トンネルの向こう側

暗いトンネルを彷徨い続けた結婚生活に終止符を打って8年。自由人兄ちゃんと天真爛漫あーちゃんとの暮らしを綴る日記

そして。。。

2014-02-16 17:43:33 | お兄ちゃん
そうか。公園へどうして行ってしまうのか。
なぜ知らない子を親友とすぐ思い込んでしまうのか。

その理由のかけらをもらって、すっかり良い気分ですべてが分かったようになってしまった私。

しかし、理由が分かっても問題がひとつも解決していない事にすぐに思い知らされる。

あの日以来、予定の時刻より帰宅が遅れると不安で不安でいてもいられなくなり、外を何度も見に出るようになった。

ある日、いつもの時間に帰宅しないお兄ちゃんが心配で家の前で帰ってくるのを待っていた。
遠くからお兄ちゃんらしい笑い声が聞こえてくる。
『誰かと遊んでいたのか?最近また公園で知り合った子と遊んでいたのか』

遠くから歩いてくる二人組の姿をみて思わず物陰に隠れた。

一緒に帰ってきたのは、彼女と別れろと殴ってきた友達だった。

あんなに酷い目にあったのに、誘われたらまたすぐ許してしまったのか。
また簡単に信用してしまったのか。。

帰ってきたお兄ちゃんに問い詰めると
「あれは、俺の作戦なんだ、あいつ何日か前からまた遊ぼうってしつこいから、仕方なく会ってやったんだ。
あいつがあきれるような空想話をしてやった。嫌われるような話をいっぱいしてやった。
こっちから嫌われるようにしてんだ。

今度は仲直りしたふりして俺があいつを切ってやるんだ。
復讐なんだ。放っておいてほしい。」

自分で気持のけりをつけたいと言う事なんだろう。

しかし。あれほどの事があってまた会ってしまうとは。
どんな理由があったとしてもあまりに無防備な考えに途方に暮れる。

「もし、また彼が突然切れてお兄ちゃんにけがをさせる事があったら、今度は迷わずお母さんは警察に届ける。
その時、あんなに心配してくれた担任の先生と、もう会わないと約束を破っていた事もばれてしまうんだよ。
先生はあの時手術して退院したばかりだったのに、痛みをこらえて何度もあんたの為に訪問してくれたんだよ。

その先生への裏切りだよ。
お母さんには理解できない。
メールアドレスを拒否してでも縁を切るべきなんじゃないのか」

最初は自分の持論を展開していたけれど、会った後のフラッシュバックが辛いらしく、メールアドレスを変えて、
彼からの連絡を絶つことに同意した。


そんな中、職場実習も終わり、先生方のフォローもあって、評価も良く、お兄ちゃんも卒業後も同じ職種の仕事に就きたいという目標をみつけたようだった。

これで、上手くいく。
やっと安心して日々が送れると胸をなでおろしたのだった。

お兄ちゃんも、失った自信を少しずつ取り戻し、気分が良くなって最近良く会話をするようになった
隣のクラスの女子に交際を申し込んだ。

彼女は友達からという気持ちだったのに、お兄ちゃんは勝手にかつての彼女と同じように接しようと暴走してしまい
びっくりした彼女から「私はまだそこまで気持ちがついていけない」とあっという間に振られてしまった。

お兄ちゃんにとって、友達に殴られた事はとても辛い出来事だった。
だけどそれ以上にその殴られている間、ただ黙って見続けて、無言で去って行った彼女への
思いはお兄ちゃん自信見つめる事が出来ず心の奥底にふたをしておいたはずだった。

ところが隣の女子に交際を断られた瞬間、今まで、ずっと心に閉じ込めていた、一番傷ついてしまった心の扉が一気に開いてしまった。

なんとかしなければ、この苦しい気持ちをどうにかしなければ。
パニックに陥ったお兄ちゃんの暴走が始ってしまったのだった。

(続く)

社会で自立するための3つの法則

2014-02-11 19:02:56 | お兄ちゃん
私が訪問したのは、発達障害の人たちが、生活する施設だった。

自閉症を専門に相談を担当してくれる人もいると聞いて、訪ねたのだった。

過去からの息子の経歴と、これまでの問題行動を改めて時系列で書き出していくと
どんなに年齢を重ね、環境が変わっても、お兄ちゃんの簡単に人を信じてしまう。
公園で知らない子を連れてきて騙されてしまう。の問題行動がどの年齢でも起こっている事に
改めて気付かされる。

一通り私の話を聞いていて相談員さんは、

『なるほど。どうして息子さんが公園へ行ってしまうのか説明できるかもしれません。』


自閉症のお子さんで、長く社会に適応し続けるために必要な気持ちって何だろう思ってみていると、
「俺ってけっこうできるかも」という自信が強い子が、長く社会で暮らしていけているようです。

