど私の不安は膨らみ、お兄ちゃんの家に着く時間に
電話をかけてみたが誰も出ない。
もしや、酷く傷ついて帰ってきたのではないか。
焦る気持ちを抑えて家に着けば、
ニコニコの満面の笑顔で『ただいまー!めっちゃ楽しかったーーー』と迎えてくれた。
聞けばお風呂はみんなサウナに行っちゃって誰もいず、自分も友達と入ってはしゃいだとか、部屋が少人数に分かれていて、時間がくると外出禁止で誰も尋ねてこなくて、一緒に部屋になった子は話したことがない子だったけど本好きで寝るまで
しりとりをして遊んだとか。。。
とにかくすごーく楽しくていい想い出ができたらしい。。。
良かったよ。
本当に良かった。
相談員さんの言う事はもっともだと思う。
起こってからで遅い事もあるだろう。
だけど心配性の私には精魂尽き果てる一日だったよ。
クラスに馴染めてなくてお弁当も1人で食べているんじゃないかって心配したけど
全然大丈夫だったらしい。
お兄ちゃんって逞しいんだか、弱いんだか分からない。
こんな事が何度もあったら、あたしゃ身が持たないよ。。。
成長期真っ盛りのお兄ちゃん達。
どの子も自分のからだの変化が気になって仕方がないらしい。
ある日、トイレでお兄ちゃんの隣に立った子が『見せて』と言った。
『やだ』って言ったらその子は黙って去っていった。
しかしお兄ちゃんはそれからまた誰かが見せてと言って
ふざける子達だったら仲間を呼んでくるかもしれないと不安になり
トイレにいけなくなったのだと言った。
どおりで最近慌てて帰ってきてトイレに駆け込んでいると思ったら。。。
だから宿泊研修のお風呂に入りたくないと憂鬱そうに言った。
そんな、前日に告白されても。。。。
一度不安に駆られるとなかなかそこから抜け出せないらしく
大きなため息を何度もつく。
『先生にはお兄ちゃんのことちゃんと伝えてあるから見ていてくれると言ってたよ。脱衣所にも当番で立つ先生の名前が書いてあるから大丈夫だよ。
お風呂に入っている時間も短いし、お兄ちゃんにかまっている暇なんてないと思うよ』
『そうか。先生がいるなら大丈夫か』とちょっとホッとしたようだったが
時々思いつめたようにため息をついた。
お兄ちゃんが宿泊研修に出かけている間に、相談員さんに電話をした。
今の学級のことや最近の勉強のことなどをはなし、
『去年の検査から1年経ったので、周りの対応など上手くいっている部分も見受けられるのでまた検査をしてみたい』と言われた。
もう少し詳しい情緒面の検査にするか、またウイスクにするかはその時にの面談でと予約した。
実際にそういう目に合ったわけではないけれど、ある事がきっかけで廊下に出たりトイレに入っているときに嫌がる事を強制されて、それを断ったらきっと仲間を呼んできて囲まれて無理やり嫌な事をやらされそうな気がして、恐くてトイレに行けないと言っている事を相談した。
相談員さんは、深刻そうに
『それで、お母さんはどう対処されたんですか?』
『だから、囲まれたわけでもないし、無理やり嫌がる事をされたわけでもないんだから心配しなくても良いんだよ。』と宥めたんですが。。。
『お母さんがそんなことないよと言って本当に起こってしまった時の方が恐いんですよ。そういう時はこうするんだよという対処法を伝えて安心させてあげる方が良いんですよ。』
そうなのか。。
起こってしまってからでは遅い。
確かにそんな恐ろしい目にお兄ちゃんがあったら。。。
考えただけでぞっとする。
そんな事は起こらないに違いない。
そう思っていたい。
でもそれではお兄ちゃんの不安は消えないし、対処法を聞けば安心して
トイレにいけるようになるのかもしれない。
電話を切るときに相談員さんが『心配ですねぇ。。。大丈夫でしょうか。。。』ともの凄く暗く深刻そうな声で呟て電話が切れた。
なにが?
何が心配なの?
宿泊研修のお風呂でお兄ちゃんが想像しているような恐ろしい事が起こるかもしれないって事?
突然、私の中に妄想の映像が浮かびぞっとした。
それから、心配の種が噴出して夜も殆ど眠れなかった。
次の日の仕事もなかなか集中できず『きっと楽しんでいるに違いない。元気に帰ってくるはずだ』何度も自分に言い聞かせた。
相談員さんはきっと何度もこういう事例を見てきたのだろう。
前に『支援が行き届かず何人も不登校や引き篭もりになっていく子を見て
本当に残念でなりません。ぜひお兄ちゃんに武器(支援のこと)を持たせてあげてください。』と言っていた。
だからお兄ちゃんの不安も空想だけだとは思えなかったに違いない。
そんな風に思えば思うほど私の不安は膨らみ、お兄ちゃんの家に着く時間に
電話をかけてみたが誰も出ない。
もしや、酷く傷ついて帰ってきたのではないか。
焦る気持ちを抑えて家に着けば、
ニコニコの満面の笑顔で『ただいまー!めっちゃ楽しかったーーー』と迎えてくれた。
聞けばお風呂はみんなサウナに行っちゃって誰もいず、自分も友達と入ってはしゃいだとか、部屋が少人数に分かれていて、時間がくると外出禁止で誰も尋ねてこなくて、一緒に部屋になった子は話したことがない子だったけど本好きで寝るまで
しりとりをして遊んだとか。。。
とにかくすごーく楽しくていい想い出ができたらしい。。。
良かったよ。
本当に良かった。
相談員さんの言う事はもっともだと思う。
起こってからで遅い事もあるだろう。
だけど心配性の私には精魂尽き果てる一日だったよ。
クラスに馴染めてなくてお弁当も1人で食べているんじゃないかって心配したけど
全然大丈夫だったらしい。
お兄ちゃんって逞しいんだか、弱いんだか分からない。
こんな事が何度もあったら、あたしゃ身が持たないよ。。。