そうか。公園へどうして行ってしまうのか。
なぜ知らない子を親友とすぐ思い込んでしまうのか。
その理由のかけらをもらって、すっかり良い気分ですべてが分かったようになってしまった私。
しかし、理由が分かっても問題がひとつも解決していない事にすぐに思い知らされる。
あの日以来、予定の時刻より帰宅が遅れると不安で不安でいてもいられなくなり、外を何度も見に出るようになった。
ある日、いつもの時間に帰宅しないお兄ちゃんが心配で家の前で帰ってくるのを待っていた。
遠くからお兄ちゃんらしい笑い声が聞こえてくる。
『誰かと遊んでいたのか?最近また公園で知り合った子と遊んでいたのか』
遠くから歩いてくる二人組の姿をみて思わず物陰に隠れた。
一緒に帰ってきたのは、彼女と別れろと殴ってきた友達だった。
あんなに酷い目にあったのに、誘われたらまたすぐ許してしまったのか。
また簡単に信用してしまったのか。。
帰ってきたお兄ちゃんに問い詰めると
「あれは、俺の作戦なんだ、あいつ何日か前からまた遊ぼうってしつこいから、仕方なく会ってやったんだ。
あいつがあきれるような空想話をしてやった。嫌われるような話をいっぱいしてやった。
こっちから嫌われるようにしてんだ。
今度は仲直りしたふりして俺があいつを切ってやるんだ。
復讐なんだ。放っておいてほしい。」
自分で気持のけりをつけたいと言う事なんだろう。
しかし。あれほどの事があってまた会ってしまうとは。
どんな理由があったとしてもあまりに無防備な考えに途方に暮れる。
「もし、また彼が突然切れてお兄ちゃんにけがをさせる事があったら、今度は迷わずお母さんは警察に届ける。
その時、あんなに心配してくれた担任の先生と、もう会わないと約束を破っていた事もばれてしまうんだよ。
先生はあの時手術して退院したばかりだったのに、痛みをこらえて何度もあんたの為に訪問してくれたんだよ。
その先生への裏切りだよ。
お母さんには理解できない。
メールアドレスを拒否してでも縁を切るべきなんじゃないのか」
最初は自分の持論を展開していたけれど、会った後のフラッシュバックが辛いらしく、メールアドレスを変えて、
彼からの連絡を絶つことに同意した。
そんな中、職場実習も終わり、先生方のフォローもあって、評価も良く、お兄ちゃんも卒業後も同じ職種の仕事に就きたいという目標をみつけたようだった。
これで、上手くいく。
やっと安心して日々が送れると胸をなでおろしたのだった。
お兄ちゃんも、失った自信を少しずつ取り戻し、気分が良くなって最近良く会話をするようになった
隣のクラスの女子に交際を申し込んだ。
彼女は友達からという気持ちだったのに、お兄ちゃんは勝手にかつての彼女と同じように接しようと暴走してしまい
びっくりした彼女から「私はまだそこまで気持ちがついていけない」とあっという間に振られてしまった。
お兄ちゃんにとって、友達に殴られた事はとても辛い出来事だった。
だけどそれ以上にその殴られている間、ただ黙って見続けて、無言で去って行った彼女への
思いはお兄ちゃん自信見つめる事が出来ず心の奥底にふたをしておいたはずだった。
ところが隣の女子に交際を断られた瞬間、今まで、ずっと心に閉じ込めていた、一番傷ついてしまった心の扉が一気に開いてしまった。
なんとかしなければ、この苦しい気持ちをどうにかしなければ。
パニックに陥ったお兄ちゃんの暴走が始ってしまったのだった。
(続く)
なぜ知らない子を親友とすぐ思い込んでしまうのか。
その理由のかけらをもらって、すっかり良い気分ですべてが分かったようになってしまった私。
しかし、理由が分かっても問題がひとつも解決していない事にすぐに思い知らされる。
あの日以来、予定の時刻より帰宅が遅れると不安で不安でいてもいられなくなり、外を何度も見に出るようになった。
ある日、いつもの時間に帰宅しないお兄ちゃんが心配で家の前で帰ってくるのを待っていた。
遠くからお兄ちゃんらしい笑い声が聞こえてくる。
『誰かと遊んでいたのか?最近また公園で知り合った子と遊んでいたのか』
遠くから歩いてくる二人組の姿をみて思わず物陰に隠れた。
一緒に帰ってきたのは、彼女と別れろと殴ってきた友達だった。
あんなに酷い目にあったのに、誘われたらまたすぐ許してしまったのか。
また簡単に信用してしまったのか。。
帰ってきたお兄ちゃんに問い詰めると
「あれは、俺の作戦なんだ、あいつ何日か前からまた遊ぼうってしつこいから、仕方なく会ってやったんだ。
あいつがあきれるような空想話をしてやった。嫌われるような話をいっぱいしてやった。
こっちから嫌われるようにしてんだ。
今度は仲直りしたふりして俺があいつを切ってやるんだ。
復讐なんだ。放っておいてほしい。」
自分で気持のけりをつけたいと言う事なんだろう。
しかし。あれほどの事があってまた会ってしまうとは。
どんな理由があったとしてもあまりに無防備な考えに途方に暮れる。
「もし、また彼が突然切れてお兄ちゃんにけがをさせる事があったら、今度は迷わずお母さんは警察に届ける。
その時、あんなに心配してくれた担任の先生と、もう会わないと約束を破っていた事もばれてしまうんだよ。
先生はあの時手術して退院したばかりだったのに、痛みをこらえて何度もあんたの為に訪問してくれたんだよ。
その先生への裏切りだよ。
お母さんには理解できない。
メールアドレスを拒否してでも縁を切るべきなんじゃないのか」
最初は自分の持論を展開していたけれど、会った後のフラッシュバックが辛いらしく、メールアドレスを変えて、
彼からの連絡を絶つことに同意した。
そんな中、職場実習も終わり、先生方のフォローもあって、評価も良く、お兄ちゃんも卒業後も同じ職種の仕事に就きたいという目標をみつけたようだった。
これで、上手くいく。
やっと安心して日々が送れると胸をなでおろしたのだった。
お兄ちゃんも、失った自信を少しずつ取り戻し、気分が良くなって最近良く会話をするようになった
隣のクラスの女子に交際を申し込んだ。
彼女は友達からという気持ちだったのに、お兄ちゃんは勝手にかつての彼女と同じように接しようと暴走してしまい
びっくりした彼女から「私はまだそこまで気持ちがついていけない」とあっという間に振られてしまった。
お兄ちゃんにとって、友達に殴られた事はとても辛い出来事だった。
だけどそれ以上にその殴られている間、ただ黙って見続けて、無言で去って行った彼女への
思いはお兄ちゃん自信見つめる事が出来ず心の奥底にふたをしておいたはずだった。
ところが隣の女子に交際を断られた瞬間、今まで、ずっと心に閉じ込めていた、一番傷ついてしまった心の扉が一気に開いてしまった。
なんとかしなければ、この苦しい気持ちをどうにかしなければ。
パニックに陥ったお兄ちゃんの暴走が始ってしまったのだった。
(続く)