どうしてこうも同じ事を繰り返してしまうのか。
小学校へ入学して、一人で学校を行き帰りをはじめてから、帰り道の公園にいる子供たちを
親友ができたと言っては沢山連れて帰り、家にあげては物を盗まれる。
そのたびに「なぜ?」「なぜ?」を問い続けてきた。
自閉症と分かって、特別支援クラスに移動して、色んな事を訓練して、沢山の事ができるようになった。
あいさつ。マナー。仕事に対する気持ち。
研修にいけば、合格をもらい、卒業は就職も夢じゃないとまで言われるまで成長しても
やっぱり知らない親友へのこだわりからトラブルに巻き込まれてしまう。
これはお兄ちゃんのお人よしな性格が招いている事なのか。
性格なら、痛い目に合うたびに少しずつ用心深くなってもよさそうなものなのに
いつも振り出しに戻ってまた同じ事が繰り返される。
「思えばずっと同じ事で足踏みしている」
これは、性格じゃなくて、障害が引き起こしているのではないのか。
そんな疑問を持つようになった。
友達に殴られて、彼女も失って、失意の中にいたお兄ちゃんは、それからもまた公園をふらふらと
渡り歩き、そこでサッカーやバスケをやっているグループに仲間にまぜてもらってはおごらされたり
するなど小さなトラブルを引き起こしていた。
友達を探さなければ」「彼女を見つけなければ」とうわごとのように繰り返し、ネットの友達サイトに沢山登録をし始めた。
中には怪しいサイトもあって注意すると「登録だけで、メールの返事はしてないから」と言って
相手から送られてくるメールをこそこそと読んでいた。
「友達が欲しいんだ。暇なのは嫌なんだ」
「暇つぶしに友達が欲しいの?ひとりでも楽しむ事は沢山できるでしょ」
「いやっ!できない。暇が苦しいんだ」
自閉症の子どもたちは、暇な時間が一番苦痛だと言われることが多い。
仕事をしていても、お昼休みに何をしていいのか分からない。苦痛だと訴える子も多い。
だからわざわざ雑誌を用意して、自由時間に雑誌を読んだりする事を研修に加える施設も多いと聞く。
だけど、どんなに本を読んでも、偉い人の話を聞いても、暇だから公園へ行き知らない子を沢山連れてくる
自閉症の症例を説明してくれるものは見つからなかった。
なぜ?
私は、この同じトラブルのループをどうしても抜け出したかった。
このループを抜ける手がかりをつかまなければ、お兄ちゃんにとって自立は不可能だと感じた
楽しい人、自分を慕ってくれる人を名前を知らなくても簡単に信じてしまう。
社会に出れば、落とし穴は沢山ある。
お兄ちゃんはもっと大きなトラブルに巻き込まれる可能性が大きすぎる。
わたしは答えを求めてある施設を訪ねた。
そこで、お兄ちゃんのなぜを知る手掛かりをやっと手に入れる事ができた。
(つづく)
小学校へ入学して、一人で学校を行き帰りをはじめてから、帰り道の公園にいる子供たちを
親友ができたと言っては沢山連れて帰り、家にあげては物を盗まれる。
そのたびに「なぜ?」「なぜ?」を問い続けてきた。
自閉症と分かって、特別支援クラスに移動して、色んな事を訓練して、沢山の事ができるようになった。
あいさつ。マナー。仕事に対する気持ち。
研修にいけば、合格をもらい、卒業は就職も夢じゃないとまで言われるまで成長しても
やっぱり知らない親友へのこだわりからトラブルに巻き込まれてしまう。
これはお兄ちゃんのお人よしな性格が招いている事なのか。
性格なら、痛い目に合うたびに少しずつ用心深くなってもよさそうなものなのに
いつも振り出しに戻ってまた同じ事が繰り返される。
「思えばずっと同じ事で足踏みしている」
これは、性格じゃなくて、障害が引き起こしているのではないのか。
そんな疑問を持つようになった。
友達に殴られて、彼女も失って、失意の中にいたお兄ちゃんは、それからもまた公園をふらふらと
渡り歩き、そこでサッカーやバスケをやっているグループに仲間にまぜてもらってはおごらされたり
するなど小さなトラブルを引き起こしていた。
友達を探さなければ」「彼女を見つけなければ」とうわごとのように繰り返し、ネットの友達サイトに沢山登録をし始めた。
中には怪しいサイトもあって注意すると「登録だけで、メールの返事はしてないから」と言って
相手から送られてくるメールをこそこそと読んでいた。
「友達が欲しいんだ。暇なのは嫌なんだ」
「暇つぶしに友達が欲しいの?ひとりでも楽しむ事は沢山できるでしょ」
「いやっ!できない。暇が苦しいんだ」
自閉症の子どもたちは、暇な時間が一番苦痛だと言われることが多い。
仕事をしていても、お昼休みに何をしていいのか分からない。苦痛だと訴える子も多い。
だからわざわざ雑誌を用意して、自由時間に雑誌を読んだりする事を研修に加える施設も多いと聞く。
だけど、どんなに本を読んでも、偉い人の話を聞いても、暇だから公園へ行き知らない子を沢山連れてくる
自閉症の症例を説明してくれるものは見つからなかった。
なぜ?
私は、この同じトラブルのループをどうしても抜け出したかった。
このループを抜ける手がかりをつかまなければ、お兄ちゃんにとって自立は不可能だと感じた
楽しい人、自分を慕ってくれる人を名前を知らなくても簡単に信じてしまう。
社会に出れば、落とし穴は沢山ある。
お兄ちゃんはもっと大きなトラブルに巻き込まれる可能性が大きすぎる。
わたしは答えを求めてある施設を訪ねた。
そこで、お兄ちゃんのなぜを知る手掛かりをやっと手に入れる事ができた。
(つづく)