この気持ちを持つためには、三つの法則があります。

1.褒められる
2.認められる
3.感謝される

この条件がそろった環境にいると、自信がついて、自分でやれる事が増えてくる。
自分のやれる事がたくさん増えると

「あれ。俺ってけっこうできるかも」と思える。

そうすると社会でも恐がらずに適応していけるんじゃないかと私たちは思っています。


走るのが速い子は、サッカーチームや、陸上など、パソコン、漢字、凸凹の特性の中で
何かしらの特性にあった場所を見つけられた子が「俺ってけっこうできるかも」という力を
得る事ができるのです。

その場所が、息子さんの場合は、公園だったという事でしょう。


その話を聞いている間に思い当たる事が次々と頭に浮かんでくる。

確かに小学校へ入学して、お兄ちゃんは周りの友達よりも勉強も行動もついていけない。
自分は駄目なんだと思うばかりの毎日。
ある日たまたま帰り道の公園で、知り合った年下の子にボール遊びをしたら「お兄ちゃんすごいね」と言ってもらえたと言って「俺ってすごいんだって」とものすごくうれしそうに帰ってきた事があった。

その次の日には、その幼稚園にも通っていないような小さな子を家に連れてきたのだった。

「この子が俺の親友なんだ」と言って。

初めて、認めてもらえて、褒められて、「遊んでくれてありがとう」と感謝された経験。
その場所が、公園だった。

だからお兄ちゃんは自信がなくなるような事が起こると公園へ行って、自分の心を支えてくれる物を探してしまうのだと気がついた。

中学の頃に酷いいじめにあったときも、高校へ入って、実習が上手くいかず先生に毎日叱られて、胃潰瘍になるほど
落ち込んだ時も、公園へ行けば自分のなくした物があると信じて、公園をさまよい歩き続けてきたのだ。



「すごく納得できるお話です。じゃあ、いったいどうしたら良いのでしょうか。
このままずっと無防備に騙され続け、痛い目に会い続けるんでしょうか。
公園に行かせないためにはどうしたら良いのでしょうか。」

理由は分かっても「それじゃあ仕方ないですね」とは言えない。
なんとかしなければ、ならないのだから。

「息子さんが、俺ってけっこうできるかも感が得られる場所を公園以外に探す事です。これから職場実習が始まると言う事ですね。これは良いチャンスです。
実習が上手くいけば、きっと落ち着くと思います。
そのために実習先には少し甘めに指導をお願いすると良いです。」

「実習が始まるまでは、公園にはどんどん行ってもらいましょう。
引きとめれば引きとめるほど彼は行ってしまうでしょう。友達もどんどん作って貰いましょう。』

でも、それではまた誰かに騙されてしまうかもしれません。家の物が盗まれてしまうかもしれません。


「だから、公園に行く事は大賛成でもルールは決めて守って貰うんです。
家には連れてこない。物の貸し借りはしない等です。」

公園へ行くことと、友達づきあいのルールを決める事は切り離して考えた方が良いです。


来る時は重い足を引きずりながら来たけれど、帰りは、明るい光が射したような気持だった。

「そうだったのか」とすべてが分かったような気がしていた。

だけど、その時お兄ちゃんが何を考えているのか、私は全く分かっていなかった事にまたまた思い知らされるのだった。
(つづく)





叱られる

2014-02-07 23:47:07 | 
最近、身に覚えのない事で叱られたり、怒鳴られたり、する事が多い。

今日も、確かに私は聞いてメモをして、そのメモの通りに頼まれた書類を作ったのに
「私はそんな事、絶対に言ってない!私じゃない!あなたが勝手に何かと勘違いしてメモを作ったか
違う事でメモったのを忘れたんじゃないの!
私じゃ絶対にない!」

顔を真っ赤にして、ヒステリックに怒鳴る。

私は、誰かの補助の仕事をしている。
詳しくすべての内容を把握して仕事をする事はない。

いつも、言われて、メモってその内容に準じて仕事をしていく。

自分で勝手に考えてメモを作る事はない。

そして、彼女が私にメモをとらせた風景も記憶に残っているのだ。

でも違う!という。
絶対に違う!という。

確かにメモの内容はおかしい。
曖昧に書いてあるし、私もその内容で分からないまま作ったのだ。
だから途中で確認して貰った気がしていたが、それは勘違いだった。

「一度見てもらっていると思う」と言ったものだから、彼女の怒りに火がついた。

私が確認していたら、こんなに間違いがあるはずない。
絶対に観てない。
それだけは絶対みてない。

確かに見てもらったとは思えない個所が間違っていた。
だから見てもらったのは間違いだったのだろう。
見てもらおうと思って作っておいたというのが正しいのかもしれない。

でも思い出せない。
どれが本当の記憶か分からなくなる。

役の会の人の言っている事も、最近コロコロと変わって、自分は振り回されている気がする。

でも「前に言ったのと違いますよね。私は言われたから持ってきたのに」と言うと

「そんなこと言ってない!」と怒られる。

私が間違っているのか。
みんながコロコロ言う事が違うのか。。。

こう続くと自信がなくなる。

私の頭がおかしくなったのだろうか。。。。